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GWの過ごし方
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ビリー・アイリッシュ氏が初の単独ツアーに乗り出したのは、もう8年以上前のことになる。彼女はわずか16歳だったが、世界的なポップスターへの道を歩みはじめていて、そのショーのスケールと影響力は無視できないものになっていた。 ツアーバスは常にアイドリング状態で、発電機は24時間稼働し、無数のペットボトル飲料が用意されていた。非常に環境意識の高い母親に育てられ、布ナプキンの使用や、すべての動物由来食品を避けるビーガン食の実践など、環境に配慮した生活に慣れ親しんでいた彼女は、大規模なショーが環境に及ぼす悪影響の大きさに衝撃を受けた。(参考記事:「プラスチックを減らす努力、本当に意味はある? 専門家に聞いた」) 「これほどひどいとは知りませんでした」とアイリッシュ氏は語る。「音楽ライブに伴う無駄は、私には受け入れがたいものでした」 ミュージシャンと提携してサステナビリティー(持続可能性)への取り組みを
旧世界ハンタウイルスはヨーロッパやアジアに風土病として存在し、主に出血性疾患や腎機能障害である「腎症候性出血熱(HFRS)」を引き起こす。一方、新世界ハンタウイルスは南北米大陸でより多く見られ、一般的な症状は、肺に液体がたまる「ハンタウイルス肺症候群(HPS)」だ(編注:厚生労働省の5月6日の発表によると、これまで日本国内で患者が発生した報告はない)。 感染は重症化することがある。特に新世界型による感染でその傾向が強い。アジアとヨーロッパの死亡率は1~15%だが、南北米大陸での感染者の致死率(CFR)は50%に達する。(参考記事:「新型コロナの厄介さと怖さを知る:2つの致命割合CFRとIFRとは」) ハンタウイルス感染症の発生件数は毎年1万件から10万件と推定されている。その大半がアジアとヨーロッパだ。 南北米大陸では、年間わずか150~300件の感染が報告されている。通常、その大部分がア
ハンタウイルスのCGイラスト。げっ歯類由来のこのウイルスは、インフルエンザのような症状を引き起こし、最終的には肺に液体がたまる原因となる。ハンタウイルスは通常、感染したげっ歯類の排せつ物に直接触れて感染する。(RUSLANAS BARANAUSKAS, SCIENCE PHOTO LIBRARY) クルーズ船で感染症が発生することは珍しくない。しかし、アルゼンチンからカナリア諸島へ向かうオランダの極地探検船「M.V.ホンディウス」号で発生したハンタウイルス集団感染については「完全に予想外」だったと、米ニューメキシコ大学健康科学センターの免疫学者兼ハンタウイルス研究者スティーブン・ブラッドフート氏は述べている。 ノロウイルスや大腸菌などの胃腸感染症が最も一般的だが、呼吸器感染症も船内での集団感染を引き起こすことがある。例えば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック初期には
ニネベにあるセンナケリブの宮殿の一室で、遺物をスケッチするオースティン・ヘンリー・レイヤード。この版画は、ニネベの発掘について記した1853年のレイヤードの著書に掲載された。(ACI) アッシュールバニパルは、紀元前7世紀半ばの新アッシリア帝国において最も強大な王であり、冷酷な軍事的才能や驚異的なライオン狩りの腕前があった。それだけでなく、「図書館長」だったことでも知られている。 「世界の王、アッシリアの王、アッシュールバニパルの宮殿」。アッシリアの首都ニネベ(現在のイラク北部)にはアッシュールバニパルが維持管理した壮大な図書館があった。そこから出土した3万点以上の粘土板や断片の1つには、彼の所有権を示す銘文がそう刻まれている。
個人の二酸化炭素排出量を増やす行動のなかでも、飛行機での移動は最も大きな要因の一つだ。しかし、だからといって休暇旅行を避けるべきだろうか?(SHANNON FAGAN, GETTY IMAGES) キャサリン・ヘイホー氏は、科学が「世界で一番クールなもの」と信じて育った。 「科学とは、宇宙や地球がどう機能しているかを理解する方法です」とヘイホー氏は言う。「それを理解したくない人などいるのでしょうか?」 ヘイホー氏は自然保護団体ネイチャー・コンサーバンシーの主任科学者であり、米テキサス工科大学気候センターの所長も務めた。研究だけでなく、難しいデータをわかりやすい言葉に置き換える能力でも定評がある。数十年にわたって気候変動の影響を研究し、その知見を伝えてきた。その活動により、世界中の大学や演壇、コミュニティーから招かれ、各地を訪れている。 しかし、こうした移動、特に飛行機での移動は、個人の二酸
