サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
大谷翔平
www.webmysteries.jp
2024年06月21日17:00 by 東京創元社 【『名探偵の有害性』8月刊行記念スペシャル企画】ちょっとだけ帰ってきた桜庭一樹読書日記 第1回 カテゴリ小説・エッセイ・評論 桜庭一樹さんの新作長編『名探偵の有害性』の刊行を記念して、あの一世を風靡した伝説のweb連載〈桜庭一樹読書日記〉が二回限りで復活します! 本を読み、編集者と打ち合わせ、喫茶店で仕事して、ふしぎな人たちと行き会う毎日。「ちょっとだけ」帰ってきた読書日記を読みながら『名探偵の有害性』発売日を楽しみにお待ちください。 ※第二回は7月公開予定です。 ※『桜庭一樹読書日記 少年になり、本を買うのだ。』『書店はタイムマシーン 桜庭一樹読書日記』は電子書籍でお求めいただけます。 2024年8月下旬発売! 『名探偵の有害性』四六判上製 「――推理の風が吹いたぁっ!」東京の下町で、鳴宮夕暮が年下の夫とともに営む「純喫茶おいでぃぷす」
2023年06月30日17:00 by 東京創元社 【新版刊行記念企画】あなたの『星を継ぐもの』は何版? みんなで104版コンプリートできるかな――エピローグ【祝!コンプリート達成……!?】 カテゴリ 星を継ぐもの【新版】書影 1980年5月の創元SF文庫での刊行以来、日本の読者に長く愛され続けて驚異の刷数104版に到達した、ジェイムズ・P・ホーガンのSF小説『星を継ぐもの』。創元SF創刊60周年に当たる今年2023年7月10日、この名作を装いも新たに、新版として刊行いたします。さらに8月からはシリーズの続編である『ガニメデの優しい巨人』『巨人たちの星』『内なる宇宙(上下)』を毎月一作ずつ、同様に新カバー・新版で4か月連続刊行いたします。 このシリーズ新版連続刊行を記念して、東京創元社では6月13日から29日まで、twitterで読者参加型の企画をおこないました。 『星を継ぐもの』をお持ち
2023年06月23日17:00 by 東京創元社 東京創元社でははじめまして、久青玩具堂です~『まるで名探偵のような 雑居ビルの事件ノート』著者インタビュー~ カテゴリ いよいよ来週6月30日発売!『まるで名探偵のような 雑居ビルの事件ノート』の著者・久青玩具堂(ひさお・がんぐどう)さんのインタビューを公開します! ――まず、簡単な自己紹介をお願いいたします。 久青玩具堂(ひさお・がんぐどう)と申します。ライトノベルのレーベル、角川スニーカー文庫やMF文庫Jでは「玩具堂」の名義で書かせていただいております。 ――玩具堂さんは、2010年角川スニーカー大賞〈大賞〉受賞作『子ひつじは迷わない』(「なるたま~あるいは学園パズル」改題)でデビューされました。いつ頃から作家を目指していましたか? まとまった文章を書き始めたのは大学生の頃だったと思います。その後も作家としてのキャリアはスロウペースで
2023年06月13日17:00 by 東京創元社 【祝!新版刊行記念企画】あなたの『星を継ぐもの』は何版? みんなで104版コンプリートできるかな【7月刊の〈新版〉を抽選で10名様にプレゼント!】 カテゴリSF 『星を継ぐもの』新版カバーイラスト:加藤直之カバーデザイン:岩郷重力+W.I 1980年5月の創元SF文庫での刊行以来、日本の読者に長く愛され続けて驚異の刷数104版に到達した、ジェイムズ・P・ホーガンのSF小説『星を継ぐもの』。創元SF創刊60周年の今年2023年7月上旬、この名作を装いも新たに、新版として刊行いたします。さらに8月からはシリーズの続編である『ガニメデの優しい巨人』『巨人たちの星』『内なる宇宙(上下)』を毎月一作ずつ、同様に新カバー・新版で4か月連続刊行いたします。 このシリーズ新版連続刊行を記念して、東京創元社では読者参加型の企画をおこないます。初版から最新と
