負の歴史にどこまで迫れるか。旧優生保護法(1948~96年)下での強制不妊手術をめぐり、調査結果をまとめた“当事者”の一つが日本精神神経学会だ。その担当委員を務めた、岡崎伸郎・国立病院機構仙台医療センター総合精神神経科部長は「精神科医は自らの業界の暗部に向き合う勇気を」と呼びかける。【聞き手・上東麻子】 6年をかけた調査と謝罪 日本精神神経学会は、優生施策の中で精神科医が実務を担う重要な役割を果たしていたとして、「強制不妊手術を受けた人々の生と人権を損ねたことを被害者の方々に謝罪」する声明を出した。また優生保護法下における精神科医療と精神科医の果たした役割についての調査結果を公表した。調査は約6年かけて法委員会が担当し、私も委員として携わった。 調査では①精神科医の優生施策への関与の歴史的研究②公文書やカルテから優生保護法への精神科医の関与の実証的研究③会員へのアンケートなどを行った。 無