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大谷翔平
ogawalaw.hatenablog.com
さて今回からは,いよいよ皆さんが一番気になるであろう「報酬」について語ってみる。 弁護士報酬はなぜ高いのか 弁護士報酬は高いというイメージがあるだろう。 実際、個人の財布からすんなり出せる金額ではない。会社であっても,弁護士報酬の見積り額に困惑することがあるだろう。これはどうしてなのか、そしてどういう報酬体系があるのか、そして弁護士選びに際して報酬をどう見極めればいいのか、この辺を今後何回かに分けてお話ししよう。 今回は,弁護士報酬が「高い理由」について分析する。 オーダーメイドだから。 弁護士報酬が高く見える理由を一言で言えば,「オーダーメイドだから」だ。根本的にはこれに尽きる。 大量生産できない 大量生産できる消費財であれば安くすることもできるが、弁護士の仕事は,普通、大量生産できない。訴訟事件や調停事件は、早くて半年、普通にやって一年以上かかる。この間、弁護士自ら法的なアイデアを考え
こんな事件報道があった。 なぜ今時の弁護士は依頼者の金を着服するのか? 実に嘆かわしいことだが、昨今、弁護士が依頼者の金を着服する事件が相次いでいる。弁護士は他人の財産を預かる仕事だから、銀行なみに高額の金銭を保管する場面が多い。冒頭掲載の件も、またかと思わされる事件だ。本当にいいかげんにして欲しい。 国も弁護士会も銀行もチェックしているわけではない 弁護士の預かり金は、原則として誰からも個別にチェックされていない。 破産管財人が管理する預金口座(高価品保管口座)など、一部は裁判所によって多少チェックされているが、少なくとも個別の依頼者からの預かり金は誰もチェックしていない。だから、弁護士が横領しようと思えばやりたい放題だ。つまり専ら弁護士の良心に委ねられているというのが現実だ。 これを弁護士の良心だけではなく、業界的に何らかの監督や保証を施すべきだという議論はあるが、ともかく現状はそうな
今日は少し雑談をしよう。テレビや映画の法廷ドラマ・法曹モノの話だ。 見たことのある法廷ドラマ 僕はテレビや映画の法廷ドラマ・法曹モノを殆ど見ない。 これまでまともに見たことがあるのは、高嶋政伸さん(弟の方)が主演した「都会の森」と、織田裕二さんが主演した「正義は勝つ」、あと豊川悦司さんが主演した「弁護士のくず」、いずれも弁護士が主役のドラマ。片岡鶴太郎さんが家庭裁判所の裁判官役で主演した「家栽の人」。それから痴漢冤罪事件を扱った周防正行監督の映画「それでもボクはやってない」。この5つくらいだ。 ・・・あ、結構見てる。 法廷ドラマって背中かゆくなる 法廷ドラマってたくさんあるから、5つなら少ない方だとご容赦頂きたい。法廷ドラマに限らず、医師とか刑事とか、こういう専門職モノって頻繁にドラマの題材になっている。しかし、本職から見ると、もうむずむずするものが多い。これが、滅茶苦茶でどこのパラレルワ
よく尋ねられる質問だ。 弁護士はあるときはヒーロー、あるときは悪役になる。特にマスコミがそのように報道する。以前、読売新聞社説に、こんな記事が掲載されていた。一部抜粋する。 【秋葉原事件死刑 理不尽な凶行が断罪された(読売新聞社説)】 2008年6月に東京・秋葉原で7人が殺害され、10人が重軽傷を負った無差別殺傷事件で、東京地裁は殺人罪などに問われた元派遣社員の被告(28)に、求刑通り死刑を言い渡した。・・・(中略)・・・ 昨年1月の初公判以来、公判は30回に及び、出廷した被害者や遺族らは42人に上った。被害者らの多くの供述調書について、弁護側が証拠採用に同意しなかったため、法廷での証言により事実を認定する必要が生じたのだ。つらい記憶を呼び戻して証言しなければならない被害者や遺族の立場を思えば、弁護側の手法には疑問符が付く。裁判官にも厳格な訴訟指揮を期待したい。 弁護のあり方への批判 この
前回予告では、ヤメ検・ヤメ判について語る予定だったが、面白いニュース記事があったので、今回は予定を入れ替えて、弁護士会長・副会長などを務める弁護士についてお話ししてみたい。つまり、弁護士会長や副会長などの役員は、弁護士として凄腕なのか、事件処理を依頼するための加点事由になるのかだ。 全弁護士が爆笑した! 先日、こんなウェブニュース記事が掲載された。 これは、東スポWebの記事だから、ネタ的な部分は差し引いて考える必要がある。それにしても、ここに書いてあることが、世間一般の感覚に近いだろう。 この記事に全米が泣いた! じゃなくて、全弁護士が爆笑した! 一般人なら笑わずに凄いと思いそうなところ この記事で、世間一般の人が凄いと感じそうなのは、次の部分だろう。 「三船側に日本弁護士連合会(日弁連)元副会長の辣腕弁護士がついた」 「三船が法廷に送り込んだのは、やり手の辣腕弁護士だった。日本全国の弁
