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大谷翔平
sessamian.hatenadiary.org
日経ものづくりはソフトウェアには関係ないと思っている人も日経ものづくり8月号は単品(1400円)でも買った方がよい。 なぜなら、プリウスのブレーキ制御問題について、これまでになく詳細な情報が掲載されており、問題がなぜ起こったのかを推察できるからだ。 詳しくは 日経ものづくり8月号の特集記事『ソフトが揺さぶる製品安全』を読んでいただくとして、この記事のコラム「プリウスに見る、ソフトの落とし穴」の感想を書いてみたい。 まず、このブログの『プリウスブレーキ制御ソフト改変についての考察』の記事でも書いたように、何しろプリウスのブレーキシステムは非常に複雑だ。 これはプリウスだからではなく、現在のハイブリッド車はみな、このように複雑な制御でブレーキの機能や性能を実現しているのだと思う。 何が複雑化というとざっとこんなところだ。 そもそもブレーキペダルを踏むとブレーキオイルの圧力が伝達されブレーキパッ
ソフトウェアに関する改善活動を行っていると、テクニカルなことでは解決できないことにすぐにぶつかる。そこでいろいろなことを試してみるのだが、つい最近『ジョン・コッターの企業変革ノート』 という本に出会った。久しぶりに付箋を手にしながら読んでいる。 この本に書いてあることは至極納得できるし、ここ数年自分がやってきたことにも重なるし、この通りにやってみようかなと思わせる。 『ジョン・コッターの企業変革ノート』のソリューションがうまくいきそうと思わせるには理由がある。この本の教訓は130もの組織の400名あまりの面談から得た情報(成功体験、失敗体験)から体系化されたものであるからだ。そもそも、ヒアリングの対象はアメリカの会社だろうから、そのまま日本の組織に使えないかもしれないが、日本人とアメリカ人の違いの奥にある人間としての共通項に響く部分も多々あると感じている。 まずは、紹介されている多数のエピ
今、組織が欲しい人材は、目的を示すことで自分の持ち駒(経験)を組み合わせて実現する方法を見つけ出すことができる人だ。 その対極に具体的な手順を示さないと動けない人がいる。例えば、目的はひとつ、工程が2つあって、それぞれの工程内での活動の選選択肢が10パターンずつあったら、サンプルのパターンを一つか二つ例示するのではだめで、今自分が置かれている立場にぴったり合う10×10=100のパターンの中から最も近い一つを示せと言われてしまうケースだ。 その程度はまちまちで、いくつかのケーススタディをするだけで済む場合もあれば、手取り足取り手順を示さないと動けない場合もある。 問題解決能力が高い人は、経験値が低くても工程を何回か繰り返すうちに具体的な手順から抽象度の高い解決方法を体系化することができる。 だから、組織は問題解決能力の高い人材が欲しい。 【1. 問題解決能力を身に付ける方法】 達成すべき目
安全ソフトウェアの教科書的な存在であるセーフウェアを読み始めた。656ページもある分厚い本なので、まずは30分くらいで斜め読みした。 自分は約20年近くクリティカルデバイスの開発に携わってきたので、書いてあることがよく分かったが純粋なソフトウェアエンジニアにはピンとこないかもしれないとも感じた。 具体的な事故の事例も多く掲載されているので、取っつきやすいと思うがやっぱり解説が必要にも思える。 そこで、できるところからこの本に書いてあることの意味について解説してみようと思う。 どこがいいかざっと見ていたら、エピローグ「これからの展望」にいいことが書いてあったので、ここからいこう。 【『セーフウェア』エピローグ これからの展望 より引用】 □安全をより確かなものにする最も効果的な方法は、単純であることと、知的に処理できるシステムを構築することである。 □安全性と信頼性は別なものであって、混同し
久しぶりに『ジョエル・オン・ソフトウェア』を読んだ。Amazon で調べたら、最近、この本の続編である『モア・ジョエル・オン・ソフトウェア』が出たようだ。 ジョエル・オン・ソフトウェアの著者である Joel Spolsky はソフトウェア業界での豊かな経験を持つ開発者で、彼のウェブログ "Joel on Software" はプログラマ向けサイトとしては最も人気のあるものの一つで、彼はマイクロソフトの開発者だったころ Microsoft Excel 等多くの有名なソフトウェア製品の開発に携わった。 彼がブログで記事にしたことをまとめた最初の本が『ジョエル・オン・ソフトウェア』である。もともとはブログの記事であり。アメリカ人でないとわからないようなスラングや引用(例えばジョージ・ブッシュ大統領の口癖 Not gonna do it! 「それをやるつもりはない」等)がふんだんにちりばめられてお