沖縄本島北部のやんばるで2024年に目撃されたシカが、宮城県由来のニホンジカであることが分かった。沖縄本島には在来のシカが生息していないことから、人為的に持ち込まれた「国内外来種」とみられる。ふんを調べたところ、世界自然遺産・国立公園内に自生する希少植物を食べていた。調査した神戸女学院大学と琉球大学などの研究グループは「国内外来種は地域の生態系を脅かすほか、感染症を持ち込むリスクもある」と警鐘を鳴らしている。
米ニューヨーク州の深い草むらで休むオジロジカ(Odocoileus virginianus)の子ども。野生動物の専門家たちは、子ジカなどの赤ちゃん動物を「保護」しようとする行為が、かえって彼らを危険にさらす結果になりかねないと警告している。(John Cancalosi, Nature Picture Library) 保護している約100頭のシカの一部にミルクを与えるため、コニー・ホール氏はほとんど徹夜で過ごしていた。そこへ、ある夫婦が生まれたばかりの野生の子ジカを連れてやってきた。前日に道端で拾ったときは健康そうに見えたが、今は体調を崩していた。 米サウスカロライナ州で「マグノリア子ジカ保護団体」を25年間運営しているホール氏は、母ジカが何時間も子どもを放置するのは普通のことだと知っている。しかし、その夫婦は、母親のいる森の中へ子ジカを移すのではなく、善意から家に連れ帰ってしまったのだ
開発中の経口薬であるダラクソンラシブは、転移性すい臓がんなど、KRAS変異を原因とする進行がんの初期の臨床試験で有望な結果を示している。(DSZC, GETTY IMAGES) すい臓(膵臓)がんの腫瘍の約90%には、ある遺伝子変異が見られる。しかし、この変異は数十年にわたり、薬の標的とすることは不可能だと考えられてきた。 けれども今、一連の臨床試験(治験)が成功を収めたことで、研究者たちはこの変異を標的とする薬の実現に近づきつつある。最も致死的ながんの一つであるすい臓がんの生存期間を延ばす貴重な機会が得られそうだ(編注:厚生労働省が公表したがん部位別の5年純生存率ではすい臓がんが最下位)。(参考記事:「がん5年生存率、部位別で90%超から12%と大差、厚労省が公表」) 「長年のすい臓がん研究で、これほど有望そうな結果を見たのは初めてです」と、米スタンフォード大学医科大学院の腫瘍専門医であ
米国イリノイ州カーボンデール。夜、イトスギの湿地のそばを這うスポテッドサラマンダー(Ambystoma maculatum)。 (EMANUELE BIGGI, MINDEN PICTURES) 米国東部に広がる森林地帯には、ほとんどの人が目にしたことのない、幻のような生きものがひっそりと暮らしている。 「その姿を初めて目にしたとき、あるいは久しぶりに見ると、思わず息をのんでしまいます」と、米ピッツバーグ大学の両生類生物学者、コリ・ザワツキー氏は言う。体に黄色い斑点があり、スポテッドサラマンダー(Ambystoma maculatum、キボシサンショウウオとも)と呼ばれるこの両生類は、大きいものでは体長25センチメートルほどに達する。平均的には15~20センチほどだ。 経験豊富な自然観察者やハイカーでさえ、この魅力的な生きものに出合うことはめったにない。というのも、生涯のほとんどを地中で過
【動画】「ドニャーナ山火事予防ロバ大隊」に所属するロバたちは、スペイン各地で1日最長7時間のパトロールを行い、山火事の予防に励んでいる。(Video by Luis Manuel Bejarano) 毎年夏になると、スペインでは全国各地で山火事が発生する。何千、何万ヘクタールもの土地が火事で失われる背景には、暑さや干ばつだけではなく、農村の過疎化という事情がある。人や家畜が減り、草木が伸び放題になっているのだ。 そうした中、伝統的かつ効果的な解決策を採用している地域がある。7000年以上にわたって人間とともに歩んできたロバたちを連れ戻し、山火事との戦いという新たな任務を担ってもらうのだ。 ロバたちは小規模の旅団を組み、森の中を静かに移動しながら、来る日も来る日もひたすら雑草を食べ続ける。 任務の緊急性はますます高まりつつある。2025年はスペイン各地で焼失した面積が8月までに計40万ヘクタ