さていよいよロングラン予定で連載を開始する「弁護士の選び方」。 初回は検索サイトと弁護士について語ってみよう。 検索サイト上位の弁護士がいいのか? 身近に弁護士の知り合いがいる人は多くないだろう。そうすると、弁護士を探したいという事態になったとき、口コミの紹介以外に頼りにするものとしては、インターネット検索ではないだろうか。グーグルやヤフーでキーワードを入れて検索して見つけようとするわけだ。 そうして出てきた検索サイト最初のページに出てくる弁護士や法律事務所。つまり検索サイト上位の事務所、これは、果たして頼りになるのだろうか? 実は必ずしもお薦めできない 検索サイト上位の弁護士や法律事務所の中には、広告宣伝費にお金をかけているところがある。大手企業並みにお金をかけてあちこちに登場したりしている。そういう弁護士や法律事務所が優れているのだろうか。実は必ずしもお薦めできない場合がある。 普通の
久しぶりの投稿だ。フェイスブックにはほぼ毎日、ツイッターにも細々と投稿しているんだけれども、まとまった文章でブログを書くとなると、どうも慎重になってしまう。その結果、ブログで話題にしたいなあと思いつつ、より手軽なフェイスブックなどに書き散らすだけで終わってしまう。 今回は、弁護士を志す諸君へというタイトルで、実は自戒も込めて後輩諸君にちょっとばかり弁護士の気構えを講釈たれてみようと思う。今日、フェイスブックで話題になった内容だ。 敗訴知らずの弁護士は優秀なのか? 「裁判で負けたことがない」と喧伝する弁護士は、素人目にはなんだか凄そうに見える。実際、ドラマや映画などでは、負け知らずのヒーロー弁護士(または敵役弁護士)がしばしば登場する。裁判をゲーム的に捉えると、負け知らずというのは弁護士にとって優れた要素に見える。 しかし本当にそうだろうか。 裁判には必ず勝ち負けがある 裁判は、最後には判決
前回は、弁護士を選ぶ際に、弁護士の学歴はあまり気にする必要がないという話をした。今回は、弁護士の経験年数についてお話ししてみよう。 やっぱり気になる経験年数 冒頭申し上げたいことは、経験年数のある弁護士が優れていて、経験年数のない弁護士がダメだと伝えるつもりはない。この点、くれぐれも誤解ないようにしていただきたい。 しかしそれでも、やっぱり、弁護士選びに際して、弁護士の経験年数が気になる人はいるだろう。弁護士は職人だから、経験がものをいうことは否定できない。「経験年数」ではなく、「経験値」なんだけれども、その経験値の一判断要素として経験年数は大きい。 新人弁護士の経験値 ところが、新人弁護士に近いほど、ウェブなどで自分の経験年数(登録年度・修習期など)を明示していないことがある。おそらく依頼者に、新人だからと不安を持たれたくないのだろう。 あくまでも個人的な感覚だが(そしておおかたの弁護士
前回のブログ 前回のブログ「弁護士の選び方(21)・・・弁護士の「交渉」にどこまで期待できるのか?(対弁護士)」では、弁護士の交渉による解決に過剰な期待は禁物だと述べた。それでも、裁判のプロによる弁護士同士の交渉には合理的な解決が期待できる場合も多いとも述べた。 今回は、弁護士同士の交渉ではなく、一方に弁護士が就いていないケースでの交渉(相手方本人にこちらの弁護士が交渉する場合又は相手方弁護士と当方本人が交渉する場合)についてお話ししよう。 相手方に弁護士が就いていない場合(相手方本人vs当方弁護士) 相手方にまだ弁護士が就いていない一般人の場合、こちらが弁護士を就けると有利な展開になるかどうかは、ケースバイケースだ。 というのも、こちらが弁護士を就けて交渉に臨めば、それで驚いて降参する相手方本人もいるだろうし(多いか少ないかというと経験上多くはない)、かえって闘志を燃やして抵抗してくる相
司法制度論に関しては、突出しておかしな社説が多い日本経済新聞だが、久しぶりに凄いものを見た。 「5年の経験生かし開かれた裁判員制度に 」(日経新聞 2014/5/26付) 以下、引用する(原文はこれ)。 『刑事裁判に市民が参加する裁判員制度が始まって、5年がすぎた。今年3月末までに4万9434人が裁判員や補充裁判員に選ばれ、計6396人の被告に対して判決を言い渡した。 制度はおおむね順調に定着しつつある。だが裁判員の辞退率が6割台に上ることや、守秘義務が厳しすぎて経験を広く共有できないことなど、課題も多い。 新たな問題として注目されているのが量刑の判断だ。裁判員制度が導入されて、性犯罪や児童虐待を中心に従来より重い判決が出るようになった。検察官による求刑を上回る判決も増えた。 ・・・(中略)・・・ 裁判員制度は裁判官、検察官、弁護士という司法のプロだけで完結していた裁判に民主的なコントロー
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