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ドラクエ3
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孫の自己評価 2023年10月のとある夕方、東京湾が夕闇に包まれるころ、孫正義はソフトバンク本社内の自室にあるテーブルの上座に座っていた。ウラジーミル・プーチン大統領がクレムリンで使っているものと同じくらい、長い長い木製のテーブルだ。 小柄で、頭髪が後退した孫は、ジャケットとスラックスというカジュアルないでたちで、キャリアのどん底にあった時期を振り返っていた。ちょうど1年前、ソフトバンクグループ(以降ソフトバンクG)の決算説明会で挨拶に立ち、当分はプレゼンテーションをしないと公言したころだ。 「散々な人生ですよ」。そう訴える声には自らを哀れむトーンがにじんでいる。「ズームで通話していると、自分の顔が画面に映りますよね。それが嫌でね。醜いし、もう年だから……僕の業績ですか? 自慢できるようなことは何ひとつありません」 額面通りであれば、驚きだとしか言いようがない。当時66歳だった孫は、世界で
借金中毒な実態 孫の業績を評価する際には、通信事業会社を統括する上場企業「ソフトバンク」と、グループ企業を傘下に置く持株会社で大口投資事業を行う「ソフトバンクグループ(ソフトバンクG)」を区別することが肝心だ。 検索サイトや無線通信サービス会社ソフトバンク(旧称ソフトバンクモバイル)といった事業は大成功し、儲けを出してきた。スプリント買収も、当初は失敗だと言われたが、Tモバイルとの合併で利益を出している。 とはいえ、孫がつねに関心を向けてきたのは、利益ではなく成長だ。ソフトバンクGはかねてから負債(レバレッジ)比率が高い。つまり、資本構成に占める負債の割合が大きいということだ。世界企業の借金ランキングで上位10位に入ることもあり、2021年にインフレが再燃して以降は苦しい立場に立たされている。 孫正義はソフトバンクGの大株主で、保有株を担保にしている。仮に、ソフトバンク株が急落して担保価値
集まった中国人の多さに、中国人もびっくり 東京に移住した中国人のなかには裕福な起業家も多く、不動産に投資するなどして、築いた資産を安全に守ろうとしている人もいる。 スイスの専門コンサルティング企業「ヘンリー・アンド・パートナーズ」が2024年7月に公表した報告書によると、2024年に国外移住をする計画がある中国人のうち、資産が100万ドル以上の人は1万5200人だ。前年比で10%の増加である。 このような富裕層は、国外に移住しても、中国国内にある自分の利害関係を維持できるように、目立たないようにすることが多い。だが、なかには、政治参加する中国人知識人のスポンサーになる人もいる。
初めてセックスをした相手は、その後の人生観を不可逆的に変えた人だった。深く愛されることの安心感を教えてくれた男性と、筆者は最後の会話を交わす。 この記事は、愛をテーマにした米紙「ニューヨーク・タイムズ」の人気コラム「モダン・ラブ」の全訳です。読者が寄稿した物語を、毎週日曜日に独占翻訳でお届けしています。 あなたが教えてくれたこと 私が処女を失ったのは、赤いハート型のバスタブとウォーターベッドが完備された、ニュージャージーにあるモーテルでのことだ。そこは世界で一番ロマンチックな場所に思えた。私が初めて信頼した男性、ジョニーと一緒だったから。 あれから33年後、ジャージー・ショアの小さなビーチタウンにある彼の家の玄関ポーチに座り、私たちはこうしてビールを飲みながら笑って泣いて、初体験を思い出している。 隣に座っているジョニーは車椅子に乗っていた。実際のところ、彼は笑ったり飲んだりすることはでき
