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「少年ジャンプ+」で昨年11月から連載開始し、全16話(単行本上下巻)で完結したマンガ『夏の終点』。いわゆる“ジャンプ”らしくない静謐な画風と繊細なストーリーで読者の心を掴んだ。 作者の西尾拓也さんは現在22歳。担当編集者同席のもと、創作の原点を聞いた。 画風が違えど「ジャンプ」を目指すのは当然だった 「少年ジャンプ+」で第1話、第2話を無料公開中。©西尾拓也/集英社 ——最初に本作を読んだとき、非常に静謐なタッチでありつつ情感あふれる物語世界に引きこまれました。同時にこうした作品が「少年ジャンプ+」で連載されていることにも驚いたのですが……。デビューも「少年ジャンプ+」ですよね。 西尾 はい。19歳のとき、「少年ジャンプ+」新人賞の「アナログ部門賞」で入選した『少女と毒蜘蛛』がデビュー作です。 ——小さい頃からマンガ家を目指していたのでしょうか。 西尾 小学生の頃はジャンプっ子でしたね。
人気番組『めちゃイケ』メンバーとして一世を風靡し、その後の多くの女性芸人に影響を与えたオアシズ光浦靖子。彼女が一念発起しカナダ・バンクーバーへと留学したのがコロナもようやく落ち着き始めた2021年7月。50歳の留学生の怒涛の1年目を記したエッセイ『ようやくカナダに行きまして』が文藝春秋から発売された。人生100年時代の折り返しに、異国の地で彼女が見たもの、得たものとは。 最初の方はギャンギャン泣いてた 光浦靖子さん。 ――留学前のインタビューで「自分をもう1回育て直す」というお話をされていましたが、カナダでどれぐらい「育て直し」を達成させられたのだろうと。本を拝読すると、もうスタート時点からコロナで困難の連続でしたよね。 光浦 私が行った何ヶ月か後になると、(コロナの)隔離期間がなくなるんですよね。14日間が1週間になって、だんだんなくなっていくんですよ。でも、 その大変な時期に行ったおか
同じ色の花嫁衣裳、同じようにベールをかけた二人の花嫁が、夫と連れ立って満員電車で移動をしている中で、別の夫によって取り違えられてしまうという奇想天外なストーリーのインド映画『花嫁はどこへ?』。本作は、『きっと、うまくいく』のアーミル・カーンのプロデュースのもと、『ムンバイ・ダイアリーズ』のキラン・ラオによって映画化された。第97回米アカデミー賞・国際長編映画賞のインド代表にも選出されている。 慣習に従って生きてきたちょっと世間知らずの花嫁・プールと、向上心に満ち、広い世界を目指すジャヤの人生は、「取り違え」という運命のいたずらによって、どう変化していくのか……。フェミニズムの問いもちりばめられた本作の監督、キラン・ラオに聞いたインタビューの前篇。 原案をさらに深めて映画化 © Aamir Khan Films LLP 2024 ――『花嫁はどこへ?』という映画は、アーミル・カーンさんが審
作家、音楽家、画家、建築家、そして「いのっちの電話」の相談員など、ジャンルの垣根を飛び越えたユニークな活動で支持を集める坂口恭平さん。今年8月には初のエッセイ集『その日暮らし』を刊行。熊本の土地と大切な人々との出会い、家族との何気ないやりとり、コロナ禍にはじめた畑、壮絶な鬱との格闘……。やさしい言葉で淡々と素直に綴られた日々の中には、ともすれば不安に押し潰されかねない時代に、私たちがのびのびと生きのびるための「新たな種」が蒔かれていました。 ――『その日暮らし』は西日本新聞の連載をまとめたものです。坂口さんはこれまでに50冊近く本を出していますが、こういった日常エッセイはありそうでありませんでした。 確かにそうですね。ただ、Twitter(X)ではずっと日々の出来事を記録していて、その日やったことや作った料理や家族の言葉まで全てをアーカイブしていたので、その延長的な感じで。特に何を書こうと
