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torute3marriage.hatenablog.com
そう言うとゆかりちゃんは首を横に振って、一言一言絞り出すように話し始めた。 「違うんです、この涙は・・・嬉しくて。先週「付き合ってください」と言ってくれたのも嬉しかったのに、結婚のことまで言ってくれて。」 「私ももちろん、結婚を考えて婚活をしていました。それでもなかなかこの人だなって人はいなくて。でもとしおさんと出会って、すごく気が合う人だなって、直感で分かったんです。」 「でも、付き合ってまだ1週間ですし、そうやっていってもらえるとは思っていなかったから。もちろんそうなればいいなって思ってはいましたけど…だから…余計に嬉しいんです!」 ゆっくりと、でもその言葉には強い気持ちが込められていた。 ゆかりちゃんの気持ち。 同じ気持ち。 無意識にゆかりちゃんの手を取り、 「ありがとう…嬉しいよ。」 そう言って肩を抱き寄せる。 そして、自然に唇を重ねた。 ・ ・ ・ 「じゃあ、一緒に退会しよっか?
特別、ゆかりちゃんが他に誰とやり取りしてたかは興味なかったが、一緒に退会するということでなんとなくその話もする。 私はyoubrideにおいては他に数人とやり取りしていて、会ったのはゆかりちゃんだけだったのはみなさん知るところだろう。一方でゆかりちゃんは、数人とやり取りして会ったのは私で3人目だったらしい。 その2人とは1回会ったが相性が合わなかったらしく、そのまま疎遠になったようだ。そして隠すでもなく画面を見せてくれたので見てみると、たくさんの男性からオファーがきていた。 ゆかりちゃんの性格上、これは自慢とかではなく、隠し事はありませんという意味のようだ。基本的に婚活アプリ・サイトというのは、女性はたくさんの「いいね」をもらうので、それだけでも結構大変らしい。 そんな形でお互い見せ合った後、 「じゃあ退会画面を開いて・・・」 と一緒にスマホを並べて同じ画面へと進んでいく。 そしていくつか
お腹がいっぱいになり各々のんびり過ごす。 温泉に既に入っていた私は、座椅子に腰かけてゆかりちゃんやしゅんくんの様子をボーっと眺めていた。だんだんと眠くなってきて・・・ 「私、そろそろお風呂入りますね。」 その一言でハッと目が覚める。 ゆかりちゃんはしゅんくんと一緒に部屋付きの露天風呂へ入るようだ。 「まだ少し肌寒いですけど、温まりそうです。」 「そうだね、ゆっくりしておいでよ。なんかあったら呼んでね。」 「はい、ではちょっと行ってきます。覗いちゃだめですよ?」 「分かってるよ(笑) 行ってらっしゃい。」 そうして2人は荷物を持って露天風呂のほうへと移動していった。 部屋から見ようと思えば見える場所にあるけど、さすがにそれは約束だから見ないようにする。当たり前かもしれないけど、その辺りはしっかり配慮された造りになっているのでさすがだな~と思った。 待っている間は特に何かするわけでもなく、何か
ボリュームたっぷりの夕食は食べきれないくらいでお腹パンパン。 しばらく休んだのち、 「私、大浴場には行かずにここの露天風呂に入ることにしますね。しゅんを入れるのもそのほうが楽ですし。」 「あ、そうだね、そのほうがいいかも!大浴場まで結構遠かったし、のんびりできるもんね。俺も後で露天入るよ。」 「でもまだお腹いっぱい(笑)もうちょっと休んでからにします。」 そう言ってゆかりちゃんも椅子に腰かけてのんびりしていた。 部屋が広いのでしゅんくんは嬉しそうに駆け回る。 私としてはお腹も満たされ、温泉も入って、至福の時を迎えていた。 もういつでも寝れそう。 ・・・だが、夜はまだまだこれからだ。