エンジニアに投資しない、投資できない、投資する必要があると考えない組織はそこら中にある。技術者への投資がどのように組織にフィードバックされるのか、人材を育てることに金や労力を使わないと組織がどのようにやせ細ってしまうのかイメージできない人に技術者への投資を提案するとそれにかけた費用に対する効果を説明せよと言われる。そこで「分かってないな」と思うのは当然だが、だからといってエンジニアへの投資をあきらめてはいけない。 ソフトウェアエンジニアは100%知識労働者である。「プログラムコードを何行書いてなんぼ」などと考えていると、すぐに優秀なコンパイラやツールに仕事を奪われてしまう。新しく入っている若い世代のソフトウェアエンジニアが持っていないスキルを常に身につけていかなければいつの日か組織からいらないと言われる日がくる。 組織の中で誰からも計画的なスキルアップの道筋を提示されないエンジニアは辛いが
製造業における技術伝承は、ベテランが初級者にくっついて実際に作業をやらせ、失敗を繰り返しながら技術が習得できるまで指導を続けるというものだ。 一方でマニュアルを使って一律に技術習得させるという方法もある。マクドナルドがよい例だ。マクドナルドはマニュアルによる指導、トレーニングを徹底させるために世界のどこのマクドナルドに行っても同じレベルのサービスを受けることができる。これはまさに欧米的な技術の習得方法だと感じる。 日本でも工場では手順書による作業指示があるので、マクドナルドのマネージメントと似ているように見えるが、QC活動などでマニュアルを逸脱した独自のくふうも許しているところがちょっと違う。逆に言えば、一応手順書やマニュアルはあるものの、実際には冒頭で紹介したベテランが初心者に対して技術を習得できるまで指導し、その指導の方が手順書よりも優先されることが多い。 トレーニングの方法として学校
※図はもとの記事をご覧ください。 『組込みソフト開発におけるプロセス改善』の記事に匿名さんから次のようなコメントをもらった。 すみません、初めてのコメントです。実は私、高校生なんですが、 組込みソフトに興味を持っています。今、私たちの生活の中で(身近なところ)よく使われている組込みソフトってなんですか。答えてくれるならすごくうれしいです。お願いします。 そもそも、このブログを始めた最初の目的は読者との双方向コミュニケーションなので、いただいたお題に対して答えてきたいと思う。(=○○)の記述は大人向けの解説。 自分は組込みソフトを説明するときにこの絵を使うことが多い。 まずは、一番左を見てもらいたい。 そもそも、人間が生活していく上であると便利なものはたくさんある。便利なものがあってもオーダーメードで作っていたのでは多くの人に使ってもらうことができない。 だから、加工しやすい部材を使って同じ
久しぶりにC++のコードを書いた。過去に作った Visual C++ 6.0 で作ったソフトウェアをまた、使わなければいけなくなったのだが手を入れるためには、Visual C++ 2005 に乗せ替えなければいけなかったからである。 ちなみに、なぜVisual C++ 2008 にしないのかというと、ソフトウェアの場合は流行物に飛びつくと痛い目に会うことがあるので自重しているからだ。Windows もXPで購入した数々のアプリケーションソフトウェアがそのまま動くかどうか不安なので、まだ Vista に乗り換える決心が付かない。 さて、久しぶりにプログラムのソースコードに触れることで、プログラミングのやり方について常々考えていたことがふつふつとわき上がってきた。 技術者はどのようにプログラムを書くのかということだ。次に自分が一般的だと思うパターンを書いてみるので眺めてみて欲しい。 【何も指導
本ブログの読者の皆様へ 本ブログの記事は今後は下記のブログサイトでご覧ください。 組込みソフトウェア工房 http://embeddedsoftwaremanufactory.blogspot.jp/ よろしくお願いします。 2012年5月27日 酒井由夫 今回は医薬品業界におけるコンピュータシステムのガイドラインの話を書こうと思う。この話は、近い業界である医療機器業界にも関係あるのはもちろんのこと、自動車業界にも参考になるはずだ。 まずは歴史的背景から。1990年台初期に米FDAは英国を中心にEUの大手製薬会社を集中的に査察した。FDAがある地域の同業者を回って査察を敢行することはよくあることだ。 このとき、FDAは複数の医薬品企業に対して Warning Letter を出した。特に指摘が多かったのがコンピュータを使ったシステム(Computerized System)に関するものだっ
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