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大谷翔平
nijihajimete.hatenablog.com
コロナ禍になって、1年半ちょいが経とうとしている。 もともと変なところで潔癖なうえに、呼吸器と循環器を悪くした過去があることから、この1年半、それなりに高めの緊張感を途切れることなく持って生活してきた。 空がどんなに高くとも、風がどんなに暖かくとも、太陽がとても明るくとも、常にどんよりした膜に覆われているような、全体的に日々が灰色になったような、すっきりしない感覚が続いていたのだが──。 この日突然、陽が射した。 太陽の光は鮮烈で眩しく、思わずぐっと目を眇める。 ウジェーヌ・ブーダン《港に近づくフリゲート艦》1894年 これは、絵の中の話だ。 絵の中の太陽が、絵の中を照らしているだけ。 けれどその光は間違いなくこちらに届いており、私はその眩しさにたじろいだし、なんならそこに生じている暖かさも感じることができた。 そういう絵が、今、日本に来ている。 mimt.jp 10月15日から三菱一号館
▲前回のブログには上げ忘れてしまったが、メインロビーはこんな感じ。 これ↓の続き。 nijihajimete.hatenablog.com 朝。のろのろと起き上がり、備え付けのポットでお湯を沸かし、ほうじ茶を飲みながら朝ドラ鑑賞。最近見逃すことが多かったのだが、登場人物は把握していたので、ギリギリ話についていくことができた。 さて、お楽しみの朝食の時間である。 今回は朝食付きプランにしたので、素敵なホテルで出される朝食は一体どんなものかしらと、足取り軽くレストランへ。 朝食が提供されるのは「ノルマンディ」というレストランで、私が泊っている本館ではなく、新しく建てられたタワー館の5階にある。そのため一度メインロビーへ降りてからタワー館用のエレベーターに乗り換える必要があるが、ホテルの中が美しいので移動は全く億劫ではなく、むしろ自分に与えられた領域外にも行けることが嬉しい。 ▲中庭に面したカフ
鴻池朋子の「ちゅうがえり」を見に行った。正式名称は「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子 鴻池朋子 ちゅうがえり」。 すごかった。 すごかったし、精神が身体から離れてしまうんじゃないかと思うくらい怖かった。 個人的には横浜での展覧会(「根源的暴力」)で感じた「扉」の先に、ついに足を踏み入れてしまったような感じがした。人によっては、この展覧会を観る前と観た後では、大きく核のような何かが変わるかもしれない。今までの自分ではいられないような。 とにかく、そういうことを思わせる内容だった。 ブリヂストン美術館がアーティゾン美術館へとリニューアルしてから、行こう行こうと思っていたところに新型コロナウイルスがやってきて、第一弾の展覧会を逃してしまった。よって本展が私にとって「初・アーティゾン」になる。 いつか自分で読み返すときのために書いておくが、2020年の展覧会は、そのほとんどが「事
@山種美術館 (写真は美術館の許可を得て撮影しています) 上村松園。 京都生まれ京都育ち、女性として初の文化勲章受章者(1948年)。 子に上村松篁、孫に上村淳之と三代続く画家一家です。 松篁と淳之は花鳥画を主に描き、松篁は不染鉄と合作もしている(不染鉄展に出品)。そして淳之は現在松伯美術館館長を務めており、ワンコを抱きしめたアー写が魅力な文化功労者です。 松園は生涯通じて美人画を描いているんだけど、決して「美人(ビジュアル重視)を描くぞ」とはしていない。 なんというか、「この人は一人でも生きていけるのだろうな」と思わせる女性像を描いている。 自立しているというのともまた違う、庇護欲を掻き立てないというか、ある意味サバイバル能力が高そうというか。 まあ、結果的にルックス面でも美人になっているのだけれど、松園の美人画に関してルックスは二の次。観るべきは、その全てが醸し出すオーラだと思うんです
源頼光の化け物退治物語が好きだ。 それらは大スペクタクル絵巻になることが多く、派手なアクションあり、ユーモアありの、盛りだくさんな世界でできあがっている。 《土蜘蛛草紙》東京国立博物館蔵 《土蜘蛛草紙》を観て、その独特すぎる雰囲気のファンになり、あわせて彼の仲間である渡辺綱が好きになった。渡辺綱は付き合いが良いのだ。そして刀剣乱舞でもおなじみ、「髭切」のかつての主でもある。 重要文化財 太刀 銘安綱(名物髭切・鬼切) 北野天満宮蔵 そんな頼光と綱たちが活躍する酒呑童子退治の物語。 話は至ってシンプルなドラゴンクエスト的展開なのだけれど、ここへきて酒呑童子の過去を初めて知り、その衝撃がとても大きいものだったので忘れないように書いておこうと思う。 根津美術館が持っている「酒呑童子絵巻」 同情したくなる酒呑童子の壮絶な過去 関連記事 根津美術館が持っている「酒呑童子絵巻」 根津美術館にて企画展「
