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対話型AIをゲームに組み込む際、最大の壁となるのがキャラクターや世界観との両立だ。「ドラゴンクエストX オンライン」は、この難題にどう挑んだのか。スクエニ開発陣が、その設計思想と工夫を明かした。 対話型AIを自社サービスに組み込む企業が増えている。だが、既存のIP(Intellectual Property:知的財産)やブランドの世界観を維持しながらAIを組み込むには、単にAIを導入する以上の難しさがある。AIはあらかじめ設定した通りの発言や応答を常にするとは限らず、想定外の発言や応答の失敗が起こり得るためだ。さらに、利用量に応じて変動するコストも見通しにくく、こうした課題はいずれもユーザー体験を損なう要因となる。 「ドラゴンクエストX オンライン」の開発チームは、この課題に正面から取り組んだ。2026年3月末にゲーム内で参加者を募り、同年4~5月にクローズドベータテスト(CBT)として、
「RAGを導入すれば業務が変わる」。そう信じて始めたのに、検索精度は上がらず、複雑な権限制御にも阻まれる――。Skyもまた、その壁にぶつかった一社だ。だが同社は「取りあえずRAG」を捨てることで前に進んだ。何でもベクトル化するのをやめたSkyの判断とは。 社内に散らばる情報を生成AIで検索できるようにしたい。そう考えたとき、まず思い浮かぶのが「RAG」(検索拡張生成)だろう。社内文書をベクトル化して検索し、その結果を基に生成AIが回答する。仕組みだけを見れば、これで従業員が必要な情報をすぐに探せるようになる。 ところが、実際の社内データはそれほど単純ではない。情報の保存先が複数に分かれているだけでなく、部署や役職によって閲覧できる範囲も異なる。大量のデータを、意味の近い文章を探せる「ベクトルストア」に取り込んだとしても、検索精度やデータ同期、アクセス権限といった新たな課題が持ち上がる。 社
DXは進めたい。だが、その担い手となる情シス部門の人員は増やさない。中小企業経営者を対象とした調査から、こうした実態が明らかになった。では、経営者は誰に、どのような方法でDXを担わせようとしているのか。 DXの必要性を認識しながら、情報システム部門の人員増強には踏み切らない。中小企業経営者を対象にジー・ブーンが実施した調査では、情シス人材の不足を認識する企業の多くが、正社員を新たに採用する予定はないと回答した。 一方で、こうした企業はDXを断念しているわけではない。採用予定がない企業の中にも、DXを推進する意向を持つ経営者は一定数いる。人を増やさないのであれば、どうやったDXを進めるのか。調査では、経営者が想定する具体的な進め方と、その方法に伴う懸念も明らかになった。 情シス不在を何で補う? 経営者が考える代替策 情報システム部門の人材が不足していると回答した中小企業経営者のうち、74.3
「GPT-5.6 vs. Claude Fable 5」勝者はClaude、でも企業が選びづらいワケ:891st Lap 物理AIベンチマークで最高評価を獲得した「Claude Fable 5」。だが、企業が導入を判断する際には、性能だけでは見えない悩ましい問題が浮かび上がった。 AIの評価は、もはやランキングだけでは語れなくなっている。求められる能力は用途によって異なり、推論や数学、プログラミング、実務処理など、それぞれに適した評価方法が必要だ。また、AIの進化があまりにも速いため、既存のベンチマークが学習対象となり、最新モデルの本当の実力を測りにくくなるケースも増えている。 そんな中、物理モデリングやシミュレーション能力を評価する「物理AI」向けのベンチマーク結果が公開された。実験で最高スコアを獲得したのは、Anthropicの「Claude Fable 5」だった。ただ、ある部分にお
辞表を出したのは、社内で唯一ITが分かる人だった――。パスワードも、契約先も、その人の頭の中にしかない。中小企業のIT支援を手掛ける専門家に、そこから実際に起きたトラブルと、こうした状況に陥る企業の共通点を聞いた。 「これは単なるフィクションで、自社では起こり得ない」と感じた人もいるかもしれない。だが、こうした事例は決して特殊な企業だけの話ではない。実際、中堅・中小企業では、1人または少数の情報システム担当者や、PCに詳しい兼務担当者が社内システムの運用・管理を担っているケースは少なくない。 その担当者が退職すると、混乱は段階的に広がる。まず表面化するのは、管理者パスワードが分からない、多要素認証(MFA)の認証先が退職者の私物スマートフォンに設定されたままになっている、といった権限管理の問題だ。やがて、入退社に伴うアカウント発行やPCの手配などの日常業務が滞り、障害が発生してもシステム構