夢みて上京しながらも生活に追われてしまい、東京で生きる意味を見いだせていない主人公・カイちゃん。29歳・フリーターであるカイちゃんのやるせない日常&暴走中の恋愛が圧倒的解像度で描かれていると話題のまんが『恋とか夢とかてんてんてん』(以下、『恋てん』)の著者である世良田波波さんにインタビュー。 片思いの「すべて」が詰まっている、物語の魅力に迫ります。 きっかけは担当編集との「めちゃくちゃな恋バナ」 ――『恋てん』を描くことになったきっかけから教えてください。 編集さんに「漫画を連載しませんか?」とお声掛けをいただいた時点では、まだはっきりとした構想はありませんでした。ただ、本当にぼんやりと前々から“大阪が舞台の恋の漫画”を描きたいというイメージの断片を持っていたこともあり、編集さんと打ち合わせの際に、大阪の恋の歌が好きだという話をしたんです。 ――「大阪の恋の歌」といいますと? 一番イメージ
――前2作の楽しそうなデザインから一転して、血まみれで倒れる“ちさまひ”が衝撃的な映画第3弾のポスターですが、内容もこれまでとは違った雰囲気なのでしょうか。 阪元 ポスターは僕は関わっていないので何も言えないですが、雰囲気としては、今までの緩いノリを継承しつつ、いろんな場所に行ってはちさまひが観光しつつアクションをし、という観光映画感を大事にしました。せっかく宮崎に行くわけですからそこでしか撮れないものを目指しましたね。物語的にもいままでよりもハードな内容となり、まひろの葛藤や、それに対してちさとがより彼女に深く接しようとするという物語を構築しました。 ――ファンとしては、シリアス路線化で“ちさまひ”のキャラクターが変わってしまうのではとの心配も出そうですね。 阪元 ふたりが揃って僕が脚本を書けば大丈夫だという自信はありましたが、劇中の世界観を逸脱した印象が出ないように、バランスにはとても
80年代の女子プロレスブームを牽引したダンプ松本とクラッシュ・ギャルズら選手たちの群像を描くNetflixシリーズ「極悪女王」の配信が始まった。本作にはプロレススーパーバイザーとして、長与千種が参加。ブームの一翼を担った張本人は、当時を振り返りながらどんなことを思うのだろうか。近年プロレスファンであることを公言したジェーン・スーが、その胸の内を聞いた。 『週刊文春WOMAN2024秋号』より一部を抜粋・編集し掲載する。 俳優をプロレスラーにすることはできるのか? スー 私は73年生まれなので、ドンズバのクラッシュ・ギャルズ世代です。あの頃はテレビの中にいる悪徳レフェリーの阿部四郎に向かって、本気で「むかつく~!」と泣き叫んでいました。 長与 ありがとうございます。 クレーン・ユウに流血させられる長与千種 ©文藝春秋 スー 当時は生の試合を観に行ったことがなくて、実はプロレスにハマり始めたの
※以下、『ラストマイル』のネタバレを含みます。 現在、大ヒット公開中の『ラストマイル』。映画の冒頭から、世界的なショッピングサイト「デイリー・ファースト(デリファス)」の管理部門、つまりエリート社員や、その倉庫で働く無数の非正規労働者、そして大手の配送業者の中間管理職に、その下請けの会社の社長や、会社と個人事業主として契約しているトラックの運転手などなど、さまざまな人々が物流のシステムを構成していることがスムースにわかる映像に、ワクワクしたのと同時に、一抹の不安を抱きながら見始めた。 予想の通り、映画は一転。配送した荷物を受け取り主があけた途端にその箱が爆発。事件は連続して起こり、やがてデリファスが事件に関わっているのではないかと警察から疑われはじめてしまう。 映画『ラストマイル』公式HPより