ひとつ前のブログにも書いたのだけれど、昨年狩野芳崖の作品を観て猛烈に単眼鏡の必要性を感じ、本格的に購入を考えるようになった。 ちょうどその頃、アートブログ「青い日記帳」のTakさんがケンコー・トキナーの単眼鏡「ギャラリーEYE」の記事を書いており、読むうちにこの単眼鏡に惹かれていった。 www.kenko-tokina.co.jp というのも、自分がかつて使っていた(そして今もたまに使う)一眼レフの交換レンズ一式がトキナーのものなのだ。はじめはビクセンの単眼鏡にしようと思っていたのだけれど、そうか、トキナーって単眼鏡出していたのか。こうなってくると俄然こちらを贔屓してしまう。 ビクセンが刀剣乱舞の山姥切国広モデルを出してきたので迷ったのだけれど、近距離からもピントが合うこと、視野がひと回り広いことから、初めての単眼鏡は「ギャラリーEYE」、君に決めた。 単眼鏡のポテンシャル、恐るべし 単眼
もうずいぶんと前から、この世が肌に合っていないのを痛烈に感じている。 例えるなら「居心地の悪い飲み会にずっと居るような、早く帰りたくてたまらないような」気持ち。 家で一人で蕎麦とか食べてるときは良いんだけど、いざ自分が社会の中に放り込まれると途方もなく「何故、我ここに身をば置く」と思って重力に負けそうになってしまうのだ。 そんなもんだから「ムンク展が開催されるぞー!」と聞いたときは、あの徹頭徹尾不運だったムンクは、代表作以外をどんなふうに描いたんかな? とちょっと楽しみだった。彼はきっと、この世が肌に合っていないタイプの人間だと思ったからだ。 しかし実際展覧会に行ってみると、ムンクは完全にこの世に絶望しているわけではなさそうだった。 強いて言うなら、陰キャだった。 ※記事中の会場写真は美術館に許可を得て撮影したものです。 不憫だけど鬱ではない(気がする) 微かにひそむロマンティシズムと生命
@東京国立博物館 最近、生きるのが嫌になることが立て続けに起こった時に丁度テクノ法要に行く機会があったのだけれど、これは一体何と表現したらいいのだろう? 救われるとも、仏を信じるとも違う、とても不思議な気持ちになったので、記録としてその時のことを残しておく。 (注:いつものように長いうえに、自分の話が多いエントリです) 釈迦は鬼を救えるか そしてテクノ法要へ 宗派の壁を超える 釈迦は鬼を救えるか 先日通り魔のようなものに遭ってそこそこのダメージを負い、ちょっとした騒ぎになった。幸いにして命に(おそらく)別条はなかったものの、数日間は痛みが残るくらいの攻撃を受けてしまった。 しかし痛みより何より私の中に深く痕跡を残したのは、抱えきれないほどの相手への「憎悪」の感情だった。自分の中に沸き起こった感情は、「恐怖」よりもおびただしい「憎悪」。 あれから3週間ほど経った今も「あいつを絶対に許さない」
@上野の森美術館 《メタモルフォーゼⅡ》1939-40年 木版 192*3875 (部分) ※写真は美術館の許可を得て撮影しています。 エッシャーと聞いて、あのだまし絵の人ね、と すぐイメージが浮かぶ方は多いと思います。 そう、「水が永久に循環する塔」や、「階段を登っていたと思ったら、いつのまにか降りていた。 な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった…」という絵の人です。 《滝》1961年 リトグラフ 380*300 1970年に『少年マガジン』の表紙を飾ったこともあるエッシャー。日本でも有名なので、今回が初の展覧会というわけではありません。 ありませんが、2018年はエッシャー生誕120年という記念すべき年。「これはでかいことをやるしかない!」となったのでしょう。 なんと世界最大級のエッシャーコレクションを誇るイスラエル博物館
5年くらい続けたWord Pressから、はてなブログに引っ越しました。 長年使っていたWord Pressのテーマが古くなってしまったのか、プラグインのアップデートに対応しなくなった。 かといって他のテーマに変えるにもカスタマイズをやり直さねばならず、WPのカスタマイズは結構めんどうくさくて(あと私がド素人すぎてコードを自分で書けないので)、思い切って別のブログに引っ越すことにしたのでした。 Ameba Owndとはてなで迷って、はてなの方が使っている人が多いため、カスタマイズの方法やらなにやらが広く紹介されているということで、はてなを選びました。 さて、引っ越しを決め、Word Pressのデータをインポートしたはいいが、いざ記事を見てみるとガッタガタでどうしようもなかった。 そんなわけで少しずつ体裁を直していますが、(大した記事数ではないものの)めちゃくちゃ面倒くさく、もう順次少しず
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