俺が所属する九州の事業所内で大きい仕事があり、東京の本社の方から応援として、30代後半くらいの係長がしばらく九州に滞在することになった。 広島弁を話す彼は、とにかく仕事に一生を捧げているような人間であった。すぐに俺は圧倒されてしまった。仕事の為ならいくらでも残業できるし、その後の飲み会でも2次会・3次会は当たり前、翌日が朝8時出勤だとしても午前4時まで店で酒を飲んでいる。かと思えば翌日は7時30分には出勤してきて、涼しい顔をしつつまたバリバリと仕事をこなすのだった。 そんな感じで日々は過ぎ、大きな仕事も一段落つき、職場の人間みんなで飲み会をしようという話になった。 あとはいつもの流れで1次会……2次会……と進んでいき、最初の頃は大勢いた参加者も、次第に少なくなっていった。 2次会終了後、カバンを背負いながら「さ、俺も帰ろうかな」と気持ちを整えていたら、後ろから当時の俺の上司が肩を掴んできた