気鋭のマクルーハン研究者である、ポール・レヴィンソンが1999年に出版した、『デジタル・マクルーハン』(NTT出版, 2000)。若干の私見と最新動向を交えながら、そのエッセンスを紹介しておきたい。現代のメディア論を理解する上で、いまでも基本的な文献だと思われる。 レヴィンソン氏は、ニューヨーク大学で「メディア・エコロジー」を学び、博士号を取得している。したがって、メディア・エコロジーの視点から、マクルーハンを解説し、それをデジタル・メディアに応用したのが本書だといってもいいだろう。 本書は15章から構成されているが、各章は、マクルーハンの唱えた有名なキャッチフレーズや法則について、わかりやすく解説するとともに、それをデジタル時代に読み替えたものとなっている。では、第3章以下、章ごとに内容を紹介していきたいと思う。 メディアはメッセージである いうまでもなく、これはマクルーハンの理論でもっ