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中東情勢
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小林秀雄「批評家失格 Ⅰ」 探るような目はちっとも恐かない。私が探り当ててしまった残骸をあさるだけだ。和やかな目は恐ろしい、何を見られるかわからぬからだ。 気分をかえようと散歩に出かける気で、自分の心を点検している人がいる。他人にも自分にも迷惑はかけず、恐ろしく精密に自分の心を点検している人がある。 だが、優れた作品にただよ心は、決して点検された心ぢゃない。日を送ってきた心だ。生きて来た心だ。どんなに点検された心と見えようとも、それは反吐がでるほど自分を可愛がった心だ。いとほしくなるほど自分を憎んだ心だ。 どんな切実な告白でも、聴手は何か滑稽を感じるものである。滑稽を感じさせない告白とは人を食った告白に限る。人を食った告白なんぞ実生活では、何の役にも立たぬとしてしても、芸術上では人を食った告白でなければ何の役にも立たない。 優れた作品はみな人を食っている。どんなにらおとなしく見える作品でも
この本には、様々な重要で大きなテーマが並列的、あるいは重層的に含まれている。現在ネットで大きく取り上げられているが、その場合は、「英語の世紀」とネットの世界的な普及が中心的な興味関心テーマになるだろう。そういう観点でも読む価値がある本だし、その意味では、現代を生きる全ての人間に関連してくる問題でもある。 しかし、言うまでもなく、水村氏の「中心テーマ」はそのことではない。現代日本の「国語」が、あまりにも内容が薄くて読むにたえないものになっており、このまま放置していたら、確実に「日本語は亡びる」ということである。そして、それを防止するためには、「国語」としてきわめてレベルも高く充実していた漱石に代表される「近代文学」を多くの日本人が読み、教育にも取り入れられるべきだという。 水村氏は日本語教育について、きわめて具体的にこのように述べている。 日本の国語教育においては、すべての生徒が、少なくとも
私が梅田望夫さんのことを知ったのは「将棋」を通じてである。本書の表現を用いるならば、将棋を対象とした「志向の共同体」を通じて、梅田さんが将棋のことをブログでよく書かれているのを知り、一方、ちょっと自慢話を許していただくと、私が書いている将棋ブログを梅田さんはご覧になってくださることもあるようだ。 ただそれは、私にとっては将棋の世界だけでなく、他の世界への窓も開くことになった。誰だって将棋のことだけ考えているわけではなく、梅田さんにとって将棋はあくまで趣味(といっても相当重要な趣味)であり、現在のところは一応「ウェブの専門家」である。私はブログこそ書いているが、ウェブのことなど、もともと何の興味もなかった。グーグルだって、ただの検索機関としか思ってなかったが、梅田さんの本でそのとんでもない意味にようやく気づいたのである。だいたい、グーグルでなく、ずっと「ゴーグル」と読んでいたし。 とにかく、
梅田さんについて書かれた有名なブログ記事に「梅田望夫さんが見ている、どこか遠い世界」というのがある。率直に気取ることなく綴られていて、多くの人間の共感を集めたらしい。梅田さんも、この記事のことは気になっているようで、何かの講演(だと思う)で言及している。そして、「ウェブ時代をゆく」は、(梅田さん本人を含めての)「Rest of us」を対象にして書いたのだとも話していた。 この「ウェブ時代5つの定理」は、バリバリの企業経営陣の言葉が中心なので、率直な感じ方としては、普通の人間には「遠い世界の話」となってしまうのかもしれない。私も勿論そういう普通の人の一人である。しかし、ウェブの世界で働こうとする人間向け限定ということではない。ウェブの最先端で活躍する人物が、どういう「思想」や「パーソナリティ」の持ち主なのかを知るための貴重な資料という読み方も可能だろう。 グーグル的世界観についての感想につ
「ウェブ時代をゆく」のP16にこんなくだりがある。 例えばあるとき私は「これはすごい書評だ」と目を瞠はるような文章に出合った。調べてみればそのブログの筆者は、膨大な量の読書をしながら内科医を三十年以上続けてきた団塊世代の方なのだと知った。医学を修め、その後も人の生と死を見つめながら、六十歳近くまで思索を続けてきた市井の知が刺激的でないはずがない。 多分日々平安禄のことである。「ウェブ時代をゆく」に対しても、ものすごい量の密度の濃い書評を書かれていて、梅田氏も読まれているようだ。 「ウェブ時代をゆく」については、実践的な読みも可能な一方、この方のように、哲学的な思索を掘り下げるやり方も可能だと思う。私も、レベルは違うにせよ、同じ方向性で読みたいと思っている一人である。もしかすると、梅田氏のこの本の本来の意図から逸脱する読み方なのかもしれないが、テキストとは本来そういうものだし、優秀なテキスト
「ウェブ時代をゆく」を再度読了したところである。既に一度読んで、こんなことを書いた。そのときの心境はと言うと、 「いやー、なんかメチャクチャ興奮する本だったなあ。ブログに何か書くとすっか。待てよ、そういやあ、梅田さん、ウェブ上の書評に全部目を通すとか言ってたなあ。もしかしたら、こんな誰も読んでないブログも見つけて読まれちゃうのかしら。だとすると、普通に書いても、多分自分の考えていることなんて、絶対他の誰かが書いちゃってるだろう。せっかくだから、思いっきりハジけて書いちゃうか。少なくとも、梅田さんを退屈させないことだけを唯一の目標にしてみるか。ソレッ。」 ってな調子でやったんで、あんな感じになってしまった。そしたら梅田さんにブクマされちゃったよ。勿論うれしいんだけど、同時に極度に恥ずかしかったよ。読み直して、オレ、なんて口の利き方を梅田さんにしてるんだろうって。 で、少なくとも、梅田さんがブ
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