こうした背景を受け、自由回答欄には「廃棄予定のPCから部品を取り出して再利用している」「容量拡張のために取り外したSSDを別のPCへ転用している」などの声が数多く寄せられた。限られたハードウェア資源を少しでも長く活用するため、各社がさまざまな工夫を重ねていることがうかがえる。 ここからは、「HDD/SSDの値上がりに対して、職場で実施している工夫」について寄せられた読者企業の取り組みを紹介する。 ある回答者は、「倉庫に眠っている古いPCから部品を取り出し、検品した上で再利用している」というコメントを寄せた。容量拡張のために取り外したSSDも、状態を確認してから別のPCの起動ディスクとして転用しているという。手間のかかる作業だが、HDD換装が完了するまでには約1週間かかり、その間に現場から不満が寄せられることもある。 用途に応じて信頼性要件にメリハリを付けるとの回答もあった。「ECC(Err
2026年の通常国会への労働基準法改正案の提出は見送られた。しかし、労災認定基準や裁判例は既に、労働時間の長さだけでなく連続勤務や休息の取り方まで重視している。法改正を待たずに勤怠管理を見直すべき理由を、社会保険労務士と弁護士が解説した。 働き方改革以降、人事労務の担当者は労働関連法の改正対応に追われ続けてきた。次の焦点とみられていた労働基準法の改正案は、2026年の通常国会への提出が見送られた。改正を見込んで社内規定の改定や勤怠管理システムの改修を準備していた担当者は、ひとまず胸をなで下ろしたかもしれない。 だが、安心するのは早い。改正案が消えたわけではなく、議論の中身はほとんどそのまま残っているからだ。しかも、審議会でどんな議論があったかは、行政の運用や裁判の判断でも参考にされる。法律になる前から、実務にじわじわ効いてくるということだ。 では、いま何を押さえておけばいいのか。2026年
千代田区では「Microsoft 365 Copilot」の実証実験を重ね、2025年10月に全庁導入を果たし、業務時間を約2000時間削減したという。同区が全庁導入後にどのように職員のCopilot活用を推進させたのか。その方法をキーマンズネットが独自取材した。 千代田区は、質の高い多様な行政サービスを提供するために、職員が「考える時間」を確保することを重視してきた。一方で、各種会議における議事録作成などは全て人手で行われており、日常的かつ定型的な事務業務の省力化が課題だった。 こうした背景から、千代田区は2023年ごろに「ChatGPT」の利用を開始した。しかし、職員は日常業務の大半で、2022年3月に導入した「Microsoft 365」の各種アプリケーションを利用していた。hatGPTの活用時には、必要な情報や生成された回答をその都度コピー&ペーストする手間が発生していた。 そこで
生成AIは「答える」から「仕事を進める」ツールへと進化している。では、業務で本当に頼れるAIと、単なる生成ツールの違いはどこにあるのか。鍵を握るのは、企業固有の文脈を理解する力だ。 生成AIは「答えるAI」から「仕事を任されるAI」へと進化している。目的を伝えると必要な情報を集め、計画を立て、確認しながらタスクを実行する「エージェンティックAI」の登場により、AIに任せられる範囲は広がった。 だが、業務で本当に“頼れるAI”になるには、単に高い推論能力を持つだけでは不十分だ。企業ごとのルールや過去の経緯、担当者同士の関係性など、その会社固有の文脈を理解できるかどうかが重要になる。 では、AIはどのようにして会社の仕事を「理解」するのか。そこには、単なるモデル性能だけでは説明できない、企業内に蓄積された情報とAIの関係性がある。 内田洋行の太田浩史氏(エンタープライズエンジニアリング事業部、
生成AIによる音声合成の進化で、経営者や上司の声が数秒で複製される時代が訪れた。元警視庁職員やAI音声開発企業のCEOなど3人の専門家が、実演で脅威を体感させながら、最新のボイスフィッシングの手口と、組織が今すぐ取るべき備えを示した。 AIによる音声合成は、動画の吹き替えや通訳といった用途で急速に実用化が進む。だが同じ技術が、経営者や取引先になりすます「ボイスフィッシング」に転用され、法人口座を狙う不正送金の被害が相次いでいる。 警察庁によれば、2025年のインターネットバンキングを巡る不正送金は4747件・約103億9700万円に上り、手口の約9割をフィッシングが占めた。電話という人と人との接点は、メール以上に人の判断を直撃する。この脅威にどう備えるべきか。 オレオレ詐欺は企業こそ気を付けるべき時代に 備えの基本は「PTP」 Fortis Intelligence Advisoryの稲村
