二.あなたは看護師か?ブロガーか? ブログの作成を終えると扉の向こうから声が聞こえた。 「遅くなりましたがお昼です。」 扉が開く。 白身魚とスパイスの香りがした。 プラスチックのトレーが差し出される。 ふくよかな腕がのぞく。 「トレーは後で取りにきます。ゆっくり食べていいですよ。」 名札をチェックした。 「お昼は白身魚です。」 人間だった。 僕はベッドから立ち上がる。 白髪まじりのおじさんだ。 賭博の常習で有名な蛭子さんに似ている。 手のひらを出してトレーを受け取った。 おじさんはニコニコした。 僕は少し安心感を覚えた。 「何かあったらそこのナースコールを押してくださいね。」 蛭子さんは壁にぶらさがっている肌色の円筒形のスイッチを指差した。 「ありがとうございます。」 僕は匂いにつられて空腹を覚えた。 蛭子さんはお辞儀をしながら扉を閉めた。 ベッドに腰掛けてトレーを膝の上に乗せる。 シンプ