2023年01月02日12:00 by 東京創元社 【新年特別企画】2023年 東京創元社 SF&ファンタジイ ラインナップのご案内 カテゴリSFファンタジイ・ホラー あけましておめでとうございます。 今年刊行予定のSF・ファンタジイ作品ラインナップの一部をご案内いたします。本年の読書計画の参考としていただければ幸いです。ここに紹介した以外にも、新作や名作の復刊・新訳など、東京創元社は創元SF文庫60周年を迎える今年も良質の作品をご紹介してまいります。本年もご愛読のほど、どうぞよろしくお願いいたします。 (日本語タイトルは一部を除き仮題です) 創元日本SF叢書・単行本・創元SF文庫の国内SF注目作 ■笹本祐一『星の航海者(たびびと)』(創元SF文庫、3月刊) 人類が初めて開発に成功した系外惑星ディープブルー。そこに暮らす惑星記録員のミランダは、約120年ぶりに訪れる恒星間記録員メイアのアテ
2022年09月29日17:00 by 東京創元社 東京創元社編集部・編『創元SF文庫総解説』第1回(全6回) カテゴリSFファンタジイ・ホラー 【はじめに】 創元SF文庫は来年2023年、創刊60周年を迎えます。 1963年9月に創元推理文庫SF部門として誕生し、フレドリック・ブラウン『未来世界から来た男』に始まり、1991年に現行の名称への改称を挟んで、これまでに700冊を超える作品を世に送り出してまいりました。エドガー・ライス・バローズの《火星シリーズ》やE・E・スミスの《レンズマン》シリーズをはじめ、ジョン・ウィンダム、エドモンド・ハミルトン、アイザック・アシモフ、ロバート・A・ハインライン、レイ・ブラッドベリ、J・G・バラード、アン・マキャフリー、バリントン・J・ベイリー、ジェイムズ・P・ホーガン、ロイス・マクマスター・ビジョルド、そして近年にはアン・レッキーやN・K・ジェミシン
2022年06月06日17:00 by 東京創元社 笹本祐一『星のパイロット』あとがき全文公開! カテゴリSF 星のパイロット 創元SF文庫用あとがき 来なかった未来の答合せ まだ昭和だったかも知れないくらい昔の話。 その日笹本は、子供の頃から念願だったワシントンDCのスミソニアン航空宇宙博物館を初めて訪れていました。 正面玄関を入ってすぐのマイルストーン・ギャラリーと名付けられたホールの天井には、世界で初めて飛んだライトフライヤー、その向かいには初めて音速を突破したベルXー1。2021年の今と、配置がちょいと違うのよね。当時はソ連のミサイルなんかまだ博物館まで来てなかったし。 いちばん早く飛んだノース・アメリカンXー15の向かいには、いちばん遠くを飛んでるヴォイジャーの打ち上げられなかった予備機、現物とそっくり同じ機体が天井から吊り下げられています。 すぐ目の前にはアポロ月着陸船。これも
2022年03月25日17:00 by 東京創元社 特報:田中芳樹『愛蔵版 銀河英雄伝説』、2022年5月刊行開始&予約受付スタート! カテゴリSF 1982年11月、遙か未来の歴史群像劇の幕が上がった。 著者は田中芳樹、書名は『銀河英雄伝説』 《銀河英雄伝説》刊行40周年記念 田中芳樹『愛蔵版 銀河英雄伝説』全7集 2022年5月より隔月刊行開始 正伝5集・外伝2集の全7集とし、四六判上製・各巻函入りの豪華版で刊行します。 豪華予約特典 全国書店店頭・一部ネット書店で予約受付中全7集予約でもらえる! 特典付き申込締切 2022年7月31日 特典1:申込全員 星野之宣先生描きおろしポスター(非売品) 2023年1月書店店頭でのお渡し 予約者全員に、『愛蔵版 銀河英雄伝説』刊行記念として描き下ろしていただいた星野之宣先生のイラストポスターをプレゼントいたします。 ※第5集の刊行(2023年1
