サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
コーヒー沼
xtech.nikkei.com
「Raspberry Pi(ラズパイ)」は、英Raspberry Pi社が開発・販売する小型シングルボードコンピュータだ。その特徴や使い方などを解説する。 「Raspberry Pi」(読みはラズベリーパイで、通称は「ラズパイ」。以下、本特集では後継・派生モデルも含めて「ラズパイ」と表記します)は、英国のRaspberry Pi社が開発した小型のシングルボードコンピュータです。名刺程度(85.6×56.5mm)で手のひらに乗るほど小さなサイズのボードでありながら、ディスプレイやキーボード、マウスなどを接続することで一般的なPCと同じように使えるほど高性能です。 Raspberry Pi社が提供するラズパイ用の公式OS「Raspberry Pi OS」を導入することで、WindowsやmacOSと同等のデスクトップ環境で各種アプリを利用できます。WebブラウザーでWebサイトにアクセスしたり
「政府は、全国約1800の地方自治体が使うITシステムを共通化する方針を固めた」というニュースを読んだ。各自治体に共通する業務のシステムを統一して行政事務の効率化を目指し、6月に策定する「国・地方デジタル共通基盤に関する基本方針」に明記するという。 これまで政府は自治体のシステム開発は各自治体でという方針であったが、自治体が直面している現実を見れば自治体の独立性に「丸投げ」している場合ではない、非常に厳しい状況ということだろう。このニュースに対する反応をみると様々なものがあった。 「役所の業務効率化の観点から絶対にやるべきだ」「自治体職員の意識改革が最大の問題」「各自治体は地域特性や文化の違いがあるので、共通化は難しいのと思う」「やれるベンダーはあるのか。結局、超大手数社がもうかるだけでは」といった声だ。 全体的な傾向としては「共通化はすべきだが、実現は難しいのでは」といった感じである。筆
国土交通省道路局は、道路の詳細な平面図などが見られる道路基盤地図情報と道路台帳付図のデータを一元的に管理する「全国道路基盤地図等データベース」を構築し2024年5月31日から一般公開を開始した。従来、道路台帳付図の閲覧は国道事務所の出張所へ赴く必要があったが、同データベースの公開によりWebサイト上で利用できるようになった。
複数のコンピューターから大量のパケットを送り、標的のWebサービスを利用できない状態に追い込むDDoS(Distributed Denial of Service、分散型サービス妨害)攻撃が増加している。直近では、スマートフォンのタッチ決済大手が狙われて障害が発生した。DDoS攻撃の脅威が改めて浮き彫りになった。 モバイルSuicaでチャージできない障害 2024年5月10日夕方、JR東日本が運用するタッチ決済サービス「モバイルSuica」がアクセスしにくくなり、電子マネーをチャージできない障害が発生した。ほかに新幹線チケットを購入できる「えきねっと」をはじめ「JRE POINT」「VIEW's NET」「ビジネスえきねっと」「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」のサービスにも影響が出た。 モバイルSuicaの障害が発生した時間帯に別のタッチ決済サービス「モバイルPASMO」でも障害
JR東日本によれば、鉄道利用の9割はSuicaなどIC乗車券で、磁気乗車券を購入する利用者は5~10%程度にとどまる。QR乗車券に移行すれば、券詰まりを取り除くなど駅員によるメンテナンスの手間を削減し、乗客向けサービスの向上に人手を割けるようになるという。 JR東日本の場合、QR乗車券に置き換える対象は近距離切符である。長距離切符や新幹線乗車券は2027年度以降も当面は磁気乗車券を残し、改札機もそのまま維持するという。定められたエリア内で乗り放題できるフリーきっぷなどの企画乗車券についても、QR乗車券の導入予定は今のところないという。それでも駅員によるメンテナンス時間の削減や、磁気乗車券の枚数を減らすことによる環境負荷軽減の効果は大きいと見ている。