地球温暖化の明白な結果のひとつが、激しさを増す異常気象だ。たとえば、死者が出るレベルの熱波、洪水、台風、森林火災、そして科学者の中でも議論があるが吹雪などだ。災害を研究する専門家にどう備えているかを聞いてみた。(MARK THIESSEN, NATIONAL GEOGRAPHIC) 地球温暖化の影響で、台風や洪水、熱波、山火事などの頻度と厳しさが増している。その被害もかつてないものになっている。米国では、2025年の前半は災害の被害額が過去最高の1010億ドル(約16兆円)を記録した。 異常気象の研究者は、こうした災害のリスクは今後も上がっていくと予想している。つまり被害を受ける人は増えていくということだ。2025年5月7日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された研究によれば、自然災害に遭遇するリスクは、1960年と比べて倍になっているという。(参考記事:「【解説】LA山火事、気候変動で35
環境省のレッドリストで準絶滅危惧のチョウであるクロツバメシジミは、幼虫の時に外来植物を食べて育つと翅の色が変わることを、大阪公立大学などのグループが発見した。翅の色が変わったメスは交尾の相手としてオスの興味を引きにくくなることも確かめられ、外来植物がチョウの繁殖に間接的に悪影響を及ぼしている可能性があるという。絶滅の恐れのある昆虫類の保全対策に役立つと期待される。 クロツバメシジミ成虫の可視光写真(左)と紫外線写真。いずれの写真も左2匹が在来植物、右2匹が外来植物で育った。上2匹はともにオス、下はメス(大阪公立大学大学院生の久井花恋さん提供) クロツバメシジミはシジミの貝殻を合わせたような形のチョウで、翅の表側が黒っぽい。新潟県から鹿児島県にかけて河川敷や岩場などに生息している。環境省のレッドリストでは「現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては絶滅危惧に移行する恐れがある」
ニュージーランドでは、南アフリカ原産のカマキリのメスが、在来種のオスをおびき寄せて食べている可能性がある。(CAVAN IMAGES, ALAMY) 在来種にさまざまな害をなす侵略的外来種だが、求愛の鳴き声をかき消したり、ときには交尾の相手を食べたりして、在来種の繁殖を妨げることがある。「外来種がそこにいるだけで、在来種の繁殖が妨げられることもあります」と話すのは、その隠れた脅威について調べたレビュー論文を、2025年9月に学術誌「Trends in Ecology & Evolution」に発表した筆頭著者のモレリア・カマチョ・セルバンテス氏だ。 この現象は「繁殖干渉」と呼ばれている。研究チームは、論文のなかで6つの生物グループのなかから11の独立した繁殖干渉の例を特定した。これらは実験的または観測的に実証されたわずかな例にすぎず、実際に野生ではもっと多くの外来種による繁殖干渉が起こって
新居の環境でのカビや土埃との戦いなど、調整は続いているが、それなりに整ってきているし、興味深い発見もあるので、これも進化、適応と言っておこう(^_-)-☆ 今回は2018年4月から密かに温めてきている、専門家の一人以外、まだ誰にも伝えていない発見を皆さんにご報告! その専門家はニューヨークのアメリカ自然史博物館の共同研究者、Dr. Vinton Thompson(ヴィントン・トンプソン博士、以下ヴィントン)というかたで、近々アワフキムシ全体の専門書的な(ぼくも協力させていただいた)本を出版するとのこと。その本でとりあげている今回の新発見の内容をナショジオの連載で紹介してもOKとの許可をいただいた。それと、ちょうどこの乾季が出会える季節ということで今回の原稿を書くことにした。 画像や動画も先行公開! でも研究発表に向けてまだ途中段階なので、恐縮ながらここではあまり詳しく紹介できないのが残念。
角膜の修復に不可欠な幹細胞を移植して視力を回復させる手術から18カ月後の状態。(Ula Jurkunas, Mass Eye and Ear) つらさをこらえつつ目を開いたら、「何も見えませんでした」と、54歳のフィル・ダーストさんは振り返った。 米アラバマ州ホームウッドにある「ジョニーズ・レストラン」で、ダーストさんは業務用食洗機の排水のボタンを押した。そのとき、ホースが勢いよく外れて、顔面に業務用の洗剤が噴きかかった。 ダーストさんは悪態をつき、シンクまで走って行って目を洗い始めたが、目が焼ける感覚はますます強くなるばかりだった。だから、「だれかレモンを持ってきてくれ」と言った。角膜を溶かしている水酸化ナトリウム溶液はアルカリ性であり、酸性の果汁で中和できるのではないかと考えたのだ。しかし、絞り尽くした果汁にはなんの効果もなかった。 ダーストさんと同じように、虹彩を覆う角膜が傷ついて、
