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大谷翔平
kyokofukuda.hatenablog.com
気がつけば、3月も終わり。年明けから3月上旬まで、“宇宙旅行的仕事”(http://d.hatena.ne.jp/fukukm10889/20120726)をしていて、それが終わった後、しばらく虚脱状態でしたが、ようやく気を取り直して、次の年度に向けての準備を開始したところです。3月中のメモとして、印象的だったイベント1つを、簡単にご紹介したいと思います。 そのイベントとは、アカデミーヒルズで3月7日に開催された、「2人の起業家に学ぶブレークスルーを生み出す力〜既存の枠組みから飛び出し、たどり着いた地球貢献のかたち〜」(http://www.academyhills.com/school/detail/tqe2it00000j3mcv.html)。モデレーターは石倉洋子さんで、ゲストは、米国NPOコペルニクの共同創設者兼CEOである中村俊裕氏と、株式会社Piece to Peace代表の大
アカデミーヒルズ(六本木)で開催された、『ワーク・シフト』(プレジデント社)の著者、リンダ・グラットン教授の来日記念セミナーを聞きに行って来た。モデレーターは、『採用基準』(ダイヤモンド社)の著者、伊賀泰代氏。 グラットン教授の冒頭の1時間ほどのプレゼンテーションは、ここでは逐一その内容を記すことはしない。いずれ、アカデミーヒルズのサイトか、何かのメディアで紹介されることと思うが、おおむね『ワーク・シフト』の内容に沿ったものだった。 ここに書き留めておきたいと思うのは、グラットン教授と伊賀氏とのディスカッションで話題になった、「80歳まで働く時代には、どんな仕事をすべきか」というテーマ。このテーマは私にとってとても重くて、六本木から帰る1時間ほどの帰路で、ぼんやりとではあるが、ずっと考え続けた。 グラットン教授は、人生100年時代では、20代で働き始め、60歳で引退、というモデルが崩れる、
遅ればせながら、今年のノーベル生理学・医学賞を受賞された山中伸弥先生の著作、『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』(聞き手・緑慎也、講談社刊)を読みました。「中学生にも読める」と銘打たれている通り、とても読みやすい本ですが、山中先生の「発想」を知るうえで貴重な証言が詰まっています。その中から、とくに私にとって興味深かった点を3つお伝えしたいと思います。「ビジョンとハードワーク」「戦略性」「異質の組み合わせ」の3点です。 一つ目は、「ビジョンとハードワーク」ということについて。 山中先生は米国のグラッドストーン研究所で1993年から3年間研究を行っていますが、同研究所の当時の研究所長(ロバート・メイリー先生)が、「研究者として成功する秘訣はVWだ」と話されたというのです。VWはフォルクスワーゲンのことではなく、Vはビジョン(Vision)のV、WはWork HardのW。「ビ
仕事柄、企業コミュニケーション関係の本に目を通すようにしているが、そうした中で、最近、非常にインスパイアされる本に出合ったのでご紹介したい。 タイトルは「Talk, Inc.」。著者は2人で、1人は、ハーバード・ビジネス・スクール教授で組織行動が専門のBoris Groysberg。もう1人、 Michael Slindはコミュニケーション・プロフェッショナルであり、「Fast Company」誌等での編集経験をもつ。本書の主要テーマは、一言で言えば、サブタイトルとおり、「How trusted leaders use conversation to power their organizations(信頼されるリーダーは組織強化のために会話をどう利用しているのか)」。 本書のキーワードは「組織会話(organizational conversation)」である。「組織対話」としたほうが
毎年、5月のこの時期はアメリカの大学の卒業式シーズンであり、卒業生に対してビジネス界や政界のリーダーが行ったスピーチがウェブ上に公開されるのを楽しみにしています。今年は、フェイスブックのCOOであるシェリル・サンドバーグ(Sheryl Sandberg)が5月23日に、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の卒業式で、2012年の卒業生に向けてスピーチをしています(サンドバーグ自身がHBSの1995年の卒業生)。そのスピーチから、印象的な部分をご紹介します。 (サンドバーグの人となりについては、Bloomberg Businessweek(NBオンライン)の記事「フェイスブックを支えるNo.2、サンドバーグ氏の素顔」に詳しいので、そちらをご参照ください。) サンドバーグは、ハーバード大学(経済学部)でローレンス・サマーズ教授の下で学んだあと、師が世界銀行のチーフ・エコノミストになるのに伴
