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掃除・片付け
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マイクロサービスは優れたアーキテクチャーだが、設計・開発・運用の難度が高い。そこで、マイクロサービスの利点を一部手放す代わりに導入の難度を下げた「モジュラーモノリス」が注目されている。その実像を解説するとともに、このアーキテクチャーを採用した4社の事例を掘り下げる。 マイクロサービスはそれぞれのサービスを独立したアプリケーションとして構築し、それらが互いにデータをやり取りすることで全体のシステムを構築するアーキテクチャーだ。米国の巨大IT企業や日本のメガベンチャーが導入し、大きな成果を上げている。 複数のサービスが混在する一枚岩のようなアプリから成る従来型のシステムは「モノリス」と呼ぶ。各サービスを別のアプリとして分離・独立したマイクロサービスでは、サービスの変更が他のサービスに与える影響を気にする必要がなく、モノリスに比べて開発スピードが上がる。マイクロサービスが企業競争力を高めることを
「SIビジネスはパートナー企業(下請けITベンダー)の単価の低さを自分たちの利益に転換するという、世界に類のない変なビジネスモデルである」。この一文について読者はどう思うだろうか。「いつもの『極言暴論』の書き出しじゃないか」と言われてしまえばその通りなのだが、実はこれは私の言葉ではない。ある大手SIerの経営幹部が自らのビジネスを省みて口にしたものだ。 この経営幹部は次のようにも発言している。「日本企業も遅かれ早かれERP(統合基幹業務システム)など標準のものをそのまま使うようになるのは間違いない。経営者が独自のシステムをつくることにお金をかけるのはばかげていることに徐々に気付き始めたからだ」。「だけど、多重下請け構造の人月ビジネスのモデルのずるいところで、ゼネコン的立場にあるSIerはそれでも生き残れる。多重下請け構造の末端のITベンダーにいる技術者は気の毒なことになると思う」――。 本
「プッチンプリン」をはじめとする江崎グリコのチルド食品が店頭から姿を消した。2024年4月3日に実施した基幹システムの切り替えでトラブルが発生。同社が物流・販売を請け負っていた他社製品を含め、一部商品を出荷できなくなった。同月18日に出荷を一部再開したものの、トラブルは終息せずに再び出荷を停止。システム障害の影響で、当初業績予想より売上高を200億円程度押し下げるとみる。 「スーパーにもコンビニにも『プッチンプリン』が見当たらない」「『カフェオーレ』を長年愛して飲んでいるが、どこの店舗も販売休止中だ」――。2024年4月中旬、X(旧Twitter)で、このような投稿が相次いだ。 江崎グリコの看板商品が店頭から姿を消した理由は、システムトラブルによるものである。同社は2024年4月3日、基幹システムの切り替えを実施した。旧システムを独SAPのERP(統合基幹業務システム)パッケージ「SAP
2024年6月22日の全館再開を目指し、金沢21世紀美術館の展示室では天井のガラスを撤去する工事が進む。同美術館では能登半島地震により、全館で約800枚ある天井のガラスのうち約70枚が損傷。床に落下するなどの被害が出た。金沢市は安全を優先し、全撤去に踏み切った。 市は撤去工事について、3月末に竹中工務店と契約。6月7日までに工事を完了する予定だ。撤去するのはガラスのみで、天井下地や天井懐の照明などはそのまま残す。再開後は展覧会の内容に応じ、天井の仕上げを仮設するなどの対応を予定する。 再開への準備を急ピッチで進める一方、市はガラスが損傷した原因を調査しない考えだ。市の担当者は「全15室のうち、ガラスが落下したのは2室程度。建物の中で大きく揺れたところがあり、ガラス同士がぶつかったのだろう」と推測する。 同美術館を設計したSANAAは日経アーキテクチュアの取材に対し、「対応窓口は金沢市に一本
タイでは2023年、中国・比亜迪(BYD)など中国勢のEV販売が増加したことで、EV市場が急速に成長した。ただ、2024年に入ってからはEVへの補助金が減額されたこともあり、EVの需要は鈍化している。加藤氏は、タイでEVのアフターサービスや充電インフラが整っていないこともEV減速の原因として挙げた。 三菱自としては、タイでは2024年2月に投入したハイブリッド車(HEV)「エクスパンダー」が好調で「期待を上回る受注状況」(加藤氏)という。今後もタイを含めた東南アジア諸国連合(ASEAN)に新型HEVを投入していく計画だ。