東京で中国を学ぶ中国人たち 何足もの靴がドアの前に並んでいる。東京の都心にある地味なビルの小部屋の入り口で、40人ほどの客が用意されたスリッパに履き替えていた。 2024年8月25日、その一室では、東京大学の社会学教授の阿古智子が、中国の農村部のあちこちに足を運んだ20年間の経験を語っていた。生き生きした目のこの小柄な女性が、日本語訛りの強い中国語で、2000年代初めの中国の農村部の様子を語っていく。電気のない村もあれば、建設計画のために住居の移転を強いられた住民もいた。忘れられた少数民族や人権保護の活動家とも交流が多かったという。 話を聞きに来た人は、事情に通じていない門外漢ではない。客の多くは最近、日本の首都で暮らしはじめた中国人なのだ。 「こういう講演会は、いまの中国では絶対にできませんから本当に新鮮です」 30代の中国人男性が笑顔で語る。学生ビザを取得し、4ヵ月前から日本で暮らして
中国人が見出す日本の暮らしやすさ 日本の出入国在留管理庁によると、2023年時点の在日中国人総数は82万1838人。前年比で13%増えている。在留外国人を国別で見ると、中国人が最も多く、日本に暮らす外国人の4人に1人が中国人だ。 2019年にビザ取得の要件が緩和され、外国人が日本に在留しやすくなった背景には、日本の労働力不足がある。 カイシュエンはオーストラリアの大学の学位を持ち、キャリアもあったので、「高度人材」ビザを取得するのは簡単だった。そのようにビザを取得できない人は、語学学校に登録して学生ビザを取得し、日本語を勉強しながら仕事を探す。富裕層が取得する「経営・管理」ビザは、事業を起こすことが条件だ。 中国人が移住先に日本を選ぶもう一つの理由は、漢字だ。これは日本文化が中国の影響を受けてきたことの表れでもある。 「日本語をしゃべれなくても、交通機関で行き先がわからなくなることはありま
古代から変わらない人間の肉欲を掘り下げる考古学記者テリー・マデンホルムが、今回は古代ギリシャ・ローマ時代の「姦通」にスポットライトを当てる。イスラエル紙「ハアレツ」考古学欄で好評の最新記事を全訳でお届けする。 「愛人は快楽のため、女奴隷は身内の世話のためにあるが、妻は嫡子を産み、わが家族の忠実なる守り人となるためにある」──デモステネス、前4世紀 女には10種類ある、と言ったのは古代ギリシャの詩人アモルゴスのセモニデスだ。政治家・雄弁家デモステネスの数百年前(前7世紀頃)に生きたセモニデスは、女の種類の多くを家畜になぞらえた。 そのなかで唯一の良種で価値があるのは、蜜蜂女だった。蜜蜂はその勤勉な性分だけでなく、単為生殖することでも称賛されているからだとセモニデスは説明する(事実、蜜蜂は有性でも、いざとなればメスだけでも生殖できる)。 良妻はセックスに興味を抱くべからず──さもなければ、姦通
異なる領域を繋ぐ「プロデューサー」の必要性 磯貝 INGのように新しい投融資のシステムを作って、サステナビリティの問題を解決していく必要があります。そのためにはやはり「システミック投資」は欠かせないんです。 たとえばEVを普及させるうえで、EVの製造拠点だけに投資しても充電ステーションへの投資が遅れてしまってはシステムとして機能しない。だから、EVというシステムを動かすために、車体から充電設備まで同時多発的に投融資をするのが重要になります。金融業にとっても、システム全体が機能するようになれば貸し倒れもなくなるわけです。 INGがやっているのはまさに、システミック投資。気候変動が起きれば自分のビジネスモデルそのものが沈んでしまう。だから、既存の家のグリーン化、新築物件を建設する際のグリーン・ローン、エネルギー貧困にある人たちへの支援に至るまで、いくつものボタンを彼らは同時に押しています。 山
米国では何世代にもわたって、「若い有権者」は民主党を支える重要な存在だった。 だが「ずっと変わらない」と思われていたその構造が、ついに崩れた。 今回の大統領選では、若い男性の間で共和党候補のドナルド・トランプ前大統領への支持率が顕著に増加した。
