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森友学園への国有地売却を巡り、財務省が決裁文書から、安倍晋三首相(当時)の妻・昭恵氏の名前などを削除していた問題。近畿財務局職員だった赤木俊夫さんは現場で改ざんを命じられ、2018年3月7日、自ら命を絶った。佐川氏はその2日後の3月9日に、国税庁長官を引責辞任。3月27日の証人喚問では、刑事訴追の恐れがあるとして「答弁は差し控える」などと繰り返した。財務省はこの年の6月に公表した調査報告書で、「佐川氏が改ざんの方向性を決定づけた」と結論づけている。 佐川さんですよね? 「知らないです」 それから6年余り。「週刊文春」は5月16日夕方、銀座の街角を歩く佐川氏に声を掛けた。青いワイシャツにスラックス姿。マスクは胸ポケットに入れており、顔を隠しているような様子はない。
「原稿から顔を上げて最初に頭をよぎったのは『これはすでに発表されている作品を持ち込んできたのではないか』という疑念でした。それほど、完成度が高すぎたのです」 当時29歳の編集者が驚いた、心を揺さぶる小説の持ち込み原稿。「これはすでに発表されている作品を持ち込んできたのではないか」と疑ってしまうほどの小説を送ってきた人物とは……? 講談社の人気小説を数多く手掛けた編集者の唐木厚氏による初の著書『小説編集者の仕事とはなにか?』(星海社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む) ◆◆◆ 編集者人生を変える、運命の電話 忘れもしない1994年、僕が29歳のゴールデンウィークのことです。連休の狭間の平日、社内にもさほど人がいない中、暦どおりに出社していると、編集部に電話がかかってきました。 相手の問いは「いまでも出版界には持ち込みという制度は残っているんでしょうか?」というもの。Y
星野の所属事務所がXを通じて声明文を発表 〈超有名女優とドラマ共演して電撃結婚した男性歌手が、結婚後に今度は番組共演した某NHKアナとW不倫し、今年の元旦に某週刊紙が本件をすっぱ抜く予定だったものの男性歌手の所属事務所が10億円を支払って記事を揉み消した件〉 5月22日、ガレソはXに次のように投稿。すると翌23日、星野の所属事務所アミューズの法務部がXを通じ、「滝沢ガレソ氏の投稿に関して」と題する声明を発表したのだ。 アミューズの声明文 〈星野源において当該投稿にある事実は一切なく、また当社が記事をもみ消した事実も一切ありません〉〈法的措置を含む対応を検討いたします〉 新垣も公式Xのプロフィール欄を更新。〈いま騒がれ噂されている件に事実はひとつもありません。心配してくださっている皆様、ご心配なく〉と綴った。 “SNS時代の寵児”となった滝沢ガレソの正体とは ガレソは274万人ものフォロワー
2018年からは松本も代表取締役に就任 ウルフルズは1992年にデビュー、96年にNHK紅白歌合戦に初出場。『ガッツだぜ!!』『バンザイ~好きでよかった~』『ええねん』などのヒット曲がある。現在もライブやツアーを続ける人気バンドだ。 ウルフルズ公式HPより 不正受給をしていた会社は、ドレスなどの販売をする「株式会社アサクラ」(大阪市)。代表取締役社長で創業者の朝倉満氏(88)が松本の義父(妻の父)にあたり、2018年からは松本も代表取締役に就任。会長職を務めていた。
〈星野源において当該投稿にある事実は一切なく、また当社が記事をもみ消した事実も一切ありません〉 5月23日、X(旧Twitter)を通じて声明を出したのは大手芸能事務所のアミューズ。怒りの矛先が向けられたのは「滝沢ガレソ」だ。 フォロワーは274万人超(本人Xより) 約274万人ものフォロワーを抱える暴露系インフルエンサーのガレソ。芸能デスクが解説する。 「事件から芸能まであらゆるジャンルの裏情報を発信しています。独自にタレコミを募って“報道”することもある。その拡散力は凄まじく、過去に回転寿司『スシロー』で醤油ボトルの注ぎ口を舐めた少年の迷惑動画をぼかし無しで拡散すると、一気に広まり、SNS上で少年の名前や学校名などが晒され、“私刑”のような状況になった。当該ツイートは削除されましたが、結局、少年は自主退学に追い込まれた。一般人でも容赦なく晒し上げる手法には批判の声があります」 そんなガ
