サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
大谷翔平
umanga.blog8.fc2.com
零くんの仰天宣言で終わった前巻からどんな展開になるのか…。とどきどきしながら開いた「3月のライオン」最新刊。 発売前に、西武百貨店とのコラボで和菓子屋「三日月堂」を再現する企画を知っていそいそと馳せ参じたのですが、開店時間ジャストで入店したにもかかわらず、すでに催事場はすさまじい長蛇の列……! 「ふく福たから箱」は何とか買えたものの、生菓子は即完売_(:□ 」∠)_ ふくふくだるま、三日月焼き、食べたかったなー……と残念に思いつつ、「ここに並んでる人、みんなライオンファンなんだな」と思うと何だか感慨深い体験でした。 リベンジ(?)として、作中に登場する川本家の手巻き寿司パーティーを再現してみました。 三姉妹の父親(「妻子捨男」の仇名がダイレクトすぎてツボ)との緊張感ある対峙のあとの、零と川本家のなごやかな団らんの場面。1ページまるごと使って描かれる、ちゃぶだい一杯のにぎやかな光景は圧巻。
長期連休はだいたい帰省や旅行の予定を入れちゃうことが多いのですが、今年は自宅でまったり。 せっかくだから、なにか手間のかかる料理でもしてみようかしら…と思い立ち、ずっと作ってみたかった「ドロヘドロ」のラーメンに挑戦してみました。 魔法使いの世界を牛耳るファミリーのボス・煙がその昔経営していたラーメンチェーン「花煙」の一番人気メニュー。 ※【コマ引用】「ドロヘドロ」(林田球/小学館)5巻より ドロヘドロの食シーンは、本編に関係なくてもやたらとディテールを描くのが特徴ですが、このラーメンの説明も 「細めんのこってりしょうゆ味、分厚いあぶりチャーシューと3日3晩特製スープに漬け込んだ揚げキノコのトッピングが好評で……」 と詳細。煙の好物・キノコがちゃっかり乗っているなど、この漫画のこういう細かい描写にグッときます。 あと「花煙」は煙ファミリーの部下、心&能井コンビが出会うきっかけにもなっています
やっと九井作品のご飯を再現できて、自己満足に浸っています。 短編集「ひきだしにテラリウム」で描かれる、架空のご飯ワールドのセンスに脱帽したので、九井先生が新作で「食」をテーマに描く、と知ったときは「編集者はわかってらっしゃる!」とうなずいたものでした(えらそうに)。 しかし発売された「ダンジョン飯」1巻に登場する料理は、舞台がRPG風ファンタジーだけに、出てくるのはガチの非実在食材。 スライムとかミミックとか、カルディにも新大久保(※やたらとマニアックな食材が揃う素敵なまち)にも当然置いてないので、「あの食材を代用したら雰囲気だけでも近づけるかな~」と妄想をたくましくするしかありません。 そんなみんなの悩みに応えてか(?)、先日発売された2巻では、人間界でも手に入りやすい材料で再現可能なレシピが登場しました。 第9話に登場する、手作りパン&クレープにはさんで食べる鶏のキャベツ煮の献立です。
暑い日は俄然高まるカレー欲(五七五)。 6月に「何食べ」最新刊(10巻)が出ますが、おそらくそこに収録されるであろうメニューです。(単行本待ちの方はすっとばしてくださいまし) ・タイカレー(グリーンカレー) ・牛肉とズッキーニの炒めもの ・えびと春雨のサラダ ※【コマ引用】週刊モーニング 2014年30号「きのう何食べた?」(よしながふみ/講談社)より 大先生に届いたお中元のそうめんをおすそ分けしてもらったシロさん。さすがに3キロも食べきれない……ということで、「シェア友達」の佳代子さんにさらにおすそ分けすることに。久々に訪れる佳代子さんの家で供されたのがこの献立です。 シロさんが作るカレーは5巻(夏野菜カレー)に登場しましたが、今回は趣向が変わりエスニックですね。 タイカレー(グリーンカレー):(※分量は作品本編をご確認ください) グリーンカレーは市販のペーストを使いますが、メーカーによ
