永井さんらの話が少しも古く感じられないのは、日本企業が抱える問題が12年前と根本的に変わっていないからではないか。一時の好景気のお陰で深く考えずに済んできたと言ってもいい。終身雇用や年功序列といったシステムも非正規社員を増やすことでかろうじて維持しているにすぎず、その象徴がこの半年間に起きた「派遣切り」だった。 慶応大学商学部の樋口美雄教授(56)=労働経済学=は「かつて日本企業は若い社員を一括採用し、教育し、生きがいまで与えてきた。その力はすでに失われている」と話し、「企業に代わるもの」の必要性を強く訴える。 これは非常に思い当たるな。 バブル崩壊以降、即戦力のみ求めて新人の教育なんて後回し、中途採用・派遣には必要以上のことをしない、させないという時代だった。 そして、年収の多い団塊の世代は己が身の安全だけを図った……… そういわれても仕方ないな、と思う。 何故なら団塊の世代と20代の世