2021年06月30日17:00 by 東京創元社 創元SF文庫『銀河連邦SF傑作選 不死身の戦艦』、7月中旬刊行! カテゴリSF 宇宙、それは人類に残された最後の開拓地…… というわけで、7月中旬刊行の創元SF文庫新刊『銀河連邦SF傑作選 不死身の戦艦』のご紹介です。本書は、アメリカで2009年に刊行されたアンソロジーFederationsをもとに、原書収録の23編から16編を厳選して邦訳したもの。銀河連邦――広大無辺の銀河に版図をひろげた星間国家……超光速移動手段で結ばれ、さまざまな異種族が暮らす多文化帝国……といえば、SFの華ともいうべきロマンあふれる設定であり、過去幾多のSF作家を魅了してきた舞台なのですが、本書に収められた作品群も選りすぐりの作家たちが腕を振るい、さまざまな可能性を追求しています。フォーマルハウト星域でいつ果てるともしれない戦争を戦う人類たち、予告された異星種族の
2021年04月14日17:00 by 東京創元社 人気投票第1位「トランジスタ技術の圧縮」(宮内悠介)全文公開! カテゴリSF 宮内悠介さんの自選短編集『超動く家にて』(創元SF文庫)がついに発売になりました。 超動く家にて (創元SF文庫 み 2-3) 【内容紹介】分厚い雑誌を“圧縮”する架空競技「トランジスタ技術の圧縮」、ヴァン・ダインの二十則が支配する世界で殺人を目論む男の話「法則」、宇宙ステーションでの野球盤対決「星間野球」など全16編と文庫版おまけ、あとがき、酉島伝法さんによる解説を収録。 それを記念して収録作人気投票で第1位を獲得した「トランジスタ技術の圧縮」(通称:トラ技)を全文公開致します。※人気投票のとき頂戴したコメントはtogetterのまとめでご覧いただけます。 「トランジスタ技術の圧縮」全文公開を読む この機会にぜひ宮内悠介さんの傑作短編をお楽しみください! 「S
2019年12月05日17:00 by 東京創元社 渡邊利道/マーサ・ウェルズ『マーダーボット・ダイアリー』解説(全文) カテゴリSF かつてSFは既存の価値観を破壊するものだったが、 現在ではその攻撃性は ずっと繊細な優しさに包まれているのだ。 渡邊利道 Toshimichi WATANABE 本書は、アメリカの作家マーサ・ウェルズの《The Murderbot Diaries》の邦訳である。 人類が外宇宙に進出した遠未来を舞台に、クローン素材と非有機部品を複合した「構成機体」の人型「警備ユニット」である主人公=語り手が、自分と契約関係にある人間たちを守るため奮闘する、テクノ・スリラー風味を加えた冒険アクション宇宙SFの大人気シリーズだ。 原著では百五十~百七十ページほどのノヴェラ(中長編)単体でTor社から刊行されたAll Systems Red(2017)、Artificial Co
2019年10月24日17:00 by 東京創元社 【特別掲載】〈ルピナス探偵団〉のみんなが帰ってきた―― 『ルピナス探偵団の情熱』第一話「ハミルトンの汀」その1 カテゴリ国内ミステリ ようやっと『ルピナス探偵団の情熱』を発信できる運びとなりました。長年諦めることなくお待ちくださった皆さんに、心より感謝申し上げます。『当惑』『憂愁』とは一味違う構成にて、彩子、キリエ、摩耶、そして祀島くんの登場まではしばしお待ちいただくかたちですが、代わりに“あの人物”が早々に登場します。やがて皆さんはこの物語が、“あの物語”のあの時点から始まっていることにお気付きになるでしょう。ご期待のうえ、ごゆるりとお楽しみください。――津原泰水 【バナーをクリックして読む】 編集部より〈ルピナス探偵団〉のみんなが帰ってきた——『ルピナス探偵団の情熱』第一話「ハミルトンの汀」 20世紀末の吉祥寺。私立ルピナス学園高等部
2019年08月28日17:00 by 東京創元社 花澤香菜/高島雄哉『エンタングル:ガール』解説(前半部) カテゴリSF エンタングル:ガール (創元日本SF叢書) [単行本] アニメーション作品『ゼーガペイン』『ゼーガペインADP』で守凪了子役をつとめました。 そのわたしにとって、守凪了子も『ゼーガペイン』も、自分自身の人生と深く結びつきすぎていて、客観的に語ることが難しいかもしれません。 あのとき──二〇〇六年、高校生のわたしは高校生の了子を演じました。わたし自身も高校生ながらに向き合わなければいけない問題や悩みがたくさんあるなかで、了子といっしょに濃密な時間を過ごしました。あの時間があったからこそ、いまがあるんだと思っています。 そのときの大人のスタッフの皆さんは、少年のような気持ちでとりくんでいました。ほんとうに『ゼーガペイン』が好きで、ずっとつくっていたいというぐらいのすごい熱
