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猫
hare-tetsu.hatenablog.com
レベッカ・ソルニットの『災害ユートピア』を改めて読んでいる。 災害ユートピア――なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ) 作者:レベッカ・ソルニット 発売日: 2010/12/17 メディア: 単行本 元々は「被災地をめぐる哲学対話」というシンポジウムの関連企画として、この本を読むイベントを開催しようと準備していたが、新型コロナウイルスの影響でイベントを中止することに決めた。奇しくも、今読むと色々なことを考えさせられる。 『災害ユートピア』は災害時に現れる即席のコミュニティと人々の連帯について描いた本であるが、同時に「エリートパニック」という言葉を広めたことでも有名だ。ソルニットは災害時に起こる「パニック」について以下のように記している。 地震、爆撃、大嵐などの直後には緊迫した状況の中で誰もが利他的になり、自身や身内のみならず隣人や見も知らぬ人々
いつからか、「自分には見えないものがたくさんある」と思うようになった。 例えば差別を受けてきた人や、様々な困難とともにある人から聞く体験が、表面上は理解できても、リアルに感じられないことがある。自分の何気ない発言が、知らずのうちに誰かを傷つけてしまうことがある。様々な話し合いの場に参加するなかで、自分には全く見落としてしまっていたり、存在すら感じられないものがある、ということに徐々に気づいてきた。 はじめはこれらの「見えなさ」の原因を社会に求め、その構造を探究しようとしていた。「当事者」の声を隠蔽するシステムが何かあるのだろう、それはどういうものだろう、と。しかしあるとき、この疑問は「自分にはなぜそれらが見えないのだろう?」という問いに変換しないと意味がない、とふと気づいた。そして出てきた答えはシンプルだった。 なんのことはない、それは自分がマジョリティだからである。 自分は日本人であり、
「その考えは現実的でない」 「理想と現実は違う」 このような言葉で私たちは「現実」を語りがちです。しかし、私はこの言葉を聞くたび、あるいは自分で使うたびに、何とも言えない違和感を覚えます。ここでいう「現実」とは何でしょうか?「現実的でない」ことがなぜネガティブな価値を帯びるのでしょうか。 丸山眞男「『現実』主義の陥穽」は、私のこの疑問を考えるヒントをくれました。このエッセイは1952年に出され、戦後の日本の各国との講和およびその後の再軍備をめぐる議論を踏まえて書かれていますが、その分析は現在でも通用するように思えます。 「現実」の3つの特徴 丸山は日本における「現実」という言葉の使い方について三つの特徴があるといいます。一つ目は現実の「所与性」です。「所与」という言葉は変えられない前提として私たちに「与えられたもの」というニュアンスがありますが、丸山の説明を読んだ方がわかりやすいと思います
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