ティム・クックCEOは新製品の開発に多額の投資をしているが… Photo: Justin Sullivan / Getty Images シリコンバレーでは“公然の秘密” アップルが自動運転EVの開発プロジェクトに終止符を打ったと、海外メディアが報じている。テスラに対抗すべく、10年前に開始したEVプロジェクト「タイタン」は、同社史上もっとも野心的な取り組みといわれていた。 正式な発表こそされていないものの、関係者が匿名を条件に語ったところによれば、アップルの経営幹部は2月27日の社内会議で、プロジェクトを中止し、開発メンバーは同社のAI部門に移る旨を伝えたという。 このニュースをいち早く報じた米誌「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」は、「アップルがこれだけ注目を集めるようなプロジェクトを棚上げすることは珍しい」と書く。一般向けに自社EVを公開することはなかったが、シリコンバレーでは公道で
※本記事は『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』(内山節)の抜粋です。 鮮やかな窃盗の手口 キツネにだまされたという話には、いくつかのパターンがある。そのなかには特にだまされたというより、その能力に人間が敗北したといったほうがよいものもある。 キツネは自然の変化や人間の行動をよく知っている動物である。だから、たとえばこんな話がよくある。村人が山道を歩いていく。目的はマツタケ、マイタケといった「大物」の茸狩りで、弁当をもって朝から山に入った。こんなときに歩く山道は登山道のようによく整備されたものではなく、地元の人間にしかわからないような険しい道である。途中には岩をよじ登ったりしなければならない場所もある。 そういう所にさしかかると、人間はたいてい最初に弁当などの荷物を、手を伸ばして岩の上に置き、それから両腕を使って岩の上によじ登る。こういう場所でキツネは待っているのである。そうして人
カラスの群れがひっきりなしに襲いかかり、リーザ・ジョイスはバンクーバーの通りを叫びながら逃げ惑った。 カラスは急降下して彼女の頭に降りては飛び立つのを8回も繰り返したという。その7月の夜は、花火を見ようと何百人もの人がいたというのに、そのなかでなぜ自分が標的になったのだろうと、ジョイスは奇妙に思った。 「私は臆病ではありませんし、たいていの野生動物は怖くありません」という彼女だが、あの夏からカラスとの遭遇は増える一方で、それを避けるために通勤ルートを変更したという。「彼らは本当に無慈悲で、本当に恐ろしいんです」 カラスの怒りにおびえる人は、彼女以外にもたくさんいる。同じくバンクーバーに住むジム・オリリーという人物が運営するCrowTraxというウェブサイトには、8年前に開始して以来、市内でのカラスによる攻撃の報告が、実に8000件も寄せられている。緑の豊かなバンクーバーは、カラスが比較的多
薬で眠らせた妻を50人以上もの男にレイプさせ、その様子を夫が撮影していた──「マザン事件」として知られるフランスのこの事件の報道を受けて、戦慄した人は多いだろう。 「眠る女性を犯す」描写は、古くから世界中で繰り返されてきた。フィクションにおける同意なき性的行為を、いまこそ捉え直すべきかもしれない。 侵犯される女性の眠り 神話の世界で、神々はしばしば眠っている女性につけ入ろうとする。 眠りの神ヒュプノスはその力で眠りを誘い、ゼウスは白鳥に変身して意識を失ったレダを誘惑した。ディオニュソスは、テセウスによってナクソス島に置き去りにされたアリアドネが眠っているときに、その美しさに魅せられた。 あるいはメリュジーヌのような妖女たちにとって、眠りは無防備な状態を意味する。そして興味深いことに、ヒュプノスの兄弟は死の神タナトスだ。 対照的に、神話のなかの女性たちが男性の眠りを妨げることは許されない。
