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大谷翔平
okab.exblog.jp
〜浅草六区の十二階凌雲閣は大正の大震災で半壊され危険なので、赤羽工兵隊の手で爆破した。明治二十三年に出来てから僅か三十四年の寿命でこの世から消えた。 十階までは八角形の総練瓦、十一、十二階は木造で高さは二百二十尺、総経費五万五千円。入場料大人六銭、軍人小児三銭也。日清役後は洋風画で台湾ボウコ島、遼東半島ののぞき絵や、東京美人の写真を各階に並べ、三階に西洋音楽を聞かす休憩所が二銭出すと入れた。九階に行くと官報と新聞の閲覧室。十一階に又休憩所、美少女が茶菓を持ってくる。勿論茶代を払う。十一、十二階に登れば遠望鏡の借賃一銭。富士と筑波を左右の雲間に望んで、秩父の連山、房総の山々、品川の海には白帆が浮び、南は羽田沖から東は鴻の台に達して、天気が良いと西は箱根、北は日光までが見はらかせた。〜「東京そのむかし」宮尾しげをs30アソカ書房
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