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内資製薬企業で早期退職募集の発表が相次いでいます。直近2週間でトーアエイヨー、住友ファーマ、田辺三菱製薬、協和キリン、武田薬品工業の5社が募集を発表。背景は各社各様ですが、事業環境が変化する中、人員体制を見直す動きが加速しています。 住友ファーマは700人「合理化必須」 7月31日、住友ファーマは約700人の早期退職者を募集すると発表しました。対象は、生産部門と再生・細胞医薬事業部門以外の部署に所属する40歳以上かつ勤続5年以上の社員。同社の単体従業員数は2836人(6月末時点)で、募集枠はこの4分の1にあたります。同社では過去最大規模の早期退職者募集です。 同社は、主力製品だった抗精神病薬「ラツーダ」が23年2月に米国で特許切れを迎え、業績が低迷。23年3月期に745億円、24年3月期に3150億円の最終赤字を計上し、今期も160億円の純損失を見込んでいます。米国ではすでに人員削減を行っ
国内の主な東証プライム上場製薬企業(事業)の2023年度の業績を、▽売り上げ・利益▽研究開発費▽主力製品売上高▽海外売上高――の4つの切り口からチャートで解説します。 第一三共「エンハーツ」91%増 各社の決算発表資料をもとに、主力製品(売り上げ上位3製品)の売上高と、総売上高に占める割合をチャートにしました。 武田薬品工業は、炎症性腸疾患治療薬「エンタイビオ」が8000億円を突破。免疫グロブリンも前年度比23%増と好調だった一方、ADHD治療薬「ビバンセ」は米国での特許切れで売り上げを落としました。大塚ホールディングス(HD)は、抗精神病薬「レキサルティ」をはじめ上位3製品がいずれも前年度から20%を上回る成長。抗がん剤「ロンサーフ」を加えた「グローバル4製品」の売上高は7000億円を超えました。 アステラス製薬は、前立腺がん治療薬「イクスタンジ」が前年度比14%増の7505億円を売り上
アステラス製薬が4月1日付で、トップマネジメントにデジタル&変革担当(CDTO=Chief Digital & Transformation Officer)を新設します。その任に就くニック・エシュケナジー氏がメディアの共同取材に応じ、CDTOとして取り組む変革とデジタル戦略について説明。最も重要なことは「アジャイルなマインドセットを根付かせること」だと強調しました。 中核となるのは「部門横断的な少人数のチーム」 エシュケナジー氏は、米コストコやオーストラリアのスーパー大手ウールワースなど、他業界でデジタル/テクノロジーのイニシアチブを推進してきた経歴を持つ人物。アステラスには、昨年11月にデジタル部門の部門長(CDO=Chief Digital Officer)として入社し、同社のデジタルケイパビリティの強化に取り組んでいます。 この4月からトップマネジメントに加わって推進していくのは、
8月22日に筑波大と弘前大が発表した「ノーベル賞級の研究成果やイノベーションの創出を促す研究費配分を解明」と題するプレスリリースが話題を呼びました。 読んだ人も多いと思いますが、これは科学誌「PLoS ONE」に掲載された「The effectiveness of Japanese public funding to generate emerging topics in life science and medicine.(生命科学・医学分野における萌芽的トピック創出に対する科研費の費用対効果)」という論文を紹介したもので、プレスリリースの冒頭にはこんなことが書かれています。 「生命科学・医学分野に配分された1991年以降の科研費をすべて調べた結果、萌芽的トピックやノーベル賞級トピックの創出を促すには、受給する研究者にとっては高額研究費を得るほど多くの成果を創出できる一方で、投資効率とし