オーストラリア、クイーンズランド州のエッティ・ベイの海岸に佇むヒクイドリ(Casuarius casuarius)。絶滅の危機にあるこの鳥の寿命は、最長で50年にも及ぶ。(CHRISTIAN ZIEGLER, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 体高は約1.7メートル、時速約50キロメートルで疾走し、地上から約2メートルも跳躍する。ヒクイドリ(Casuarius casuarius)はまさに伝説的な存在だ。世界で3番目に大きな鳥で、体重は80キロにも達する。長さ10センチメートルを超える鋭い爪を持ち、捕食者から身を守るために繰り出す強力なキックは、相手の骨を折り、内臓を損傷させ、死に至らしめることさえある。 「ヒクイドリは、ベロキラプトル、エミュー、そして巨大なシチメンチョウを掛け合わせたような威圧的な姿をしています」。児童書『ヒクイドリのお父さん(Cassowary Da
食物繊維を多く取ることは、さまざまな慢性疾患のリスクの低下と関連している。研究によれば、食物繊維を取るタイミングも重要だという。(ADDICTIVE STOCK CREATIVES, ALAMY STOCK PHOTO) 食物繊維が健康にいいということは、すでに多くの人が知っている。消化器系や腸内微生物叢(そう)の健康、コレステロール値の管理、血糖値の調整、さらには長期的な病気の予防にも役立つ。心臓病や2型糖尿病をはじめ、さまざまな慢性疾患のリスクの低下とも関連している。 しかし、いま多くの研究で示されつつあるのは、食物繊維をいつ取るかが重要だということだ。適切なタイミングで摂取すると、その後何時間にもわたって体の働きに良い影響を及ぼす可能性がある。 上に挙げた以外にも恩恵はあると、米タフツ大学ジーン・メイヤーUSDA加齢人間栄養研究センターの科学者ジェニファー・リー氏は言う。炭水化物中心
前回のスーパーエルニーニョでは、太平洋中部のハリケーン発生域で16個の熱帯低気圧が発生または通過した。このときは画像のように、太平洋中部と東部にカテゴリー4のハリケーンが同時に3つ発生するという前代未聞の現象も見られた。(NASA EARTH OBSERVATORY/JESSE ALLEN) エルニーニョがこの春から夏にかけて始まる可能性が高まっているという米海洋大気局(NOAA)の予測を受けて、2026年は強力な「スーパーエルニーニョ」が発生する可能性があるとの見方が予報担当者のあいだで強まっている。このエルニーニョは、少なくとも過去10年間で最も勢力の強いものとなり、一部地域では過酷な干ばつを、また別の地域では激しい嵐を引き起こし、さらには地球の気温を上昇させる恐れがある。 NOAAの4月9日付けの発表によると、太平洋の表面の海水温が平年より少なくとも2℃以上高くなる「非常に強い」エル
米ニューヨーク州のダッサイ・ブルー・サケ・ブリュワリーでは、日本酒の試飲のほかに、日本文化にまつわるイベントも実施している。(AMY SIMS) 丈夫な高いデニムから、ありとあらゆる必需品がそろうコンビニエンスストアまで、日本は米国発の商品やサービスを取り入れ、磨き上げて自分たちのものにしてしまうのが得意だ。そして今、米国は流れを逆転させようと、最も日本らしいアルコール飲料である日本酒に挑んでいる。 2025年3月、ニューヨーク市のブルックリン・クラは、米国から日本へ日本酒を輸出した初めて酒蔵となった。清酒「八海山」などを製造する八海醸造(新潟県魚沼市)の米国法人と業務資本提携しており、日本全国のバーやレストラン、酒販店で入手可能だ。(参考記事:「400周年を迎えるニューヨーク ナショジオで振り返る100年」) 「これは理にかなった動きです」。ブルックリン・クラの「サケ・スタディ・センター