イズミは2024年5月9日、同社グループの一部サーバーがランサムウエアに感染したことに伴い、最大で778万4999件の個人情報が閲覧された可能性があると発表した。 内訳は、「ゆめカード」の会員情報が最大778万2009件、連結子会社であるイズミテクノにおけるパートやアルバイト応募者情報が同2990件。それぞれ氏名や電話番号、住所などが閲覧された可能性があるとする。一方で、現時点で漏洩の事実は確認されていないという。 ランサムウエアの感染が発覚したのは、2024年2月15日のことだ。外部の専門機関による調査の結果、VPN装置を経由してグループ会社のサーバーに侵入されたことが分かったという。個人情報が閲覧された懸念があることに加え、イズミグループの共通メールサーバーに保管していたメール履歴が毀損された。件数は現時点で不明だ。 被害を受けたサーバーの通信記録を調査した結果、外部に情報が流出した痕
有名なOSS(オープンソースソフトウエア)の圧縮ソフト「XZ Utils」にマルウエアの一種である「バックドア」が仕込まれ、IT業界に衝撃が走った。バックドアとは、攻撃者がインターネット経由で不正侵入できるようにするプログラム。バックドア経由でコンピューターを乗っ取ったり、保存されているデータを盗んだりできる。 今回のように正規ソフトにマルウエアが仕込まれる攻撃は「ソフトウエアサプライチェーン攻撃」と呼ばれる。攻撃者はどうやってバックドアを仕込んだのか。攻撃の詳細と対策を解説する。 バックドアを偶然発見、大惨事を回避 XZ Utilsは複数のLinuxディストリビューションに含まれている。このためバックドア入りのXZ Utilsが、世界中のLinuxマシンに危うくインストールされるところだった。だが、一部のLinuxディストリビューションのベータ版(不安定版)に組み込まれた時点で、米Mic
生成AI(人工知能)を含む最新のAI研究動向を知るため、世界中の研究者やエンジニアが参照しているのが、論文速報サイト「arXiv(アーカイブ)」である。米OpenAI(オープンAI)や米Google(グーグル)などAI開発を主導するIT企業の多くが、研究成果をarXivに競って投稿している。 そんなarXivの投稿論文から、2024年4月(1日~30日)にSNSのX(旧Twitter)で多く言及されたAI分野の注目論文を紹介する。調査には米Meltwater(メルトウォーター)のSNS分析ツールを利用した。対象はXの全世界のオリジナル投稿、コメント、再投稿、引用投稿である。調査は、日経BPが2024年1月に新設したAI・データラボの活動の一環として実施した。 「GPT2」に再び脚光?スケーリング則の論文 最初に取り上げるのが、大規模言語モデル(LLM)のスケーリング則に関する論文「Phys
プログラミングは難しい。なぜ難しいかを対話型AI(人工知能)チャットサービスの「ChatGPT」に尋ねてみたところ、鍵になるのは「抽象的思考能力」とのことだった。プログラミングには強い抽象的思考能力が求められるため、自然に理解できる人とそうでない人がいるという。 たしかにプログラミングをしていると、どれだけ抽象的な考え方ができるかを試されていると感じることが多い。複雑なプログラムを読んだり書いたりしようとすると、自分の頭で扱える抽象的思考能力を超えていると感じることがある。そうした複雑な仕事を日々こなしているソフトウエア開発のプロフェッショナルは尊敬に値すると思う。 もっとも、単にプログラミングができるだけの能力は、次第に価値を失ってきているようにも感じる。AIによるコード生成が日々進歩しているからだ。独立したソフトウエアエンジニアとして振る舞うAIエージェントも登場している。これらは既に
Androidタブレットのラインアップが充実してきた。コスパのよい、個性ある機種が増えている印象だ。そこで現在国内で購入できるAndroidタブレットから、筆者が「買って損なし」と感じた機種を紹介する。主に画面サイズが11インチ前後の製品をピックアップし、価格は2024年5月1日時点のものを参照した。 スマートスピーカーとして使える「Google Pixel Tablet」 「タブレットを買ったことはあるが、十分に使いこなせなかった」――。こんな人にお薦めなのが、米Google(グーグル)の「Google Pixel Tablet」だ。10.95インチの液晶ディスプレーを搭載するモデルである。最大の特徴はスピーカーになる充電ホルダーが付属していることだ。普段は充電ホルダーにセットして、スマートスピーカーとして使える。 10.95インチのディスプレーを搭載するGoogle Pixel Tab