ここ数年、急速に広がっている製薬企業によるデジタルを活用した取り組み。国内製薬業界のデジタル分野での協業状況をマッピングしました。 精神疾患中心にDTx加速 国内で事業展開する製薬企業のプレスリリースなどをもとに、未病・予防、診断、治療の分野でのヘルステック企業などとの提携関係を相関図にまとめました。 マップを見てみると、各社ともすでに複数の治療薬をラインアップする得意領域でデジタルを使った取り組みを進めていることがわかります。 特に動きが活発なのが精神疾患の領域で、大塚製薬、塩野義製薬、Meiji Seikaファルマなどこの領域に強みを持つ製薬企業が並んでいます。大塚は、2019年に米クリック・セラピューティクスから大うつ病性障害治療用アプリのグローバルライセンスを取得。21年から22年にかけて米国でフルリモートの臨床試験を行いました。昨年10月には、ジョリーグッド(東京都中央区)と統合
Answers> AnswersNews> 連載・コラム> ASCOで注目集めた「エンハーツ」…日本発のブロックバスター候補、ほかにはどんなものがある?|コラム:現場的にどうでしょう 6月上旬の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表された、抗体薬物複合体(ADC)「エンハーツ」のHER2低発現乳がんを対象とした臨床第3相試験の結果は圧巻でした。詳しくはAnswersNewsの記事(「エンハーツ」HER2低発現乳がんP3で好結果―新たに数十億ドルの市場開拓へ)に譲りますが、HER2を標的としているこの薬がHER2の発現が非常に低いがんにも効果を示したのだから驚きです。 エンハーツは旧第一製薬と旧三共、それぞれの研究が合併を機に組み合わさってできた日本発の薬です。皆さんもご記憶の通り、第一三共はエンハーツの開発・商業化で英アストラゼネカと総額69億ドルという大きな提携を結びました。ディールの大きさ
AnswersNewsが22年3月期を中心に東証プライム上場の主要製薬企業41社(製薬が本業でない企業が手がける医薬品事業を含む)の直近の決算を集計したところ、売上高トップは3.6兆円の武田薬品工業、2位は1.5兆円の大塚ホールディングス(HD)、3位は1.3兆円のアステラス製薬でした。41社のうち大手から準大手は軒並み海外が好調で、多くの企業が増収を確保。売上高は41社全体で前期比9.6%増となりました。 [売上高ランキング]オプジーボ好調の小野、協和キリン抜き9位に 国内製薬会社の売上高トップは今年も武田薬品工業。22年3月期は前期比11.6%増の3兆5690億円を売り上げました。主力の潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンティビオ」(5218億円、前期比21.5%増)や遺伝性血管性浮腫治療薬「タクザイロ」(1032億円、19.1%増)がグローバルで好調だったほか、帝人ファーマに糖尿病治
2021年12月期(一部の日本企業は22年3月期、豪CSLは21年6月期)の世界売上高100億ドル超の製薬会社25社の業績を集計したところ、米ファイザーが5年ぶりのトップとなりました。新型コロナウイルスワクチンで4兆円あまりを稼ぎ、同社の売上高は約9兆円まで拡大。2位は前年首位のスイス・ロシュで、3位は米アッヴィでした。 ファイザー、前年2倍の約9兆円を売り上げ 米ファイザーが5年ぶりに世界首位の座を奪還しました。2021年の売上高は前年比95%増の812億8800万ドル(8兆9254億円)。新型コロナウイルスワクチン「コミナティ」で売上高全体の45%にあたる367億8100万ドルを稼ぎ出しました。特許切れ薬事業を切り離したことで昨年は8位まで順位を落としていた同社ですが、コロナ特需で一気に首位へ駆け上がりました。 2位は前年まで4年連続トップだったスイス・ロシュ。主力の多発性硬化症治療薬
