今夏、中国を訪れる外国人が増えた。国家移民管理局によると、7~8月の出入境者数は前年同期比30%増の延べ1億1千万人で、うち外国人は52・8%増の1089万人だった。実際、北京の観光地でも外国人観光客の姿は目立っており、北京のホテル関係者は「欧州を中心に外国人客が戻ってきた」と話す。 中国が短期滞在査証(ビザ)の免除措置を拡大したことが背景にある。昨年12月にフランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、マレーシアを加えるなど対象国を広げている。 一方で、日本人の免除措置は新型コロナウイルス禍を機に停止したままだ。日本側が再開を要望しているが、中国政府は中国人の訪日でも同様に免除する「相互主義」を新たに求めて応じていない。日系企業幹部は「政治問題化してしまった」との見方を示す。 訪中外国人の内訳は明らかでないが、日本人は少ないとみられる。今夏、内モンゴル自治区を訪れたが、現地の観光業者は