「残念石」がにわかに脚光を浴びている。大阪・関西万博では大きな注目を集めることになるだろう。 石の説明は後ほど詳しくするとして、まずは下の写真を見てほしい。万博会場ができる大阪・夢洲(ゆめしま)に2024年5月に運び込まれ、基礎の上に置かれた巨石だ。全部で5つある。 高さは2.5〜3mと、大きなものは人の身長の2倍近くある。重さは7〜13トン。花こう岩の塊である巨石は、会場内で圧倒的な存在感を放っている。会場でたまたま巨石を見かけたパビリオンなどの関係者の中には、「巨石文明の建造物のようだ」「イギリスのストーンヘンジに似ている」といった感想を漏らす人がいたという。本物の石が醸し出す力強さを感じるのかもしれない。 夢洲に巨石を運び込んだのは、3人の若手設計者チームである。小林広美氏(Studio mikke)と大野宏氏(Studio on_site)、竹村優里佳氏(Yurica Design
ベテラン技術者にとってそれが大きな社会貢献になることに、どうして気付かないのか。何のことかというと、私が長年言い続けてきた「若者をコボラーにするな」に絡む話だ。「システムは開発より保守運用のほうが重要だ」などと嘘八百のへ理屈で洗脳し、挙げ句の果てに若者をCOBOL技術者などに仕立て上げることが、どれほど罪深いか。この「極言暴論」ではずっとそんな主張をしてきた。なので、ベテラン技術者にはぜひ、若手技術者を守る防波堤になってもらいたい。そう思っていたのだが……。 日本の企業や公共機関には老朽化したシステムがゴロゴロと転がっている。金融機関を中心に現存する、いにしえのCOBOLで書かれた基幹システムなどは、まさにその象徴だ。前回の極言暴論で解説した通り、経営者らがシステム刷新のリスクにビビってしまい、刷新を先送りし続けていることなどが原因なのだが、基幹システムであってもERP(統合基幹業務システ
NTTドコモの前田義晃副社長が2024年6月14日付で社長に昇格する。NTTグループの生え抜きでないなど、異例尽くしの社長交代となる。その狙いは、出遅れ感が目立つ経済圏ビジネス強化にある。一方で通信品質の低下に懸念の声が上がり、成長が見込めない5G(第5世代移動通信システム)ネットワークへの投資が重くのしかかる。新体制で難局を乗り越えられるだろうか。 NTT生え抜きではない副社長が新社長に 2024年5月前半、携帯各社の決算発表が相次いだ。KDDIは、ミャンマーが軍事政権下となって以降、同国の携帯電話事業において債権の回収に遅れている。ソフトバンクは、LINEヤフーの個人情報漏洩問題を巡り、韓国NAVER(ネイバー)との関係に揺れている。そんな中、NTTドコモは大手3社の中で唯一、通期での増収増益を達成し、好調な業績を示していた。 そのNTTドコモは2024年5月10日、親会社であるNTT
CTCの2024年3月期の連結決算は、売上高に当たる売上収益が前の期比13%増の6475億円、営業利益が23%増の573億円と増収増益だった。国内の旺盛なシステム刷新需要などを取り込み、全事業グループで増収だった。 新中期経営計画では注力領域として「先進技術」「オリジナリティー」「クオリティー」「知的資本」の4つを挙げた。また、説明会では注力するポルトガルOutSystems(アウトシステムズ)のローコード開発ツール「OutSystems」の導入支援事業についても説明。同事業の売上高を今後2~3年で倍増する計画とした。
日本のITエンジニアの給与が低いのはどこに問題があるのか。本特集ではこれまで、国際事情に詳しい専門家や、ITベンダーの経営者、CIO(最高情報責任者)経験者など、様々な立場の意見を追ってきた。 最終回となる今回は、マクロ経済学を研究する法政大学の山田久教授に、産業構造の観点から、今の日本のIT産業の問題点とITエンジニアの給与をアップするための方策を聞いた。山田教授は、「IT産業は既に弱体化しており、今までの延長線上では、ITエンジニアの処遇が上がることはないだろう」と指摘する。 グローバルで見た場合、日本のITエンジニアの処遇が相対的に下がっています。日本のIT産業の現状をどう見ていますか。 デジタル分野の国際収支を見てください。赤字幅が急速に広がっています。デジタル分野は著作権等使用料、コンピューターサービス、専門・経営コンサルティングサービスを足し合わせた値です。
