地下鉄にとって大雨は、実は大敵です。直接降られることは少ないものの、雨水は隙間があれば容赦なくトンネルに流れ込んできます。地下鉄の浸水被害と対策はどのようになっているのでしょうか。 常時排水している地下鉄トンネル 水は少しでも隙間があれば流れ込んできます。それは鉄筋コンクリートの強固なトンネル内を走る地下鉄も例外ではありません。 拡大画像 東京メトロ南北線の列車(画像:PIXTA) 例えば小さなところでは、地下駅の天井にビニールなどで即席の導水管が設置されているのを見たことがあるでしょう。穴をふさげばいいと思うかもしれませんが、地下水の圧力は強く、ひとつをふさいでも他の場所から水が出てくるのです。同様にトンネル内には様々な理由で水が流れてくるため、トンネルは水を集めやすい構造にして常時ポンプで排出しています。 深刻なのは災害による浸水です。東京では2004(平成16)年の台風22号で古川が