2019年06月20日17:00 by 東京創元社 SF不思議図書館 愛しのジャンク・ブック 第6回 音楽とSFの交叉点 カテゴリSF 【はじめに 不思議な海外SFを探したり読んだり】 【第1回 クイズに答えてSF博士になろう】 【第2回 超人作家シルヴァーバーグ】 【第3回 隕石衝突から始まるヒーローの系譜】 【第4回 SFの料理と饗宴】 【第5回 もうひとつの『高い城の男』】 SF不思議図書館 愛しのジャンク・ブック 第6回 音楽とSFの交叉点 小山 正 tadashi OYAMA 1 マイケル・ムアコックの新譜CD! 「SF不思議図書館」が所蔵するのは書籍だけではない。関連するレコード、CD、ビデオ、DVDなども可能な限り網羅するのが、当図書館の方針である。 その視聴覚コーナーに最近加わったのが、2018年に発売された音楽CD An Alien Heat(輸入盤のみ・Gonzo Mu
2019年06月17日17:00 by 東京創元社 21世紀の『そして誰もいなくなった』登場。第26回鮎川哲也賞受賞作、待望の文庫化! 市川憂人『ジェリーフィッシュは凍らない』 カテゴリ国内ミステリ 近年、多くの方にご注目いただいている鮎川哲也賞。少年少女の淡い心模様が描かれ、爽やかな読み心地で好評を博した、川澄浩平さん『探偵は教室にいない』(第28回受賞作)。前代未聞の設定と奇想で、ミステリ界に革命を起こした、今村昌弘さん『屍人荘の殺人』(第27回受賞作)。 そしてこの度、それらの作品に先駆けて刊行され「21世紀の『そして誰もいなくなった』」として話題を呼んだ、第26回受賞作の市川憂人さん『ジェリーフィッシュは凍らない』が、文庫化されます! ジェリーフィッシュは凍らない (創元推理文庫) [文庫] 舞台は、現実世界と良く似たパラレルワールド(1983年の、アメリカに似たU国)。その世界が
2018年10月29日17:00 by 東京創元社 【特別寄稿】ミステリ作家の「ももクロ」エッセイ第二弾――「百田夏菜子という『運命』」太田忠司 カテゴリ小説・エッセイ・評論 先日、ミステリ作家の太田忠司先生と偶然お会いしました。ももクロ主演のミュージカル「ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?」上演中の、舞浜アンフィシアターのロビーで。ちょうど幕間休憩の短い時間だったので、そのときは挨拶だけでお別れしたのですが、後日twitterで「百田夏菜子について書きたい」と発言されていたのを発見。ぜひ読ませていただきたい! と、昨年8月の有安杏果編に続くエッセイ第二弾をお願いすることになりました。どうぞご一読ください。(編集部M) * 「百田夏菜子という『運命』」 太田忠司 忘れられない言葉がある。 「百田夏菜子【註1】はキン肉マン【註2】なんです」 南海キャンディーズの山里亮太【註3】の言葉だ。僕がももクロ【
2018年05月24日12:00 by 東京創元社 「翻訳不可能」と言われた作品、ついに英訳。酉島伝法『皆勤の徒』英訳版インタビュー記事ご紹介 カテゴリSF ●円城塔氏推薦――「地球ではあまり見かけない、人類にはまだ早い系作家」 巨大な鉄柱が支える甲板の上に、その“会社”は建っていた。語り手はそこで日々、異様な有機生命体を素材に商品を作る。社長は“人間”と呼ばれる不定形の大型生物だ。甲板上と、その周りの泥土の海だけが語り手の世界であり、日々の勤めは平穏ではない──第2回創元SF短編賞受賞の表題作に始まる全4編。(『皆勤の徒』内容紹介より) 酉島伝法の第一作品集『皆勤の徒』(2013年)は、刊行されるや大反響を巻き起こし、第34回日本SF大賞受賞、『SFが読みたい! 2014年版』国内篇1位獲得をはじめ、高い評価を得ました。 発表当初、その独創的な造語感覚と内容ゆえに「翻訳不可能」と評する声
