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大谷翔平
skasuga.talktank.net
Twitter 用に書き始めたけど、やたらと長くなったので、とりあえずこちらに。 1, デモ問題が盛んに議論されているが、たぶんこういうふうに問題が紛糾する原因の一つは、デモの機能とメタ機能が食い違っていると言うことがあるのかもしれない。 デモの機能は第一には「民意」の顕在化である。通常、人々の政治的意見は二つの極端な意見の間のどこかにプロットできる(ものとする)。 この場合は「原発は何が何でも全て再開・増設」対「全ての原発を即時廃炉」というものであり、その間に条件付き再開から条件付き廃炉まで色々な意見が分布しているわけである。 で、おそらく人々の意見は二つの極に張り付いて対立するのではなく、その中間に分布しており、大きく見ればその分布には二つの山(どちらかといえば再開派とどちらかといえば停止派)があることになるだろう。 また、政府の方針も、この二つの極の間のどこか、一般的には「二つの中間
「緑のテーブル」などの主催によるスウェーデン緑の党である「環境党・緑」創設者ペール・ガットン氏との交流会に出席。当初は通約をやらされそうだったのだが、そこは(大阪外大のスウェーデン文学研究者が協力してくれたことなど)諸般の事情により免れることが出来た。ただ、手元にメモはつくってしまったので、せっかくだから概要を報告。 以下、簡単なまとめ。 ▼緑の党の結成 ガットン氏は若い頃は20年にわたり自由党のメンバーであり、個人の自由を重視するという立場であって、決して計画経済の支持者ではなかった。1979年に自由党から議員になるが、1980年に原発問題が勃発、原発導入に積極的だった自由党に疑問を感じて程なく議員辞職、環境政党の設立に動き出した。 スウェーデンでは原発が国民投票にかけられたが、単純なイエス・ノーを問うものではなく、3つの選択肢が用意された複雑なものであった。ひとつは保守政党が準備した、
【書評】『サイバネティクス学者たち :アメリカ戦後科学の出発』 [購入] スティーヴ・J・ハイムズ著 忠平美幸訳発行年月:2001.01 出版:朝日新聞社 ISBN:4-02-257565-4 価格: 3200円+税 ※STS Network Japan News Letter Vol.11 No.4(通巻No.41) 2001.3. 9p.-10p. [LINK] 戦後アメリカで行われたメイシー会議(通称サイバネティクス会議)については、多くの論者がその重要性を指摘するところであるが、体系的な研究はあまり多くない。これは、ひとつには文理を横断した分野にわたる多くの参加者の来歴、思想や知識を理解し、記述していくことの困難さに由来するだろう。しかし、文末に掲げられたメイシー会議参加者のリストを見ればすぐに理解できるように、サイバネティクス会議の参加者は、ゲストまで含めると、まさに戦後アメリカ
基本的に昨日の記事ヴァンダナ・シヴァの主張について あるいは「合理的な反科学」はあるか、という問題の続きですが、主に幻影随想: 「ビタミンAがなければ、リンゴを食べればいいじゃない」byヴァンダナ・シヴァ へのコメントということで書かせていただきます。 論点はまったく一緒で、人類の未来については様々な予測とその対策があるかと思いますが、論敵の「不合理性」をことさら強調するような議論の仕方は感心しない、ということです。 もちろん、幻影随想ブログがニセ科学問題について熱心に活動されていることには敬意を表しますが、社会経済的な合理性の問題は、もう少しだけ枠を広げて考えないと、問題の解決は難しいのではないかということも申し上げておきたいと思います。 (つまり、なぜニセ科学やニセ医療が間違っているかは科学的な問題でいいかもしれませんが、なぜそれらが信頼されてしまうかという問題は、正しい科学や医療が正
Domon blog -Formerly known as Dog year's blues-: 不作為による危害に責任はないのか?という記事からヴァンダナ・シヴァ氏を紹介した拙稿にリンクを付けていただいたようです。 今年2月の記事で、ややタイミングを逸してしまったかもしれませんが、気がついたのが最近と言うことで、急ぎ、コメントを書かせていただきます。 ブログのような主張はサイエンティストに一般的なもののように思われますが、背景には「我々は科学を知っている。一方で、彼らは非合理な野蛮人であり、行動や主張に合理性があるわけがない」という憶見があるように思われます。 本記事で、別にヴァンダナ・シヴァらの主張を支持するようになれと説得するつもりはありませんが、自分とは立場の異なる人々の主張にも、一定の合理性があるという前提で解釈してみようとすると、世界はだいぶ広がるんじゃないか、という主張はさせ
