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大谷翔平
blog.goo.ne.jp/mugi411
アイルランドにかつてマグダレン修道院という女性矯正施設があった。この名称はキリストにより改心したとされる娼婦マグダラのマリアに因んでいる。マリアは娼婦ではなくキリストのれっきとした妻で後継者だったと解釈したのが『ダ・ヴィンチ・コード』。マリアの真実は不明だが、この映画はマグダレン修道院における恐るべき内幕を暴いている。この修道院は宗教の下に刑務所以上の非人道的行為が行われていた。 時代は1964年、アイルランド、ダブリン。ちょうど同じ時期に3人の少女がマグダレン修道院に収容される。孤児だが美しさで少年たちの目を惹きつけるバーナデット、従兄弟に暴行されたマーガレット、未婚の母となったローズ…保守的なカトリックの国ゆえ、60年代に未婚のまま子供を産んだローズが白眼視されるのはまだしも、異性にモテただけで実際はまだ処女だったバーナデットや従兄弟に暴行された少女までが“性的に堕落した”と烙印を押さ
その一の続き 『The 911 Faker』にはタニア・ヘッドへの証言者が何人か登場、全員が9・11テロの標的となったニューヨーク世界貿易センターで働いていた人々並びに犠牲者の遺族だった。特にセンターで働いていた男性の証言は興味深かった。9・11犠牲者は注目されても、生存者ははじめ運の良かった人、として殆ど顧みられなかったという。大した負傷もせず九死に一生を得た男性には、「神様のおかげだ」という言葉もかけられたそうだ。 男性はこれには反発を覚えたという。自分より上階で働いていた人には何人も立派な人がいたのだし、神は関係ないと言う。この男性は助かったが職場の同僚3人を亡くしており、その想いは察するに余りある。先の東日本大震災でも、私の同僚には幸い犠牲者はいなかったが、いれば半年経ても複雑な想いは続いているだろう。 他に同僚を亡くした女性も、その場に待機するようにという指示を無視、脱出したため
先月は9・11テロからちょうど十周年ということもあり、様々な特集番組が組まれた。その中でも特に印象的だったのは、NHK BS『世界のドキュメンタリー』で放送された「偽りのヒロイン~全米を欺いた5年間」。以下は番組サイトからの引用。 -タニア・ヘッドは、世界貿易センターへのテロ攻撃で、航空機が衝突した現場より上層階から奇跡的に救出された18人のうちの一人。しかも、結婚間近だったフィアンセをテロで失った。彼女は事故のトラウマに苦しむ市民を支援するボランティア団体の中心メンバーとして活躍し、やがて“悲劇のヒロイン”として全米の誰もが知る顔となる。 2007年、ニューヨークタイムズが記事を書くにあたり、タニアのバックグラウンドを再確認しようとしたが何ひとつ裏が取れず、嘘が発覚する。テロの当時、彼女はバルセロナのビジネススクールの学生で、事件の10日後に地元新聞の取材を受けていたのだ。 タニアは生存
今月3日、作家ソルジェニーツィンが89歳で没した。文豪以外で私が初めて知ったロシア人作家がソルジェニーツィンだった。ノーベル文学賞を受賞したにも係らず、米国に亡命した事件は、子供時代の私にも異様な印象を与えた。そのため学生時代、彼の代表作のひとつ『収容所群島』を見たことがある。 だが、『収容所群島』は悪名高きラーゲリ(強制収容所)の実態を描いた本で、あまりにも暗いため、文庫本第1巻目半ばで挫折してしまった。後に知ったことだが、悲惨な内容ゆえ、読むのを途中で止めた人が少なくなかったそうだ。翻訳者の木村浩氏の解説によれば、1人でも多くの者に広く読んでもらいたいため、著者からの希望で文庫本となって出版されたという。その文庫本の1巻目の裏表紙には著者の3枚の顔写真が映っていた。逮捕前と逮捕後まもなく、数年経た収容所生活での写真であり、同じ人物がこれほど顔の表情が変化するものかと驚いた。逮捕前の端正
オスマン・トルコの17代皇帝ムラト4世(在位1623-1640年)は、煙草が大嫌いだった。この皇帝はオスマン・トルコ歴代皇帝の三分の二と同じく酒は大好きなくせに(アル中の皇帝さえいた)、煙草を目の敵にし、喫煙の風習が帝国全土に広まるのを苦々しく思っていた。同じく神学者たちも、煙草は酔わせる作用があるから酒と並び禁忌にすべきものとの見解を示していた。そこへ首都イスタンブールに大火事が起こり、原因は煙草の火の不始末と推定された。1635年のことだった。 たちまち神学者たちは皇帝をたき付け、煙草の大弾圧に踏み切らせる。喫煙者はもちろん、煙草の売買を行った者も死刑対象とされた。煙草の禁令が出て一年後には、少なくとも一万人が処刑されたと見られる。死刑囚の鼻に穴を開けてひもを通し、それに喫煙道具を結び付けた姿で大通りを行進させた後、首を刎ねる処刑だったが、喫煙の風習は一掃出来なかった。 煙草禁令が徹底
「現代(20世紀)の聖女」と謳われたマザー・テレサは、その奉仕活動でキリスト教嫌いの異教徒からも敬意を払われている。キリスト教信者数が人口の1%そこそこにも係らず、日本のマスコミがこの修道女や前ローマ法王ヨハネパウロ2世に溢れるほどの好意的報道をするのは、異様でもある。私も以前は臨終の貧者に奉仕する彼女の姿勢は見事だと思った。だが、在日ドイツ人ハウプト・ホルガーさんはHPで「マザー・テレサ、スーパー物乞い」と、痛烈に批判した記事を書いている。 キリスト教会を激しく非難するホルガーさんは、マザー・テレサにも容赦しない。「マザー・テレサは偉くない。教会の中の犯罪者の一人に過ぎない」 と一刀両断。彼女に膨大な寄付した者にハイチの独裁者デュヴァリエや、同じくアルバニアの独裁者エンヴェル・ホジャもおり、大口寄付者である彼らを支持し ていたという。詐欺を働いた米国の銀行頭取チャールス・キートンも125
中国近代文学の父といわれる魯迅は「打落水狗」、つまり水に落ちた 犬は打て、という言葉も残している。落ち目になった者に冷たいのはどの世界でも同じだが、儒教圏はそのやり口がまた冷酷だ。何しろ「死者に鞭打つ」くらい だから。偉大な文豪イコール人格者とは限らない。芸術的資質と人格はさして関係なく、ヒューマニストでもあるアジア初のノーベル文学賞受賞のインドの詩人タゴールはむしろ例外の最たる者。 名高い中国の文豪なので学生時代に私も魯迅の本を読んだが、民族性や文化を越えた普遍的な文学というより、20世紀初めの中国社会を鋭く描いた作品だと思う。 「阿Q正伝」は代表作であると共に魯迅の最高傑作とされている。主人公・阿Qの上の者には異様に媚びへつらい、下と見ると大言壮語して威張り散らすえげつなさと奴隷根性は、未だに中国人の性質に見られるのではないか。さしてこの作品が書かれた頃と変化ないようにも思われる。 「
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