2018年04月17日16:51 by 東京創元社 「レイコの部屋」傑作選 vs.白土晴一さん(設定考証・リサーチャー)前編 カテゴリ小説・エッセイ・評論 隔月刊でお届けしている『ミステリーズ!』に不定期連載中、編集部Fが出版業界のプロフェッショナルからいろいろ知識を授けてもらうインタビューコーナー「レイコの部屋」より、よりぬきで『Webミステリーズ!』に再掲いたします。 ************* もともと出版業界の様々なプロフェッショナルを招いて、主に文芸作品が本となって世に出るまでを支える職人たちの仕事に迫るという主旨で始めた(うろおぼえ)このコーナーですが、22回ともなるとさすがにネタが切れたというのが正直なところです。 しかし持つべきものはSFファンの友人知人の多い先輩。SF班K浜と話をしていた時にとんでもなく面白そうな職業名を耳にしました。 「設定考証?」 英米では一般的ですが
2018年03月09日12:00 by 東京創元社 米光一成/『スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選』解説(全文) カテゴリSF もはやゲームをプレイするしないにかかわらず、 ゲーム的感覚は我々にとって必須の習得能力のひとつだから、 誰もが読むと良いと思う。 米光一成 Kazunari YONEMITSU ビデオゲームをモチーフにした短編SFアンソロジーPress Start to Play(2015)の邦訳が、ついに登場した。 原書アンソロジーは二十六編、五百ページ超えの分厚さ。邦訳はそこから厳選した十二編を収録している。コリイ・ドクトロウ「アンダのゲーム」以外はすべて本邦初訳・初出だ。ショーナン・マグワイア、チャーリー・ジェーン・アンダース、デヴィッド・バー・カートリー等、本書ではじめて訳出される作家の作品も多い。これだけフレッシュな現代英米SF短編のアンソロジーに触れる機
2017年10月17日12:27 by 東京創元社 赤尾秀子/エリザベス・ベア『スチーム・ガール』訳者あとがき(全文)[2017年10月] カテゴリSFファンタジイ・ホラー 赤尾秀子 Hideko Akao 『スチーム・ガール』書影 本書の主人公カレンは、十六歳の〝縫い子〟。 といっても、布を縫って衣類をつくる裁縫師ではなく、料金をいただいて不特定の男性と枕を交わすのが仕事です。 十九世紀後半、孤児のカレンはゴールドラッシュに沸くアメリカ北西海岸の港町ラピッド・シティで、〝裁縫館〟モンシェリの縫い子になりました。ただしモンシェリは、海べりのいかがわしい売春宿とは違う高級娼館で、経営者は通称マダム・ダムナブル。くそ婆と呼ばれようがなんだろうが、マダムは自身のやり方を貫く鉄の女です。 そのモンシェリに、娼婦を酷使する下劣な売春宿から、娘がひとり逃げこんできました。これをきっかけに、その宿の主人
2017年08月03日12:52 by 東京創元社 【特別寄稿】ミステリ作家が観た「ももクロの杏果」と「アーティストの杏果」――「有安杏果の『勇気』」太田忠司 カテゴリ小説・エッセイ・評論 先日、ミステリ作家の太田忠司先生と打ち合わせをしていた際、ひょんなことから「有安杏果(ありやす・ももか)【註1】について書いてみたい」というお話をうかがいました。「有安……というと、ももいろクローバーZ【註2】のですか?」「はい、そうです。ソロコンサートの話が主となりますが」ももクロのファンであることは以前から承知していたので、その太田先生が書くまとまった文章なら、ぜひ読ませていただきたい!……とお願いしたところ、頂戴した原稿がこちらになります。ももクロをあまり知らない人のために最小限の註釈もつけました。どうぞご一読ください。(Webミステリーズ!編集部) * 「有安杏果の『勇気』」 太田忠司 それは唐