ストーリーテリングの第一人者である、ステファン・デニング(Stephen Denning)の著書“The Secret Language of Leadership: How Leaders Inspire Action Through Narrative”の翻訳書『ストーリーテリングのリーダーシップ』が刊行された。原著の刊行から5年近くかかっているだけあって、とても読みやすく、しっかりした翻訳である。 ストーリーテリングとは、もともとは一般名詞(「物語ること」)である。しかし、おそらくマーケティングにおける「ストーリー」が重視されるようになって以降、ビジネスの世界でも「ストーリー」や「ストーリーテリング」が言われるようになってきた。 私自身が「ストーリーテリング」という言葉を経営に関わる言葉として明確に意識したのは、ステファン・デニング、ジョン・シーリー・ブラウン、ラリー・プルザック、カ
昨日(3月9日)、アカデミーヒルズ(六本木)で開催された、「オープンエデュケーションがもたらす人材革命」と題されたセミナーに参加してきました。講師は、飯吉透さん(京都大学高等教育研究開発センター教授、オープンエデュケーションの第一人者)で、モデレーターは石倉洋子さん。 「オープンエデュケーション」とは何か。飯吉さんによれば、「オープンエデュケーションとは、インターネットが普及しつつある世界で現在進行中の、『学びと教え』を巡る素晴らしいムーブメントです。(中略)。『インターネットにアクセスできる人であれば、誰もがウェブによってもたらされた新たな学びや教えの可能性を恩恵を得られ、さらに互助的に貢献することもできる』という点が何よりも希望に満ちています」(梅田望夫さんとの共著『ウェブで学ぶ』p.11〜12)。 今回のセミナーでは、最初の1時間20分ほど、飯吉さんが、アメリカや各国の高等教育の事例
昨日(3月2日)、グリー社長の田中良和さんの講演(「グリーのグローバル戦略を語る」@東洋経済新報社)を聞きにいった。34歳とまだ若いけれど、ネットの世界のドッグイヤー(7倍速)で単純計算すると、2004年の創業以来の7年は、50年にも匹敵する。さりげなく語られる言葉は、ご自身の苛烈な体験を通ってきた言葉であり、借り物でない一つ一つの言葉に深く納得させられた。以下に、「田中語録」のいくつかをご紹介したい。 「ユニークなことをやりたい」という若い人には、「孤独な人生を歩むことになるよ」と言うようにしている。新しいことをやる、というのは、全員に否定されることをやる、ということ。 戦略で他社を出し抜こうと思っても、結果的に他社と同じ戦略になってしまうことはよくある(もともとは楽天・三木谷さんから直接聞いた言葉だそうだ)。そうしたときに、どれだけ日々のオペレーション・エクセレンスを追求するかにかかっ
筋の良いストーリーに独自のコンセプトは欠かせません。(…)すべてはコンセプトから始まる、ということです。(…)スターバックスにしても、「スターバックスはコーヒーショップですね?」に対して、ハワード・シュルツさんは「いいえ、本当のところわれわれが売っているのはコーヒーではありません」と答えるでしょう。(…)シュルツさんが構想したコンセプトは「第三の場所」(third place)というものでした。職場でも家庭でもないという意味での「第三」です。(楠木建『ストーリーとしての競争戦略』東洋経済新報社、p.263〜268) 「誰に嫌われるか」をはっきりさせる、これがコンセプトの構想にとって大切なことの二つ目です。(…)今では珍しくないことかもしれませんが、スターバックスの店内は当初から禁煙です。(…)スターバックスは忙しい人たちにも嫌われようとしています。(…)全員に愛される必要はない。この覚悟が
