【江川紹子の事件簿】川崎市中一殺害事件 江川紹子氏 【3月5日、mulan=東京】 ■少年法改正論議は有効か? 本当に痛ましい事件だ。川崎市の中一殺害事件のニュースが報じられるたびに、上村遼太君のあどけない笑顔の写真に、胸が詰まる。 気温約5℃の寒い夜に、裸にして川で泳がせ、首を大型カッターで切りつけて殺害するという手口の残忍さには、本当に慄然とする。そうした被害者への同情と加害者への怒りが相まってか、容疑者の少年3人が逮捕されるや、「少年法を改正すべきだ」との声も上がっている。このような悲惨な事件への対応として、少年法改正論議は果たして有効なのだろうか。 先鞭を付けたのは、自民党の稲田朋美政調会長だった。3少年が逮捕された2月27日、次のように述べた。 「犯罪を予防する観点から、今の少年法の在り方でいいのかは、これから課題になる」 「少年が加害者である場合は(報道などで)名前も伏せ、通常