中国では古くから、結婚に大金をかける風習がある。 中国メディア「シックス・トーン」によれば、2020年、同国での平均的な結婚式の費用は17万4000元(約372万円)だった。これは共働きをする夫婦の平均月収の8.8倍にあたる。さらに、その費用は2023年までに33万元(約706万円)にまで上昇したという。 そこで中国のZ世代がおこなっているのが、伝統的なものからはかけ離れた結婚式だ。形式ばっていて費用のかさむ式はやめ、カラオケや火鍋レストラン、さらにはマクドナルドのようなファストフード店で愛を誓っている。 シックス・トーンによれば、こうした「型破りな結婚式」は中国で急速に広まっている。2024年3月の調査では、「15~24歳の中国人の80%が『ミニマリストな挙式』を支持していることが明らかになった」。
米大統領選ではトランプの言葉を報じる際に、メディアが「sanewashing」の罠に陥っていたことが問題視されている。このsanewashingとはどんな現象なのか? そして日本のメディアも政治報道で同様の「印象操作」をしていると、元NHK解説主幹でジャーナリストの池畑修平氏は指摘する。 記者たちの「通訳」が裏目に出たか いったい、なぜ──。米国ではドナルド・トランプ前大統領が再選されたこと、しかも事前の予想を裏切る大勝を収めることができた理由は何であったのか、分析と議論が続いている。 前回(2020年)の大統領選と比較すると、トランプが全米で大きく獲得票数を増やしたわけではなく、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領が得た票が前回のジョー・バイデン大統領の票をかなり下回ったのが実体だ。 つまり、民主党側が「負けた」のであり、同党とその支持者たちの議論はおのずと「犯人探し」の色合いが濃くなって
香港を拠点とする不動産大手やホテル運営企業が数年前から相次いで日本に進出し、ホテルの買収に力を入れているという。なぜ日本なのか、どれだけの利益を上げているのか──香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」が取材した。 アジア太平洋で最大の不動産投資市場 日本は低金利環境のもと、観光地として人気が高まっていることから、2024年は国内のホテル投資が過去最高を記録する見通しだ。 香港と中国本土が景気減速に見舞われ、さらには中国と欧米間で地政学的リスクが高まるなか、香港を拠点とする投資家にとって日本のホテルは堅実な分散投資の機会を提供している。 不動産コンサルティングを手がけるジョーンズラングラサール(JLL)の推計によると、日本のホテルへの投資額は2024年に過去最高の6000億円に達するとみられている。JLLが関わったホテル取引は上半期時点ですでに3780億円相当に達し、前年同期比で64
飽くなきAI電力需要、巨大テックが急ぐクリーンエネ開発 ほんの数年前、巨大テック企業は二酸化炭素(CO2)排出量を削減すると約束した。だが、その後に人工知能(AI)ブームが世の中を席巻した。 大量のエネルギーが必要なAIデータセンターの建設ラッシュを受け、テック業界は気候変動を巡る約束をほごにする一方、電力企業と協力して新たなクリーンエネルギー源の開発を加速させている。 米ネバダ州では、グーグルが公益企業と手を組み、地熱エネルギーによる電力を購入する取り組みを進める。ノースカロライナ、サウスカロライナ両州では、グーグルやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトが電力大手デューク・エナジーと協力し、小型原子炉などの技術開発を促進する契約を結んでいる。
妻が金融業界でキャリアの階段を上る一方、家庭を守る男性たち ウォール街で幹部として働く女性を影で支える「専業主夫」が増加 決済ネットワーク大手ビザの幹部を務めるナタリー・ハイチ・ケリーさんと専業主夫のチップ・ケリーさん Photo: Emli Bendixen for WSJ (2) ウォール街の女性幹部支える「専業主夫」増加 プライベートエクイティ(PE)投資会社EQTの幹部、スザンヌ・ドノホーさんは9月に入り、アジアと欧州を訪れる10日間の出張に出た。ニューヨーク州の自宅では、10代の子ども3人の新学期の準備を夫のマット・ドノホーさんが手伝っていた。 それは簡単な仕事ではなかった。子どもたちは年齢が近いとはいえ、それぞれ別の学校に通い、課外活動も異なる。マットさんは13歳の子どもをニュージャージー州のホッケーの練習のために車で送り、3人全員をボストンの大会に連れて行った。その合間に、食