アマゾン創業者であるジェフ・べゾスのプリンストン大学卒業式でのスピーチが載っていたので、ご紹介したい。卒業式は5月30日、Class of 2010(2010年卒業生)に向けてのスピーチ。 まず最初に、べゾスは、10歳の頃の自分の経験から説き起こす。 べゾスは子供時代の夏休みを祖父母のケンタッキー州の農園で過ごすことが多かったが、トレーラー(Airstream trailer)での、祖父母のアメリカ各地やカナダへのキャラバンに同行することもあった。そんな折の出来事。ヘビースモーカーであるおばあちゃんがトレーラーの中で煙をくゆらすのをみて、べゾス少年はある計算をする。1本のたばこが、寿命をどれくらい(何分)縮めるか、といった内容の広告を思い出し、「1本が2分とすると、おばあちゃんは1日に何本吸うから・・・」と計算を始める。そして得意げにおばあちゃんに「1本で2分の寿命が縮むとすると、おばあち
久しぶりに、オバマの名スピーチをお届けしたい。ミシガン大学卒業式(5月1日)でのスピーチ。 http://www.whitehouse.gov/the-press-office/remarks-president-university-michigan-spring-commencement テーマはずばり、アメリカの民主主義。 The democracy designed by Jefferson and the other founders was never intended to solve every problem with a new law or a new program. Having thrown off the tyranny of the British Empire, the first Americans were understandably skeptic
「この人はプロフェッショナルだなあ」と思う人は、”山頂”を極めたあとも気を抜かない人だ。最近、そんなふうに思うことが多い。私自身はといえば、例えばAさんと一緒に仕事がしたい、と思ったときに、知らず知らずAさんに「会う」ことが目標になってしまって、会えた瞬間に安心してしまう。そして、その後のフォローがおそろかになって、いつの間にか、「一緒に仕事がしたい」という本来の目的が達成されないまま時間が経過していることに気がつく、というパターンが結構ある。ところが、「この人は本物のプロだなあ」と感じる人をよくよく観察すると、”山頂”に到達したあとも、けっして気を抜かない。そこからの粘りが、仕事の達成度を高め、アウトプットに磨きがかかる。 そんなことを思っていたら、まさにそうしたプロフェッショナルの極意について、登山家の小西浩文氏が次のように書いていた。 経験豊富な登山家が陥りやすい”落とし穴”とは、岩
3月4日から昨日まで、4回シリーズのアゴラ・セミナー「電子出版の未来」に参加してきた。 第1回 3月4日(木):佐々木俊尚(ITジャーナリスト)「電子出版の現状」 第2回 3月11日(木):湯川鶴章(TechWave編集長)「電子出版ビジネスをどう始めるか」 第3回 3月18日(木):田代真人(編集者)・蓮池曜(技術者)「電子出版の実務」 いずれも司会は池田信夫(アゴラ編集長) シンポジウム:3月25日(木)出演:湯川鶴章、林信行(ITジャーナリスト)、田端信太郎(株式会社ライブドア執行役員)司会:池田信夫 第3回の先週と、昨日は、アゴラブックスを池田信夫さんと共同でたちあげた西和彦さん(アスキー創業者)も講師として参加。各回とも、刺激的な話が盛りだくさんだったが、私にとってとくに印象深かったのは初回の佐々木さんのお話と、昨日のディスカッションだったので、そこを中心に簡単にメモしておきたい
半月ほど前に、娘の小学校での「二分の一・成人式」に出かけた。小学四年生で十歳になるので、その成長を祝うということで、最近ではあちこちの小学校で四年生を対象に、この「二分の一・成人式」が行われるらしい。娘の小学校の「二分の一・成人式」は体育館で行われたが、体育館の壁いっぱいに、四年生全員が、自分の等身大の絵を描き、思い思いの服を着せたりメッセージを添えたりしていた。等身大に描くに際しては、二人一組になって、一人が紙の上に寝転んで、もう一人が鉛筆で型どりをしたという。 そして、メイン・アトラクションとして、舞台で全員が一人一人、自分の将来の夢を語った。父母たちは「へえ」と感心したり、爆笑したり。野球選手になりたい、サッカー選手になりたい、という子は相変わらず多く、女の子ではパティシエが人気。総理大臣になりたいという子が一人もいないのが、昔と違うところか。「家族全員を船に乗せて世界中を航海したい
