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衆院選
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今年度は各地の経産局の中小企業向け知財支援事業をお手伝いさせていただいていますが、今日はその中で最近よく考えていることを、自分の頭の整理という意味も含めてまとめておきたいと思います。 ある事業で行った中小企業へのアンケートに、次のような数字がありました。 ・ 貴社の経営課題は何ですか? ⇒ 「売上の伸び悩みor減少」が約50%で断トツのトップ ・ 知財権取得の目的は何ですか? ⇒ 約70%が「参入障壁の形成・模倣品排除」を選択 この数字は、おそらくこのアンケートに限ったことではなく、一般的なイメージにも近いものだと思います。しかしながら、よく見てみると何か不思議な部分があるのではないか。売上が伸びない原因が模倣品の流通にあるのならば、確かに「参入障壁の形成・模倣品排除」が経営課題に対して有効なのだろうけど、そんなに多くの中小企業が模倣品に悩まされているのだろうか。参入障壁そのものが売上を生
あるところで議論していたときに考えたことなのですが、これは結構重要なことかもしれないのでちょっと覚書的に。 「知的財産権を保有する企業(保有する知的財産権の価値が高い企業)は、成長性が高く、倒産しにくい」 という説について。この説については、裏付けとなるデータがいくつかあるそうで(例えばコレ)、一定の相関関係が認められるようです。 ここから、 「知的財産権を保有すれば成長性が高まる、倒産しにくくなる」 という因果関係を立証できれば、「だから知財活動に取り組むことは重要なんですよ」と、定量的な裏付けをもって説明できる。知財業界的には触手を伸ばしたくなる説ですが、現実の事業構造はそんなに単純なものではなく、正直なところ「ホンマかいな」という怪しさが残ります。 これに対して、次のようなシニカルな説明に説得力があったりします。 「それは、お金のある企業は知的財産権を保有できる、ということの裏返しに
前回の坂の上の雲で、秋山真之が海軍大学校の戦術講座の教官となり、講義を行うシーンがありました。そこで初めに受講生に対して、このようなことを語りかけます(あまり正確には再現できませんが・・・)。 「皆さん、あっしから戦術を学ぼうとは思わんで下さい。刻々と戦況が変わる戦場で、人から習った戦術など役に立ちません。自ら戦術を組み立てられる能力が必要なのです。そのためには、多くの実戦にあたり、自らその中からどの場合にも変わらない本質を導き出すことです。」 真之自身はいつも過去の実戦の戦術論集に読み耽っており、講義は実戦を想定した演習形式で行われ、それぞれのとった戦術の根拠を議論させ、そこで真之の考え方を披露していきます。 これって、知財マネジメント、知財戦略(戦術)にも全く同じことが言えるなぁと。どこかに体系的なマニュアルが用意されているものではなく、多くの事例にあたり、そこから自ら本質を見出してい
昨日から、某事業のヒアリングで中小企業2社を訪問させていただきました。いずれも‘知財活用企業’とかいった特集に取り上げられそうな研究開発型企業で、1社は独自製品の開発・販売に特化したファブレスメーカー、もう1社は特許のライセンスアウトで実績を上げている‘研究所’的な企業です。ビジネスモデルからして「知財活動は経営の根幹、システマティックな仕組みで取り組んでます」といった話が予想されたので、「貴社の知財活動の目的は?」なんてお伺いするのは今回はちょっと野暮だなぁ、などと思いながらインタビューに臨みました。 で、そのお話ですが、、いずれもかなりイメージとは異なるものでした。 1社目については、毎年コンスタントに特許を出願し、発明者も分散していることから、システマティックな発明提案制度、特許予算の確保などをイメージしていたのですが、「そういうルールは設けていない、ルールを作らないのが当社のやり方
X社の知財(特許)担当のAさん、Bさんは、X社の「知財をよくしたい」と思っている。 同じくX社の知財(特許)担当のCさん、Dさんは、X社という「会社をよくしたい」と思っている。 X社は、多くの特許出願を行ってきたものの、なかなか目に見える成果があがってこず、「余分な仕事に巻き込まないでくれ」と現場部門(発明者)の不満が鬱積してきている。 A~Dのうち、最も「知財経営を実践する知財担当」と評価できるのは誰か。 Aさんは、「彼らは知財の重要性がわかっていない」と嘆き、「発明者教育」を徹底させることにした。 Bさんは、何とか成果をあげるべく「知財の質を向上させよう」と考えて、発明の質を精査して出願案件の厳選に努めることにした。 Cさんは、自社の事業特性と特許の関係を今一度整理し、特許が有効という仮説が立ち得る分野を選別してその分野の発明者に仮説をぶつけて議論し、納得が得られた部門の仕事に集中する
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