Answers> AnswersNews> 連載・コラム> 副作用は極めて少ない?効果は他を圧している?政治家の科学リテラシーを問う|コラム:現場的にどうでしょう 「日本人対象の治験で副作用は既存薬より極めて少なく効果は他を圧しています」「外国承認をアリバイに石橋を叩いて渡らない厚労省を督促中です」。今月上旬、自民党前幹事長である甘利明衆院議員のツイートが炎上しました。 塩野義製薬が開発中のワクチンと治療薬の治験報告に来ました。日本人対象の治験で副作用は既存薬より極めて少なく効能は他を圧しています。アメリカ政府からも問合せがある様です。ワクチンは5月めど治療薬は2月中にも供給は出来ます。外国承認をアリバイに石橋を叩いても渡らない厚労省を督促中です。 — 甘利 明 (@Akira_Amari) February 4, 2022 最初に断っておきますが、製薬企業によるロビー活動が悪いと言うつも
米国に本社を置くコンサルティング企業Decision Resources Groupのアナリストが、海外の新薬開発や医薬品市場の動向を解説する「DRG海外レポート」。早期の新型コロナウイルス患者に投与すると、臨床的悪化を防ぐ可能性があるとの報告がなされた抗うつ薬フルボキサミン。有効な治療選択肢となるのでしょうか。 (この記事は、Decision Resources Groupのアナリストが執筆した英文記事を、AnswersNewsが日本語に翻訳したものです) 「臨床的悪化」を有意に抑制 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)のフルボキサミンは、前臨床試験で過剰な炎症反応を抑制することが示されている。小胞体に存在するタンパク質であるシグマ-1受容体に高い親和性を持ち、マウス実験では致死的な敗血症性ショックを防ぐ効果が報告されている。 新型コロナウイルス感染症では、サイトカインストームを
国内製薬企業の2021年3月期決算が出そろいました。AnswersNewsが21年3月期を中心に東証1部上場の主要製薬企業43社(製薬が本業でない企業が手がける医薬品事業を含む)の直近の決算を集計したところ、売上高は全体で前期比0.4%減、営業利益は7.9%増となりました。 [売上高ランキング]中外、エーザイ抜き5位に 売上高でトップとなったのは、3兆1978億1200万円の武田薬品工業。前期比2.8%の減収となったものの、2期連続の3兆円超えで断トツの首位を維持しました。2位は1兆4228億2600万円(1.9%増)の大塚ホールディングス(HD)、3位は1兆2495億2800万円(3.9%減)のアステラス製薬で、トップ3は前年と同じ顔ぶれでした。 武田は、主力の潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンティビオ」(4293億円、23.6%増)を中心に新薬が伸長したものの、血友病市場の競争激化や
[ニューヨーク ロイター]英アストラゼネカや米ジョンソン・エンド・ジョンソンの新型コロナウイルスワクチンで、接種後に血小板減少を伴う血栓症が報告され、富裕国は米ファイザーや同モデルナのワクチンに対する期待をさらに強めている。 欧州やアジアの国々は、安全性への懸念からアストラゼネカのワクチンの使用を制限したり、中止したりしている。J&Jの1回接種のワクチンも、アストラゼネカと同様に非常に稀ではあるものの重篤な血栓が数件報告され、米国と欧州で展開が一時的に中止された。 米FDA(食品医薬品局)は、両社のワクチンが血栓症に関係しているかを調査している。これらのワクチンは、ウイルスをベクターに使い、新型コロナウイルスのタンパク質を発現する遺伝子をヒトの細胞内に送り込むことで、免疫反応を促すものだ。アストラゼネカとJ&Jのワクチンは、2021年に世界で供給される新型コロナワクチンの25%以上を占める