2018年10月、駐屯地の寮で、先輩は「辞めてしまえ」と摑みかかってきた。その後私は医師から「うつ状態」と診断され……。「あの事件が原因で心を病み、自衛官という職を諦めることになりました。今でもテ…
《朝日の政治報道の中核を担っている人間が事件を笑っている。人の命を暴力的に奪う殺人と、言論による安倍政権批判との区別もつかない状況に慄然とした。「あなたのような人間は政治部デスクの資格がないから、辞めるべきだ」そう指摘した。しかし、「僕、辞めろって言われちゃったよ」と茶化して何の反省も示さなかったどころか、その後もしつこくつきまとわれた。》 読んでいてゾッとした。 《冷笑に満ち溢れた管理職が跋扈する姿は、近年の幹部のもとで進んだ人心の荒廃を象徴するものだと感じた。》 安倍政権の振る舞いを書いてきた南氏に「うれしそうだね」とニタニタ声をかけてきた上司は、時の政権や権力者を批判したり声を上げて抗議する人びとを冷笑し、茶化していたことになる。そうした風潮は世の中全体に広がっている。 《市民社会でいろいろな声をあげている人々がそういう形で冷笑される風潮が強まるなか、記者でもある僕がそれと向き合わな
実はこれら「朝日の冷笑」の答え合わせになる本を最近読んだ。『絶望からの新聞論』(地平社)だ。著者の南彰氏は朝日新聞を昨年退職した。南氏によるとここ数年、 《上層部はネット上で「また朝日が」と書き込まれることを極度に警戒していた。》という。 『絶望からの新聞論』(地平社) 吉田清治氏による虚偽の証言に基づく「慰安婦」の記事と、福島第一原発事故の政府事故調に関する吉田昌郎所長の調書に対する記事を巡り、朝日新聞は批判を浴び続けた。読者としての実感でも、あれ以降の朝日は腰が引けた印象があったが、本書によれば朝日上層部は批判を恐れ「管理」を強化するようになった。 社員のSNSを監視 広報部を訪れたとき、「南さんのSNSも毎日見ていますよ」と言われたという。 《朝日に関する投稿を三~四人でチェックしている部屋で、担当者がパソコンの画面を見せてくれた。社員のSNSでの投稿内容や「炎上」を監視するタイムラ
私たちはなぜニュースを見るのだろう。読むのだろう。 自分のことを言うと、新聞を14紙購読しているが、きっかけは噂やゴシップの真相を知りたくて情報を読み比べていたら今に至った。野次馬だと自覚している。では周囲はどうなのだろう。TBSラジオの番組『東京ポッド許可局』で共演しているマキタスポーツ、サンキュータツオに聞いてみた(3月16日放送分)。 マキタさんは「世の中の動きを知ることで“より生きている”感じを確認するため」と教えてくれた。タツオは「好奇心からニュースに興味を持ったが、そのうち情報を摂取することで怒りを感じるようになった」という。就職氷河期世代のタツオはニュースを見ても生活が良くなる実感がなくて孤立感があったという。「徐々にニュースを知らないほうが安寧に過ごせるのでは?」と思うようになり、一人の力では何も変わらないという無力感しかなかったと。 ニュースを見る理由 ただ、「こんなに頑
都の路上でバクチにカツアゲ、大乱闘……500年前の日本はどのような様相を呈していたのか? ここでは歴史学者・清水克行さんの新刊『室町ワンダーランド あなたの知らない「もうひとつの日本」』(文藝春秋)を一部抜粋して紹介する。 テレビ制作会社から来た「伊達政宗とずんだ餅」に関する取材依頼に、あ然とした理由は……。(全2回の1回目/続きを読む) 最近は歴史をテーマにした番組が多いので、よく僕のところにもテレビ制作会社からの取材が来る。 以前、ある民放のテレビ番組のAD(アシスタント・ディレクター)さんから電話があって、「伊達政宗がずんだ餅を発明したというのは本当ですか?」という質問をもらった。その番組では「枝豆は健康に良い」という企画をやりたいとかで、ついては枝豆が日本の歴史上どれだけ愛されてきたかをユニークな逸話をもとに紹介したいのだという。 真相はいかに ずんだ餅とは、餅にすりつぶした枝豆の