「朝起きたらまずコーヒー。遅刻しかけててもコーヒー」。そう語るのは、自称「漫才コーヒーおじさん」こと、お笑いコンビヤーレンズの出井隼之介さん。一日たりとも「コーヒーを飲まない日はない」という出井さんをここまでの熱量に導いたきっかけとは。前篇では、コーヒー愛と、おいしい店の見つけ方について伺いました。 信頼できる人たちの行く店をなぞれば運命の一杯に出合える ――出井さんのインスタグラムを参考に、コーヒー店を巡る人も増えているそうですね。出井さん自身は、どうやってお店を見つけているんですか? コーヒーフェスや有名なロースターが集うイベントに自ら見つけに行くこともありますし、馴染みのお店に行った時にバリスタさん自身がよく行く店を聞くことも。バリスタさんと話すのも好きなので、何度か通いながらまたいい店を教えてもらいます。信頼できる人の“おすすめ”は信用できますね。集めた情報はGoogleMapにピ
政治的な作品は若者からは受けない? 韓国で昨年11月に公開され、1300万人の観客動員を記録した映画『ソウルの春』。この作品は、1979年10月26日に、独裁者とも言われた朴正煕大統領が、自らの側近に暗殺された出来事から始まる。韓国ではここ10年程の間、近現代史を元にした映画が続々と作られているが、1979年の大統領暗殺を元に作られたのが映画『KCIA 南山の部長たち』であり、『ソウルの春』はその直後のことがフィクションを交えながら描かれているのだ。 前半のインタビューでは、自身の映画『ソウルの春』が、韓国でコロナ禍以降最大のヒットとなる1300万人を動員した理由について、「はっきりとはわかっていない」と答えていたキム・ソンス監督だったが、韓国映画の変化について聞き終わったタイミングで、何かを思い出したのか、「この映画が1300万人のヒットとなった理由について、補足させてほしい」と監督自ら
韓国の近現代史を顧みるポリティカル・ノワールの成長 韓国で昨年11月に公開され、1300万人の観客動員を記録した映画『ソウルの春』。この作品は、1979年10月26日に、独裁者とも言われた朴正煕大統領が、自らの側近に暗殺された出来事から始まる。韓国ではここ10年程の間、近現代史を元にした映画が続々と作られているが、1979年の大統領暗殺を元に作られたのがウ・ミンホ監督の映画『KCIA 南山の部長たち』であり、『ソウルの春』はその直後のことがフィクションを交えながら描かれているのだ。 韓国では2010年代半ばあたりから、社会問題を盛り込んだノワールと呼ばれる一群が制作されるようになり、また韓国の近現代史を顧みるポリティカル・ノワールも増え始め、その観客動員数も500万人……1000万人……と徐々に支持を集めるジャンルへと成長していった。また、史実を元にした作品が次々と作られることで、観客はパ
――アニメ『下の階には澪がいる』は、主人公の杉浦陽と女の子3人の恋模様を描いています。韓国だけでなく中国でも話題となった作品ですが、どういう魅力があるのでしょうか。 坂本 最初は、かわいい女の子たちから男の子がモテる話だと思ったんですが、最終回を演じてエンディングを観ていたら、不思議な気持ちになったんです。なんだか、爽快感があって。子どもと大人の狭間にいる彼らの青春ドラマに、眩しさを感じたのかもしれません。一人ひとりのキャラクターと全く同じ経験をしていなくても、「自分にもこういう感覚があったな」って、甘酸っぱい気持ちを思い出させてくれました。 大人になると「矛盾がないように」という責任感に縛られて、正しいことばかりを選びがちになりますよね。でも人間だから、上の句と下の句が合わないことだってあるはず。この作品は理屈じゃなく気持ちだけで行動する場面がたくさんあって、その度に、「うらやましいな」
人間の言葉を話し、人間のように暮らす「化け猫」あんずちゃんと、大人の前では“いい子”の少女・かりんとの交流を描いた映画『化け猫あんずちゃん』。 実写で撮影した映像をアニメ化する「ロトスコープ」という手法で、お芝居をアニメに落とし込んだ久野遥子監督にインタビュー。作品づくりについてお聞きしました。 》インタビュー後篇を読む 岩井俊二監督『花とアリス殺人事件』のスタッフに抜擢 久野遥子監督。 実は子どもの頃からずっとアニメが大好きだった、というわけでもないんですよ。どちらかというと実写の映画に興味があったんですが、学生のときにたまたま『すて猫トラちゃん』という政岡憲三さん演出の短編アニメーションを観て、それに感動したところから、アニメーションに興味をもつようになりました。 この作品は、いまの日本のアニメーションが確立されるずっと前の、1947年に制作されたものです。「ロトスコープ」の技術は使わ