抗真菌薬に睡眠薬が混入し、多くの健康被害を出したとして、過去最長となる116日間の業務停止命令を受けた小林化工。4月16日、社外の有識者で構成する特別調査委員会の報告書が公表されました。「上位者の指示は絶対で、下からの問題提起は許されない」「考えることをやめ、黙って従うしかなかった」。報告書には、違法製造を生んだ異常な企業風土を訴える従業員の声が記録されています。 「経営陣が違法製造を放置」 公表された特別調査委員会の報告書は、概要版で135ページに及びます。今回問題となった「イトラコナゾール錠50『MEEK』」の睡眠薬混入について、報告書は「経営陣が、承認書と異なる製造がなされ、手順が管理されていない状態にあることを認識しながら、解消に向けた抜本的な措置を講じることなく放置していたことが根本的原因」と厳しく指摘。小林化工では、GMPに反する違法な製造が常態化していて、報告書を読んだ業界関
今年に入り、国が認めていない方法で医薬品を製造したとして、後発医薬品メーカー2社が相次いで業務停止命令を受けました。後を絶たない医薬品の不正製造。歯止めはあるのでしょうか。 「超品質」虚しく 小林化工が製造販売した経口抗真菌薬「イトラコナゾール錠50『MEEK』」の一部ロットにベンゾジアゼピン系睡眠薬リルマザホン塩酸塩水和物が混入した問題で、福井県は2月9日、同社に医薬品医療機器等法(薬機法)に基づく業務停止命令を出しました。 業務停止の期間は過去最長となる116日間。同社によると、問題の製品は344人に処方され、3月8日時点で245人に健康被害が出ています(3月8日時点)。このなかには、車の運転中に意識を失うなどして事故を起こした人が38人いて、昨年12月には服用した70代女性が死亡しました。 さらに3月3日には、業界最大手の日医工にも業務停止命令が下りました。同社は、品質試験で「不適合
[チューリッヒ ロイター]アストラゼネカ(英国)、ガマレヤ研究所(ロシア)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J、米国)の新型コロナウイルスワクチンは、別のウイルスを使って新型コロナウイルスと闘うワクチンである。これらのワクチンは各国で使用が認められているが、変異株に対応するため毎年接種することが必要になった場合、ワクチンの効果が失われる可能性があると研究者らは懸念している。 ウイルスベクターワクチンは、人体に無害な改変ウイルスを「運び屋」(ベクター)として使用し、新型コロナウイルスの遺伝子をヒトの細胞へと運ぶ。ベクターを介して細胞の中に入った遺伝子から、抗原となる新型コロナウイルスのタンパク質がつくられ、免疫が構築される仕組みだ。 しかし、人体がベクターそのものに対する免疫を持ってしまう可能性もある。 新型コロナウイルスに対するベクターワクチンの多くは、風邪を引き起こすアデノウイルスを
mRNA医薬品として初の実用化例となったファイザーの新型コロナウイルスワクチン(同社提供) 新型コロナウイルスワクチンとして初めて実用化され、注目を集めている「mRNA医薬品」。感染症予防以外にも、がん治療や再生医療などへの応用が期待されています。研究開発をリードしているのは独ビオンテックや米モデルナといった欧米のバイオテックで、英アストラゼネカや米メルク、同ジェネンテックなどの大手も参入しています。 設計図を投与しタンパク質を作らせる 今月17日、国内でも接種が始まった新型コロナウイルスワクチン「コミナティ」。米ファイザーと独ビオンテックが開発した同ワクチンは、mRNA医薬品の実用化第一号となりました。海外では米モデルナのmRNAワクチンも承認されており、WHOのまとめによると、ほかにも5つのmRNAワクチンが新型コロナウイルスを対象に臨床試験を行っています。 mRNA(メッセンジャーR
ダブル・ブラインド・テスト(double blind test;DBT)とは、試験デザインの一種で、治験実施に関わるすべての人間が、どんな薬を投与するのか一切知らずに行われる治験方法。 新薬(被験薬)の治療効果・有効性を確かめるための比較試験として最も一般的な方法であり、二重盲検比較試験ともいわれる。 ダブル・ブラインド・テストは、治験の被験者群をA群とB群に二分し、一方の群には被験薬を、もう一方には対照薬(プラセボなど)を投与して比較するもので、どちらのグループにどちらの薬を投与しているかを、医師、患者、スタッフが誰も知らない状態で行う。 比較試験にはダブル・ブラインド・テストのほかに、どんな薬(偽薬)が投与されるかを被験者のみが知らない「単盲検試験(シングル・ブラインド・テスト)」、治験実施側と被験者の両方が投与(実施)される薬(治療内容)を知っている「非盲検試験」などがある。 シング