川崎市川崎区の多摩川で昨年12月、スーツケースの中から東京都江戸川区の無職、原唯之さん(享年46)が遺体で見つかった事件。神奈川県警は25日、死体遺棄の疑いで、原さんの元交際相手ら5人を逮捕した。 死体遺棄の疑いで元交際相手ら5人を逮捕 逮捕されたのは、無職の西髙舞容疑者(32)とその両親で派遣社員の西髙昌浩容疑者(53)、西髙美保容疑者(51)、舞容疑者の兄の西髙昌吾容疑者(34)。そして舞容疑者の知人で会社員の岩城周平容疑者(39)である。 事件が発覚したのは昨年12月29日夜のこと。「大きめのスーツケースがある」と釣り人からの110番通報を受け、神奈川県警が翌30日に中身を確認したところ、遺体となった原さんが入っていたのだ。首には絞められた跡があり、警察は以降、殺人・死体棄事件として捜査を進めていた。 舞容疑者(左)と、母親の美保容疑者(美保容疑者のFacebookより) 「事件発生
今年のアカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した『関心領域』(5月24日公開)。主人公は、アウシュビッツ強制収容所の所長ルドルフ・ヘスだ。収容所と壁を隔てたプール付き邸宅で、豊かな暮らしを満喫するヘス一家。「壁の向こう」からは音が聞こえてくるだけだ。 被爆者を映さなかった『オッペンハイマー』との比較から、現在のパレスチナ情勢への態度まで。アウシュビッツ訪問やホロコースト生存者への取材経験もある評論家の荻上チキ氏が読み解く、本作が観客に対峙させるものとは…。 ◆◆◆
部屋の中央の椅子に、手を針金で縛られ座らせられた青年。10人ほどの男女が囲み、手にした凶器を振り下ろす。青年の哀切なる声が響く。 ――僕は中核じゃない。俺はスパイなんかじゃない! 1972年11月8日。早稲田大学文学部キャンパスで、第一文学部2年生の川口大三郎さんは、革マル派に8時間に及ぶ暴行の末に殺された。彼はなぜ殺されたのか。この事件を契機になぜ“内ゲバ”はエスカレートしたのか。代島治彦監督の最新作『ゲバルトの杜 彼は早稲田で死んだ』は、当時者の証言を積み重ね、その真相に迫るドキュメンタリー映画だ。冒頭の短編劇「彼は早稲田で死んだ」は演出家の鴻上尚史さんが担当した。「三里塚闘争、学生運動の映画を撮った監督に、あとは内ゲバしかないでしょうと1冊の本を手渡したのが始まりでした」と振り返る。その本、樋田毅さんの『彼は早稲田で死んだ』(小社刊)を原案として、映画は制作された。鴻上さんは、樋田さ
愛知の人には申し訳ないのですが、「名古屋飛ばし」という言葉があるほどに、名古屋は何かと飛ばされがちです。名古屋に行くチャンスがあったらあったで、正直、どこに行ったらいいか当初はよくわかりませんでした。 ところが、本格的な外国料理を食べられる「異国飯屋」に目覚めてからというもの、名古屋や愛知、ひいては東海地方は、ものすごく面白い場所だと感じるようになりました。東海地方はモノづくりが活発で、外国人労働者を雇用している会社が多いため、自然と異国飯屋が集まるのです。
関係者によると、A子さんが転落死したのは4月14日の早朝。マンションの前には、警察官が集まっていた。別の棟に住むある男性は「警察官が来ていたのはわかりましたが、特に説明や聞き込みがあるわけではなく、何が起きたか分からなかった」という。 「数日後に女子児童が転落し、亡くなったと近所の人から聞きましたが、なぜ転落したのかはわからない」と続けた。 1週間たっても報道は一切なかった A子さんの転落について、本人を知る関係者から筆者に情報が寄せられたのは死亡から約1週間後のことだった。その時点で、報道などは一切なかった。 警察関係者はこう述べる。 「亡くなったA子さんは、父親から性的虐待を受けていた可能性が高いと見られています。A子さんは虐待について仲のいい友人1人に相談していましたが、まだその友人はA子さんの死を知らされていません。A子さんの事件が公表されていないのは、その友人へのショックを避ける
