昔、… 私が小学生だった頃(もう50年以上も前の話だ)、学校の健康診断に「色盲(しきもう)検査」という項目があった。 「色の識別が正しくできているかどうか」ということを検査するもので、“正常” とみなされない時には、「色盲」という(差別的な)診断が下された。 今でもそういう検査があるのかどうか、私は知らない。 最近「色盲検査」という言葉そのものを聞かなくなったからだ。 もしかしたら、そういう検査そのものが廃止されているのかもしれない。 でも、50年前の私は、そういう検査が行われると、常に「赤緑色盲」という判定を受けた。 この世にある色のうち、「赤と緑の区別がつかない」という意味だ。 こういう人たちの比率は、男性でだいたい5%ぐらい。女性では0.2%ほど存在するといわれていた。 もちろん、そんな自覚は私自身にはなかった。 トマトの「赤」とほうれん草の「緑」は、生活の中では識別できたからだ。