そんな感じで時間を忘れるくらい満喫したところで、ようやく部屋へと戻った。すると・・・ゆかりちゃんから着信が!? えっ、遅すぎたかな、そんなことを考え慌てて電話に出る。 「もしもし?夕食の準備始まるみたいだよ。もうすぐ来れそう?」 「ゴメンゴメン、今部屋へ向かっているところだからもうすぐ着くよ!」 予定をオーバーして温泉に入ってしまった・・・が、ギリギリセーフ。 部屋へ戻ると仲居さんが料理の準備を始めていた。 並べられている料理はどれも美味しそうだった。ちゃんとしゅんくんの分もお子様用ということで配膳されていたが、「子供用?」っていうくらいボリュームがあってびっくり。 温泉に入って美味しい料理に舌鼓を打つ。醍醐味だなぁ。 「温泉どうでした??」 「いや~最高だったよ。ゆかりちゃんもご飯食べたら行っておいでよ。」 「はい!ご飯美味しそうですね~お肉も刺身も美味しそう。」 そう言って目を輝かせる
「うわ~素敵な部屋。露天のほうも見てみようよ?」 そう言って私としゅんくんを連れて露天がある外へと移動するゆかりちゃん。そこは素敵な和の庭のようになっていて、露天風呂に入っている時はもちろん、室内から見るロケーションも最高に感じる。 室内係の説明を受けたのち、思いっきり畳の上に転がってみた。 あーやっぱり畳は最高だな~ 運転疲れはそんなに感じていなかったが、それでも体は喜んでいるようだ。 さて時間は夕刻。 夕食の時間までにはまだ余裕があるので、まずはせっかくなので、お互いが交互に大浴場のほうへ入りに行くことになった。部屋に露天風呂があるとはいえ、やはり温泉にきたなら大浴場にも入りたい。 私は温泉にきたら、複数回入ったり、風呂の種類があればそれだけ全てに入りたくなるものだが、共感してくれる人はいるだろうか? 大浴場までは結構遠くて、一人でのんびりと向かう。人は結構いたけれど、それもあまり気に
旅館の前までやってくると、とても大きくて広々としたところだった。歴史もありそうなところだけど、改装したのか別棟を新築したのか、とても綺麗に見える。 「お待ちしておりました。」 丁重に迎えてくれた旅館のスタッフに車を預け、3人、どことなくぎこちない感じでエントランスへと入っていった。 チェックインする前のフロントロビーも広くて、ゆかりちゃんとしゅんくんも喜んでいる様子。一人旅もいいけど、こうやって複数人だからこそくる旅館ってやっぱりいいなーって思う。 そして室内係の女性の案内によって、いざ宿泊部屋へ! 少し複雑な経路を辿って案内された部屋は・・・びっくりするくらい素敵な部屋☆ 広々とした和室に+α、そして何と言っても部屋に露天風呂が付いているのだ。これだけでもしかしたらどこの旅館か分かってしまうかもしれない。やはりしゅんくんが小さいということもあり、部屋に露天風呂があったらいいなーとチョイス
「さあ、まずはコンビニにでも寄ってドリンクを買っていこう!」 付き合っている実感は湧いてきていたはずなのに、初めてのドライブに旅行ということでまたしても夢心地がしてくる。傍から見たら、もちろん父親に見えるだろうし^^ この日は昼過ぎに出発したこともあって、夕方頃に旅館へ到着してゆっくりする予定になっている。旅館までは数時間かかると予想されたが、それでも余裕を持ってのんびりと高速道路を走っていった。 道中はお互いが好きであろうアニソンやゲームミュージック、そして世代の音楽をかけて、趣味の話を中心にずーっと話題が尽きることは無い。しゅんくんは割と早めに寝落ちしてしまった。 運転には自信があるけど2人の大切な命を預かっている身、安全運転を徹底せねば!その意識は当然あるものの、ついつい夢中になってしまう。 大抵子供は車で寝てしまうと聞くが、それでもこうやってすやすや寝ている姿を見ると、なんだか嬉し