YouTube内部に、各種メディアで活躍する一流のジャーナリストたちが市民がジャーナリストになるためのノウハウを大公開したサイト、YouTube Reporters' Center!ができた。 http://www.youtube.com/reporterscenter 個々のビデオは短いもので、これを見たからすぐジャーナリストになれるというものでもないかもしれないが、実際に始めようとしている人にはヒントになるし、たぶんなにより一般の人々が言論の自由を行使することを鼓舞する効果が期待されているのだろう。 技術的には、とにかく携帯のデジカメでもあれば、あとはブログやTwitterですぐにでも「ミニメディア」が創れる時代である。 政治家の発言やメディアの「事実度」をチェックするサイト、 PolitiFact がファクトチェックの方法を教えてくれる。 もちろん、「公式の統計にあたろう」とか「当人
STS関連書籍のリストです。 解説などが未だ不完全なので、暫定公開です。 そのうちオススメ度なんかもつけてみようかなぁ、と思っていたりします。 この本が抜けている等の情報も是非お願いします。 STS/科学論の基礎 科学の哲学、認識論 科学技術政策とリスク 科学の歴史、社会との関わり 研究と高等教育、公共サービス 組織、経済、経営 環境(人口、食料と第一次産業) 生命科学、医療と倫理 環境(エネルギーなど) 情報技術と情報化社会 [TOP] ▽STS/科学論の基礎 ・『科学論の現在』 2002 金森修, 中島秀人(編) 勁草書房 内容は以下の通り。 科学知識の社会学/実験室の人類学/テクノロジーの社会的構成/科学教育/科学コミュニケーション/科学政策論/論争する科学(レギュラトリーサイエンス)/実験装置の科学論/科学のカルチュラル・スタディーズ ・『科学・技術と社会―文・理を越える新しい科学
今回、10日程度ですが、南インド4州の一つ、ケララ州を訪ねてきました。 主要な目的は水問題についての調査なのですが、その中でケララ全体についても当然、ある程度は目に入ってきたというのもありますので、そのあたりを含めてご報告します。 たぶん、調子がよければ3回シリーズぐらいで… 「椰子の国」を意味するケララは、その名の通り南国情緒溢れる風光明媚な観光地であり、ゴアほど有名ではありませんが、南端近くのコヴァーラム・ビーチなどは海外からも多くの観光客を集めてきた。 しかし、それ以上にケララは、いくつかの点で特別な地域として知られている。 自然科学者であれば、異常に高い放射線値を示す海岸線が思い浮かぶかも知れないし、歴史学者はバスコ・ダ・ガマがたどり着いた地として記憶しているかもしれない。 あるいは、原始キリスト教時代に聖トマスによって布教が開始されたという、長いキリスト教の歴史を思い出すかもしれ
You're too young to lose it. But You're too old to choose it. And the clock waits so patiently On your song. - David Bowie "ROCK'N'ROLL SUICIDE" 大学院生というのは世間から見ると不思議な存在であるらしく、どういうふうに生活しているのかと聞かれることが多い。そこで一ヶ月の生活(主に経済面)について、しばらく前に書いてみたものが以下の文章である。親がかり、社会人、苦学生など、いろいろな大学院生の生活があるので、一般論は難しいが、一つのサンプルになる…であろうか? 書いては見たものの、ちょっと公開するのをためらっていたところもあるのだが、最近研究問題メーリングリスト「NPO法人化プロジェクト」などで、院生の生活に関する部分が議論になることが多かったので、
いろいろありまして、久々のブログ更新です。 現在、サイコムで、大学院ガイドを編集作業中であったりする。大学院進学を考えている人必読の書にしたいと思っているわけである。で、そこで一章、日本の大学院が置かれている歴史的な状況を解説する章をつけたいと思っていた。というのも、博士の失業率が高く、「余剰博士」という言葉まで登場する昨今、大学院に進学することが自分にとってどういう意味を持つかの検討なしに進学することはお勧めできないからである。といって、大学教授たちも先輩院生もあまりそのあたりのことを把握しているとは言い難いし、政府が十分な説明責任を果たしているというわけでもない。そこで、世界的に、あるいは日本において科学技術や大学院教育の持つ意味を若干なりと検討してみたいと思った次第である。 しかしながら、残念なことにさまざまな制約から人様にお金をいただけるようなレベルのレポートは作成できないと思われ
