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大谷翔平
kozatori7.hatenablog.com
菅新政権において、デジタルガバメントが政策の柱になり、かつてない期待が寄せられている。政権発足後、デジタルガバメント閣僚会議は格上げされて、議長が総理大臣になる形で改組された。その下には3つの検討会が設置されている。 マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ 第3回会合 どれも年内に取りまとめをし、年明けの通常国会に関連法案が提出され、来年の秋にはデジタルガバメントの司令塔になるデジタル庁が発足する見込みだ。期待と同時に「どうせ」という声も小さくない。検討期間はあまりにも短く、検討の場は現場からあまりに遠い。さらに言えば、行政は検討したことを伝える力がとても低い。 今回、ご縁としか言いようがないのだけれど、3つの検討会全てに構成員として参加させていただくことになった。どうすれば未来につながるアクションが起こせるのか、ということについて私見をまとめてみた。正解はな
「デジタル技術によって、より良い社会が作れると思うか」という問いにYESと答えた割合。中国71%、アメリカ38%、日本22%*1。Society5.0というビジョンは届くのだろうか。 中国は2020年までに、全国民の「社会的格付け」を導入する。評価は、オンラインの購買や情報検索だけでなく、現実世界の行動(例えば信号を守っているか)もデータとして日々蓄積・評価される。 グーグルの先進的すぎるスマートシティが、地元(トロント)の反対でストップ。数年前に世界中から注目されたスマートシティ天津では、商業施設の70%、住宅の13%が空き家。 戊辰戦争150年を祝い、テクノロジーの梁山泊の様相を呈する会津がすごい。 男性の生涯未婚率は、1980年に2.6%だったのが、2020年には26.6%で、つまり4人に1人は生涯結婚しない。アメリカでは、オンラインがきっかけのカップルが全体の3分の1で、大学が職場
”おそらくもっとも驚くべき結果は、日本の位置付けだろう” とレポートで言われたように、日本はデジタルエコノミーのスコアで主要国最下位となった。この調査は、世界経済フォーラムでも記事*1になっている。。 まずスコアの要素をまとめておく。大きくは「デジタル業界のダイナミクス」「デジタル経済の広がり」「デジタル経済への信頼」の3つだ。それぞれ、統計とアンケートで以下の要素を分析している。 ・ダイナミクス:ICTセクターの強さ、専門人材の量と質、フロンティアへの挑戦 ・インクルージョン:デジタル化の広がり、デジタル関連の仕事の機会、デジタルサービスへのアクセス ・トラスト:セキュリティ、プライバシー、将来への期待 日本はダイナミクスでは6位。政府・民間のR&Dの費用、ICT業界の大きさが貢献している。しかし、インクルージョンとトラストは10か国中で最下位だ。 将来への期待が際立って低い 調査方法が
放送と通信の融合は2020年に完了 2016年がスマホにおける動画元年とNewsPicksで元旦に記事を書いたのだけれど、以来、着実にネットから放送への侵攻は進んでいる。YouTubeのアプリ利用者が3600万人というのは無料なのでまあいいとして、有料動画アプリが2017年11月時点で570万人になった。トップはアマゾンプライムの300万人で、急増しているNetflixは70万人*1。 AbemaTVは2018年6月時点で3100万人がダウンロードしていて、月平均利用者(MAU)は1000万人を超えている。広告モデルの場合は「月」の数字ではだめで、毎週、毎日のユーザーが重要。週平均利用者(WAU)の目標1000万人に対しても着実に近づいている。 放送側も、そろりそろりとネットに入っている。民放が共同で仕掛けているTVerは、2018年6月時点で、1300万人がダウンロードし、MAUは600
電子政府は2001年から国の重点政策課題とされているが、関心を持つ人はとても少ない。確かに、役場に行くことは年に数回あるかないかで、行政サービスのデジタル化が遅れていても、今日明日の暮らしにはほとんど影響がない。 ただ、顕在化しているところではビジネスのし易さについては明確にマイナスになっている。近い未来でいえば、子供の孤独など横断的な課題への対応力などで、大きな差がつくことは、下の欧州のグラフを見ると想像できる。 ここで紹介するマッキンゼーのレポート*1は欧州の電子政府の分析だけれど、日本がイケていない構造を紐解くヒントになる。さらに、いま、各自治体で官民データ活用推進計画の策定が進んでいるが、地方から突破口が開かれる可能性も示唆している。 Digitizing the state: Five tasks for national governments, McKinsey&Compan