「自分がわからない人のために描く」 南Q太。"普通"に縛られる2人が 共鳴する『ボールアンドチェイン』 言葉では説明できない心の機微に触れる細やかな感情を描き出し、熱烈な支持を集めてきた漫画家・南Q太。その最新作となる『ボールアンドチェイン』は、【あや】と【けいと】という女性の肉体を持った2人が、「女」「妻」「母親」「普通」といった自分を縛るものに気付き、人生を取り戻してゆく物語。ジェンダーやセクシャルマイノリティといったテーマを孕みながらも、自分という存在の弱さや曖昧さに悩むすべての人の心に刺さり、背中を押してくれる。心強い「友達」みたいな本作が生まれた背景について、南Q太さんに話を聞いた。 「普通の専業主婦のおばさん」なんているの? ーー『ボールアンドチェイン』という作品はどのように始まったのでしょう。 「SHURO」(マガジンハウスが運営するマンガサイト)の編集者の方に、何か描いてほ
日本各地のアンテナショップで賑わう銀座の街にこの5月31日、新名所が誕生しました。その名も「THE NIIGATA Bit GINZA」。食材はもちろん、カトラリーや器、ワインなど、すべて新潟中から集めたという、新潟よりも新潟を味わえるレストランです。 8月にはこのレストランの他にも、物産館や移住相談窓口などがオープン。ビル全体がアンテナショップ「銀座・新潟情報館 THE NIIGATA」として生まれ変わります。 上越・中越・下越・佐渡。新潟中を飛びまわって集めた食材&プロダクト お店を取り仕切るのは、地元新潟や燕三条で人気のレストラン「Bit」を運営する秋山武士さん。燕三条のプロダクトや新潟食材をPRするため、この10年は新潟と東京ふたつの都市でレストランを展開してきました。 15,000円のフルコース。+ペアリングで33,000円。 「THE NIIGATA Bit GINZA」でお目
産後、すぐ復帰しないと“過去の人” という扱いに…MeToo以後もつづく 母になったハリウッド女優の「苦悩」 「私の年の女優に良い役は全然ないの」。そう断言して話題を呼んだのは、ハリウッドスターのキルスティン・ダンスト(42)。 子役から『スパイダーマン』や『マリー・アントワネット』でスターとなった彼女は、30代終盤にアカデミー助演女優賞候補となって以来、2年も俳優業を休んで子育てに専念していた。その理由は、40代となった彼女に似たような悲劇の母親役のオファーしか来なかったからだという。 MeToo運動により女性の権利についての意識改革が進んだとされるハリウッドだが、中年女優や働く母親のキャリア問題はいまだ根深い。 アンジェリーナ・ジョリー ©AFLO 有名な話では、マギー・ジレンホール(46)は37歳のとき、55歳の男優の相手役として「年をとりすぎている」とされたという。『マトリックス』
VTuber、K-POPなど、幅広いジャンルで“推し活”をしている12人の方に推し活とは何かを問うことで、現状の推し活ブームを読み解く本『推し問答!』を上梓した、ライターの藤谷千明さん。 藤谷さんと、今や社会現象ともなっている「推し活」について改めて考えます。 オタク女性が市民権を得たのはいつ? 『推し問答!』著者の藤谷千明さん。 ――藤谷さん自身はどういった推し活をされてきたんでしょうか? 振り返ると、中学2年生のときにLUNA SEAや黒夢などのヴィジュアル系バンドにハマったのが最初です。1994〜1995年頃で、当然まだ推し活という言葉がない時期ですね。結局ライターとしての仕事につながったくらいにヴィジュアル系はずっと好きで、あとはわりとその時々で流行っているものにハマってきました。オタク且つミーハーなんです。ドラマ『マジすか学園』にめちゃくちゃハマったり、『HiGH&LOW』シリー