まだまだ先のこととはいえ、婚活で知り合った人のお母さんだから意識せずにはいられない。付き合うだけならまだしも、結婚ともなればお互いにとっても重要な関係になってくる。 そして目線を下に落とすと、にこにこと屈託のない笑顔でこちらを見つめる姿がそこにあった。 しゅんくん・・・可愛すぎる! お目目パッチリで女の子みたいな男の子。 髪が長いこともあって余計にそう見えるが、人見知りもせずに初めての私に対しても笑顔で応えてくれた。まだ2歳、言葉は一言二言といった感じだったが、そこに不便さは全く感じなかった。 「じゃあお母さん、行ってくるね。お父さんや猫ちゃんのことよろしくね。」 そう言ってしゅんくんを車に乗せ(チャイルドシートをもちろん付けて)、ゆかりちゃんも乗り込む。 そう、ゆかりちゃんは猫を飼っていて溺愛しているのだ。私も猫を飼っていた経験があるし、お互いが動物好きというところも惹かれ合った要因の一
胸の鼓動を感じながら住宅街のほうへと入っていく。 そしてついにあらかじめ教えてもらっていたマンションらしきところへと辿り着いた! ここに住んでいるんだ~とマンションを見上げる。 「もしもし?今着いたよ!多分ここで合っていると思うけど、黒い車で下に停めてるよ。」 「お疲れさまです。すぐに行きますので少し待っててもらっていいですか?」 しばらく待っていると、エントランスからゆかりちゃんが現れた。 「としおさん、遠いところまでありがとうございます。先に荷物載せちゃっていいですか?」 トランクを開けて荷物を入れる。 私がキョロキョロしていると、 「あ、しゅんですよね?もうすぐばぁばと一緒に下りてくると思います。」 しゅんくんはもちろん、お母さんとも初対面。 大丈夫とは聞いているけどやっぱりドキドキしてくるな・・・ すると、手を繋いで一緒にこちらへ歩んでくる姿が目に入った。 自然と背筋が伸び、お母さ
いよいよ迎えたゆかりちゃんとの旅行日! 天気も良くて絶好の旅行日和にまずはホッと胸をなでおろす。 今日が良い意味で忘れられない一日になるといいな。 昨日までに旅行の準備や旅館までのルート、時間などは全て確認しておいたので、余裕をもって朝の時間を過ごす。今日明日と愛犬は家族に任せるため、毎日の日課であった朝晩の散歩には久々に行かないことになる。 「ちょっとお出掛けしてくるから、また明日な。お利口にしてるんだぞ。」 そう言って頭を撫でると、尻尾を振って甘えてきた。 ツラい時もいつも一緒だった愛犬、散歩したり遊んだりして何度助けられたことか。その愛犬のためにも良い報告ができるようにしなければ。 少し余裕を持って家を出発し、目的地であるゆかりちゃんの家へと車を走らせる。ゆかりちゃんの家は先週会った場所よりもやや遠く、車で2時間強といったところか。 それでもドライブ好きであることと、今日のことをいろ
「しゅんくんはどんな感じかな?子供好きだから大丈夫だとは思うけど・・・ちょっとドキドキ。ご両親もいる?」 「そこは安心してもらっていいですよ。しゅんは人見知りしませんし、懐いてくれるはずです!父は多分いないと思いますけど、母はとってもフレンドリーなので絶対大丈夫です(笑)」 自分の中では大丈夫と思っていても、やっぱり初めて親や子供に会うのは緊張する。だからゆかりちゃんがこう言ってくれるのはとてもありがたかった。ホッと一安心。 旅程は1泊2日、初日は温泉地でゆっくりして、2日目にちょっと観光して帰るまったりプランだ。とはいえノープランはマズイので、自分の中である程度構想は練ってある。 ゆかりちゃんにはお楽しみということで黙っておいた。 その後もしばらくいろいろ雑談を楽しむ。 「・・・あ、もうこんな時間だ。また明日会えるし、明日に備えてそろそろ寝よっか?」 「そうですね、明日気を付けて来てくだ