米DigiCert(デジサート)の日本法人であるデジサート・ジャパンは2024年5月8日、デジサートが発行したサーバー証明書の一部に記載フォーマットの誤りがあったと発表した。これに伴い、当該証明書は5月12日午前1時(日本時間)に強制失効する。同社は失効対象の証明書を利用する企業に対して、証明書の再発行と入れ替えを呼びかけている。 サーバー証明書とは、WebサイトにアクセスするHTTPS通信で通信内容の暗号化や改ざん検知などを行う「TLS」という仕組みで必要な証明書。デジサートなど「認証局」と呼ばれる機関が発行する。サーバー証明書が失効すると、正規のWebサイトであってもWebブラウザーが安全性を確認できないサイトとして警告を表示する。 大文字小文字を区別すべきところ、小文字で誤記 失効の恐れがあるのは2023年9月から同年12月中旬までに発行したEVサーバー証明書と呼ばれる証明書の一部。
「高額なJavaのライセンス料を請求される企業が後を絶たない」――。Javaのライセンスに詳しいITコンサルタントはこのように警鐘を鳴らす。ライセンスを気にせずJavaを利用していたところ、ある日突然、高額なライセンス料を請求されるのだという。 Javaプログラムの開発・実行に欠かせないのが、JDK(Java Development Kit)だ。JDKにはJavaプログラムの開発・実行に必要なソフトウエアが含まれる。例えばJava SE(Java Platform Standard Edition)の仕様に準じたAPI実装やJava仮想マシン(JVM)、Javaコンパイラーなどである。現在、様々なベンダーがJDKを提供し、サポート期間やライセンス料がJDKごとに異なる。 米Oracle(オラクル)が提供するJDKディストリビューションには「Oracle OpenJDK」と「Oracle J
三菱総合研究所は、2035年に生じる労働需給ギャップが約190万人と試算した。だがその正体は「480万人の余剰と670万人の不足」という人材ミスマッチである。「スキル可視化」が労働市場の流動化を促し、IT人材の適所適材を実現するカギになる。 本特集では、IT業界に特化して、IT人材のスキルをどう仕事にマッチさせ適所適材を実現すればよいのかを、米国のジョブポスティング(求人票)データなどの例を使いながら考察する。 初回は、IT業界の現状への理解を深めるため、日本全体の労働市場について三菱総合研究所(MRI)が試算した「労働需給ギャップ」「人材ミスマッチ」「タスク代替」の3つの予測を提示したい。 日本の労働市場は歴史的な転換期を迎えている。少子化で労働人口は減る一方、脱炭素化や経済安全保障の要請がもたらす産業構造の変化への対応は待ったなしだ。さらに生成AI(人工知能)をはじめとするデジタル技術
「『鬼になる』という言い方がありますが、プロジェクトマネジャーたるものそうなってはいけません。メンバーが怖がると現場の真実が上がってこなくなります。物事の片面あるいは表面しか見ることができず、正しくない決断が下されてチームが誤った方向に進み、プロジェクトは失敗します」 こう書かれた電子メールが送られてきた。送ってきたのはプロジェクトマネジメントの支援を手掛けるDream pictureの金哲代表取締役である。中国の吉林で生まれて現地で経験を積んだ後、2006年に来日。以降、日本国内の大規模システム開発でプロジェクトマネジメントに携わってきた。 日本の現場を熟知している一方で、日本人が言わないようなことを言ったり書いたりしてきた。「我々はロマンを忘れた、働き者の東洋人になってしまっている」と2023年に指摘されたときはなるほどと思って、その発言を紹介した。 関連記事: 「ロマンを忘れた働き者