くだんのデモで逮捕された人々も釈放されたと報告があり、8月2日には「G8サミットを問う連絡会北海道行動報告集会」(@文京区民センター)も開催されると言うことで、一応G8騒ぎも収束の方向といっていいと思う。 G8に対する対抗アクションを評価する際、もちろん意思表明は重要なのだが、それ以上にサミットやWTO閣僚級会議などにかこつけて、世界の各地から問題を抱えている人々(やそのエージェントとしての社会運動体)が集まってきて、情報交換や意見交換が行われることも重要なのだと考えたい。 ちなみに、最近はそういうイベントを「オルタナティヴ・フォーラム」とか「オルタナティヴ・サミット」などと呼ぶ。もちろん「サミット(頂上)」ではなくむしろ平原であるべきなので、私は前者の呼び方のほうが好きである。 そういうなかで今回もいくつか、私にとって大変参考になる、貴重な出会いがあったと思っている。 中でも興味深かった
「札幌デモ(チャレンジ・ザG8 市民ピースウォーク7.5)で逮捕者…について」がやや言葉足らずだったとおもうので、少し補足します。 1)何故、逮捕者が出たのか? 今のところ、逮捕はあらかじめ予定されていたものである可能性が高いと思っています。 もちろん、私自身が一般市民より多くの情報を持っているというわけではない(まぁ、多少はマシかな、ぐらいな)ので、確かなことは言えません。 ただ、DJの逮捕に関して、デモ申請の時はDJ一人としていたのに、交代のためにもう一人が荷台に乗り込んだ瞬間に「二人乗った」ということで逮捕されたと言うことのようですから、まぁ、狙っていたと考えるのが妥当でしょう。 また、先のエントリーで示したように逮捕者を出すとしたらサウンドデモ・エリアだ、という配置に最初からなっていたのは明らかなように思われます。 では、何故逮捕者を出したいのか、ということです。 それは第一に、逮
ちょっと社会運動づいたので話題転換を… 毎日新聞に「採用活動:青田買い『学びを奪う』 企業に是正求め、国大協など要請」という記事が出ていた。 同記事によれば、 企業の採用選考活動の早期化が大学・大学院の教育に悪影響を及ぼしているとして、社団法人国立大学協会と公立大学協会、日本私立大学団体連合会は9日、日本経済団体連合会など全国140の業界団体や企業に是正を求める要請書を出した。国公私立の大学組織が連名でこうした要請活動をするのは初めて。 要請書は「採用活動の早期化は国際的に見ても異常な状況。貴重な学びの時間を奪っている」と指摘。▽卒業年の当初やそれ以前の採用活動を厳に慎む▽可能な限り休日などに(活動を)実施し、大学の教育を尊重するーーことなどを求めた。 ちなみに国大協のプレスリリースも出ている(意外と偉い。そういうことはさぼりがちな組織かと思っていたので見直しました)。 ちなみに毎日新聞の
▼AAAS関連記事リスト ・AAAS年会報告 その1(1、2日目) ・ AAAS年会報告 その2(3日目) ・AAAS年会報告 その3(4日目。評議会々合)※この記事です。 ということで、4日目。 いろいろあったのですが、眼目はAAASの評議会ミーティング。 クローズドで行われる部分と、オープンで行われる部分があるようなので、オープンの時に行ってみました。 オープンだからといって、単純に説明責任の体裁を整えるために行われているのでもなく、それなりに実質的な議論が行われていると言えそう。 最初からいたわけではないので、すべての議題を見ているわけではないが、AAASのとしての事業報告の他に、ブッシュ政権と科学技術予算、科学と人権といった問題が扱われている。 特に、人権についてはかなりの時間が割かれたという印象。 AAASの正式名称が American Association for the A
▼AAAS関連記事リスト ・AAAS年会報告 その1(1、2日目) ・ AAAS年会報告 その2(3日目) ・AAAS年会報告 その3(4日目。評議会々合) ーーーーーーーーーーーー ちょうど4日目が終了したところですが、とりあえず3日目の報告。 朝一番に"Advocacy in Science: Oppotunities, Limits, Responsibilities, and Risks"というシンポを見る。様々なジャンル(自然科学だけではなく、心理学や環境史など)の専門家団体がどのような問題について、どういうふうに議論しているかの実践報告。 ブリティッシュ・コロンビアの林業について、同地域の環境史団体が提言を行った、という話などが興味深い。 終わりまで見ずに、"Anternative Careers in Science, Technology, Engineering, and
