上の表は推進剤噴射速度を仮に400km/sと想定したときの最終到達速度と質量比の関係を示したものである。この推進剤噴射速度が400km/sというのは化学推進燃料の約100倍の数値であるが、核融合炉のそれとしては低目の設定となっている。惑星間くらいならいいが、この数値で恒星間を狙うのはいかがなものかという水準。 ザクの質量比やサラミスやマゼランの質量比も推進剤噴射速度も不明だが、両者の推進剤噴射速度を同じと仮定すると、ザクと宇宙戦闘艦の最終到達速度の優劣は質量比で決まる。じっさいは熱処理の問題もあり、推進剤噴射速度でもモビルスーツは宇宙戦闘艦より劣ると思われるが、議論をわかりやすくするため同じとしておく。 質量比2というのは全体の質量の半分が推進剤というような状況だ。宇宙戦闘艦とモビルスーツの姿を見ればわかるだろうが、モビルスーツの推進剤タンクはどう考えても宇宙戦闘艦よりも著しく小さい。