リチウム硫黄(Li-S)電池は、正極活物質に硫黄(S)、または硫黄化合物を用いたリチウムイオン2次電池(LIB)である。負極には金属リチウムか、その合金を用いることが多い。硫黄(S)は原子1個でリチウム(Li)原子2個を引き付けられる、もしくは電子2個を出すことができるため、理論上は既存のLIBの約10倍の重量エネルギー密度を達成できる。現実的には、2倍程度の重量エネルギーの実現を目標とした開発が進められている。 硫黄は地球上に豊富にある元素の1つ。地殻中における元素の含有率を示すクラーク数では炭素の次で、窒素よりも多い。そして、中国や米国、ロシアなどを中心に、化石燃料の精製や金属の精錬過程で分離された副産物として大量に生産されている。このため、非常に安価に入手でき、安定的な供給が確保できる。Li-S電池では、既存のLIBの正極で使われているコバルトやニッケルといった高価な金属材料が不要に
筆者は以前、Appleシリコン「M3」を搭載した13.6型ディスプレーモデル(以下、13インチモデル)の「MacBook Air」をレビューした。 今回は、M3を搭載した15.3型ディスプレーモデル(以下、15インチモデル)のMacBook Airを取り上げ、13インチモデルと性能を比較した。 「大きさが違うだけで性能は同じではないのか」と思う人は多いだろう。だが以前、M2搭載モデルの13インチモデルと15インチモデルを比較した際には違いが見られた。高い負荷が継続してかかる動画変換などの「重たい処理」については、15インチモデルのほうが高い性能を示した。 M3搭載モデルでも同様なのだろうか。実際に試してみた。 また今回、レビューのためにApple Japanから借りたのは、本体カラーがミッドナイトの15インチモデルである。このミッドナイトには、指紋の付着を減らす処理が施されているという。本
「IT清書機」は筆者の造語である。紙を使っていた業務プロセスやデータ管理の方法を、そのまま電子化したシステムを指す。周囲を見回してみると、伝票や書類、マニュアル、チラシの類を単純にデジタルにしただけというシステム設計が散見される。これではせっかくの電子媒体の特性を発揮できない。 紙の伝票は1枚に多くの情報を詰め込むものになりがちである。記入する側からすると、あちらこちらと記入欄を探さなければならないし、記入のためには全ての文字を読んで理解しなければならない。 記入者に負担がかかっているから、記入漏れや誤りがなくならない。せっかくシステムを導入しても、紙の伝票を置き換えただけのIT清書機になっていると、記入者の負担は減らない。細かな文字で埋め尽くされている画面を見せられるだけで記入者は疲れてしまう。それに伴って誤入力が生じると、入力内容の正しさをチェックする業務担当者の負担も軽減されない。
生成AI(人工知能)を含む最新のAI研究動向を知るため、世界中の研究者やエンジニアが参照しているのが、論文速報サイト「arXiv(アーカイブ)」である。米OpenAI(オープンAI)や米Google(グーグル)などAI開発を主導するIT企業の多くが、研究成果をarXivに競って投稿している。 そんなarXivの投稿論文から、2024年5月(1日~31日)にSNSのX(旧Twitter)で多く言及されたAI分野の注目論文を紹介する。調査には米Meltwater(メルトウォーター)のSNS分析ツールを利用した。対象はXの全世界のオリジナル投稿、コメント、再投稿、引用投稿である。調査は、日経BPが2024年1月に新設したAI・データラボの活動の一環として実施した。 Transformer並みの拡張性をLSTMで実現 5月に最も多く言及された論文は、オーストリアの研究チームが発表した「xLSTM:
データ適正消去実行証明協議会(ADEC)は、パブリッククラウド環境で「暗号化消去」の実証実験を実施したと発表した。暗号化消去とは、記録媒体にデータを暗号化した状態で保存し、データの抹消が必要になった際は復号に用いる鍵を消去してデータを復元できなくする手法だ。 ADECはクラウドサービスを対象に暗号化消去のプロセスを審査・認証するサービスを2024年中に開始する予定である。ガバメントクラウドのユーザーに対して、適正にデータが消去されていることを第三者の立場で証明する「消去証明書」の発行を目指す。 暗号化消去はデータを保存する時点で暗号化し、復号に用いる鍵を厳重に管理しなければならない。システム運用に関する規定類で暗号化消去に必要な項目を網羅し、規定類が守られていることを確認する必要もある。 さらに政府が進めているガバメントクラウドや「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度」(ISMAP