今日おじゃました先で、「言葉」「コミュニケーション」をめぐって、最近考えていることについてお話をさせていただいた。質問をいただいて、その場では漠とした答え方しかできなかったことなどもあり、このテーマについて考えを巡らせながら帰ってきた。その一部を、忘れないうちにメモしておきたい。 言い続けることの大切さ 企業の中において、また企業から外に向けてメッセージを伝えるときなどには、言いあきるくらい、同じメッセージを繰り返し伝えることが大事。大統領候補だったときのオバマが、「Change」「Change」と言い続けたように。そのくらい言い続けて初めて、多くの人に浸透する。 短いキャッチフレーズにすることと、言葉を尽くして伝えること 短いキャッチフレーズにすると、覚えやすいけれども、そこには細かいニュアンスはこめられない。だから、時には、あらん限りの言葉を尽くして語ることも大事。短いキャッチフレーズ
・・・それは、レイ・オルデンバーグが提唱した「サードプレイス(第三の場所)」という概念です。 「サードプレイス」とは家(必要不可欠な第一の場所)と職場(必要不可欠な第二の場所)に加え、都市に暮らす人々にとっての「必要不可欠な第三の場所」を意味します。オルデンバーグは、「サードプレイス」の代表例として、イギリスのパブ、フランスのカフェ等を挙げ、それらが自由でリラックスした雰囲気の対話を促進し、都市生活における良好な人間関係を産み出す重要な空間であると主張しています。(中略) ではパブやカフェに代表される、人々の対話を促進する「サードプレイス」とは、どのような空間でしょうか。オルデンバーグは、その特徴を「インフォーマルでパブリックな営み」を促進する場と表現しています。「インフォーマル」とは他者に強制されない、個人の自由意志にもとづく行動を意味します。また、パブリックとはひとりで行う活動ではなく
昨年の夏から、独立して仕事をするようになり、気がつけば一年がすぎている。一年がすぎた頃から、ようやく少し仕事らしくなってきた。サラリーマン(ウーマン)を辞めた理由のひとつに、「電車に乗って会社にたどりつきさえすれば、一日の仕事の3分の1くらいが終わった気になる」自分に気づき、「このままではまずい」と思った、ということがある。 実際に独立して一年と少しが過ぎて、現時点でいちばん大事だと思うことは、「面倒くさい」と思うこととの戦い、だろうか。元来、怠けものなので、その怠けものの誘惑に打ち勝つこと。そのために、私が心がけているのは、たとえば下記のようなことである。 犬もあるけば棒にあたる とにかく、とまらずに動き回ること。動いているうちに、なにか仕事にぶちあたる。 知り合いは、全部訪ね歩くくらいの気持ちで。 捨てる神あれば拾う神あり 「この人は仕事をくださるのではないか」と事前に期待していた人か
石倉洋子先生の新著、『戦略シフト』の刊行を記念した講演会(丸善丸の内店)に行ってきた。 こんなにパワフルで、高揚感あふれるメッセージを聞いたのは、いつ以来のことだろう。 以下、特に印象に残った部分をメモしておきたい。 21世紀は、「変化が当たり前」の全く新しい時代。二度ともとには戻らないので、覚悟を決める必要。 その特徴は、(1)オープン化。国境、業界、企業、組織などの「ボーダー」がなくなりつつある。 (2)力のシフト。G8からG20へ、企業から消費者へ、といったパワー・シフト。 (3)トレード・オフ(二律背反)がなくなりつつある。両極端の共存。ICTにより、世界が同質化するのではといわれたが、実際には、世界が多様であることもICTによって明らかになりつつある。メガヒットとロングテールの共存。OR(二律背反)からANDへ。 こういう時代には、唯一正しい戦略があるわけではない。AND戦略の例
人は迷わされるのが嫌いです。・・・これは町を歩いているときのような物理的空間の中で迷う場合だけではなく、説明を聞くときも同じです。・・・あなたが説明をする時も、聞き手にこんな不快感を与えないように配慮することが大切です。ちょうど団体旅行の添乗員やバスガイドさんの引率の心構えが参考になります。 たとえば添乗員が博物館の案内をするとしたら、次のような感じです。 1)まず、博物館の構造、展示の量、配置などを説明する。 2)ポイントになる展示物のところへグループを連れていく(引率)。その際、お年寄りや障害者など、足腰の弱い人の歩行速度に合わせて、ゆっくりと無理のない速度で歩く。 3)移動(引率)中は、時々振り返り、グループ全員が後をついてきているかを確認する。 4)時々、今見ている展示物が博物館全体の中のどのテーマ区画に属するのか、また、まだ見学していない展示物がどのくらいあるかなどを知らせる。
