内閣総理大臣を務めた山県有朋家のお抱え料理人だった小島種三郎さんが同家の女中頭だった春さんと結婚し、「小春軒」と名付けて1912(明治45)年に開いた同店。「芸者さんが多い街はハイカラなものがはやる」と言われていた当時、繁華街だった人形町に店を構えたことから、この店の物語は始まる。 関東大震災や戦争で焼失、閉店していた時期もあったが、幾度も同所で営業を再開。地元に愛されながら繁盛を続けてきた。現在は、3代目・幹男(78)さんと妻・絹子さん(72)、幹男さんの長男で今年4月、正式に4代目を継ぐ祐二さん(46)が切り盛りする。 「メンチカツライス」(750円)、「とんかつライス」(950円)、「ポークソテーライス」(1,300円)など創業当時から残るメニューに加え、カジキマグロのフライ、コロッケ、ホタテフライ、イカのバターソテーなどを盛り合わせた「特製盛り合わせライス」(1,300円)など戦後