2024年3月、エムケイシステムが個人情報保護委員会から行政指導を受けた。「社労夢」のランサムウエア被害で個人データが漏洩した恐れがある。なりすましでシステムに侵入を許し、管理者権限を奪われたことが原因だという。一部サービスの再開までに1カ月を要し、社労士に甚大な影響を与えた。エムケイシステムが対策費用をサービス料金に転嫁したことで反発の声も上がる。 「顧客から契約を切られた社会保険労務士(社労士)もいるようだ」――。SRO労働法務コンサルティング代表で特定社労士/行政書士の杉本一裕氏は、このように語る。 2024年3月25日、個人情報保護委員会は社労士向けクラウド業務システム「社労夢(Shalom)」などを運営するエムケイシステムに行政指導した。同社が適切な安全管理措置を講じておらず、ランサムウエア被害を受けて個人データが漏洩した恐れがあるためだ。 影響はそれだけではない。社労士などは、
イベントの基調講演に登壇したインテル主席副社長のホルトハウス氏はLunar Lakeを紹介し、AI PC市場での成長に自信を示した(出所:インテル) 米Intel(インテル)はノートPC向けCPU(中央演算処理装置)の心臓部を担う半導体チップの生産を台湾積体電路製造(TSMC)に委託する。インテルがPC向け主力CPUの生産を外部委託するのは初めて。足元の生成AI(人工知能)ブームを追い風にできていないインテルは、米NVIDIA(エヌビディア)や米AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイス)といった競合への反転攻勢を進めるには、自前主義を捨てTSMCとの関係強化が欠かせないと判断した。 TSMCに生産委託するのは、2024年7~9月に発売する予定のCPU「Lunar Lake」(開発コード名)。同CPUは2つの半導体チップ(チップレット)で構成され、その両方の生産をTSMCに委託する。Luna
NTTドコモは5Gネットワークのエリア拡大を進めている。北海道における人口密集地帯のカバーも進む。基地局の中には積雪地帯など、都心部にはない厳しい環境に設置しなければならないものもある。札幌市周辺地図の出所はNTTドコモ。 放置していれば雪が基地局設備を覆い隠す。本来の設計よりも電波が届きにくくなるなど、通信障害を引き起こしかねない。また、設備の故障を招く恐れもある。 ただ、通信エリアを拡大するに当たっては、都市部だけでなく雪深い山奥にも基地局を設置しなければならない。そうした地域で問題になるのが、基地局設備などの保全や工事、定期点検である。NTTドコモ子会社で、基地局設備の保守などを担うドコモCS北海道の技術者が、現地に訪れる「足」と安全を自ら確保している。スコップで雪をかき分けたり、除雪車やスノーモービルを駆り出したりすることで、基地局設備までのアクセスを切り開く(図2-5)。
2023年9月に開業した音楽専用施設「Kアリーナ横浜」と横浜駅方面をつなぐ歩道橋として利用開始を目前に控えていた「(仮称)高島水際線デッキ」で設計ミスが判明した。橋台が必要な鉄筋量を満たしておらず、強度不足の状態だ。横浜市が24年5月31日に発表した。市は6月1日にデッキの利用を開始する予定だったが延期を決めた。
快進撃を続ける米NVIDIA(エヌビディア)。AI(人工知能)半導体であるGPU(画像処理半導体)の行方を占う連載の3回目は、「ポストGPU」と呼ばれる新型のAI向け半導体を取り上げる。この領域はスタートアップを中心に様々な技術が登場している。GPUのボトルネックを狙う最終兵器とは。 ポストGPUの特徴に、今後のニーズを見据えてAIの学習ではなく推論を専用とするスタートアップが多いことが挙げられる。例えば米d-Matrix(dマトリックス)は異なるチップを組み合わせる「チップレット」技術を採用し、最先端GPUの40倍のメモリー帯域幅を実現した。 米ハーバード大学を中退した21歳のコンビが起業した米Etched.ai(エッチドAI)や、米Google(グーグル)で機械学習向けチップ「TPU(Tensor Processing Unit)」を担当していたエンジニアが創業した米Groq(グロック