2017年06月28日16:16 by 東京創元社 校正課だより 見習い校正者が語る校正のお仕事 カテゴリ東京創元社便り このたび営業部から校正課に異動になりました、Hと申します。 異動前から校正のスクールに通って勉強を進めていましたが、実務ではまだまだわからないことだらけ……。レベルアップを目指して、現在は、カバーや解説、あとがきといったボリュームの小さい仕事から経験を積んでいるところです。 今回の記事では、私が使っている校正の仕事道具を紹介させていただきますね。 【赤ペン】 ルビなどの細かい部分にも書き込みやすい細字タイプを愛用しています。 ところで、校正といえば赤字入れ……というイメージが強いかと思いますが(私も以前はそうでした)、実は赤ペンを使う機会はあまり多くありません。 赤ペンを使うのは、「ゲラが原稿通りになっていない」「組方(文字と文字の間のスペースの大きさなど)が指定通りに
2017年04月06日15:36 by 東京創元社 深町眞理子/シャーロック・ホームズの事件簿【新版】 訳者あとがき(全文) カテゴリ海外ミステリ 創元推理文庫のシャーロック・ホームズ全集最終巻、『シャーロック・ホームズの事件簿』をお届けします。 永遠の名探偵シャーロック・ホームズ。その晩年の事蹟を語るこの第五短編集は、いまから27年前の1990年、ホームズの産みの親サー・アーサー・コナン・ドイルの没後60年を経るまで、著作権上の問題で、創元推理文庫には含まれていませんでした。そのため、阿部知二氏訳によるホームズ・シリーズも、わずかに画竜点睛を欠く憾みがないでもなかったのですが、1990年に著作権の保護期間が切れ、いざ『事件簿』を、となったとき、すでにお亡くなりになっていた阿部知二氏に代わり、不肖深町眞理子が翻訳の大任をおおせつかったものです。 深町訳のこの版が世に出たのは、1991年5月
2017年03月14日16:37 by 東京創元社 火星SFの金字塔、K・S・ロビンスン/大島豊 訳『ブルー・マーズ』創元SF文庫より4月中旬刊行 カテゴリSF お待たせいたしました。キム・スタンリー・ロビンスンの〈火星三部作〉のラストを飾る完結編『ブルー・マーズ』は、創元SF文庫より4月中旬に刊行予定です。 とはいえ、第一部『レッド・マーズ』と、第二部である前作『グリーン・マーズ』の邦訳刊行からだいぶ間が空いてしまったので、ここであらためてシリーズを簡単にご紹介させていただきます。なお、『レッド』と『グリーン』のストーリー展開については、渡邊利道氏による『ブルー・マーズ』巻末解説でくわしく触れておりますので、既読の方は(多少内容を忘れていたとしても)そちらを読み直せば、すぐに『ブルー・マーズ』を読み進めていけるかと思います。 〈火星三部作〉は21世紀前半から23世紀初頭にかけての200年
2017年01月06日14:07 by 東京創元社 連載エッセイ 高島雄哉 『想像力のパルタージュ 新しいSFの言葉をさがして』 第20回(1/2) カテゴリSF ――パルタージュ partage とはフランス語で「分割」「共有」「分有」の意。 小林秀雄は〈美しい「花」がある、「花」の美しさという様なものはない〉と書いたが、想像力というようなものはなく、あるのはただ、個々の想像だけだとも思う。 それでもなお、想像力(を分有すること)をこの文章の目的に置いて、インタビューを含む取材を始めたい。予定しているインタビュイーはそれぞれの領域の最前線におられる方たちであり、そこはまさに想像と想像力の境界線なのだから。そしてこれまで同様、これからのSFの言葉もまた、その線の上に存在するに違いない。 『想像力のパルタージュ 新しいSFの言葉をさがして』 第20回 言葉で美を分析すること――東京藝術大学