製造業を狙うサイバー攻撃が激化している。情報の窃取にとどまらず、事業そのものを止めるような攻撃が目立つようになってきた。直近ではHOYAの例が挙げられる。同社は2024年3月から4月にかけてサイバー攻撃を受け、生産工場内のシステムや受注システムが停止。納期が遅れるなどの被害が数週間にわたり続いた。 そんな中でセキュリティー対策の一環として、コンサルティングファームと合弁でサイバーセキュリティー専門の子会社をつくるメーカーが現れた。鉄鋼メーカーのJFEスチールである。なぜ鉄鋼メーカーがセキュリティー専門の子会社をつくったのか。狙いを解説する。 製造現場のセキュリティー強化、外注には限界 新会社の名称は「JFEサイバーセキュリティ&ソリューションズ」、JFEスチールが90%、デロイト トーマツ サイバーが10%を出資して2024年4月1日に設立した。同社の狙いは主に3つ。SOC(Securit
2025年度末までに全国約1700の地方自治体が使うシステムの一部を標準準拠システムに移行させる「自治体システム標準化」。標準準拠システムへの移行では原則、デジタル庁が整備するパブリッククラウド基盤である「ガバメントクラウド」を利用するという方針を国が定めている。 しかし、ガバメントクラウドの利用については自治体やITベンダーなどから疑問の声が上がる。当初掲げていたコスト削減の理想との乖離(かいり)やシステム移行の複雑さを増す要素が多いためだ。 ガバメントクラウドは、2020年12月に閣議決定された「デジタル・ガバメント実行計画」の中で、国と自治体で利用する計画が公表された。2021年9月のデジタル庁の発足以降は、同庁が整備を進めてきた。 実態としては一般的なパブリッククラウドサービスとほぼ同様だが、クラウドサービス事業者(CSP)との契約の方法などが、一般のパブリッククラウドサービスの利
米Alphabet(アルファベット)傘下のGoogle DeepMind(グーグル・ディープマインド)が再びバイオサイエンスに衝撃を与えようとしている。「創薬における革命」と言われたAI(人工知能)モデル「AlphaFold2」の後継となる「AlphaFold3」を米国時間2024年5月8日に発表した。 関連論文「AlphaFold3による生体分子相互作用の正確な構造予測(Accurate structure prediction of biomolecular interactions with AlphaFold3)」が総合学術誌「Nature」電子版に週内にも掲載される予定だ。 2021年に一般公開されたAlphaFold2は、アミノ酸の配列情報からタンパク質の立体的な分子構造を高精度に予測するAIだ。人体を構成するタンパク質は20種類のアミノ酸から成り、その配列によって様々に変化す
多くのプログラミング言語の処理系に、攻撃者が任意のコマンドを実行できる深刻な脆弱性が見つかった。JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)と情報処理推進機構(IPA)が共同運営する脆弱性対策情報ポータルサイト「JVN(Japan Vulnerability Notes)」で2024年4月15日に公開された。 脆弱性が確認されたのは「PHP」「Rust」「Haskell」の各言語処理系とJavaScript/TypeScriptの処理系「Node.js」、音声や動画をダウンロードできる高機能なコマンド「yt-dlp」である。ただし、この脆弱性の影響を受けるOSはWindowsだけで、LinuxやmacOSなどの他のOSには影響しない。 多くのプログラミング言語は、プログラムの中からOS上でコマンドを実行する機能を持つ。Windowsでは言語処理系が「CreateProces
地域の病院がオンプレミス環境で大規模言語モデル(LLM)を稼働させ、医療現場の業務で生成AI(人工知能)を利用する――。佐賀県の祐愛会織田病院は2024年4月、これまで利用してきた電子カルテシステムにオプティムが提供する生成AI「OPTiM AI」を組み合わせ、看護師の業務効率を高める実証に乗り出した。織田病院は病床数111床、職員数305人(うち看護師118人)規模の総合病院だ。 織田病院は実証にあたり、米NVIDIAのRTX A2000を搭載したGPU(画像処理半導体)サーバー1台を新たに院内に用意した。LLMの学習や推論に用いるためだ。LLMの稼働状況によって、GPUサーバーの台数やスペックなどを変更する可能性があるという。 オンプレミスでLLMを利用するのはセキュリティーを担保するためだ。電子カルテに記載された個人情報などを病院外に出さないようにする。OPTiM AIのパラメーター
