ウェブマガジンとオンデマンド出版のほんほん堂 「LR」目次へ(ほかの記事が読めます) 針生 一郎 ichiro hariu 丸木美術館館長 ―「芸術と人権」展をめぐって― 名古屋 覚の一知半解への反論 本誌前号にのった、名古屋覚の光州ビエンナーレ批評を一読して、あきれた。わたしは特別 展示「芸術と人権」の企画にあたり、ある意味で、この種の反応を標的として想定したが、それは主として日本政府筋、あるいはその手先として「自虐史観」を排撃し、問題の歴史教科書までつくった「新自由主義」陣営から出るだろうと思われたので、比較的若い「美術ジャーナリスト」がこんなことを書くのは予想外だった。 言い換えれば、筆者は自分の意見を述べているつもりで、その実、つくられ操作された偏見の構造に乗っかっていることを、全然自覚していないのに、わたしはあきれたのだ。 友人のうちには、あまりにお粗末な論文だから黙殺したら、と