トランスジェンダーの研究をする倫理学者の高井ゆと里さん=前橋市で2024年10月3日午後5時27分、加藤栄撮影 札幌市内に住む性同一性障害の当事者2人が戸籍上の性別を変更するよう求めた家事審判で、札幌家裁が特例法に定められた変更のための外観要件を「違憲」と判断し、19日付で性別変更を認めた。倫理学者でトランスジェンダー研究をする高井ゆと里さんに見解を聞いた。【聞き手・谷口拓未】 今回の札幌家裁の判断は当事者にとって大きな前進で、意義がある。 女性から男性、その逆の2例で、性別変更の要件を定めた特例法の5号規定(外観要件)を違憲としたが、2004年の特例法施行後、女性から男性への性別変更ではホルモン療法を要求し続けていただけに、たくさんの人が救われる。 当事者の世界ではホルモン療法なしでも男性として生活している人がいるのは常識だ。 誰の目にも明らかなことを明示した札幌家裁は評価できるが、判断