あけましておめでとうございます。 今年刊行予定のSF・ファンタジイ作品ラインナップの一部をご案内いたします。読書計画の参考としていただければ幸いです。 ここに紹介した以外にも新作や名作の復刊・新訳など、東京創元社は今年も続々と良質のSFをご紹介してまいります。 本年もご愛読のほど、どうぞよろしくお願いいたします。 (タイトルは一部を除き仮題です) ■秋田禎信『ノーマンズ・ソサエティー』 「人は望めばいつでも、今の人生をやめられます。ご安心ください。あなたはいつでも安全に転生できます」。記憶をリセットする技術が発達し、不都合があればすぐに以前の人格と記憶を捨て、新たな人間に生まれ変わることが常識となった、近未来の社会。27歳の医者である俺は、数度目となる転生処置を終えた後、死神めいた女と出会う。その夜、俺は彼女や仲間とともに、掘った穴の底へ死体を投げ捨てた夢を見る。この夢は、消したはずの転生
2016年07月05日14:41 by 東京創元社 渡邊利道/J・G・バラード『ハイ・ライズ』(村上博基 訳)解説(全文)[2016年7月] カテゴリSF 渡邊利道 toshimichi WATANABE 多くの点で高層住宅は、テクノロジーが真に〈自由〉な精神病理学の表現をどこまで可能にするかという見本であった。(本書五十五ページより) そこはロンドン郊外に建てられた最先端の技術とコンセプトを有した高層住宅。四十階建、一千戸。十階にはスーパーマーケット、ヘアサロン、プール、リカーショップ、トレーニングジム、住人の児童たちのための小学校があり、三十五階にはもうひとつの小さなプールとサウナとレストランが設置された、至れり尽くせりの完璧な建物だ。 外界から隔絶されたこの高層住宅には、弁護士、医師、学者、広告代理店の重役といった知的な専門職に携わる、現代の選良とでもいった人々が住んでいる。建設され
2016年04月04日17:25 by 東京創元社 似鳥鶏〈市立高校〉シリーズ 人気イラストレーター・けーしんが描く新カバーで登場。主要登場人物紹介[2016年4月] カテゴリ国内ミステリ 『理由あって冬に出る』にはじまる、市立高校を舞台にしたコミカルな、学園ミステリシリーズ。最新刊『家庭用事件』の発売に合わせて、『理由あって冬に出る』『さよならの次にくる〈卒業式編〉』『さよならの次にくる〈新学期編〉』『まもなく電車が出現します』『いわゆる天使の文化祭』『昨日まで不思議の校舎』と計6冊すべて、新カバーでお届けします。ここでは改めて主要キャラクターのかんたんな紹介をしていきます。 葉山くん(はやまくん) 本シリーズの主人公。美術部に所属。本当は放課後にじっくりと絵を描きたいのだが、あれこれと友人から無理難題を押しつけられやすい体質であり、それを放っておけない。柳瀬さんの“愛妾”と周囲から噂さ
2016年03月07日15:06 by 東京創元社 紅玉いづき『現代詩人探偵』刊行記念インタビュー カテゴリ国内ミステリ 2016年3月に刊行される『現代詩人探偵』は、自殺した詩人たちの死の謎を追う、「僕」の孤独な探偵行を描いたミステリです。本作でミステリに初挑戦した、著者の紅玉いづき氏に執筆秘話をお伺いしました。 ――まず、執筆のきっかけを教えてください。 約4年前、『サエズリ図書館のワルツさん』(星海社FICTIONS)をお読みになった戸川安宣さん(元・東京創元社代表取締役)から、「ミステリを書きませんか」という依頼をいただいたのです。私は新本格ミステリ直撃世代だったので、有栖川有栖さんや森博嗣さんなどのミステリを読んでいました。でも、ミステリは高尚で、頭がいい人が書くものだと考えていたので、始めは書くのなんて無理だと思っていました。 悩むうちに、私が書けるミステリは何だろう?と考えて
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『Web東京創元社マガジン』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く