「推し」という言葉が一般的になってもう何年かが経つが、広く知られるようになったからこそ、本来なら「推し」の範疇ではないことも「推し」のこととして語られたり、過剰に資本主義に取り込まれてしまうような歪みも見え始めたりしているように思う。 歪みが見え始めた結果、「推し」を持つ人にとって、「推し」がなんらかの問題を起こしてしまったり、事件に巻き込まれてしまうことは恐怖のひとつとなってきたのではないだろうか。 宇佐見りんの小説『推し、燃ゆ』(2020年)は、「推し」がファンを殴ってしまったことから始まる物語で、共感を持って受け止められた。韓国で制作されたドキュメンタリー映画『成功したオタク』も、「推し」がなんらかの罪を犯した後のファンたちに焦点を当てた話である。 しかも、これはフィクションではない。実際に起こったことに対するファンの気持ちと行動を追っているのだ。 映画『成功したオタク』 韓国でフェ
横浜市都筑区南部を流れる江川沿いに、約1キロメートル続く、江川せせらぎ緑道。「つづきみどりと花の名所25選」の一つで、四季折々の花を眺められる穴場スポットだ。 春には約200本のソメイヨシノが花を咲かせるが、ハイライトとなるのが前耕地橋周辺。この辺りには、約1万3,000本のチューリップが愛護会会員や地域の小学生、企業の人々によって植えられており、見ごろの時期が重なると、ピンクの桜と色とりどりのチューリップの競演が楽しめる。 見ごろの時期:桜/3月下旬~4月上旬、チューリップ/4月上旬 ◆山のホテルのつつじ 山のホテルのつつじ。写真:hoyano/イメージマート 箱根・芦ノ湖畔に位置し、富士山や箱根の山々を望む絶好のロケーションにある「山のホテル」。 広大な敷地には約4万5,000坪の庭園があり、三菱財閥4代目総帥・岩崎小彌太男爵の別邸時から受け継がれてきた84種類、約3,000株のつつじ
パワハラやセクハラはNG! そんな認識は今は当たり前。一昔前はそれが普通に横行していたなんて、本当に時代が変わってよかったと思います。でも、まだ今の価値観に適応できていない大人はいるもので……。 そんな大人(主にマジョリティ男性)の加害性にスポットを当てた作品が今クールで2作品放送されました。一つは『不適切にもほどがある!』(以下『ふてほど』)(TBS系)、もう一つは『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(以下『おっパン』)(東海テレビ・フジテレビ系)。 それぞれの作品で描かれるのは、時代の変化や世代間のギャップ。ただ、描く視点やメッセージ性に大きく差があると思います。今がどんな時代で、私たちはどう適応すればいいのか。編集者・ライターの綿貫大介さんが、その答えを探ります。 昭和と令和の価値観を極論でぶつけ合う『ふてほど』 ©️TBS まさか阪神・淡路大震災で亡くなる未来が決まって
2024春号「行かなくちゃ、台湾」 特集と連動する便利なGoogle MAPを 大公開!これで旅先でも迷わず安心! 懐かしさはそのままに、ヘルシーに進化! 南機場夜市。 旅することがどれだけ貴重で心躍ることかと気づかされた日々を経て、ふと脳裏に浮かぶのはツルリ優しい豆花や蒸籠から湯気立つ小籠包。 名物をしみじみ味わって、のんびりと街歩きしたい台湾は、少し見ぬ間に懐かしさはそのままに、ヘルシーに進化していました。 次の旅は台北から足を延ばして、嘉義、台中、大渓など地方へも。 そんな台湾の新しい楽しみ方を紹介しているCREA2024春号「行かなくちゃ、台湾」にも掲載されている『台湾街歩きMAP』をGoogle Mapでご紹介します!