「MASTERキートン」の続編が始まる、というニュースに心躍ったのは数年前のことでした。2012年からビッグコミックオリジナルで連載が始まり、2014年末に満を持して単行本化。 94年に連載終了した前作から約10年、キートンはどんな姿で登場するのか…連載は未読、単行本で初めて目にする私はワクワクしながら手に取りました。 キートンはシワは増え白髪も目立つものの、やっぱりキートンでした。頭も体もキレッキレだし、飄々としたキャラもそのまま。 ただ、探偵事務所を閉鎖して学業に専念するものの、アカデミズムの世界では「ロマンチックなアマチュア」扱いされまともに認められないことに、悩みや苛立ちも抱えています。そんな普通の人間らしい姿が味わい深くもありました。 キートンといえば、滞在先のご当地料理をガツガツと食べるシーンが印象的でしたが、続編でもその好奇心と食欲は健在。 今回作ってみたのは、7話に登場する
「ワカコ酒」4巻が相変わらず酒飲みにとって癒やしの内容でした。 「同僚から見たワカコさん」の回(「後輩君の憂鬱」)が、なぜ読者の我々が彼女に惹かれるのかがズバリ説明されてて、あらためていいなあ、と思ったり。「余裕のある人」になりたいものですね。 4巻は再び登場した自宅酒のメニュー(酒盗onポテトサラダ)もおいしそうだったのですが、お店メニューで「これ食べたい!」とハゲしく心ゆさぶられたのが、「ウニクレソン」。 ※【コマ引用】「ワカコ酒」(新久千映/徳間書店)4巻より 結婚パーティ帰りでめかしこんだワカコさんが、ふらっと寄った鉄板焼きのお店のメニューです。 名前のとおり、ウニとクレソンをバターでさっと鉄板で炒めてバゲットを添えたもの。 「密かに広島名物になりつつあるやつだ」のセリフで初めて知ったのですが、ワカコ酒のメイン舞台・広島で広まりつつあるご当地メニューらしい。 漫画に出てくるお店のモ
おいしそうな食べ物が作中にたびたび登場する漫画家さんはたくさんいますが、なかでも小池田マヤ先生のレシピは個人的にすごく好みなのです。「そんな食べ方あるんだ!」と食材の組み合わせに驚かされたり、知らなかった調理法に出会えたり。 そんな小池田先生の新刊「あさひごはん」。 多忙な両親のもとで育ち、小さなころから自分で朝食を準備していた高校生のあさひ。彼のパートナーは、28歳で亡くなった元料理人の祖父の幽霊。 祖父が残したレシピノートをもとに、たくさんの朝ごはんが彼の生活を彩っていきます。 4話に登場するのが「プリンホットケーキ」。 ※【コマ引用】「あさひごはん」(小池田マヤ/リイド社)1巻より 文字通り、ホットケーキの生地にプリンを混ぜて焼くという、ちょっとびっくりなアイデア。でもよく考えたらプリンも卵と牛乳の産物だし、合わないワケがない。どんな結果になるのか気になって、作ってみました。 材料:
年末は仕事はやたら忙しいし休日も何かとやることが多いので、食事がテキトーになる時期。メニューを考えるのさえ面倒なため、とにかくさっと作れるものがありがたい。 そんな自分の状態とリンクするかのように、今月のモーニングの「きのう何食べた?」が簡単でおいしい鍋の回だったのでご紹介します。(さらっとストーリーも紹介するので、単行本派の方はスルーしていただければ) 年末に年老いた両親がいる実家の大掃除を手伝うことになったシロさん。想定を超えた作業量を任され、泊まり込みすることに。 しかしそこはデキる男。ケンジに電話で黒豆の仕込みの指示をしたり、一時帰宅して肉団子を作ったり、自宅のおせちの準備も忘れません。 殺気立ちつつも年末のタスクを鮮やかに処理していく姿は、壮年のサラリーマンというよりは完全に「年季の入った主婦」にしか見えませんが……。 そんな多忙ななか、ケンジとの「自宅忘年会」の約束を果たすため
