ガリア戦記 (岩波文庫 青407-1) 作者:カエサル岩波書店Amazon 7年にわたるガリアでの戦闘の記録。淡々と客観的に描かれており、カエサル自身について語るときも、「わたし」ではなく「カエサル」と三人称が使われる。 弁論にも長けていたと言われるが、文筆家としても一流で、『ガリア戦記』を読む人はただ単に歴史を研究するのではなく、その簡潔な文章術をも学ぼうとする。冒頭の一文は、古典教育が盛んであった頃であれば、皆かならず暗記していたものである。 ガリアは全部で三つに分かれ、その一にはベルガエ人、二にはアクィターニー人、三にはその仲間の言葉でケルタエ人、ローマでガリア人と呼んでいるものが住む。(1.1, p.23) Gallia est omnis divisa in partes tres, quarum unam incolunt Belgae, aliam Aquitani, ter