ジュラシック・パークと聞いて思い浮かぶのは、やはり恐竜だろう。だが、PCファンが注目すべきは別の場面にある。博士たちの机やコントロールルームに並ぶコンピュータは、実は単なる小道具ではなかった。 コンピュータ表現のリアリティーで高く評価されている映画の一つに、1993年公開の『ジュラシック・パーク』がある。世界興行収入は9億ドルを超え、その後も続編が制作され、シリーズは全7作品に及ぶ人気作となった。リアルな3DCGで描かれた恐竜が印象的だ。 だが、この作品の見どころは恐竜だけではない。コントロールルームや博士たちのデスクに映るコンピュータにも、映画の小道具とは思えないほどのこだわりが詰め込まれていた。公開から30年以上が過ぎた今、あるソフトウェア開発者が劇中に登場するコンピュータやソフトウェアを片っ端から調べ上げ、意外な事実を次々と見つけ出した。これを知ると、もう一度ジュラシック・パークを見
238人に聞いた、現場がホンネで選んだAIサービス 次に、現在、読者企業が注目しているIT製品・サービスについて尋ねた結果をまとめた。 生成AIサービスへの関心が高いことは予想通りの結果だが、自由回答を見ると、想定以上に特定のAIツールへ評価が集まった。2026年の「Microsoft Build」でもAIエージェントをはじめとする最新技術が相次いで発表されたが、重要なのは技術の新しさや生成AIの性能だけではなく、自社の業務課題に対してどのサービスが適合するかという点だ。 最も回答が集中したのが、「Claude」シリーズだ。「『Claude Code』の機能がコードアシスタントとして優れているので、今後の機能向上に注目している」「基本的に非エンジニアが集まる会社のため、それでもある程度の開発ができるのかが気になり、Claude CodeやCursor」「Claude。PCを動かせるAIツー
アスクルは2025年10月、ランサムウェア攻撃を受け、ECサービスが停止する大規模な被害に見舞われた。売上は一時95%減少し、事業の全面復旧までには約3.5カ月を要した。 被害は、オンプレミス環境で構築していた物流システムに加え、社内システムやSaaSで運用していた問い合わせ管理システムにも及んだ。また、個人情報の漏えいも確認されるなど、経営に大きな影響を与える事態となった。 ランサム被害で「旧システムを捨てる」 再起をかけたアスクル決断のワケ 前例のない被害と復旧対応に直面する中、吉岡氏が掲げたのは「ピンチをチャンスに変え、新たな取り組みを始める」という考え方だった。 事業がゼロリセットされた。しかし、それは裏を返せば、ゼロから理想の姿を再構築できる機会でもある。そこで「逆境を進化に変える」というコンセプトを掲げ、ゼロベースでAI-DLCに取り組んだ。AI-DLC(AI駆動開発ライフサイ
Appleを巡って、また気になる話が浮上した。プライバシー保護をうたうサービスで、情報漏えいにつながりかねない問題が見つかったという。しかも、その問題は1年以上前からAppleへ報告されていた。なぜ、今になって話題となったのか。 Webサービスへの不正ログインを試みるサイバー攻撃が横行している。こうしたリスクを減らすため、Appleもプライバシー保護を前面に打ち出したさまざまな機能を提供している。「Appleだから安心」と考えて利用している人も多いだろう。 「またAppleか」と思う人もいるかもしれないが、同社の有料サービス「iCloud+」で、ちょっと気になる話題が出てきた。その問題は1年以上前からAppleに報告され、ある企業が警告を発するまでの事態となった。なぜ、今になって問題になっているのか。そして、われわれユーザーにどのような影響があるのか? 問題のサービスとは、iCloud+の
