サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
猫
lifeischallenge.hatenadiary.jp
さて、ここからは後日談。 行方不明だったスーツケースは一日遅れで成田に届き、その日のうちに宅急便で届けられた。 日本に帰ったら、ああ、あれは夢だったんじゃないか……と、なんとも言えない虚しさに襲われそうだという予想は外れ、3ヶ月の日々は眩しい思い出というよりは日常と地続き、見えなかった扉が次々に開かれた感覚だ。 あの岩だらけの大地と崖、鳥が飛び交う大きな空とドラマチックな雲、強い風と砕け散る波、草を喰む羊や牛や馬、そして無敵な虹。 親切でお人好しでちょっぴりシャイで、人に怒られるのが嫌いで、その代わり誰のことも怒らない愛すべき自由な人々。 初めて訪れたのに、初めてとは思えない懐かしさと「生きる」ことの生々しさが細胞レベルで迫った日々は、自分の中にいまもヴィヴィッドに生き続けている。 でも、それ以上に生きているのは、アンジェラやアナンダ、アブドラやアレクシ、セシルにローラ、アドリアーノ……ら
馬が走るのを見るのが単純に好きだ。 清く気高く、永遠で刹那。ただ、走っている姿に胸打たれる。 アイルランドでは、年に一度だけ、海岸を走るレースがあると言う。 イメージしただけで涙が出そう。海と馬。それだけで絵になりすぎるじゃないか。 というわけで、行ってきました、Laytown Strand Races。 授業が終わってDARTに乗って、コノリー駅で乗り換えて50分。英国支配を決定的にした古戦場の舞台として知られるドロヘダの手前のひなびた駅、レイタウンへ。 中年男性もおめかししたレディも、杖をついた紳士も子どもたちも、みんなが海岸目指して歩き出す。 道沿いにあるパブは大繁盛。みんな手に手にギネスやラガーを持って、大きな声でお喋りしている。 なんか食べたいと言う娘を、会場にはスナック類があるはずだから、と宥め、とにかく海岸へと急ぐ。 設営の様子も見るといい、と松井ゆみ子さん(写真家で料理家。
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『lifeischallenge.hatenadiary.jp』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く