いよいよ迫る温泉旅行。 行く場所は・・・北陸! 時季としては朝晩は肌寒さを感じることもある季節。しゅんくんもまだ小さいし、私もゆかりちゃんも最初はゆっくりしようということで、温泉旅行は最適だった。 日本一周旅行で全国制覇はしているとはいえ、行く温泉地は初めての場所だし、美味しいものを食べてゆっくり温泉に入って、ゆかりちゃんとしゅんくんと遊んで・・・一人旅もいいけど、こういうのは複数人だと絶対楽しい。 ・ ・ ・ そしてついに迎えた旅行日前日。 今日ももちろんゆかりちゃんと電話だ。 「いよいよ明日だね!お昼過ぎにゆかりちゃんの家の近くに行けばいいんだよね?ナビあるから大丈夫だと思うけど、近くに着いたら電話するね。」 「待ち遠しかったです、やっと明日会えますね。はい、LINEで送った住所のトコですので、もし迷ったりしたら聞いてください!」
帰りの電車の中、車の中、傍から見れば怪しいくらいニヤニヤしていたかもしれない。それくらい浮かれた気分で今日のことを回想したり、これからのことを妄想したり、ペアリングを眺めたりしていた。 ゆかりちゃんと交際している この歳になって、ここまで舞い上がれることがあるだろうか?というくらい、青春の甘酸っぱさがこみ上げてきて、なんとも言い難い幸福感に包まれる。 恋愛って難解な方程式と言われたりすることもあるけれど、やっぱりかけがえのないものだ。良く言えば虜にされる、悪く言えば依存症状があると思う。やめられない。 婚活を始めた目的、これまでの辛酸、いろいろあったはずなのにそれらをすべて忘れてしまったかのよう。単純な私が乗せられるのは当たり前だった。 次の予定は週末の温泉旅行。 いろいろ初づくし。 初旅行、初しゅんくん、初ドライブ、初温泉、初宿泊、初〇〇…etc… 会うのが2回目だから初が付くのは当然だ
・ ・ ・ それからも一緒に街をぶらぶらと歩き、気付けば夕刻が迫っていた。 「ゆかりちゃん、しゅんくんのこともあるし、そろそろ駅へ戻ろっか?」 「そうですね、もうこんな時間!時間経つの早いなぁ。」 「来週は温泉楽しみだからまた今週頑張れそうだよ。しゅんくんと会うのも楽しみだし。また詳細は電話やLINEで詰めるとして、当日は俺が車でゆかりちゃんの家まで行くよ。」 「私も頑張れます!しゅんも絶対懐くと思いますし心配いりませんよ。また遠いところまできていただくので申し訳ないですけど、よろしくお願いします。」 喋りながら歩いていると、地下鉄、駅とあっという間に着いてしまった。もう少し一緒にいたい・・・そんな気持ちをグッと堪え、また来週会える、そう思うと寂しい気持ちは穏やかな気持ちへと変化していく。 「ゆかりちゃん、ありがとう。今日は楽しかったし、記念の日になったね。やっぱり実際に会えて良かった!ま
「ゆかりちゃん、じゃあ早速だけど、記念にペアリングでも見に行かない?」 「いいですね。行きましょう!」 そうしてサッとゆかりちゃんの手を取った。 一瞬ビクッ!となったが、素直に握り返してくれた。 その手は温かく、お互いの今の気持ちを表しているかのよう。 久しぶりの恋人気分を味わいながら街を歩く。 これまで見ていた風景と同じはずなのに、不思議とその風景は全く違って見えた。そしてしばらく歩くと、アクセサリーの店に辿り着く。 この店にはリングやネックレスなど、いろんな種類があったので目移りしてしまいそうだったが、 「あっ!これ可愛いです。男の人のはかっこいいですし、これにしませんか?」 私はどちらかと言うと慎重派で結構悩んだり考えたりしてしまうタイプだけど、ゆかりちゃんは感覚を大切にする即断即決行動派のようだ。ここは女性の意見を尊重しよう。 「うん、いいと思うよ。じゃあこれを買おう。」 そして交