AIスキルの重要性は増しているものの、一人で磨くには限界がある。その解決策となりうるのが、ユーザー同士の交流会だ。他社がどのようにAIを活用しているかを知ることで、独学では見つけられない新たなスキルを発見できるかもしれない。 他社は生成AIをどのように業務へ取り入れているのか。AIを使いこなせる人材を、どう育成していくのか。生成AIやAIエージェントの活用が業務の重要なテーマとなる一方で、その最適解を見いだせている企業はまだ少ない。自社だけで試行錯誤を重ねるだけでは答えが見えにくいからこそ、他社の取り組みや現場の声は貴重なヒントとなる。 そうした知見を共有する場の一つが、企業が開催する「ユーザー交流会」だ。この交流会は、部門や職種を問わず、「もっとAIを活用したい」「自分のAI活用レベルを他社と比較してみたい」と考える人を対象に開催されたものだ。誰でも参加できるオープンなイベントとして実施
離れた仲間と声や映像、ゲーム画面を共有しながら遊ぶ「Nintendo Switch 2」の新機能であるゲームチャットは、その手軽さの裏で低レイテンシと安定運用という難題を抱えている。リリースから1年、安定稼働を支えた設計思想はどこにあったのか。 2025年6月に発売された「Nintendo Switch 2」は、2026年3月末時点で累計販売台数1986万台を記録した。本体機能として搭載された「ゲームチャット」は、最大12人での音声通話に対応するほか、ゲーム画面を共有でき、離れた場所にいるプレイヤー同士がコミュニケーションを取りながらプレイを楽しめる。 この機能をゲームプレイと同時に安定して提供するには、要求される条件は一段と厳しくなる。通信遅延を抑えながらゲーム側の帯域を圧迫せず、さらに世界中のユーザーが利用するサービスとして安定運用を続けなければならない。低遅延の音声・映像通信と、大規
動いてはいるものの、誰もその中身を把握できない。多くの企業が直面する基幹システムの“老い”に、カクヤスは生成AIを使った。鍵となったのは、AIによる解析と現場の業務知見を組み合わせ、「AIを制御する技術」を確立したことだ。 長年の改修を重ねた基幹システムは「動いている理由は分からないが、止めるわけにもいかない存在」となり、多くの企業で刷新を難しくする要因となっている。 創業100年を超える酒類卸のカクヤスも例外ではなかった。既存システムを人手で解析すると約450人月を要すると試算され、現実的なスケジュールで刷新を進めることは難しかった。だが、同社は人手では長期間を要する解析作業を実質2カ月へと短縮し、約2200あった画面を約800まで整理した。人手では約450人月を要すると試算された基幹システムの解析に使われたのが、ある生成AIだ。 残されたのは、誰も分からない「30年物の基幹システム」
AIツールを使っていただけなのに、SSDの寿命が想像以上の速さで縮んでいた。そんな問題が明らかになった。原因は、ツールの実装上の不具合だ。もし、そのAIツールを使っているなら、一度確認しておきたい。 今やノートPCでもデスクトップPCでも、SSDを搭載しているのが当たり前の時代になった。だが、SSDにはHDDとは決定的に異なる弱点がある。それは、書き込み回数に寿命があるという点だ。もちろん通常の利用であれば数年~10年以上は使えるよう設計されており、多くのユーザーが気にする必要はない。 ところが今、SSDの寿命を「あのAIツール」が知らないうちに縮めてしまうという問題が明らかになった。開発元も想定していなかった、実装上の不具合だったという。わずか21日間で約37TBものデータが書き込まれていたという。もし、そのツールを利用しているなら、注意が必要だ。 一般的に、AIが引き起こす重大な問題と
一時期、企業の業務効率化の切り札として大きな期待を集めたRPA。今、その座に取って代わるように注目されているのがAIエージェントだ。だが、両者の登場時の熱狂を振り返ると、そこには見過ごせない共通点があるように感じる。 先日、ある企業への取材でRPA(Robotic Process Automation)について話を伺う機会があった。かつてRPAは、人の代わりに業務を担う「デジタルレイバー」として大量導入した企業も多くいたように思う。 だが、最近の取材現場では、RPAに代わり「AIエージェント」が注目を集め、企業との会話でもその話題が増えている。一方で、実際にAIエージェントを本格的に業務へ実装している企業は、まだ限られているという印象だ。 次の主役はAIエージェント? でも気になることが…… RPAは、人が画面上の操作を手順化し、いわゆる「シナリオ」として記憶することで、忠実にトレースして