日本ほど、外国料理をありがたがる国はない! 博覧強記の料理人で、南インド料理の名店「エリックサウス」オーナーの稲田俊輔が、中華・フレンチ・イタリアンをはじめとする「異国の味」がどのように日本で受け入れられてきたかを記すエッセイ『異国の味』(集英社)。その一部を抜粋・編集し紹介する。 ©AFLO 「白い脂がべっとり」本格派ビストロへの酷評口コミ パテカンサラダの店の少し後にできた、とあるビストロがあります。この店は幸い今でもカルト的な人気店として続いており、目下、僕にとって日本で一番のお気に入りのフランス料理店です。 ある時たまたまネットでその店がオープンした当時、つまり2000年代半ば頃の口コミを発見しました。ちなみに酷評です。 ちょっと悪趣味なのですが、その内容を書き留めておこうと思います。ビストロ黎明期における貴重な資料だからです。もっともそのまま転記するのも憚られるので、文章は僕なり
苛烈バッシング、軽視、海外移住… なぜテイラー・スウィフト(34)は 「音楽界の女王」に返り咲けたのか 2024年2月、テイラー・スウィフトの世界一のコンサートが日本にやってくる。各国で熱狂を巻き起こした彼女のベストヒット公演「ジ・エラズ・ツアー」は、史上はじめて10億ドル(約1,450億円)の興行収入を達成した音楽ツアーとしてギネス記録に認定されたばかりだ。 2月4日、史上最多となる4度目のグラミー賞年間最優秀アルバム賞を受賞し、母国アメリカで「マイケル・ジャクソン以来の社会現象」と言われるほどの存在となったテイラーだが、浮き沈みの中で闘いをつづけてきたアーティストでもある。 「需要がない」と言われていたデビュー前 1989年ペンシルバニア州に生まれ、テネシー州で生まれ育ったテイラーは、経済的には恵まれていたもののカントリー音楽の歌手を目指していたこともあり、学校で嘲笑される学生時代を送
米マイクロソフトでシニアエンジニアとしてクラウドサービスに携わっている牛尾剛さん。しかし、人生でずっと劣等感に悩み、大人になってからADHDと診断されたという。しかし牛尾さんは、転職によって劣等感を払拭することができ、今も自分なりのメソッドを実行することで、自己肯定感をさらにあげていると話す。そんな牛尾さんが見出したマインドセットを綴った著書『世界一流エンジニアの思考法』も話題だ。牛尾さんに「幸せを感じる働き方」を聞いた。 ──日本では若者の労働意欲が低くなっているといわれています。人口が減少し国力も低下しているなか、将来や自分に対する諦めも蔓延しているように感じます。牛尾さんにもそんな時期がありましたか? ありましたよ。というか、生まれてから僕にはずっと劣等感しかありませんでした。 僕は幼少の頃から何をやってもできない“要領の悪い”子どもだったんです。何をするにも人の3倍くらい時間がかか
『ゴールデンカムイ』の人気で、アイヌの文化や伝統への関心は高まっています。でも、アイヌの人々が抱える差別や生きづらさについて、思いを巡らせられている人はどれだけいるでしょうか。 アイヌへの差別の構造について考えることは、女性やLGBTQ+、障がい者など他のマイノリティ差別の理解にも繋がります。『ゴールデンカムイ』の監修にも参加している、北海道大学教授・北原モコットゥナㇱさんにアイヌの人々がどんなことに「もやもや」を感じているのか、そして無知・無理解の構造、マイノリティとマジョリティの関係性などを伺いました。 》後篇を見る 『ゴールデンカムイ』でアイヌに興味を持ったなら 差別や偏見にさらされてきた歴史も知ってほしい 自身もアイヌとしてのルーツを持つ、北原モコットゥナㇱさん。 『ゴールデンカムイ』はもともとアイヌ語監修として千葉大学の中川裕先生が入っています。中川先生とのご縁で私は編集部の方と