文化人類学関連書籍のリストです。 解説などが未だ不完全なので、暫定公開です。 そのうちオススメ度なんかもつけてみようかなぁ、と思っていたりします。 この本が抜けている等の情報も是非お願いします。 教科書、入門書と辞典 古典 人類学の危機 ポスト植民地主義、ポスト・マルクス主義、抵抗論とサバルタン研究 政治人類学とポスト・モダニズム 経済人類学 認知 医療 隣接分野 社会学編 隣接分野 歴史編 人類学前史 グローバリゼーション 運動 [TOP] ▽教科書、入門書と辞典 エライ人類学者はそれぞれ教科書を書くことが(たぶん他の分野に比べて)多い。で、内容はバラバラ(社会学のギデンズや経済学のサミュエルソン(上)、(下)に相当するような定番がない)。いかに「人類学とは何か」という合意がないかが判る。幾つか読み比べてお気に入りを探すべし。 ・『文化人類学事典』 (縮刷版) 1994 石川栄吉 梅棹忠
先日、『地球の歩き方』への投稿が掲載された話をご紹介しました。 投稿の内容は世界的に有名な環境活動家であるヴァンダナ・シヴァ(Vandana Shiva)氏の活動に関わるものでした。 そこで、シヴァ氏が来日したときにつくったパンフレットに掲載した紹介文を載せておきます(まぁ、ちょっと時間も経ったし、いいでしょ)。 ちょっと古くなっていますので、書誌データなどは若干、アップデートしていますが、文章は原則として書いたときのままです(ただし、パンフレットにする時点で編集が入っていたと思いますので、文面はちょっと違うかもしれません)。 どうでもいいけど、『エコ・フェミニズム』はいつまでたっても「近刊」だなぁ(笑。 略歴: 世界的に著名な思想家にして環境運動家。インドの首都ニュー・デリーを拠点に、科学・技術とエコロジー研究財団、ナヴダーニャ 、 多様性のための多様な女性、等の運動を主宰。1993年に
昨日の日記「彼らが釣り竿を持たなかったのではない。我々の驕慢が彼らの釣り竿を打ち砕いたのだ」で扱ったホワイトバンド・ブログの記事 「魚ではなく釣竿をあげる。」は削除されたようです。 「ほっとけないキャンペーン」事務局の某氏から「チェック不足だった」というメールもいただきました。 まぁ、とりあえずここは良かった(削除という方法が適切かは兎も角)ということにしておきましょう。 しかし、やはりNGOサイドと、サイトをつくっている広告代理店サイドで、だいぶキャンペーンの方向性に関する認識に差がある上に、「ホワイトバンド・ブログ」などのインターフェイス部分は基本的には広告代理店が握っている、ということのようですね。 ちょっとそのあたりはどうにかした方がいいというか、どうにかならないものか、というか…。 アンチ・ホワイトバンド層にもおそらく4段階あって、 1)「市民による政策提言」にそもそもアレルギー
今日のホワイトバンド・ブログ「魚ではなく釣竿をあげる」の主張はあまりに非道い。 ほっとけない・キャンペーン全体やホワイトバンドの販売方法に問題があるのは事実ですが、年間予算規模100億円を超え、法律や経済の専門家を抱える欧米のNGOと、基本的にはシロウトの集まりで専従も満足にいない日本の運動とに同じクオリティを期待されても、と思っていました。 しかし、今日のブログがホワイトバンド・キャンペーンの基本思想を表したものであるなら、私はこの運動は支持できないし、国際的なGCAP運動の一端を担うものとしてもまったくふさわしくないと言わざるをえません。 ブログ曰く 小麦粉をあげる。 作り方を教える。 パン工場をたてる。 そして作ったパンを売る。 そのお金でまた小麦粉を買う。 つまり、ずっと続けていけるシステムをつくることは、 100個のパンをあげるよりもずっと効果的で、発展性があるんです。 これはI
ホワイトバンドを巡る議論がかなり混乱しているようなので、ちょっとまとめに挑戦。 さらっと書こうと思ったのですが、書けば書くほど書かないと行けないことが出てくる感じで、とりあえず1/3ぐらい。 日本国内についてや日本とアフリカの関わりについては、書ければまたもうちょっと書きますがとりあえず「GCAPって何?」ってあたりをまとめてみました(コメントがいっぱいつくともっと書く気になるかも、と言ってみるテスト)。 ちなみに面倒な人は結論だけ読むのも可。 ◎◎ホワイトバンドを巡る議論についての覚え書き◎◎ 1.ホワイトバンド・キャンペーンの国際的な背景 まず、もう一度背景を復習しておこう。ホワイトバンド・キャンペーンおよびLive8は、GCAP(Global Call to Action Against Poverty)と呼ばれる国際的なプロジェクトの一部である。このプロジェクトは各国のNGOによっ
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