「正直、残念な気持ち。そして、ブルータスよ、お前もかというところだ」──。トヨタ自動車で法規認証試験(以下、認証試験)に関する不正が発覚した。トヨタグループのうち、これまで日野自動車と豊田自動織機、ダイハツ工業の3社で不正行為が見つかっていたが、トヨタ自動車には「不正はない」とされてきた。ところが、ダイハツ工業の発覚から1年以上たってから不正行為が明るみに出た。この事態をどう受け止めるのかと聞かれたトヨタ自動車の豊田章男会長は、古代ローマの英雄カエサルの名言を使って裏切られた思いを表現した(図1)。 負の影響は小さくない。同社が緊急会見を開いた2024年6月3日、国土交通省は不正行為が見つかった車種について出荷停止処分を下した。人気車種である「カローラ フィールダー」と「カローラ アクシオ」、「ヤリス クロス」の3車種である。国交省による基準適合性が認められるまで、トヨタ自動車はこれらの車
経営再建を進めている東芝が、今後の中核事業の1つと位置付けるデータセンター向けHDD(ハード・ディスク・ドライブ)で、“逆襲”の狼煙(のろし)を上げた。 同社傘下の東芝デバイス&ストレージは2024年5月14日、「熱アシスト磁気記録(HAMR:Heat-Assisted Magnetic Recording)」によって、3.5インチのHDDで32TB(テラバイト)という大容量の実証に成功したと発表した(図1)。瓦磁気記録(SMR:Shingled Magnetic Recording)†方式を使ったディスク10枚構成のドライブで、2025年にサンプル出荷を開始する予定だ。 †瓦磁気記録=磁気ヘッドを少しずつずらしながら、データを記録するトラックを重ね書きすることで、実効的なトラック幅を減らして記録密度を高める手法。通常記録方式より記録容量を高められる一方、頻繁なデータ書き換えの性能が低下す
2024年5月に情報通信研究機構(NICT)がバッファロー製の無線ルーターのボット感染を観測したと発表し、注目を集めた。 発表を受けバッファローは対象機種や打つべき対策を公表した。対象機種は全18機種。同社は2024年5月29日以降、それらの機種について「ボット感染に関して完全に対策したものではない」としながらも、既知の脆弱性を解消した新しいファームウエアを順次配信している。 バッファロー製無線ルーターについて、NICTは50台以上のボット感染を確認したとする。ただしNICTの発表以降徐々に感染数を減らしており、事態は収まりつつある。 だが問題なのは、ボットに感染している家庭用無線ルーターはバッファロー製に限らないことだ。バッファロー製以外にどのメーカーの機器がボットに感染しているのか、どう対策すべきかを解説する。 ロジテック製やTP-Link製も感染 NICTの久保正樹サイバーセキュリテ
「トヨタ自動車は正攻法で対応すべきではないか」──。国土交通省が違和感を覚えている。トヨタ自動車の認証不正の会見内容と、この会見後に一部で展開されている認証制度に対する批判についてだ。 同社は6つの不正を行っていたが、そのうちの3つは法規認証試験(以下、認証試験)が定める基準よりも厳しい基準を満たすように開発を行い、その試験データを認証申請に使った。これに対し、トヨタ自動車のカスタマーファースト推進部本部長の宮本眞志氏は「不正の意識がないと言えば言い過ぎだが、お客様に本当に良いクルマを届けたいという気持ちがまずある」「より厳しい条件でクルマの開発をしているという自負もある」などと説明した。 加えて、同社の豊田章男会長は認証制度の課題について問われて、「今、私が言うべきではないが」と断った上で、こう回答した。「やっぱり、日本の自動車メーカー、特にトヨタ自動車は世界中で販売しているため、日本で
東京電力ホールディングス傘下のe-Mobility Power(イーモビリティパワー、東京・港)と電力関連設備を手がける東光高岳が、電気自動車(EV)向けの新型急速充電器を共同開発する。日本で販売されるほとんどのEVが対応する「CHAdeMO(チャデモ)」規格を採用し、最高出力は350kWである。同規格の急速充電器としてはこれまでで最も出力が高い。2025年秋にも設置を始める。 イーモビリティパワーと東光高岳が2024年5月に発表した。急速充電器の最大電圧は1000Vで、電圧800Vの電池を搭載するような高性能EVでも高い充電効率を生かせるようになる。日本でも800Vシステムを採用したEVは販売されているが、既存の国内の急速充電器では車両側の昇圧回路で昇圧して充電している。このため、高電圧化による充電効率向上の恩恵を受けられていなかったという。 今回の急速充電器の場合、高電圧での急速充電に