「3月のライオン」では主人公の零君だけでなく、さまざまな棋士たちにもスポットが当てられます。怪物・宗谷名人のように華があってマンガ的にもキャラが立っている人たちだけでなく、普通の将棋漫画ならスルーされてしまいそうな、地道な勝負を続ける棋士がエピソードの主人公になることもあります。 10巻に登場する入江さんもそのひとり。 子供のころに海でおぼれかけた経験から、「決してパニックをおこさない事」を信条に生きてきた棋士。 零との対局の日も、天才高校生である零と、20年かけてこつこつ同じランクに上った自分を会長(デリカシー皆無)に比較されても、にこやかに「勉強させてもらいます」と返すような人柄(カッコよすぎてホレる…)。 そんな常にマイペースな彼にも「精神安定剤」的なものはあるようで、対局のときはエネルギー源として缶しる粉が欠かせないよう。零との対局でも休憩時間に「かーっ甘っっ」としる粉を飲みながら
先日発売された「3月のライオン」もとうとう10巻。あとがきにも書かれていましたが、いつのまにか「ハチクロ」と並ぶ巻数になってたんですね。 10巻はかつてない零くんの漢っぷりと成長がそこかしこのシーンで見られましたが、ラスト数ページの展開でキャアアア!!(///)と身悶えた諸兄は多いはず。硬派な将棋漫画でありながら、少女漫画的にキュン死させてくれるのはこの作品くらいではないでしょうか。 受験前のひなちゃんが痛々しかっただけに、以前のような元気な学園生活が見られるのもこの巻のうれしい見どころ。3姉妹のおいしい食事シーンも完全復活です。 ※【コマ引用】「3月のライオン」(羽海野チカ/白泉社)10巻より 最近ちょっと太り気味だから野菜をたくさん摂れるメニューに……という目論見で、 ・豆腐とひき肉の甘辛味噌そぼろ ・納豆と玉子の塩ネギそぼろ の2種類のそぼろおかずをレタス巻きに。 「何でもレタスでく
今や漫画の一大ジャンルになった料理漫画。 レシピ本級の実用性、役に立つ薀蓄、食にさまざまな角度で切り込んだ作品が増え、料理好きにも漫画好きにもうれしい状況になっています。 そんな恵まれた時代こそ読み返したいのが、ビッグ錠&牛次郎コンビ。「包丁人味平」に続き、二作目の料理モノとなったのが「スーパーくいしん坊」。80年代の作品らしい明るくカラっとしたノリが特徴の、愛すべき作品です。 イロモノ的な側面で語られることが多いですが、数年前に作った「水なしスープの特製カレー」が意外においしく、荒唐無稽なようで実は料理のメソッドに(たまに)忠実な点に驚いたのでした。そんな同作には、ほかにも気になる料理がありました。 主人公・香介の通う学校で毎年恒例となっている、生徒参加の交流会。そこに出る夕食は地元の食堂「長寿庵」の丼物が定番。 しかし生徒から「丼物は飽きた、今年は手軽に食べられるハンバーガーがいい」と
初夏、スーパーに青梅がいっせいに並ぶと、世の料理好きは「今年もきたぜ……」とソワソワしてしまうものですが、あの興奮は何なんですかね。梅仕事って、たいてい面倒くさいもんばっかりなのに。 梅は、海街diaryシリーズのなかでもたびたび印象的に描かれます。 1巻ではキツーい梅酒を飲んで異母妹のすずが初めて三姉妹の前で本音をぶちまけ、2巻では庭の梅をみんなで収穫しするシーンも。 香田家では毎年梅酒を仕込むのが恒例のようですが、おばあちゃんのビンテージものや三姉妹用とならび、すずのためのノンアルコール用も作られます。まるで梅酒が家族の系譜をうつすかのように。 香田家の姉妹たちもけっしてマメなタイプじゃないのに梅仕事を欠かさないのは、食いしん坊だから、という理由だけではないのかもしれません。 甘露煮は、すずが香田家に来て2度目の夏を迎える6巻で登場する、あたらしい梅メニュー。 大船のおばちゃんに作り方