便利な生成AI(人工知能)だが、悪用もされている。代表例が、マルウエア(悪意のあるソフトウエア)やフィッシングメールの作成だ。そして今回、米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(UIUC)の研究者らによって、新たな悪用の可能性が示された。ソフトウエアの脆弱性(セキュリティー上の欠陥)を突く攻撃への悪用だ。 脆弱性に関する公開情報を教えるだけで、脆弱性のあるコンピューターに対して自律的に攻撃を仕掛けるという。大規模言語モデル(LLM)のGPT-4を利用した場合の成功率は87%。本当にそのようなことが可能なのだろうか。 狙われる「ワンデイ脆弱性」 ソフトウエアの脆弱性を突くサイバー攻撃が後を絶たない。攻撃者は脆弱性を悪用してインターネット上のサーバーや企業ネットワークなどに不正侵入する。近年では、インターネットと企業ネットワークの境界に設置されたVPN(仮想閉域網)装置の脆弱性を悪用することが
Javaは、COBOLに代わる「システム開発のデファクトスタンダード」として確固たる地位を確立した。一方で、イメージの悪さや設計の古さといった問題も抱える。Javaの現状と最近の改良点、賢い使い方などをまとめる。 第4回 突然の高額ライセンス料請求のワナ、企業がJavaを賢く利用するには Javaプログラムの開発・実行に欠かせないのが、JDK(Java Development Kit)だ。現在、様々なベンダーがJDKを提供している。しかしJDKごとにサポート期間や料金が異なる。適切なJDKを選択しなければ、高額なライセンス料の請求につながりかねない。 2024.05.10 第3回 「AI分野に弱い」との汚名返上なるか、Javaで着々と進む機能強化 システム開発で確固たる地位を築いたJavaだが、AI(人工知能)やデータ分析といったはやりの分野で後れを取っている。ただしJavaも手をこまぬい
「計画が大幅にずれている」――。自治体情報システムの開発を手掛ける複数のITベンダーの担当者はこう口をそろえる。地方自治体ごとに異なる情報システムを2025年度末までに統一・標準化する「自治体システム標準化」。標準仕様書は幾度もの改版を続ける一方で、移行期限の2025年度末は刻々と迫る。これから、各自治体の怒濤のシステム移行が待っているが、人手不足かつ短い納期で、果たして安全に進められるのか。 「基礎」のはずの標準仕様書が何度も変わる 自治体システム標準化の対象となるのは「住民記録システム」「戸籍情報システム」「税務システム」「健康管理システム」など20の基幹業務だ。それらに関わるシステムでは、各府省庁が「標準仕様書」を作成する。その他、デジタル庁はデータ要件や連携要件、共通のシステム機能など、全20業務に共通する仕様について、総務省と連携して作成している。 20業務に関わるシステムの標準
Javaは企業のITシステム構築では盤石ともいえる地位を確立している、一方、プログラミングを一から学び始める初心者は、プログラミング言語としてJavaよりもPythonを選ぶことのほうが多い。 理由は幾つかある。まず、Pythonは近年大きな注目を集めているAI(人工知能)の開発に使われることが多い点だ。Pythonを学べば、こうした最先端の用途に利用できる。一方、JavaはAIの開発にはほとんど使われていない。 もう1つの理由が、JavaよりもPythonのほうが学び始めるハードルが低い点だ。簡単なサンプルプログラム「Hello world」の例で見てみよう。単純な文字列を表示するプログラムだ。 PythonのHello worldは「print("hello, world\n")」というたった1行のプログラムである。他の言語でもHello worldは簡潔に書けることが多い。 例えば、
NTTドコモ、NTT、NEC、富士通はサブテラヘルツ帯に対応した無線デバイスを共同で開発し、100ギガビット/秒(Gbps)の超高速伝送の実験に成功した。100Gbpsは5G(第5世代移動通信システム)の技術規格上の最大値である4.9Gbpsの20倍の速度に当たる。同帯域で100Gbpsの高速伝送と、実験において設定した100メートルの伝送距離を両立した発表はないことなどから、各社は実験に使ったこの無線デバイスを「世界最高クラス」と自称する。携帯キャリア各社などが2030年頃を目標としている6G(第6世代移動通信システム)実現に向け、歩みを進めた形だ。 サブテラヘルツ帯はおおむね100ギガヘルツ(GHz)から1テラヘルツ(THz)の周波数帯を指し、波長が短く強い直進性がある。今回の実験は、送信機と受信機を見通しのきく100メートルの距離に置いて、100GHz帯と300GHz帯それぞれで無線