アメリカのマイクロソフト社でシニアソフトウェアエンジニアとして勤務する牛尾剛さん。44歳でマイクロソフトに転職し、5年前から本場アメリカで働く牛尾さんが、同社で出会った「世界一流」のメンバーたちに学んだ仕事術をまとめた著書『世界一流エンジニアの思考法』が好評だ。世界最高峰のエンジニアの思考法に迫る。 ──仕事を加速させるために必要なのが「Be Lazy(怠惰であれ)」というのは衝撃でした。日本では「できなくても一生懸命やる」人が評価されます。なぜ、「Be Lazy」がよいのですか? 牛尾剛さん 日本人は「あれもこれもやらないといけない」と思いがちですよね。でも、「世界一流」のエンジニアたちは「物量」ではなく、いかに少ない労力で高付加価値を生み出すかを重視します。「すべき」よりも「実際にできるキャパ」を考えたほうが、生産性が高いからです。 イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱した「
『ゴールデンカムイ』の人気で、アイヌの文化や伝統への関心は高まっています。でも、アイヌの人々が抱える差別や生きづらさについて、思いを巡らせられている人はどれだけいるでしょうか。 アイヌへの差別の構造について考えることは、女性やLGBTQ+、障がい者など他のマイノリティ差別の理解にも繋がります。『ゴールデンカムイ』の監修にも参加している、北海道大学教授・北原モコットゥナㇱさんにアイヌの人々がどんなことに「もやもや」を感じているのか、そして無知・無理解の構造、マイノリティとマジョリティの関係性などを伺いました。 》前篇を見る 「立場の弱いマイノリティを助けなきゃ」に欠けた視点 ーーアイヌ、沖縄、LGBTQ+……マイノリティばかりが目立って勝手に「問題化」されますが、いわゆるマジョリティ側の人たちに自分たちの持つ「特権」への気づきを促す教育の必要性も感じます。 差別の心理やマジョリティ特権を研究
歴史や文化、そこで生活してきた人たちの息づかいが感じられる場所、その土地の風土が感じられる場所。魅力のある場所には、人を惹きつける“重力(GRAVITY)”があります。 俳優の影山優佳さんが、そんな日本全国の思わず引き寄せられるスポットへ足を運び、その驚きや感動をレポートする新連載「NIPPON GRAVITY」。 1回目の行先は東京都新宿区榎町。金属を鋳造して活字を作り、その活字を組んだ“活版”を用いて印刷する「活版印刷」の手法を今でも守る「佐々木活字店」を訪ねました。 》前篇「佐々木活字店」を訪ねて~活版印刷のもと、金属活字を作る 》影山優佳さんのアザーカットを含めた写真をすべて見る まずは、活字組版を作るために文字を選ぶ「文選」から 「佐々木活字店」の佐々木勝之さんに説明を受けながら、文選に挑戦。 活版印刷について学んだ後は、いよいよ名刺づくり。まずは、活字組版を作るために「影山優佳
歴史や文化、そこで生活してきた人たちの息づかいが感じられる場所、その土地の風土が感じられる場所。魅力のある場所には、人を惹きつける“重力(GRAVITY)”があります。 俳優の影山優佳さんが、そんな日本全国の思わず引き寄せられるスポットへ足を運び、その驚きや感動をレポートする新連載「NIPPON GRAVITY」。 1回目の行き先は東京都新宿区榎町。金属を鋳造して活字を作り、その活字を組んだ“活版”を用いて印刷する「活版印刷」の手法を今でも守る「佐々木活字店」を訪ねました。 》後篇「佐々木活字店」を訪ねて~活版印刷で名刺づくり 》影山優佳さんのアザーカットを含めた写真をすべて見る 日本でも数少ない金属活字を作る「佐々木活字店」 ズラリと並ぶ金属活字。 「活版印刷というのは、簡単にいうと活字を並べた“活字組版”(活版)を使ってする印刷のこと。今ではオフセット印刷という印刷技法が主流ですが、平
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