ひさびさに「天体戦士サンレッド」から、ヴァンプ将軍のさっと1品シリーズです。 (写真を整理していたら、おととしあたりに作ったデータが出てきたので、今さらながら……) 15巻、16巻から計3品。確かどれも夏まっさかりに作ったもので、これからの暑い時期におすすめかもです。 ツナの冷や汁 宮崎県の名物、冷や汁。 通常は焼いたアジを使い、薬味もたっぷり入れるなどそこそこ手間のかかる料理ですが(そういえば「深夜食堂」の再現で過去に作ったんだった)、そこは怪人界の奥薗壽子先生ことヴァンプ将軍。具材はツナ、きゅうり、ごまの3つのみ、と超シンプル。 ※【コマ引用】「天体戦士サンレッド」(くぼたまこと/スクウェア・エニックス)15巻より 作り方: ボウルに熱湯を入れ、だしの素と味噌をとかす(インスタントみそ汁を使ってもOKとのこと)。 これを一度冷やし、薄くスライスしたキュウリとツナ缶、ごま、氷を入れる
ひさびさに「おせん」レシピに挑戦(といっても作ったのはまだ暑さの残る9月ごろでした…)。 旬の食材を使った和食の紹介が見どころの「おせん」ですが、たまに登場する焼きそばやハンバーグなど、B級&洋食メニューもひそかに楽しみだったり。 14巻に登場するカレーパンもそのひとつ。 華々しく引退を飾ったプロ野球選手と、彼を献身的に支え続けた妻。 節制から解放された夫の第二の人生のために、妻は毎日豪華な料理をテーブルに並べるが、夫の反応はいつもきまって「今日の食事はボクの人生ベスト3」という中途半端なもの。 ※【コマ引用】「おせん」(きくち正太/講談社)14巻より ある日、妻は夫がコンビニのカレーパンをむさぼるように食べる光景を目撃してしまう。「丹精こめた自分の料理が、たかがカレーパンに負けた」とショックを受けた妻は家出。しかし実は夫にとって、カレーパンは単なる好物以上の意味があり……というあらすじ。
「家族の第9巻」と帯でうたわれたとおり、棋士をめぐる「大切な人」が印象的に描かれた「3月のライオン」最新刊。主人公・零と川本家の関係だけでなく、土橋九段を支える両親のエピソードにもほろり。死神・滑川さんのエピソードも(別の意味で切なすぎて)涙を禁じえませんでした……(あまりにもいいキャラなので再登場していただきたい)。 おいしいもののシーンも健在で、特に「家庭の味」にフォーカスされた巻でもありました。 肌寒くなってきたこともあり、たまらんかったのが川本家の伝説的メニュー「甘やかしうどん」。がんばる受験生のための鍋焼きうどんで、天ぷらとキツネ、「おいしいもの」がダブルで乗った究極の夜食。 エピソードでは、高校受験のための勉強にはげむひなちゃんと、それに協力する零にあかりさんがばばーんと振る舞います。 あかりさんが受験の際も母親が作ってくれたようで、まさに家族の愛が受け継がれるかのような一品。
「きのう何食べた?」モーニング最新話のメニューがかつてない豪華回で思わず興奮(ネタバレのため単行本派の方は読み飛ばしを~)。 ・ローストビーフもどき ・きんきのアクアパッツァ ・ゴージャスグリーンサラダ 「あれ、読む漫画間違えた…?」と思ってしまうラインナップですが、MOCO'sキッチンでもELLE a tableでもなく正真正銘「何食べ」メニューです。 ※【コマ引用】週刊モーニング2013年8月29日号「きのう何食べた?」(よしながふみ/講談社)より 小日向さん&ジルベール家の冷蔵庫が壊れてしまい、食材の緊急避難先として選ばれたのがシロさん宅。 小日向家はおセレブであらせられるので、持ち込まれたストック食材も高級肉に高級魚、オシャレ野菜に調味料……。近所のスーパーで底値をチェックして買い物する庶民派・シロさんの度肝を抜きます。 まるで革命から逃れた貴族がつつましい民家に身を寄せるかのよう