日本を代表する声優の古谷徹。30代女性A子さんと2019年から約4年半にわたり不倫関係にあった。2023年9月に関係が終わるまで、古谷とA子さんは東京や出張先のホテル、古谷の別荘などで逢瀬を重ねていた。 だが、2020年9月頃、A子さんは別荘で古谷と喧嘩になり、暴力を振るわれる。同年10月、それについて話し合いをするが……。 テキスト版の記事はこちら
「名探偵コナン」の人気キャラ・公安警察官の安室透役で知られる声優・古谷徹(70)が、古谷のファンである30代女性と4年半にわたる不倫関係にあったことが、『週刊文春』の取材で分かった。古谷も22日に自身のXを更新し、「私は、あるファンの女性と昨年9月まで4年半という長い期間不倫の関係にありました」と謝罪した。 古谷といえば、『巨人の星』の星飛雄馬、『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイ、『美少女戦士セーラームーン』のタキシード仮面、『ドラゴンボール』のヤムチャなど、数々の人気アニメに出演してきたレジェンド声優だ。その古谷は2012年に『名探偵コナン』に登場した安室役で、さらなる人気を博すことになる。
「それ(自民党が割れること)が一番望ましい政界再編かも知れません。自民党に居心地の悪さを感じている人(議員)もそれなりにいるんですよ」 支持率低迷に喘ぐ自民党。次期衆議院選挙で自民公明の与党が過半数割れとなる可能性も囁かれる中、それを政権交代にまで結びつけられるのか。立憲民主党最高顧問の野田佳彦元首相は「青山和弘の永田町未来café」に出演し、政権交代に向けた戦略と、党内に待望論もある自身の代表就任の可能性について赤裸々に語った。
下り線ホームにある弥生軒6号店 山下清画伯がいた有名店 我孫子駅を利用また通過している人で知らない人はいないだろうし、女子学生でさえ一度は食べたことがある、ある意味我孫子のソウルフード的存在である。 そしてもうひとつ、山下清画伯が昭和17(1942)年から5年程働いていたことでも有名な店で、芦屋雁之助さんや塚地武雅さんが山下清を演じた「裸の大将放浪記」は人気テレビ番組だったから、ピンとくる人も多いと思う。芦屋雁之助さんは山下清と瓜二つだったというのが面白い。しかも塚地武雅さんは大の立ち食いそばファンである。 山下清画伯がいた有名店「弥生軒」 ゴールデンウィークが明けた平日の午後、久しぶりに「弥生軒」を訪問してみた。 弥生軒は昭和3(1928)年、我孫子駅で弁当の販売としてスタートした。今の3代目社長、植崎和基さん(64歳)の祖父が創業した。駅そばの販売は昭和42(1967)年頃から。唐揚げ
――「80年近く前の話のはずなのに、まるで現在の差別を見ているようだ」という人も多くいます。 國本 2024年の現状だけを見ると、確かにまだまだひどい差別はあります。でも法とか法律って自然現象のように勝手に出てくるわけではないので、もっとひどい状況の中で戦って、努力した人たちの積み重ねで改善が進んできて今があるのも事実なんです。それを理解するには、歴史を学ぶ必要がある。でも司法試験対策ではそういう勉強は全く必要ないから、歴史という縦軸が抜けてしまう可能性はあるのだなと改めて思いました。 『虎に翼』は、「日本国憲法97条のドラマ化」 ――法律の歴史だと、たとえばどんなことがポイントなのでしょうか。 國本 戦後に日本国憲法ができて女性が初めて参政権を得て、女性国会議員が誕生しました。でも、憲法が規定する理想どおりに女性差別がすぐ解消されていったかと言えば、そんなことはない。例えば「女性は結婚し