グーグル社のオフィシャル・サイトに、今年5月2日のミシガン大学卒業式でのラリー・ペイジ(グーグル共同創業者)のスピーチが掲載されている。ペイジ自身もミシガン大学の学部卒業生(コンピュータ・エンジニアリング専攻)であり、父母もミシガン大学関係者である。 そのスピーチの中ほど、夢の実現について語っている部分が興味深い。「夢を追うこと、もっと正確には、夢を実現する方法の見つけ方」(I have a story about following dreams. Or maybe more accurately, it's a story about finding a path to make those dreams real.)について、ペイジは以下のように語る。 Well, I had one of those dreams when I was 23. When I suddenly wok
岩瀬大輔さんの『ハーバードMBA留学記』(日経BP社)を初めて読んだのは、2年と少し前。少年が大人へと成長していく教養小説(ビルドゥングスロマン)のように読んだと同時に、優れたアメリカ論であるとの読後感をもった。アメリカ体験記の名著としては、『若き数学者のアメリカ』(藤原正彦著)、『アメリカが嫌いですか』(阿川尚之著)『アメリカン・ロイヤーの誕生――ジョージタウン・ロー・スクール留学記』(同)などがあるが、これらに匹敵する名著であると思う。 最近、その『ハーバードMBA留学記』が文庫になったので、改めて手に取ってみた(文庫のタイトルは『金融資本主義を超えて』文春文庫)。今回もまた、みずみずしい教養小説のように読んだが、2年前には軽く読み流してしまった、社会起業家への言及部分や、ファンド資本主義への洞察部分など、まさにいまホットなテーマが満載の本であることに気がついた。 日本に居ながらにして
ウェブの世界では8カ月前というと、大昔のような感じがするけれど、8カ月前(2008年8月)に読んで以来、ずっと意識に引っかかっているエントリーがあるので、引用しつつ、自分の頭を整理したい。 おそらくアメリカでは「パブリック」であるということは「みんなのもの」ということになるのだけど、日本では「みんなのもの」と言う時には「コミュニティのもの」を意味していて、「パブリック」という言葉は「お上のもの」という風に理解されているのではないだろうか。つまり、日本にはコミュニティの外部にある「みんな」という概念がなくて、「パブリック」という概念を本当の意味では理解してないのである。 アンカテ:安心社会から信頼社会への移行をグーグルが強制している エントリー自体は、グーグル・ストリートビューについて、山岸俊男氏の「安心社会/信頼社会」を補助線にして論じたものであるが、ここでは、グーグル・ストリートビューお
僕は考えた――希望とは本来あるとも言えないし、ないとも言えない。これはちょうど地上の道のようなもの、実は地上に本来道はないが、歩く人が多くなると、道ができるのだ。 魯迅「故郷」(藤井省三訳『故郷/阿Q正伝』所収、光文社古典新訳文庫) 魯迅の短編小説、「故郷」を締めくくる一節である。 この言葉を思い出したのは、今日、素晴らしいブログ・エントリ「限界とそして希望:日本にもシリコンバレーを!!!」を読み、深く心を動かされたから。 すでにご存じの人が多いと思うが、当ブログでもとりあげた梅田望夫さんの『シリコンバレーから将棋を観る』をめぐって、驚くべき現象がおきている。英訳、仏訳のオープンソース翻訳プロジェクトが立ち上がったのである(経緯については、梅田さんのブログの、こことか、こことか、ここ参照)。 その英語版のほうは4月29日に立ち上がって、畏るべきことに、5月5日には終わりまで到達したという。
ことし(2021年)3月に第40回土門拳賞を受賞された、大竹英洋氏の写真集『ノースウッズ 生命を与える大地』(CREVIS、2020年)のことを知り、同書を入手した。 北米大陸の北緯45度から60度、アメリカとカナダにまたがるノースウッズ地帯。“湖水地方”とも称されるほど湖が多いという。針葉樹の森と湖の織りなす静謐で峻峭な風景と、そこに生きるムースやアメリカクロクマ、オオカミなどの動物や、ハシグロアビやハクトウワシなどの鳥たち。写真集『ノースウッズ』に収録された写真はどれも、「この瞬間でなければならない」という決定的瞬間を、「この構図でなければならない」という完全な構図の中に収めた作品に感じられ、素晴らしいの一言である。撮影されたその瞬間の時間と空間ばかりか、過去から未来へと連なる悠久の時間、地球の歴史すら感じさせてくれる。 でも、今日はこの写真集でなく、大竹氏の自伝的紀行ノンフィクション
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