Home > マンガ飯 > 「きのう何食べた?」(よしながふみ)のミネストローネ、きのことツナとカブの葉の和風パスタ ほか Newer Older 先週のモーニング「きのう何食べた」に載ってた、ミネストローネとパスタのメニューを作ってみました(10月下旬に4巻出るらしいですわよ!)。 最近雨のせいで寒くて、こういうスープ系が飲みたくなってくる時期なので、ありがたい献立です。 【コマ引用】:「モーニング」10月7日号(No.43)「きのう何食べた?」(よしながふみ/講談社)より パスタとミネストローネの組み合わせは、2巻のセロリ消費大作戦の回(※勝手に命名)のワンシーンにも出てきましたよね。シロさん家では、パスタのサイドメニューとして定番なんでしょうか。 ちなみにミネストローネのレシピは、よしながふみ先生の短編集「こどもの体温」の「ホームパーティ」のエピソードに登場するものと、ほぼ同じのよ
書店に平積みされていて、気になって手に取った漫画「ワカコ酒」。 26歳のOLワカコさんが、居酒屋で「ひとり酒」をたしなむショートストーリー集。 女子版&呑兵衛版「孤独のグルメ」といった感じで、絵もかわいくてそして何よりお酒好きには「あるある」な描写の数々が楽しい(焼き鳥屋さんで好きなものオーダーして「ひとりバイキング状態」、とか)。 歳だけムダにとってしまったものの、自意識過剰なのかいまだにスムーズにひとり酒をこなせない自分にとっては、ワカコさんの日常はうらやましい&あこがれてしまう(魔法の杖があったら新橋のカウンターが似合う壮年のおっちゃんに変身して夜な夜な飲み歩きたい…)。 1巻では、ワカコさんが自宅飲みを満喫するエピソードも登場。ここでも、手抜き・妥協のないひとり飲みワールドが繰り広げられます。 まず一品目が、クラッカーにブリーチーズとリンゴの薄切りを乗せ、メープルシロップをかけた甘
ひさびさにカレー作ろうかなー。という日に思い出したのが、「大東京ビンボー生活マニュアル」のとあるシーン。 実家から手作りのラッキョウ漬けをもらったコースケが、「カレーが食いたい」と思い立ち、同じアパートに住む学生さんと一緒に、スパイスから作る本格カレーに挑戦。 カレーって凝れば凝るほど材料費がかかるものですが、日頃清貧な食生活をおくっている彼らだけに、材料は最小限。 狭いアパートの一室で、卓上コンロの上のフライパンでスパイスをもうもうと炒めるシーンは、理科の実験ようでワクワクしてしまう。 ※【コマ引用】「大東京ビンボー生活マニュアル」(前川つかさ/講談社)下巻より そもそもカレーって、ちょっと理系のかおりがする食べ物な気がする。 お店の雰囲気見ていても、ラーメンがTシャツとタオルで「スープは気合じゃ!!」的な体育会系ノリだとしたら(すごい偏見)、カレー屋のオーナーは研究者や仙人ぽい人が多い
今年の「マンガ大賞」、ご縁あって選考員のひとりとして参加させていただき、例年以上にドキドキしながら結果を待ちました(しかしさすが、候補にあがったマンガ全部面白かった)。 受賞したのはご存じのどおり、吉田秋生先生の「海街diary」。 鎌倉で暮らす3人の姉妹と、そこに新しく「家族」として加わることになった腹違いの妹・すず。彼女たちを中心に、文字通り海辺の街の日常とそこに暮らす人々の関係を描きます。同じ鎌倉を舞台にした名作「ラヴァーズ・キス」のキャラクターがあちこちで登場するのも見どころ。 映画でも小説でも海が舞台になる作品では、どこか背景に喪失感を抱えている登場人物が多い気がしますが、物語の主人公といえるすずも、中学生にして両親を亡くした少女。鎌倉という環境で、彼女が新しい家族や友人に馴染んでいく過程が丁寧に描写されていて、読み進めるほどに愛しい。 なかでも好きなのが、すずちゃんと同じサッカ