・ ・ ・ そして期待をしてゆかりちゃんを見つめる。 ・ ・ ・ ゆかりちゃんは驚いた表情のまま言葉を発した。 「えっ?いいんですか?」 そして 「びっくりしました!としおさん、突然すぎますよ!」 とにこやかに返してくれた。 「ごめんごめん、でも本当の気持ちだから。」 「分かってます、としおさんはいい加減なことを言う人じゃないって。ちゃんと言ってくれて嬉しいです。私のほうこそ、よろしくお願いします。」 やったー!! 思わずガッツポーズしたくなる気持ちを抑え、心の中は幸せな気持ちでいっぱいになった。まだゴールじゃないけれど、婚活を始めて約1年、ようやく初めて【お付き合い】に発展することができたのだから、嬉しくないはずがない。 これまでの婚活の苦労が報われた気がしたこと、もう駆け引きしたり振り回されたりしなくていいんだという気持ち、ゆかりちゃんだけ(しゅんくんも)を見ればいいんだという喜びに、
時が止まる。 自分の口から出た「付き合ってくれませんか?」の一言。 その言葉がこだましているかのように何度も脳内を駆け巡った。 ゆかりちゃんの表情も驚いた表情のまま固まっているかのように思える。この"一瞬"が何秒にも何十秒にも感じられた。 いつかは言おうと思っていたくらい気になっていたゆかりちゃんだけど、まさか無意識に口から出るとは思いもしなかった。話の流れとはいえ、こんなことは生涯初めてだ。 思い起こせば告白したのは、婚活を始めてからは2回目。 1回目のゆうちゃんのときは、何度かの葛藤を経て覚悟を決めて告白をした。だからこそめちゃくちゃ意識して「付き合ってくれませんか?」と言った。 その結果は【保留】という何とも言えない結果になってしまい、その後の関係は非常に微妙な関係になってしまったという苦い記憶がある。それもそう、まだたったの3週間前の話だ(;^_^A ところが今回は"自信"なのか"
そう考えると益々いい加減な気持ちではいけないな、と思う。元々そんなつもりはないけれど、これまでの婚活経験からはどうしても悪いことも考えてしまう場面だった。 それでも、ゆかりちゃんに関しては100%安心できる「何か」があった。 むしろ私よりもゆかりちゃんのほうがその覚悟は持っているだろう。大切な子供がいる身、いい加減な気持ちではそのようなことを承諾するはずがないし、いわゆる「TV等で目にするようなシンママ」には思えなかった。 そのようなことを考えていると、自然と言葉が口をついで出た。 「そうだよね、一泊旅行だもんね。」 「ゆかりちゃん、俺、もちろんいい加減な気持ちでこんなこと提案しないよ。電話でいろいろ話して、そして今日こうやって会って、確信したよ。」 ゆかりちゃんはじっとこちらの目を見つめている。 ・ ・ ・ 「付き合ってくれませんか?」 ・ ・ ・ ゆかりちゃんは驚いたような表情でこちら
ゆっくり休憩して疲れをとったところで、また歩き出す。 「来週、旅行楽しみですね。」 ゆかりちゃんは不意に旅行の話を振ってきた。 「ね、楽しみ。こうやって旅行するなんて久しぶりだし、温泉入ってゆっくりしたいな。しゅんくんとも会うの楽しみだし。」 「ありがとうございます。私も久しぶりなんです。行ったことないところなのでワクワクしますし、旅行ではゆっくりと過ごしたいですね。しゅんは人見知りしないので、きっと大丈夫だと思いますよ。」 「良かった!子供好きだから大丈夫だとは思っているけど、やっぱり気に入ってもらえるか心配だからね。でも、あまり考えすぎず一緒に楽しく遊べるような仲になれたらいいな~」 「しゅんの反応が楽しみですよ。それに・・・一泊ですし、ね。」 一瞬この発言にドキッとしてしまった。 そうだ、来週は一泊の旅行だ。まだ今日会ったばかりなのに、もう一泊旅行することになっている。勢いで決まった