オミクロン株対応ワクチン 接種率44% 政府のまとめによると、3月17日公表時点の国内の新型コロナウイルスワクチンの総接種回数は3億8274万5462回。総接種回数のうち、▽1回以上接種したのは1億467万9968人(接種率81.3%)▽2回接種が完了したのは1億333万7283人(80.3%)▽3回接種したのは8624万7739人(68.5%)▽4回接種したのは5819万9141人▽5回接種したのは3028万1331人――となっています。 昨年2月から接種が始まった5~11歳の小児の接種回数は、3月17日公表時点で413万1170回となっており、1回以上接種したのは176万667人(24.1%)、2回接種を完了したのは170万1507人(23.3%)。同9月から始まった追加接種は66万8996人(9.1%)が受けています。昨年10月5日に承認された生後6カ月~4歳未満の乳幼児の接種回数は
[東京 ロイター]米モデルナの新型コロナウイルスワクチンが日本で承認を取得できるのは5月以降になりそうで、東京オリンピック前の全国的なワクチン接種に暗雲を投げかけている。 7月23日に開幕予定のオリンピックに向け、日本は欧米の複数の製薬企業から5億4000万回分以上の新型コロナウイルスワクチンを確保している。これはアジアで最も多く、1億2600万人という人口に対して十分な量だ。 ただ、承認申請を行うには国内で臨床試験を行う必要があり、東京は規制上のボトルネックに直面している。ほかのいくつかの国では、大規模接種を促進するため、審査プロセスを迅速化している。 モデルナのワクチンはすでに、米国、欧州、カナダ、イスラエルで承認を取得している。日本では今月から臨床試験が始まる予定だ。日本での開発、申請、流通は武田薬品工業が担う。 同社の今川昌之・日本ワクチン事業部長は、ロイターに対し、試験の完了には
[ロイター]米国で新型コロナウイルスの感染が広がり始めた3月中旬、ファイザーのアルバート・ブーラCEO(最高経営責任者)は、同社のワクチン研究者に電話をかけ、明確なミッションを与えた。 「彼は『このワクチンを作ることが君たちの使命だ。要求してくれれば、必要なリソースは手当てする』と言った」。同社でワクチン研究のトップを務めるフィリップ・ドリミッツァー氏は、ロイターの取材にこう振り返る。 そのミッションは、刺激的であると同時に困難なものだった。過去に例のない取り組み―パンデミックを止めるワクチンを1年以内につくること―のため、ファイザーは研究者を強力にバックアップした。 「ブーラは、私たちが直面するかもしれない潜在的な障壁にばかりに関心を向けることは望んでおらず、そのかわり、『不可能に挑戦することの方がはるかに良い。たとえ成功しなかったとしても、素晴らしいことを成し遂げたことに変わりはないの
米ファイザーは11月9日、独ビオンテックと共同開発している新型コロナウイルスワクチンの大規模治験で「90%を超える有効性が確認された」とする中間解析結果を発表した(ロイター) [シカゴ/ロンドン ロイター]米ファイザーと独ビオンテックが発表した新型コロナウイルスワクチン候補の臨床第3相(P3)試験の中間解析結果は、期待をはるかに上回るものだったが、多くの疑問は残ったままだ。 両社は11月9日、共同開発している新型コロナウイルスワクチン候補「BNT162b2」のP3試験について、被験者のうち94人の感染が確認された時点でのデータに基づき、90%を超える予防効果が確認されたと発表した。必要な安全性データがそろい次第、月内にも米FDA(食品医薬品局)に緊急使用許可を申請するという。 約4万4000人を対象としたP3試験は当初、被験者のうち32人が新型コロナウイルス感染症を発症した時点で最初の中間
