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山形大生死亡事件 119番通報に関する会話分析の視点からの所見 山形大学の学生大久保祐映さんが下宿先で遺体で発見される.残された携帯電話の最後の通話記録が119番通報だった.この通話のなかで,大久保さんは救急車出動を要請していた.が,結局救急車は来なかった.このやりとりをめぐり,今年(2013年)になって,山形地裁で裁判が始まった. 昨年,この通話が原告(大久保さんの遺族)側の弁護団により公開されているのを,ネット上でたまたま見つけた.分析的に取り出せることが,たくさん含まれていた.早速,西阪研究室でいつもお世話になっている小宮友根と早野薫の両氏と本格的に分析作業を行なった.この分析が朝日新聞山形版の記事として取り上げられたのをきっかけに,その分析結果について原告弁護団からいくつかご質問をいただく機会があった.それを踏まえて,今年の1月,さらに分析を重ねた.その結果を,全部でA4の用紙20
1 NHK「オウム真理教」取材協力 暫定報告その 1 西阪研究室 NHK プロジェクトグループ (西阪仰,早野薫,小宮友根,黒嶋智美,岩田夏穂) 2012 年 4 月 8 日 以下の暫定報告は,1989 年 4 月 7 日の出家信徒への説法, 1989 年 7 月 27 日の選挙に出るこ とに関する「意思決定」 ,1988 年 11 月 10 日の DNA 増殖に関する議論と教団幹部への説法の一 部を,詳細に書き起こしたうえで,オウム真理教教祖麻原彰晃と信徒たちとのやりとりの構造の 一部について,気がついたことをまとめたものです. きわめて暫定的なものですが,それでもいくつか知見としてまとまりつつあるものを,提示し たいと思います.私たちの研究がもとづく「会話分析(Conversation Analysis) 」と呼ばれ る技法は,人びとの,言葉を用いたやりとりの構造を明らかにしようとする
オウム真理教の会話分析: NHK(「未解決事件」2012年5月26日放映)への取材協力 NHKの社会番組部の葛城豪ディレクターから3月の半ばに,NHKが入手した,オウム真理教団の「内部テープ」の分析を依頼された.とにかく総数700本を越えるという膨大なテープの量だったが,とりあえず,葛城さんと相談していくつか焦点を絞った.それでも,分析を施したのは数時間分だった.同時に,分析チームを編成し,小宮友根,早野薫,黒嶋智美,岩田夏穂という,いつもなにかとお世話になっている面々にメンバーに加わっていただいた. 「会話分析」の手法にのっとり,研究チームでまずは,いつものように詳細なテープ起しの作業から始めた.4月8日付けで,A4版16枚の「暫定報告書」を書き上げるまで,おそらく5~6回にわたり,それぞれ5~8時間ほどのデータ・セッションと議論を行なった.暫定報告書を提出したあとも,何回か補足的な会合
研究代表者: 西阪 仰 研究室所在地: 108-8636 東京都港区白金台1-2-37 明治学院大学 Tel: 03-5421-5366(研究室直通) Fax: 03-5421-5697(学部) E-mail: augnish(α)soc.meijigakuin.ac.jp 2011年度より,新たに科学研究費補助金(文部科学省)を得,これまでの研究を踏まえた新たなプロジェクトを立ち上げました. 技術が「人間の身体の拡張」であるということは,よく言われます(ベイトソン,マクルーハン,さらには遠くマルクスまで).技術において拡張された身体は,身体を充実するとともに,希薄にもしてしまうような現象が,現代社会の様々なところに見られると思います.このような現象に焦点を当てていきたいと考えました.また,この研究は,2010年度までの産婦人科医療における相互行為の研究の成果にもとづくものです.これまで研
[以下の文章は、EMCA研究会Newsletter第12号 (2001年11月発行)に掲載された文章の一部です。] プラクティスとしての文法 ぼくは7月サンタバーバラにいた。こっそり来たのに、結局いろんな人に見つかってしまった。シェグロフたちの会話分析の授業にこっそり出るのが目的だったが、じつは一番面白かったのは、チョムスキアン対機能言語学のバトルだった。ぼくの結論は、(たくさんの機能言語学者がこの文章を読まれるだろうということを承知の上で、申し訳ないのですが)「両方とも間違っている!」だ。もちろん、機能言語学がチョムスキンアンに投げかけた問題提起は重要だと思う。それは、言語の実際の使用ということをどれだけシリアスに考えるかという点でだ。しかし、言語の実際の使用をシリアスに考えることは、決して、機能言語学が主張しているように、1) 文法の「自律性」を否定することにはならないし、2)「頻度」