ゴッホが描いたのは、9月28日21時45分頃の北斗七星だった…天文学による“新しい解明” 渡部潤一が『ゴッホが見た星月夜』(ジャン=ピエール・ルミネ 著)を読む 『ゴッホが見た星月夜』(ジャン=ピエール・ルミネ 著/小金輝彦 訳/石坂千春 日本語版監修)日経ナショナル ジオグラフィック まだ20代の頃、初めてニューヨークに行った時に真っ先に向かったのが近代美術館だった。目的はゴッホの「星月夜」。美術には疎かったので、他の作家の作品には目もくれず、「星月夜」だけを目指した。天文学を学び始めた学生であった私は、この作品の尋常ならざる星や月の描写に衝撃を覚え、ともかく本物を目にしたかったのである。そこには、まるで抽象画と写実画とが合体したような奇妙な世界があり、渦巻く夜空や躍動感溢れる星や月が何かを訴え、迫ってくる気がした。それはゴッホの熱い魂の発露に違いなかった。「夜のカフェテラス」制作中、妹
現場で感じたこと 街頭演説はいろいろな候補者の考えを聞けるだけでなく、チャンスがあれば候補者に話しかけて質問もできる。同じ質問をすることで候補者の考えの違いや、答え方で人柄も知れたりする。とても自由な雰囲気がいい。さらにこのときの小池都知事は「文藝春秋」(5月号)で元側近から学歴詐称疑惑を報じられたばかりだった。小池氏が応援演説で聴衆の前でどう振る舞い、聴衆はどう反応するのか? ぜひ確認したかったのだ。 現場にいたプチ鹿島さん(右)とダースレイダーさん(プチ鹿島さん提供) しかし、つばさの党がそのすぐ横や目の前で大音量で罵倒していた。自分達も立候補しているので「演説」と主張しているのだろうが、こうした行為のために多くの陣営は街頭演説の日程を公表しなくなった。いろんな候補を見にいくことは難しくなり、つまりは民主主義の危機だと深刻に感じた。 一方で選挙戦最終日の街頭演説に行くと警察官がたくさん
毎朝のようにSNSのタイムラインを席巻している「虎に翼」。主演・伊藤沙莉(30)が日本で初めて弁護士になった女性を演じているが、今作が多くのリーガルドラマ(司法ドラマ)と違うのは、現役弁護士たちの心も掴んでいることだ。 伊藤沙莉が演じる主人公・寅子 NHK公式サイトより 「一体どこまで調べて脚本を書いてるんだ」「脚本侮っててすんませんでした」と絶賛する國本依伸弁護士に、『虎に翼』のどんなところがすごいのか話を聞いた。 ――『虎に翼』では主人公の寅子がまさに女性として初めて弁護士になったところですが、その60年後に弁護士になられた國本先生は、法曹の世界で女性差別を感じることはありましたか。 國本依伸(以下 國本) 僕が司法修習生だった2001年頃、検察庁は女性の採用枠をあらかじめ決めているのではないかという噂が流れてきたことはあります。 ――今は女性の比率が裁判官で約22%、検事が約25%で
毎朝のようにSNSのタイムラインを席巻している「虎に翼」。主演・伊藤沙莉(30)が日本で初めて弁護士になった女性を演じている。今作がこれまでの多くのリーガルドラマ(司法ドラマ)と違うのは、現役弁護士たちの心も掴んでいることだ。 毎朝タイムラインを席巻している「虎に翼」 公式サイトより 「一体どこまで調べて脚本を書いてるんだ」「脚本侮っててすんませんでした」と絶賛する國本依伸弁護士に、『虎に翼』のどんなところがすごいのか話を聞いた。 ――『虎に翼』の放送がある日はXに國本先生のポストが流れてくるのを楽しみにしています。弁護士としてどんなところにハマったんでしょう。 國本依伸弁護士(以下 國本) 日本のリーガルドラマは用語その他内容が不正確で、嫌な気分になることが多いのでほとんど観ないんです。だから妻から「次の朝ドラは日本で最初に弁護士になった人みたいやで」と聞いたときには、「伊藤沙莉めっちゃ
「傍からみれば、『社会学者が今度は銀英伝にいちゃもんをつけてきた』という構図だったはずです」 当時、法政大学社会学部教授だった津田正太郎さんはなぜ『銀河英雄伝説』のアニメについてつぶやいただけで炎上してしまったのか? その経緯を新刊『ネットはなぜいつも揉めているのか』(筑摩書房)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む) ◆◆◆ 私の炎上体験 2020年9月11日午前11時41分、いつものようにカフェで仕事をしていた私は、ふと思いついて次のような連続ツイートをしました。 ◆ 銀河英雄伝説のリメイク。三期以降も続くのかな。もしそうなら、男女役割分業の描き方は変更せざるをえない気がする。旧アニメのままだと、さすがに時代にそぐわない。作品として大変に面白いのは踏まえたうえで。…なんてことを書いたら炎上するかな。実際のところ、昔のドラマやアニメをみていると、価値観の変化がもっとも顕