宇宙での食事には、おいしさと栄養に加え、散らばりにくいこと、長期保存できることも求められる。トルティーヤやマカロニチーズ、ブリスケット(牛胸肉)、レッドキャベツなどはいずれもその条件を満たす。(Photo: Chris Gunn) 米航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターのキッチンで、シューレイ・ウー氏が記者のためにコース料理を用意してくれていた。バーベキュー風ブリスケット(牛胸肉)、チキンのサルサソース添え、サイドにはトルティーヤ。クリーミーなマカロニチーズとレッドキャベツの蒸し煮。デザートはチェリーとブルーベリーのコブラー(焼き菓子)、そしてホットコーヒー。 料理は、NASAのロゴが入った皿に美しく盛り付けられている。食欲をそそるごちそうが並んでいるが、この光景はウー氏が本来想定しているものとは少し違う。「微小重力では、そもそも皿は使えませんからね」とウー氏は言う。 これが21世
短時間で大量飲酒(むちゃ飲み)をした数時間後には、小腸の保護膜に変化が生じ始めることがマウスを用いた新たな研究で示唆されている。この損傷は炎症反応を引き起こす恐れがある。(DAVID SAWYER, GETTY IMAGES) たまにお酒を飲み過ぎるとしても、飲み放題付きのブランチや仕事帰りに数杯おかわりするくらいは無害だと思われるかもしれない。しかし、短時間で大量に飲酒(「ビンジ飲酒」「むちゃ飲み」とも)した数時間後には、小腸の構造に変化が生じ始めることが、マウスを用いた最新の研究で示唆されている。 2025年11月に医学誌「Alcohol, Clinical and Experimental Research」に発表された研究によると、むちゃ飲みをさせたマウスでは、小腸の表面にある指状の突起である絨毛(じゅうもう)の短縮や、炎症性免疫細胞の急増が観察された。24時間が経過しても、炎症マ
ホルムズ海峡は、ペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ狭い水域だ。英オックスフォード大学ウースター・カレッジで地球科学を教えているマイク・サール教授によると、地質学的にもたいへん貴重な場所だという。(J MARSHALL - TRIBALEYE IMAGES, ALAMY STOCK PHOTO) 世界で海上輸送される石油のおよそ4分の1が通過するホルムズ海峡。およそ50kmの幅でペルシャ湾とオマーン湾を結び、交通量が極めて多く、何かあれば世界経済に甚大な影響を及ぼす重要な「チョーク(窒息)ポイント」のひとつだ。そして、2026年2月下旬から始まった紛争で、危機は現実のものとなりつつある。 ホルムズ海峡は2つの大陸が衝突した場所でもあり、地質学的にもたいへん貴重な場所だと言うのは、英オックスフォード大学で地球科学を教えるマイク・サール教授だ。 黒く険しい岩壁と複雑な海岸線は、海面上昇で谷が水没してで
運動をしても常にカロリー計算モデルの予測通りに体重が減るわけではないことがわかってきた。(DAVID PETRUS IBARS, GETTY IMAGES) より多く動けば、より多くのカロリーが消費され、体重が減る。この理屈は盤石に思える。しかし多くの場合、計算通りの結果が出るわけではない。 比較試験をしてみると、運動してもカロリー計算モデルの予測より体重が減らないケースが少なくない。ウオーキングやジョギング、サイクリングといった有酸素運動を取り入れたとしても、6カ月で平均約1.6キロの減量にとどまるというレビュー論文もある。 かなりの時間と労力を費やすわりには見返りが少ないというこの問題には、研究者たちも長年にわたって頭を悩ませてきた。(参考記事:「減量が難しい科学的理由 やせにくい4つのタイプ、対処法は」) 原因の一つはよく知られている。運動をすると空腹感が高まるため、つい食べてしまい
水中ドローンで近距離から撮影したヒラチズガメのメス。求愛するオスを背に泳ぎ去っていくところ。(VIDEO BY GRÉGORY BULTÉ) 毎年春が来ると、生物学者のグレゴリー・ビュルテ氏はカナダのオンタリオ州にあるオピニコン湖で冬眠していたカメに標識を付けている。正確な数を把握するためにもう20年以上続けている活動だが、2022年4月に見たこともない光景を目にした。甲羅が壊れ、手足を失ったカメの無惨ななきがらだった。 ビュルテ氏はウェットスーツを取りにいったん自宅に帰ってから、水中を調べてみた。すると、死んだカメが次々に見つかった。それを回収していくと、いくつかのバケツがいっぱいになった。 「最初はぞっとしました」とビュルテ氏は言う。「『いったいいつまで続くんだ?』とつぶやきながら、拾い続けていました」