急ピッチで開発が進む新型コロナウイルスワクチン。開発競争が過熱する一方で、有望なワクチンをめぐる国家間の争奪戦も激しくなっています。先進国が競って巨費を投じ、ワクチンを囲い込む、熾烈な「ワクチン争奪戦」を図解します。(写真はロイター) 世界で170種類以上開発 WHO(世界保健機関)のまとめによると、9月3日現在、世界で176の新型コロナウイルスワクチンが開発されており、このうち33種類が臨床試験を実施中。最終段階の臨床第3相(P3)試験に入っているのは8種類で、一部のワクチンは年末から来年はじめにかけて接種が始まる可能性があります。 大規模な臨床試験で安全性と有効性が証明されたワクチンはまだありません。ロシア政府は8月、同国立ガマレヤ研究所が開発したアデノウイルルベクターワクチン「スプートニクV」を承認しましたが、P3試験は完了しておらず、専門家からは安全性や有効性について懐疑的な意見が
近年、国内の製薬業界で急速に進んでいるデジタルの活用。製薬各社は、デジタル技術を取り込もうと外部との提携を加速させています。国内の製薬企業を中心に、デジタル分野での協業関係を「デジタルセラピューティクス(DTx)・治療支援」「研究開発」に分けてマッピングしました。 [DTx・治療支援]中枢神経系や糖尿病で活発 デジタルセラピューティクス(DTx)や治療支援ソリューションの分野では、「中枢神経領域」「認知症・介護」「糖尿病」といった領域で協業が盛んに行われています。 中枢神経領域では、大塚製薬や武田薬品工業の動きが目立ちます。 世界初のデジタルメディスン「エビリファイ マイサイト」を米国で販売する大塚は、米クリックと大うつ病向けの治療用アプリを開発中。同アプリは、ワーキングメモリ(短期記憶)を強化して症状を改善する認知療法を活用しています。武田はパーキンソン病を中心に取り組みを進めており、今
2020年3月、中国の保険最大手「中国平安保険集団」との資本業務提携を発表した塩野義製薬。8月に中国平安との合弁会社を設立し、中国事業を本格化させます。中国を拠点にアジア市場を開拓する方針で、2025年3月期にはこの合弁事業から1000億円以上の売り上げを目指しています。(写真はロイター) 数億人の健康・医療データを活用 塩野義製薬は7月13日、中国平安保険集団との合弁会社「平安塩野義有限公司」を8月に中国・上海に設立すると発表しました。出資比率は塩野義が51%、中国平安が49%。合弁会社のトップには塩野義の吉田達守・執行役員グローバルビジネス部長が就任します。 塩野義と中国平安が合弁会社で行う事業としてこれまでに合意しているのは、 ▽データドリブンの創薬・開発プラットフォームの構築と、それによる医薬品の創薬・開発 ▽AI(人工知能)テクノロジーによる製造・品質管理体制の構築と、それによる
先駆け審査指定制度の対象品目でありながら、申請から承認までに1年4カ月もの期間を要したノバルティスファーマの脊髄性筋萎縮症向け遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」。PMDAが公表した審査報告書で、同社が先駆け審査指定制度を事実上活用しなかったことなど、審査が長引いた経緯が明らかになりました。 「認識が極めて不十分」 「このような多数かつ多岐にわたる問題は、資料の十分性の問題にとどまらず、日本の患者に適用する製品の品質、安全性および有効性を担保するために重要な事項についての申請者の認識が極めて不十分であったことに起因すると考える」 4月14日、医薬品医療機器総合機構(PMDA)は脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」(一般名・オナセムノゲン アベパルボベク)の審査報告書を公表し、製造販売元であるノバルティスファーマの姿勢を厳しく非難しました。承認審査への対応をめぐり、PMDAが