次はお互いが好きな趣味の店に入る。 いわゆるオタク系の店だが、この辺りは眺めているだけでも楽しい。いまどきのものから懐かしいものまで、それぞれについてあーだこーだとやり取りするのが楽しかった。 オタクと言っても幅広い世界であるため、もちろんお互いが知らない領域もある。とはいえ理解があるというのはこんなにも嬉しいものなのか、当然話題が尽きることは無く延々と喋り続けていた。 まさか知っていた「ときメモ」はもちろん、「マクロス」や「まどマギ」辺りが一番共通していたところだろうか。私が知らないことも、ゆかりちゃんの話を聞いていると興味をそそられるものばかりだった。楽しみが増えたな^^ 「お腹空きましたね?」 気付くと既に2時間以上歩き回っていた。 「そうだね、じゃああの店でなんか食べよっか?」 そう言って近くにあったお店を指差す。 外国人がやっているお店で、いろいろ食べられるお店だった。 「あ、ゴ
お腹も満たされて意気揚々と街へ繰り出す。 特に目的も決めずに歩き出したが、ゆかりちゃんが早速反応する。 「あっ!この店寄っていいですか?」 その店とは服屋さんだった。 女性ものなのでついて回るだけだったが、ゆかりちゃんは嬉しそうにいろいろ見たり当てたりしている。 「これなんてどうですか?似合ってますかね?」 「うん、春っぽくていいんじゃないかな。」 女性の服選びに付き合うなんて何年ぶりだろう。 あまり長いと疲れてしまうのも男の性と言えるが、やはりこういうのはカップルっぽくて嬉しい。一生懸命服選びをしているゆかりちゃんを微笑ましく見ていた。 「としおさんはどちらが好みですか?」 そう言って2つの服を私の前に差し出す。 「うーん・・・こっちかな?」 爽やかな色の可愛い服を指差す。 するとゆかりちゃんは即座に、 「じゃあこっちにしよっと!」 とレジへ服を持っていった。 再びあてもなく歩き出しなが
「昔はよくこの辺にきてたんだよ。もう随分前だけど懐かしいな~」 「私も若い頃はよくきてました。としおさんもきてたんですね。」 この辺り一帯は、この地域では若者が多く集まるいろんなお店があるところだ。とはいえ老若男女、様々な世代の人が行き交う素敵な街。 「大学がこっちのほうだったからね。あんまり変わってない気がするよ。」 「もしかしたらニアミスしてたかもしれませんね(笑)」 そう言ってゆかりちゃんはにっこり笑う。 そうこうしているとランチが運ばれてきて、ゆかりちゃんはマスクを取った。 ・・・顔全体を見てもやはりタイプだ。思わず見惚れていると、 「としおさん?どうかしましたか?食べましょう!」 「ああ、ゴメンゴメン、食べよっか。」 ランチはもちろん美味しかったけれど、それは正直どうでも良かった。ただただこうやってゆかりちゃんとランチを食べられる、隣同士で楽しく談笑できる、その時間がとても愛おし
実際に見るゆかりちゃんは写真のとおり、背は標準くらいで、目がパッチリ、スタイルも女性らしく惹かれた。可愛い・・・普通なら緊張してしまいそうだが、電話で毎日話しているおかげか、最初から同じように話すことができた。 「大丈夫だよ、じゃあ早速お店のほうへ行こっか?」 「そうですね、行きましょう。」 そして地下鉄に乗ってお店へ移動する。 「地下鉄も全然乗らない?」 「そうなんです、全く(笑) 普段は車ばかりですし、あんまりこっちのほうへ来なくて。」 「なんか初めて会うような感じがしないよね。」 「私も思いました、不思議です。いつもたくさんお話してるおかげですね!」 電話と同じように話が尽きない。 いろいろ話しているうちにあっという間に店へ到着した。 今回は事前にリサーチした結果、予約は必要なさそうなところだったため予約はしていない。少しだけ待って店に入り、隣掛けで座ることになった。 これまでの婚活
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