人手不足が深刻化し、貨物量自体は微減を続ける日本。これは政策の限界、さらには「インフラ投資の不足」としての結果という側面があります。3回の連載の仕上げとして、日本が次の時代を目指すうえでの政策と投資の方向性を提言します。 民営化を進めてきた日本の「歪み」 国内物流の「失われた30年」の原因は、「コンテナ革命」への対応と政策にあったのではと、欧米の規制緩和について前編・中編の記事で触れました。一方、日本は1987年の国鉄改革で分割民営化が行われましたが、従来通りの「規模の経済」理論に基づく自動車・鉄道それぞれ縦割りの参入障壁や、電気やガスの料金と同様の“総括原価方式”などの価格統制がほぼ残りました。 拡大画像 世界最大の貨物量を誇る上海のコンテナターミナル(画像:PIXTA)。 これまでの鉄道政策では“民営化”が効率化の源とされ、インフラへの投資も民間に委ねられました。しかし、物流インフラと