時価総額が2.6兆ドル(約410兆円)を超え、2.9兆ドルで世界2位の米Apple(アップル)の背中が見えてきた米NVIDIA(エヌビディア)。エヌビディアの専売特許であるGPU(画像処理半導体)の今後を占う連載の第2回は、2つめの死角「コモディティー化」の可能性を検討する。 GPUにとって2つめの死角は低価格化だ。コモディティー化ともいえる。市場参入時には高付加価値を持っていた製品が、市場の活性化や競合の出現などによって他の製品との機能・サービスの差がなくなり、価格競争を余儀なくされる状態を指す。 例えば2010年代に日系電機メーカーが苦しんだ薄型テレビはその典型だろう。当時、売れ筋だった40インチの薄型テレビの店頭実売価格は2009年には14万円程度だったが、3年後の2012年には6万円台と半額以下になった。「3年で半額」という法則はDVDやブルーレイディスクのレコーダーにも当てはまっ
米Google(グーグル)が運営するGoogle Cloudが、ユーザーの業務システムが稼働するITインフラを誤って削除するという衝撃の事件が2024年5月に発生した。ユーザーはこのような事態に備えられるのか。有識者の見方などを紹介しよう。 オーストラリア最大の私的年金基金で1240億オーストラリアドル(金額は2023年6月30日時点、現在のレートで12兆9600億円)を運用するUniSuper(ユニスーパー)の業務システムがダウンし、61万5000人の加入者がオンラインサービスにアクセスできなくなったのは、2024年5月2日(オーストラリア時間、以下同じ)のことだった。 業務システムが待機系ごと消滅 原因は、ユニスーパーの業務システムが稼働していたGoogle Cloudにあった。同システムは、Google CloudにおけるVMware環境のサービスである「Google Cloud V
グローバルに比べて伸びも抑えられ、世界72カ国中26位に沈む日本のITエンジニアの給与。どうすればその給与はアップするのだろうか。日本のITエンジニアの給与はなぜ低いのか。様々な立場の識者4人に聞いていく。 「価値を出せるITエンジニアの給与は確実に上昇している」とウルシステムズの会長で創業者の漆原茂氏は日本のITエンジニアの処遇についてこう強調する。同社は独立したITベンダーであり、ユーザー企業の情報システム部門を支援するコンサルティングサービスなどを手掛ける。ITベンダーから見たITエンジニアの給与の現状と給与をアップするための方策を聞いた。 日本のITエンジニアの平均給与は3万6061ドル(1ドル=150円換算で約540万円)で、世界26位という結果があります。この状況をどう見ますか。 少し安いなという印象を受けました。企業向け情報システム構築に携わるITエンジニアの給与はもう少し高
「突然、天から降ってきた」。2023年10月末、財務省や総務省、国税庁、厚生労働省の官僚6人ほどが官邸近くにある内閣官房の入る庁舎の一室に呼び集められた。複合機も置いていない部屋で配られた資料は物価高への経済対策だ。互いに面識もなく急に集められた官僚にとって寝耳に水だった。 「定額減税及び低所得者支援等」と書かれた経済対策は、岸田文雄首相と限られた官邸メンバーらが政治主導で決めたものだ。2024年6月から1人当たり4万円の定額減税と、所得が少なくて非課税などの世帯に現金を給付するというイメージが、霞が関特有のポンチ絵で描かれていた。「総理が絵を描けるんだと思った」と官僚の1人は振り返る。 「6月から減税」の大枠を変えられず なぜ減税を始める時期を6月にしたのか。その理由について政府は「春季労使交渉(春闘)による賃上げや賞与の時期で、減税を合わせることで所得の伸びが物価の上昇を上回る環境を確
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『日経クロステック(xTECH)』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く