AIの力を業務で十分に発揮させるためには、社内のデータが必要となる。その際、紙に記載されているデータをいかにして電子データに変換するか課題となることも多い。本ブックレットでは、国立国会図書館が公開するOCRソフト「NDLOCR-Lite」の実践レビューによって、紙の情報をデータ化する方法を紹介する。 AIを業務で活用するには、社内に蓄積されたデータをAIが扱える形に整えることが欠かせない。だが、現場の機械管理番号や従業員の日報など、紙で管理されている情報をいかに電子データ化するかが課題となるケースも多い。 そこで使えるのが、画像から文字情報を読み取るOCRソフトだ。本ブックレットでは、国立国会図書館が公開するOCRソフト「NDLOCR-Lite」の実践レビューによって、紙の情報をデータ化する方法を紹介する。同ソフトは、膨大な資料を扱う同館のデジタル化事業で活用されてきたOCR技術を基に開発
中小企業向けにAI研修やAI導入支援を手掛けるカンマンの田中健介氏は、「Microsoft Excel」で「Microsoft 365 Copilot」を活用するデモを通じて、大量のデータやアンケートで得たユーザーの声を、業務で活用できる情報へ変換するプロセスを紹介した。まず、ExcelデータをCopilotで分析する方法について、主に3つのアプローチに整理した。 3つの手法はそれぞれ得意な処理が異なり、データの性質に応じて選ぶことが前提だと説明した。実演では、ある架空の家電量販店を題材に、売り上げ明細と営業日報、顧客の各アンケートという3種類のデータを順に扱い、手法の違いを示した。 10万行の売り上げデータから「売れた理由」を3分で読み解く 最初の実演では、家電量販店の法人営業部を想定したダミーデータを用いた。商品カテゴリーや販売チャネル、数量、売り上げ金額などの項目を含む10万件の売り
AIにコードを書かせる時代が訪れている一方で、思わぬ落とし穴もある。もし、普段使っているツールが“見えない指示”によって支配されていたら……。今回紹介する話は、そんなAI時代ならではのリスクにまつわる実話だ。 「コードを全削除せよ」。もし、あなたが利用しているAIコーディングツールが突然そんな指示を受け取ったら、どうなるだろうか。実は、それに近い出来事が現実に起きた。しかも、その命令は人間にはほとんど見えない形で仕込まれていた。そして、それを仕掛けたのは外部の攻撃者ではない。 この一件は開発者コミュニティーで大きな議論を呼んだ。「やり方として問題がある」という批判が上がる一方で、AI側の対策不足を指摘する声もある。 これは、単なるいたずらなのか。それとも……。 ある開発者が自身のOSS(オープンソースソフトウェア)に、AIコーディングエージェントを妨害するための隠し命令を仕込んでいた。この
PPAPをやめた後、何が起きた? メール対策調査で見えた企業の迷い:メールセキュリティ対策状況に関する調査(2026年)/前編) 不審メールは従来のような明らかに不自然な文面ではなく、社内連絡や取引先とのやりとりに紛れ込むようになっている。企業では迷惑メール対策ソリューションの導入が進む一方、脱PPAPや従業員からの申告対応など、運用面の課題も残る。本稿では、145件の回答からメールセキュリティ対策の実態を読み解く。 H&Iグローバルリサーチが2026年1月に発表した「メールセキュリティの日本市場(~2035年までの市場規模)」によると、日本の電子メールセキュリティ市場は2025年の0.256億米ドルから2035年までに0.784億米ドルへ成長し、2025年~2035年の年平均成長率は11.82%と予測されている。テレワークの定着や規制対応の強化を背景に、企業にとってメールセキュリティは引
京都府舞鶴市は、2024年の年末から2025年の初めにかけて、全職員のPCをWindows端末からChromebookに変更し、業務基盤をMicrosoft Office環境からGoogle Workspaceへ移行した。この改革によって自治体業務はどう変化したのか。 全職員のWindows端末を「Chromebook」に変更し、業務基盤を「Microsoft Office」環境から「Google Workspace」へ移行した舞鶴市。導入から約1年が経過し、同市は職員1人当たり1日平均82.1分もの業務時間削減を実現し、6億円という驚異的なコスト削減に成功した。 Google環境への移行を決めた背景や移行時の工夫、Googleサービスの活用状況と成果、活用促進のための工夫と課題、自治体業務への影響について、同市政策推進部デジタル推進課のメンバーに話を聞いた。 見積もりは予算の2倍 舞鶴市
