ペットを飼うと心身が癒やされる。近年は健康・福祉面のメリットが知られるようになってきた。では、その中でも飼っている人が多い犬と猫で、得られる効果は違うのだろうか。 自身も愛犬家の国立環境研究所の谷口優主任研究員(老年医学)は、伴侶動物が高齢者の健康に与える影響を調べている。「結論から言うと、犬と暮らしている人は、犬がいない人と比べて体が弱くなりにくく、認知症にもなりにくいことが研究で分かった」という。 谷口さんらが東京都大田区在住の65歳以上の高齢者約1万1000人を2016年から4年間追跡調査した結果、犬を飼育している人は、していない人と比べて、認知症の発症リスクが40%も低かった。 また、さらに約6200人を2年間調べて、筋力などの機能低下を示す「フレイル(虚弱)」の発症リスクを見たところ、犬を飼っている人はリスクが約20%低かった。 では、猫と暮らす人はどうか。同じ調査で猫の飼い主に