『銀河英雄伝説』のツイートがさらに炎上 そのツイートから数分後には批判的なリプライが私のもとに次々と寄せられるようになりました。仕事を片づけながらですので、ずっとツイッターをみているわけにはいきませんでしたが、それでもなるべく多くのリプライや引用リツイートに対して返信をするように心がけました。対話のなかで意見の一致とまではいかずとも友好的に話を終えることができた方もいたものの、いきなり罵倒されたので返信するとすぐにブロックされるといったこともありました。9月11日は週末だったこともあり、その日は明け方までそうしたやりとりを続けました。 批判的なリプライを寄せてくる方の大部分は、私が何らかの手段によって表現規制を試みていると考えているようでした。「男女役割分業の描き方は変更せざるをえない気がする」という私の書き方も悪かったのですが、いずれにせよ私にはそんな意図は全くなく、先にも述べたようにも
日本時間5月15日、罪状認否のため公の場に久しぶりに姿を見せた水原一平容疑者。今後彼が収監される可能性がある米国の刑務所は、どのような場所なのか。ロサンゼルス在住のジャーナリストが伝える“アメリカ人が見た水原事件”と米国刑務所の実態――。(全6回の6回目/最初から読む) ◆◆◆ 約24億円にのぼる大谷翔平選手のお金を賭博の借金を返済するため胴元に不正送金した「銀行詐欺罪」。そして虚偽の納税申告書を提出した「納税詐欺罪」で告訴されている元専属通訳・水原一平容疑者は、14日、ロサンゼルスの連邦地裁に出廷し、無罪を主張した。「納税詐欺罪」については、2022年、水原容疑者は課税所得をわずか13万6865ドルと申告しているが、実際は、410万ドル以上だったため、110万ドル以上脱税していることがわかった。 ©時事通信 8日に提出された司法取引の合意書では、水原容疑者が歯の治療を装って、大谷選手から
ーーお父さんは、いつ頃にお亡くなりに。 内山信二(以下、内山) 僕が25歳の時なので、18年前の2006年です。 ーーご病気で? 内山 お父さんは職を転々として、最終的にトラックの運転手をやってたんですよ。で、信号待ちをしてる間に心筋梗塞で意識を失って、ブレーキが足から外れてコツンと前の車に突っ込んじゃって。ぶつかったトラックの運転手が出てこないから、前の車の人が「おかしいな」と思って見に行ったらお父さんが意識を失っていて。 その方が救急車を呼んでくれたおかげで一命を取り留めるんですけど、入院した病院で肺炎になって1カ月後ぐらいに亡くなったんです。 ーー兆候というか、どこか悪そうなところはあったのですか。 内山 お父さんは、糖尿で高血圧だったんですよ。だけど、病院が大嫌いな人だったんで、行かないとダメになるのはわかってたけど病院には行かなかった。病院に行ってれば、もうすこし生きられたんじゃ
ーー小4で最高月収が3000万円だっただけに、家族の金銭感覚も狂っていったと。 内山信二(以下、内山) 家族で初めてハワイ旅行に行って、それこそ爆買いですよ。葛飾の下町で魚屋をやってる家で、ブランド品なんか誰も持ってなかったのに、お父さんはロレックス、お母さんはヴィトンのバッグを買って。帰ってからもヴィトンのバッグがどんどん増えていったし、お父さんもベンツに自動車電話を付けたりして「そんなのうちに必要か?」なんて思ってました。 でもね、3900円の登録料を払ってエキストラ事務所に入れた息子が、3000万円とかもらうようになっちゃってんですからね。どうにかなりますよ。 ーー家業の魚屋のほうは。 内山 ショーケースに魚が並ばなくなりました。気づいたら、お父さんが魚を仕入れなくなってたんですよ。それまでは、明け方に市場に行ってバーッと魚を並べてたのに、寝てるようになって。 僕が売れて忙しくなって
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