「一緒に遭難したいひと」の新刊が出ました! しかし1990年に連載が始まって、やっと4巻……。キリエと絵衣子がバブル期ファッションでブイブイいわせてた1巻を思うと隔世の感がありますが、いいんです、出るだけで幸せ。 ライターのキリエ、バニーガールの絵衣子。カタギじゃないいとこ同士の美女2人がその日暮らし、お金が無くなれば倉庫整理や工事現場バイト……そんな状況も目いっぱい楽しむ。 あこがれるのは彼女たちの自由な生活というより、そんな「清く正しい快楽主義」にのっとった自由な精神かもしれません。「美女だからサマになる」という目を背けたい前提は置いといて……。 おいしそうな料理がたくさん登場する西村しのぶ先生作品ですが、「遭難」でその役目を担うのが絵衣子ちゃん。ベジタリアンで(でもたまにお肉も食べる)、「アルコール」のミサオにも負けない健康オタク女子です。 4巻でいてもたってもいられなくなるくらい美
「家政婦・里シリーズ」の最新作「誰そ彼の家政婦さん」。 料理一色だった前作にひけをとらず、今回も里のおいしそうな料理がたくさん登場します。 中編の「しのぶもぢずり」は、バツイチ・男やもめの信夫さんのもとに「顔を合わさないこと」を条件に派遣された里が、掃除や作り置きの料理で交流していく様子が描かれます。 契約通りお互いに顔を知らず、書置きする手紙のやりとりで関係が深まっていく前半は、まるで平安時代の恋もようのようで、情趣たっぷり&ドキドキ。 「スルメと大根の煮物」は、とある事件からついに二人が対面したのち、里が信夫に教えた料理。本来は「海老と冬瓜の煮物」ですが、その場にあった材料でアレンジしたのがこちら。 ※【コマ引用】「誰そ彼の家政婦さん」(小池田マヤ/祥伝社)より 料理上手の里が作る和食、さぞ時間も手間もかかるもの……かと思いきや、実は炊飯器ひとつでできてしまう簡単料理なのです。 材料:
モーニングを読んでたら、「何食べ」でバレンタインスイーツが! (ネタバレNGのコミック派の方はすっ飛ばしてください~) 毎年どうするか迷ったあげく何も用意できず、コンビニで家人が好物の「ラミー」あたりを買って済ませるのが常だったので、これを参考に今年は手作りで挽回することに。 (といっても当日バタバタしてしまい、日付またいでの完成になりましたが…) ケンジが美容院のお客さんから、ココア缶をもらったことから始まる今回のエピソードですが、「何食べ」スイーツ回としては、バナナパウンドケーキに次いで二度目?(ミルクかんとかミルクティーアイスとかもあったけど) シロさん、いやよいやよ言いつつ確実にスイーツ道を究めてるね……と思ったら、今回のブラウニーもホットケーキミックスレシピ。頑なに「ベーキングパウダー」の世界への一線を超えない姿勢にちょっと感動しました。 作り方: 無糖クルミを160度のオーブン
「美味しんぼ」47巻に登場する、岡星製のしめサバのサンドイッチを作ってみました。47巻は山岡さんと栗田さんがついに結婚する巻で、雄山と栗田さんの対決(?)とか、結婚式前日の二人とか、見どころが多くてお気に入り。 ※【コマ引用】「美味しんぼ」(雁屋哲/花咲アキラ/小学館)47巻より 「美味しんぼの料理本」では、しめサバを作るところからレシピが載っていますが、今回は市販のしめサバで手抜き気味に再現。 しめサバは1cmくらいのそぎ切りにしておきます。 サンドイッチ用のパンをトーストし、バターとすりおろしたホースラディッシュ(今回はチューブ入りの市販品)を塗ってしめサバをサンドしたら完成。上に皿などで重しをし、しばらく置いてから包丁で切ると味が馴染んでいいかも。 食べた感想: こんがり焼いたトーストに、しめサバの酸味、バターの風味、ホースラディッシュの辛み。こんな組み合わせが山岡さんに「死ぬ!」と