SaaSやAIの普及により、業務を支援するツールや機能の選択肢は広がった。一方で現場では、「どのツールを使うのか」「どの手順が正しいのか」「AIに何を任せてよいのか」といった迷いも増えている。マニュアルやIT資産管理、SaaS管理、DAPなどの支援ツールは有効だが、その前提となる業務フローや利用ルールが曖昧なままでは効果を出しにくい。情シスは何を先に整理すべきなのか。 業務アプリケーションは増え続けている。経費精算や勤怠管理、ワークフロー、CRM(Customer Relationship Management)、SFA(Sales Force Automation)、オンライン会議、チャット、ストレージ。さらに近年は各種SaaSにAI機能が組み込まれ、利用者が日常業務の画面上でAIを使える場面も増えた。 だが、便利になったはずなのに現場の迷いは減っていない。「この申請はワークフローで出す
「あの資料はどこ」といった情報探索の負担を、NotionとAIの活用によって大幅に軽減した大阪ガスら2社の事例を紹介。月2000時間の業務削減を実現した取り組みによって埋もれた情報を組織の知識資産へと変え、属人化を防ぐ仕組みづくりのポイントを分かりやすく解説する。 「あの資料はどこにあるのか」「担当者が退職して経緯が分からない」。情報共有の不備や業務の属人化は、多くの企業が抱える共通の課題だ。ナレッジ共有ツールを活用しても情報が点在し、必要な情報にたどり着けず、かえって現場の負担が増えてしまうケースも少なくない。 大阪ガスとNOT A HOTELは、こうした課題の解決に取り組んできた。鍵となったのは、「Notion」とAIの使い方にある。本ブックレットでは、情報共有プロセスの見直しによって月2000時間の業務削減を実現した大阪ガスと、AIを活用して従業員の自己解決力を高め、属人化の解消を進
ランサムウェアやサプライチェーン攻撃による深刻な被害が相次ぐ中、中堅・中小企業にも取引先から高度なセキュリティ対策が求められている。だが、対策ツールが増えるほど運用負荷も高まる。「ひとり情シス」という限られた体制で、この課題にどう向き合うべきか。 創業80年の歴史を持つ南総通運は、千葉県を中心に地域密着型の総合物流企業として事業を営む。顧客ごとに最適化した「オートクチュール物流」を強みとし、従業員約700人を要し、PC約260台を運用しながらデジタル化に取り組んでいる。 一方で、ランサムウェアやサプライチェーン攻撃の脅威が高まる中、情報資産の保護はもちろん、取引先から求められるセキュリティ水準への対応も重要な経営課題となっていた。だが、同社の情報システム部門は3人体制で、そのうち2人は開発業務が中心だ。実質的にシステム運用管理を担うのは1人のみで、セキュリティ監視やインシデント対応に十分な
研修で知識をインプットしても、その多くは定着しないまま忘れ去られていく。学んだ内容を業務の成果に変えるために、AIをどう使えばいいのか。 動画やeラーニングで知識をインプットしても、研修の効果が業務の成果にまで結び付かないという悩みは、多くの企業が抱える共通の課題だ。学んだ内容を成果に変えるためにAIをどう活用すべきか。実例とともに、その輪郭が見え始めている。 学習体験を通じて企業や個人のパフォーマンス向上を支援するUMUテクノロジージャパンの本橋孝洋氏(執行役員ラーニングイノベーション本部長)は、AIを組み込んだ人材開発の最新動向と、導入企業の成果を解説した。 研修の74%は翌日に忘れる AIと「学習の科学」で学びの成果を設計 本橋氏が冒頭で強調したのは、人材育成における普遍的な課題だ。 「エビングハウスの忘却曲線によれば、人間は学んだ内容の多くを短時間で忘れてしまいます。つまり、研修で
AI活用が進む中、IT関連業務における省人化はどの程度進むのか。「AI時代でも自分は安泰」と考えるIT人材の共通点とは。キーマンズネットの読者調査から、IT人材の充足状況の現在地と将来に迫る。 AI技術の進展は目覚ましく、これまで人間が担ってきた業務の一部をAIが代替する動きが本格化してきた。IT人材が携わる業務も例外ではない。そこで、キーマンズネットは「IT人材に関する意識調査(2026年)」(実施期間:2026年5月20~29日、回答数149件)を実施し、近い将来(3~4年後)にAIによる代替が進みそうな業務や、AI時代に必要とされる人材像を探った。 この調査では、自身の仕事がAIに代替されることに危機感を覚えるIT人材と、安泰だと考えるIT人材がほぼ拮抗した。
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