アルテミス2打ち上げの7.5秒間を66分の1の速度で再生した超スローモーション映像(字幕は英語です)。 米航空宇宙局(NASA)の有人月周回飛行「アルテミス2」の打ち上げ成功を祝うべく、ナショナル ジオグラフィックのチームは超スローモーション映像を撮影した。Freefly Systems社のEmber S2.5Kという高速度カメラを使い、毎秒2000フレームという驚異的なフレームレートを採用した。 Ember S2.5Kを設置したのは発射台から約457メートルの位置。ロケット打ち上げ時の炎からとても近いため、直接カメラを操作するのは危険だった。 そこでチームはカメラを重さ約27キロの鉛蓄電池につなぎ、NASAのカウントダウンの時計と同期して撮影が始まるようにプログラムした。打ち上げの騒音がおさまると撮影が止まるように設定した。 「スペース・ローンチ・システム(SLS)」は、NASAがこれま
この狭さゆえ、10日間の月旅行の間、クルーたちは壁か機器のそばで寝なければならない。しかし宇宙船の中央部には、ドッキングトンネルへ続く開けた空間がある。ここは比較的散らかっておらず、間違いなく最高の寝場所だ。(参考記事:「アルテミス2打ち上げ延期の原因、なぜ燃料漏れが起こるのか?」) その証拠に、宇宙飛行士たちは皆、この寝場所の取り合いをしている。もちろん冗談を交わしながら。 「ここは私のための特等席です」とコック氏は言う。「わがままを言っているように聞こえるかもしれませんが、このスペースに入れるのは、いちばん背が低い私だけなのです。そうよね? みんな?」 「いや、宇宙では背が伸びるんだよ」と、アルテミス2のパイロットであるビクター・グローバー氏が口をはさむ。「彼女でも入れなくなるんじゃないかな」 これが、コック氏やグローバー氏、そして同じくアルテミス2のクルーであるリード・ワイズマン船長
ドーパミンは動機づけと報酬の両方において重要な役割を果たしている。現代社会の誘惑に屈することなく、ドーパミンの放出を自然に促す方法は多い。(NICK FANCHER, NATIONAL GEOGRAPHIC) 皆さんには、スマートフォンが震えて胸が高鳴ったり、駐車スペースが空いて喜びを感じたり、よい知らせを待っているときにワクワクしたりといった経験があるだろうか。もしあるなら、それはドーパミンが働いている証拠だ。 「ドーパミンは、報酬が得られそうなときに覚える心地よい感覚に関係しています」と、米カリフォルニア州立大学イーストベイ校の名誉教授ロレッタ・グラツィアーノ・ブルーニング氏は説明する。 期待だけでなく、食事をする、他者とつながる、目標を達成するといった有益な行動をとった「後」にも、ドーパミンは報酬を得るのを助ける役割を担っている。「ドーパミンはわれわれが行動を起こす動機に大きく貢献し
「プロジェクトCETI」は、機械学習ソフトを使ってマッコウクジラの出産映像を分析した。クジラたちは協力して母クジラと子クジラを支えていた。この動画には、出産したラウンダー(Rounder)の親族であるアクラ(Accra)、レディー・オラクル(Lady Oracle)、オーロラ(Aurora)と、親族ではないが出産に協力的だったアトウッド(Atwood)とアリエル(Ariel)が映っている。(PROJECT CETI) 船乗りや科学者がマッコウクジラの習性を研究するようになって約半世紀になるが、この数十年間で、マッコウクジラの出産に関する科学的な報告は遠くから観察した1例にすぎない。しかし今、出産に臨んだマッコウクジラたちがコミュニケーションを取り、協力する驚きの様子が3月26日付けで学術誌「Science」と「Scientific Reports」で報告された。 2本の論文は、マッコウクジ
長崎大学水産学部の山口敦子教授(魚類学・水産資源学)は、エイの生態を長く研究してきた。有明海にはアカエイとシロエイが生息していて、両者は体表の手触りや裏側の色などが異なる。20年ほど前、両者の中間的な特徴を持つエイの存在に気づいたという。 山口教授は当初、このエイはアカエイとシロエイが交雑したものだと考えていた。ただ、体内の酵素を詳しく分析したところ、交雑種とは明らかに違っていたことなどから、「これは雑種ではないのでは」と思うようになった。 ただ、エイには分類の目印となる特徴が少なく、専門家でも判別が難しい。山口教授が「アカエイの分類を調べている」とベテランの研究者に話したところ、「難しいから手を出さない方がいい」とアドバイスされたほどだ。それでも研究室に配属された学生とともに研究を続け、アカエイとは異なる特徴を持つエイが有明海にいることが分かった。2010年、これに「アリアケアカエイ」と
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