中国人から見ると、日本の街は20世紀に見える。話題になった記事はこれだけど、日本の有識者も同じメッセージを発信しだした。最近のは例えばこれ。 ただ、もう中国アゲの記事はお腹いっぱいで、サゲの記事は食あたりしそう。 6月末時点で、世界にユニコーン企業は252社あり、8割が米中にある*1。日本はメルカリ1社。 中国の巨大未上場企業ファーウェイには、アップルを上回り、マイクロソフトと並ぶ、世界6位の開発費がある。日本企業はB2Bでしばらくいけると思っていたけど、よほど考えないとヤバイ。 ワシントンの日本大使館と北京の大使館の職員数が並んだこと。大使館には、ネットでは入手できない、現地の人間関係に根ざした情報があるが、本国の政治家や官僚にはあまり共有されていない。 1965年の米国における労働者と経営者の給与差は20倍だったが、2000年には376倍に拡大。2016年の企業による米政府へのロビイン
北京大学のエグゼクティブMBA向けの授業をやった。みっちり3時間。場所は、日本橋にある早稲田大学ビジネススクール。 彼らの優秀さに、内心舌を巻いた。中国人への授業は、15年ほど前に、同じ早稲田大学の大学院で3年ほどやったことがある。日本人では、神戸大学のMBAで6年講義していた。その体験に照らし合わせての実感だ。 大きなテーマは「成熟した経済における成長戦略」。中国は、実は2011年から労働人口が減少に転じていて、今後、急速に高齢化が進む。国の大きさは異なるが、日本を将来の中国と見立てて、議論を進めた。 具体のテーマは二つ。ひとつは、都市化と地方分散のシナリオ分析。議論の前は、圧倒的に「都市化が進む」という意見が多かった。そこで、グループを「都市化が進む」と「地方分散に転じる」に分けて、議論を戦わせた。後者のグループから挙げられた論点は3つ。 ・都市化における、環境・治安・社会保障などは、
2050年の日本の将来シナリオをグラフィックで示したその動画は、控えめに言っても衝撃的だった。日立京大ラボまで、足を運んで良かった。9月に研究成果の記事*1も出ているけれど、僕なりにここで整理してみたい。 研究チームにとって「意外だった」のは、「都市集中か地方分散か」ということが、人口問題だけでなく、財政、環境、雇用、格差、健康、幸福度が将来どうなるかを決める、もっとも大きな要素であること。 ざっくり言うと、都市集中だと財政と雇用は良くなるが、人口は減り続け、格差は拡大し、健康が悪化し、幸福度が下がる。地方分散には、いくつかシナリオ分岐があって、狭い門を潜れば、全体的に良くなるが、財政が破綻し、雇用が悪化するシナリオもある。さらに、地方分散はモータリゼーションによって環境にはマイナスだ。 どちらがいいかは、議論があるだろう。大事なのは、ふるさとの風景を大事にしたいというような心情論や、グロ
「立ちすくむ国家WS*1」に参加してきた。5月18日に、経済産業省のもっとも重要な産業構造審議会の総会で、若手官僚30人が作ったペーパー「不安な個人、立ちすくむ国家〜モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか〜」が配布された*2のは異例なことだし、その資料が100万ダウンロードを超えている、というのも異例だろう。 そう、ミリオンセラーだ。最近、とんと聞かなくなった。音楽だとAKBやEXILEレベル。それも特典目当てに何枚も買う人がいるので、そう考えると、ちょっとすごい現象だ。おきまりのパターンだが、ネットで火がつき、マスメディアが追いかけ*3始めている。 ここでは、ワークショップの状況の報告をしつつ、インパクトを生むための手がかりを考えてみたい。 <若手PJメンバーによる背景説明> 次官から「視座をあげろ」という問いかけがあったらしい。それを受けて、メンバーの一人が考えたのは「個人から”不安で
宗教や文化といった背景から、シンギュラリティやテクノロジーについて捉えること。東京大学の情報学環の須藤教授のお話から興味を持ち、仏哲学者ジャン=ガブリエル・ガナシア氏の著作*1を読んだのだけれど、正直に言えば、警世の一冊なのかとんでも本なのか、僕には分からなかった。 ガナシア氏の主張は、大きく3つある。 1. 「シンギュラリティ仮説」は科学的な根拠がない「神話」のようなもの。指数関数的な進化を、将来にわたって、あらゆるものに当てはめるのは無理がある。 2. その「神話」の源泉は、古代に西洋世界で力をもった「グノーシス主義」である。これは、いま僕らがいるのは狂った世界で、秘められた知識によって覚醒し、光の世界に回帰する、というもの(「マトリクス」の世界ですね)。 3. シンギュラリティを宣伝する米国のテクノロジー企業には、近代国家に替わって世界を支配し、新しい社会を創りあげるという政治的目的
”クリエイター”なる人たちと中学生による「横瀬クリエイティビティー・クラス」に週末参加した。言い出しっぺは、映像クリエイターで、ストーリーのある独特の作品を創る田村さん*1。彼自身も含めて海外でアワードを取るウェブデザイナーやアートディレクター、ローカルメディアの編集者、ミュージシャンなどが、中学生とチームを組んで、町の課題を見つけ、クリエイションによって、気づきや行動を起こしていく。 田村さんや彼の仕事仲間とは何度か飲んだりしているが、2日目の「制作活動」でスイッチの入った姿を見て、驚いた。課題発見のフィールドワークから、制作活動まで張り付いていた中学生達の目がキラキラしている。今回、高校2年の息子を連れていったのだけれど、ものすごい刺激を受けたようだ。「また横瀬に行く」と帰りに叫んでいた*2。 デジタル技術やドローンを駆使する彼らは、さしずめ「現代の魔法使い」だ。中学生の視点から見ると
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