この世界の片隅に／総力戦ガチャ - 指輪世界の第五日記

この世界の片隅には、主人公の、自分は昔からぼーっとしていて、というモノローグからはじまる。自分の人生のイニシアチブは親や、国家行政がとるんでしょ、という態度で、序中盤ずっと進む。 それは主人公の立場からは、結婚も親が決めた結婚だから自分が選んだ結婚ではないし、政治も参政権がなくて自分が始めた戦争ではない。 呉の北條家は、あのお母さん、主人公から見て姑、義母が腰を痛めて、労働力が足りなくなった。だからその補填でお嫁さんが必要になって、そこに主人公が呼ばれてきて嫁入りした経緯になる。 ところが、そのすぐあとに、義姉が出戻りで、嫁ぎ先から帰って来る。 そうすると働き手が一人必要な枠が埋まるから、主人公は不要になる。必要とされていた状況が変わり、北條家に居場所があってもいいがなくてもいい、という立場になる。ここがあの物語でひとつポイントになる。 そこで、主人公が義姉に、頭を下げて、あなたのほうが上

[todomadrid]

人によって見え方違うんだな。生理止まりストレスで脱毛症もほのぼの面白話回収はホラーと思ってたし、翌朝に実家家族そっけないのは実家にはもう帰れない、ほのぼの世界が消えるのは右手を失い絵が描けないからと。

[mame-tanuki]

「通じて、戦争との距離の話なのだ」が上手い。戦争との間合いは個人ではどうしようもないのが恐ろしさ。なのに「戦争に征く」発想が戦後平和教育の失敗という気が。「戦争は来る」もの。ガチャからは逃げられない。

[bros_tama]

素晴らしい．最近「沖縄決戦（脚本　新藤兼人）」を見たのだが，言われてみればこのグラデーションが描かれていたなと思った．映画では沖縄の３２軍の大本営とのグラデーションもあった．かなり重要な視点．

[dalmacija]

ガチャの喩えはシニシズムで戦争は露悪の質草ではない。リソースという過度の均質化による人間性の剥奪を登場人物と戦争システム双方に撒き散らしている。人は現実を捨象して鋭くなるのか鈍くなるのか、錯乱するのか

[maturi]

誰かの反感を買いそうなブログエントリ

[HDPE]

ガチャガチャうるさい

[tdaidouji]

近代美術館の展示インスパイアかな（総力戦と銃後の交錯についてテーマが設けてある

[Guro]

なんか読んだ。戦後80年も経つと、「戦争反対」の一言だけに収斂されていって、その諸相（戦争にともなう何が望ましくないから反対なのか、の何か）が覆い隠されてしまっているようにおもう。諸相の一つとして。

[kagehiens]

確かにこういう話。エントリ作者の言語化がうまい。

[whkr]

後半は、洒落にならない戦争から距離を取り、洒落を取り戻していく話とも言えるかもしれない。

[repon]

非常に見通しが良くなる考察だった