「3月のライオン」最新刊。今回の見どころはなんといっても、島田八段と柳原棋匠の死闘。カリスマとはいえない、一見地味な「努力の人」たちが、のたうちまわってしがみついて戦う泥仕合の美しさ。それを象徴するような、柳原棋匠がまとう無数のたすきのシーンにも圧倒されました。 そして壮絶なエピソードの合間に描かれる、やさしくて懐かしい食べ物のシーンは今回も垂涎もの。そのひとつが夏祭りのデザート。 三日月町商店街の夏祭りに出店することになった川本家。祖父にメニューを任された3姉妹が考案したのが「冷やし白玉シロップ」。 「ふくふくだるま」など和菓子界にニューウェーブを巻き起こす姉妹だけに、さまざまなアイデアが盛り込まれていきます。シロップには抹茶の代わりにミルクティーはどうか、それなら白玉だけでなくブラックパールタピオカもアリでは、などなど……。 ※【コマ引用】「3月のライオン」(羽海野チカ/白泉社)8巻よ
「何食べ」7巻が出ました! クリスマスにお鍋など、冬っぽいメニューがたくさん登場するので時期的にうれしい。 シロさんとケンジ、いつもの2人の食卓だけでなく、周囲のキャラクターたちの食の描かれ方も楽しい本作。今回の巻では、お友達のゲイカップル、「ジルベール」ことワタル君のお料理が出てきます。 同居する小日向さんをいつも小悪魔的態度で翻弄するジルベール・ワタル(ヒゲのおっさん)、何をしてる人なのか…この性格で会社勤めとかできるのかしら…と気になっていたのですが、初めて職業が明かされます。ズバリ、ゆるふわ系デイトレーダーです。もっと噛み砕いて言えば、小銭のあるニー(以下略)。 そんな自由人なジルベールですが、一応料理はできるようです。小腹が減って半端な時間にひとりで作って食べるのが、キムチチゲ(と、白いごはん)。 あさりと豆腐が入っていて、インスタントではなく自分でスープを作るなど、本格的でおい
「モーニング」連載中にお気に入りだった「リーチマン」が2年越しでようやく単行本化。 フィギュア造形師を目指す専業主夫・達郎と、デパートで販売員として働く妻の結婚生活を描いた作品。主人公が同じ名前なことからわかるとおり、作者の米田先生自身が家事をこなしつつマンガを描く兼業主夫だそう。 文学と同じで、マンガも私小説的なものってめっぽう面白い&個人的に好みなんですが、これもそのひとつ。 夢を追う夫とそれを支える妻……というのは、昭和なら亭主関白物語になる設定ですが、友だち夫婦的な対等な関係のなかで、日々の軋轢や愛情を描写しているところがイマドキだなあ、と面白いです。 専業主夫が主人公なだけあって、おいしそうな料理も登場します。 巻末にレシピのあった「たらいうどん」もアユの季節になったら試してみたいけど、今回は第3話の冒頭で達郎が仕込んでいたザワークラウトに挑戦。 スパイスを自分で挽くところから作
世界各国が舞台になるだけあって、やたらとおいしそうな食べ物が登場する「MASTERキートン」ですが、意外にも料理がメインとなる話はあまりありません。「特別なメニュー」のエピソードはその貴重なひとつ。 (ちなみに以前作った「サマープディング」はこちら) キートンが「ロンドンの中華街で一番」と認める中華料理店「金蓮」の特別メニュー「豚の唐揚げ」。その絶品の味の秘訣は店主いわく、企業秘密。 イギリス人の見習い・ラディの実力を店主に認めさせ、さらに店の娘・宋麗との仲を取り持つため、キートンはこの料理に隠された秘密を探ろうとする。調査するなかで、かの中国の偉人・孫文との意外な縁が明らかになり……。 ※【コマ引用】「MASTERキートン」(勝鹿北星/浦沢直樹/小学館)ワイド版6巻より 中華料理という身近なテーマを取り上げても、政治や歴史、文化を絡めた奥深いエピソードになっているのはさすが「キートン」。
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『マンガ食堂 - 漫画の料理、レシピを再現』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く