■「デレク・ベイリー インプロヴィゼーションの物語」(ベン・ワトソン著, 木幡和枝訳, 工作舎, 2014)を読んだ。 訳文の読みやすさは、長い親交のある著者ならではのベイリーへの深い理解からくるものだと思わされました。訳者後書きの、この本は演奏についてのものであると同時に存在学的なものでもある、といったくだりは、この大著の完璧な要約だと思います。 英国のギタリスト、デレク・ベイリーは、既存の音楽語法に依らない即興演奏(ノン=イディオマティック・インプロヴィゼーション)の開祖的存在として知られます。 DEREK BAILEY - Playing For Friends on 5th Street - YouTube 著者のベン・ワトソンはフランク・ザッパ研究で知られる人だそう。 シチュアショニストに影響を受けた人で、著者の「即興」への関心は、資本主義社会における商品フェティシズムへの攪乱、