治療薬 国内で使用されている主な薬剤 レムデシビル レムデシビルはもともとエボラ出血熱の治療薬として開発されていた抗ウイルス薬。ウイルスのRNAを合成する酵素プロテアーゼを阻害することで増殖を抑える薬剤です。 日本では2020年5月、重症患者を対象に「ベクルリー」の製品名で特例承認。21年1月には添付文書が改訂され、中等症の患者にも投与できるようになりました。従来は日本政府とギリアドの販売契約に基づき、国が一括して買い上げて医療機関に配布してきましたが、安定供給の見通しがたったことから、21年8月に保険適用され、同年10月からは通常の医薬品と同様の流通体制へと移行しました。 これまでの知見によると、レムデシビルは人工呼吸や高流量の酸素投与に至った重症例では効果が期待できない可能性が高いものの、そこまで重症化していない酸素需要のある患者には有効性が期待できる薬剤です。 デキサメタゾン デキサ
アトピー性皮膚炎に初のJAK阻害薬が登場します。日本たばこ産業(JT)が世界初となる外用JAK阻害薬「コレクチム」の承認を1月に取得。4月にも発売される見通しです。ほかにも5つのJAK阻害薬が臨床試験を行っているほか、サノフィの「デュピクセント」に続く抗体医薬も開発中。近い将来、中等症・重症の患者に効果が期待できる薬剤が相次いで登場しそうです。 世界初の外用剤 日本たばこ産業(JT)は1月23日、自社創製したアトピー性皮膚炎治療薬のJAK阻害薬「コレクチム」(一般名・デルゴシチニブ)の承認を取得したと発表しました。同薬は軟膏剤で、外用のJAK阻害薬は世界初。4月の薬価収載が見込まれており、販売は子会社の鳥居薬品が行います。 アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が身体のさまざまな部分にできる疾患です。体質的な要因(アレルギーを起こしやすい、皮膚のバリア機能に異常がある)と外部からの刺激(ダニ
花粉症シーズンが目前に迫り、今年も抗アレルギー薬の販売競争が熱を帯びています。今シーズンは花粉症治療薬として世界初の抗体医薬となる「ゾレア」が登場。昨年1月から供給が止まっていた「デザレックス」も供給を再開し、抗ヒスタミン薬も激しいシェア争いが続きます。 世界初の抗体医薬 今シーズンの花粉の飛散量は、全国の広い範囲で例年より少なくなりそうです。日本気象協会が昨年12月に発表した今春の花粉飛散予測によると、九州から関東甲信にかけては例年より少なく、中でも九州は「非常に少ない」見込み。北陸と東北は平年並みで、北海道は「やや多い」と予測されています。昨シーズンとの比較では、九州から東海が非常に少なく、北陸と関東甲信は少ないと予測。東北は昨シーズン並みの飛散量ですが、北海道は非常に多くなるとみられています。 こうした中、今シーズンも花粉症に新たな治療薬が登場しました。ノバルティスファーマの抗IgE
米バイオジェンとエーザイが、臨床第3相試験を中止したアルツハイマー病治療薬アデュカヌマブを、来年初頭に米国で申請すると発表しました。一体何があったのでしょうか。 2本のうち1本のP3試験で主要評価項目達成 米バイオジェンとエーザイは10月22日、今年3月に2本の臨床第3相(P3)試験を中止したアルツハイマー病治療薬の抗アミロイドβ抗体アデュカヌマブについて、一転して2020年の初頭に米国で承認申請を行うと発表しました。申請の方針は米FDA(食品医薬品局)との協議に基づくものだといい、両社は欧州や日本など米国以外の国や地域でも規制当局と協議し、申請を行う予定だとしています。 そもそも3月にP3試験(EMERGE試験とENGAGE試験)を中止したのは、試験を続けても有効性を示す見込みがないと予測されたからです。両試験の独立データモニタリング委員会は、あらかじめ定められた無益性解析の結果から「主
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