[以下の文章は,明治学院大学社会学部の学内学会の学会誌『Socially』に寄稿したエッセーです.学生編集委員から依頼を受け,執筆しました.― 西阪 仰] 「友だちである」ということ――会話分析の視点から これから電話における会話の話をするけれど,なにぶん昔の電話,つまり据え置き電話である.携帯に慣れている君たちの電話でのやりとりとは,ちょっと違うかもしれない. 友だちってなんだろうか.いろいろな側面があると思う.ここでは,その一端を垣間見てみたい.電話というのは,長い友だち関係のなかの,短い一こまでしかないだろう.一方,どんな友だち関係も,友だちと何らかの形で時間空間を共にすることにより,維持されている.「短い一こま」であっても,そこで,友だちとの関係は,まったく変わってしまうことだってあるはずだ.そのような危うい瞬間を,友だちどうしは生き続けなければいけない.そのためには,様々な技があ
ヴィトゲンシュタイン派エスノメソドロジーを出発点におき,会話分析の構えに拠りながら,相互行為における行為の組織を検討しました.「ことば」と「からだ」と「もの」が,互いの構造に依存しながら,互いの構造を鍛えあう様子に焦点を当て,人間の行為がどのような仕掛けにより生み出されるかを,原理的に考えました.扱っている素材は,楽器の練習,助産院や産婦人科医院における健診・診察,日常会話です. 目 次 はじめに 断片に用いられている記号 序章 相互行為分析のプログラム 「暗黙知」という考えの危うさについて 補論1 デュルケームとマルクスについて 補論2 先行連鎖について 第1章 何の学習か 環境の構造・言葉・身振り 補論 行為連鎖の優先組織について 第2章 分散する身体 I 道具と連接する身体 補 論 メルロ=ポンティとマルクス、あるいは相互行為空間という比喩について 第3章 分散する身体 II モデル
[以下の文章は、2002年7月13日に早稲田社会学会のシンポジウム(テーマは「複雑性とマクロ-マイクロ問題」)における発言である。シンポジウムそのものは、争点もわりとはっきりして、面白かった。以下の文章は、かなり雑駁なもので、細かい点でどれだけ説得力があるかわからないが、一つの視点は提示できていると思う。] 「無視された状況」 かつて「無視された状況」という小さな文章のなかで、E. ゴッフマンは、社会と言語の関係を考えるとき、たとえば、話し手(もしくは聞き手)の「社会的属性」を考慮に入れるといったお決まりのやり方が、唯一のやり方ではないことに、注意を促した。「語ることは、社会的に組織されている。ただし、単に、どんな人間がどんな言語でどんな人間に語りかけるかということが問題なのではない。相互承認のもと儀礼に適ったやり方でおこなわれる行為の小さなシステム、すなわち社会的な出会いとして、語ること
トランスクリプションのための記号[v.1.2 2008年1月] [以下は、G. ジェファソン(Gail Jefferson)によって、おもにヨーロッパ語の会話分析のために開発された転写のためのシステムを、日本語の会話分析のために西阪が整理したものです。西阪の著書『相互行為分析という視点』(金子書房)や『心と行為』(岩波書店)に掲載したものに、加筆修正を施しました。もともとは西阪の授業の参加者のために作成されたものですが、広く利用されることを望みます。引用されるときは、必ず出典(URL)を明記してください。できるかぎり合理的で、かつジェファーソンのシステムとの一貫性を維持した形で、今後も磨きをかけられればと思っています。何かご意見・示唆などあれば、西阪(augnish(α)meijigakuin.ac.jp)までお知らせください。] [このページは,私の授業に参加している学生のために作ったも
Aug Nishizaka's website has been transferred to the following URL. Please visit the new site for information on classes, seminars, workshops, etc. 西阪仰研究室のホームページは,下記のURLに移転しました. 来年度の授業情報等は,そちらをご覧ください. www.augnishizaka.com
[以下の文章は、アエラムック『新版 社会学がわかる』に寄せた「会話分析」に関する文章です。原稿段階のものであるため、一部文章表現がこなれていないところもあります。引用等は出版されたものからお願いします。] 会話分析について いきなり、社会学とは何か、みたいな冊子で、「会話分析(Conversation Analysis: 以下CA)」と聞くと、きっと素直に受け取られるにちがいない。そう会話を分析するのだ。CAは、社会学のなかで、不思議な存在であり続けている。みんなちょっとは興味がある。しかし、ほんとうにやっている人はほとんどいない。注意しよう。会話を分析すればCAになるわけではない。CAは、1975年に不慮の事故で亡くなったサックス(Harvey Sacks)を中心に、シェグロフ(Emanuel A. Schegloff)らが鍛え上げた分析法だ。彼らの書いたもの(書きのこしたもの)には、人
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