清水銀行と西京銀行は2024年5月6日、預金や為替など銀行業務の中核を担う勘定系システムを刷新した。いずれも富士通の勘定系システムである「PROBANK」を利用していたが、清水銀行はNTTデータ、西京銀行はBIPROGY(旧日本ユニシス)のシステムに切り替えた。両行の新システム移行に伴い、PROBANKの顧客はゼロになった。 両行とも2024年5月7日午後1時ごろの時点で、新システムについて、「大きな問題なく稼働している」(清水銀行経営企画部)、「特に問題なく正常に稼働している」(西京銀行総合企画部)としている。 清水銀行はNTTデータの共同化システムである「STELLA CUBE」に、西京銀行はBIPROGYが提供するクラウド勘定系システムの「BankVision on Azure」にそれぞれ切り替えた。2024年1月には、PROBANKのファーストユーザーだった東邦銀行も日本IBMが支
今回は「Stream Deck +(ストリームデッキプラス)」を仕事に活用する方法を紹介する。やや専門的な製品なので、存在すら知らないビジネスパーソンが少なくないと思う。実際に使いこなしていくと、日々の仕事にも大変に重宝する。 Stream Deck +は米Corsair Gaming(コルセアゲーミング)に買収されたElgato(エルガト)というブランドによるUSB接続の入力機器。ダイヤルを使って操作できるのが最大の特徴だ。そもそもStream Deckというと、オンラインでライブ配信するためのデバイスと思っている方が多いだろう。 音量や明るさ調整などクリエーティブユースに役立つわけだが、実はExcelでの作業にも重宝する。そのあたりを今回は紹介していく。作業効率アップに役立つのでぜひご覧いただきたい。 なお、僕は以前から「Stream Deck」(現在は生産終了)を購入して使っていた。
CM総合研究所の「CM好感度調査」によると、日清食品は食品業類で2023年11月まで29カ月連続で1位を獲得。2023年12月の日経MJの1面記事によれば、そのCMのほとんどは社員が企画したものだという。 2024年4月、そんな「とがった会社」日清食品ホールディングス(HD)のデジタル部門を取材する機会があった。ここ数年、目を見張るようなデジタル活用を一気に進めてきた同社だが、その成功の背景にはテレビCMと同じように「遊び心に富んだ」企業文化があると感じたので少しだけ触れたい。 社内ブランディングを徹底 日清食品HDを取材して筆者が驚いたのは、様々な取り組みに対して社内ブランディングが徹底されている点である。 例えば2019年に掲げた全社スローガン「DIGITIZE YOUR ARMS(デジタルを武装せよ)」。全従業員が「デジタル技術を学び、業務で使いこなすことを目指していこう」という内容
人材不足の度合いが深刻さを増すIT業界。求められる人材やスキルをどう変化させ、マッチさせていくかが適所適材な労働市場へのカギになる。三菱総合研究所(MRI)の大内久幸氏の寄稿によるこの特集では、IT業界に焦点を当て、どのようにすれば学び、行動し、活躍する人材が増えるのかを米国のジョブポスティング(求人票)データなどの例を使いながら考察する。 第2回以降では、「人材流動化」と「スキル変化」の潮流を見据えて企業や個人がどのように取り組むべきかを、欧米での動向を紹介しつつ提言したい。今回は欧米企業や機関で導入が進む「スキルベース組織」と、スキル可視化のための「共通言語」とは何かを紹介する。 近年、IT企業を含め日本企業は「ジョブ型」人事制度を取り入れ始めた。ジョブ(職務)に根ざし、企業があらかじめ定義した職務内容に基づいて報酬を設定し、人材を採用・評価する制度だ。職務記述書(ジョブディスクリプシ
気象庁は2024年3月、予報業務に用いる第11世代のスーパーコンピューター(スパコン)を本稼働させた。前年の2023年3月には、雨雲が列状に発生して同じ場所で長時間の雨を降らす線状降水帯の予測に特化したスパコンを先行して稼働させている。予報業務を2台のスパコンで分担・連携させる2台体制の運用が始まった。 第10世代までは1台で予報業務の大半を処理していた。気象庁が日常の予報業務で2台以上のスパコンを運用するのは初めてという。
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