「金融サービスに傾倒する小売業は衰退する」というタイトルは、厳密にいえば、「顧客データベースを構築して金融サービスを始める小売業は衰退する」・・・となる。 古今東西、企業が顧客データを蓄積するようになると、必ずといっていいほど、保険販売、ショッピングクレジットやキャッシングをふくめた金融サービスを始める。顧客データを保有する企業には小売業が多いので、「小売業は金融サービスを始めたがる」としてもよい。そして、また、金融サービスに力をいれた小売業は、本業がダメになってしまうことが多い。 「だから、楽天は大丈夫かなあ?」という老婆心でこの記事を書いています。 最初に、金融サービスを始めてダメになった小売業の「古今東西」の例をあげてみる。1960年代~80年代にかけて米国一の小売業だったシアーズ。そして、英国人の5人に1人が顧客だといわれた英国のテスコは最近の例だ。 19世紀末にカタログ通販を始め