グーグル・ディープマインドは、設立から15 年を経て世界的なAI(人工知能)研究開発企業へと成長した。 同社の共同創業者でCEOのデミス・ハサビス(48)は、チェスの神童やカルト的な人気を誇るビデオゲーム「テーマパーク」の開発者、優れた神経科学者などの多彩な顔を持つ。 さらにハサビスは2024年10月、ノーベル化学賞の3人の共同受賞者のひとりに選ばれた。AIソフトウェアAlphaFold(アルファフォールド)の開発によって、既知のすべてのタンパク質の構造を予測するという生命科学分野の長年の課題解決に寄与した功績が認められたのだ。 「知の解明」というミッションを掲げて設立されたディープマインドは、人間の認知能力を模倣するだけでなく、それを凌駕するAIシステムの構築を目指している。 グーグルがAI開発の中枢にディープマインドを据えたのは、OpenAIの対話型生成AIツール「ChatGPT」の存
スマホやネットの使いすぎがメンタルヘルスに悪影響をもたらすことがわかってきているが、スクリーンタイムを減らしたからといって、すべての不安や虚しさが解決するわけではない。ハーバード・ビジネス・スクール教授で「幸福」の専門家であるアーサー・C・ブルックスが、「人生の意味がわからない」という現代人の漠然とした不安に対処する方法を伝えている。 スマホだけが理由じゃない 米国の青少年や若年成人がメンタルヘルスの危機に直面していることは、もはや目新しい話題ではない。 私が関わった4月の調査結果でも、その深刻さが改めて浮き彫りになった。ギャラップ社が実施したこの大規模調査では、12歳から26歳までの回答者の38%が、不安障害やうつ病の正式な診断を受けたことがあると回答した。 男女別で見ると、若い男性の29%、若い女性の45%が該当する。診断を受けていない人でも、約半数が「頻繁に不安を感じる」、4分の1が
大きな目に、ちょっと不機嫌そうな表情を浮かべる女の子──そんなインパクトのある奈良美智の絵を、本の表紙やポスターなどで目にしたことがある人は多いだろう。スペイン紙「エル・パイス」の記者いわく、「世界で最もパクられる画家」である奈良は、どんな思いで創作活動に励んでいるのか。 子供の頃は内向的だった多くの人がそうであるように、アーティストの奈良美智(64)はいまではむしろ気さくな印象を与える。彼の見た目は、彼が描く険しい表情で、怒ったり、悲しんだりしている子供たちとは正反対だ。 銀髪にスポーティーなキャップをかぶり、スペインのビスカヤ県にあるサーフィンスクールのロゴが入った目の冴えるような黄色のスウェットを着ている。「こちらで買ったばかりなんです」と奈良は言う。 私たちは、ビスカヤ県ビルバオにあるグッゲンハイム美術館にいる。ここでは11月3日までスペインで初となる奈良の大規模な個展が開催された
「仮想通貨の中心地」宣言を受けて 代表的な仮想通貨で知られるビットコインが初めて7万6000ドル(約1155万円)に到達した。米国の大統領選挙でトランプが勝利を確実にしたことで、仮想通貨に追い風となると投資家が見込んだからだ。 ビットコインだけでなく、イーサリアムやドージコインなどのほかの仮想通貨もそろって上昇した。また、仮想通貨取引所のコインベースや、仮想通貨取引を提供するネット証券ロビンフッドの株価も急騰した。 トランプは以前は仮想通貨に懐疑的だったが、選挙前にその姿勢を変え、仮想通貨を支持するようになった。彼は米国を「地球上の仮想通貨の中心地」にすると宣言し、ビットコインの「戦略的備蓄」を創設することを公約に掲げている。
英国に住んでいたダニエラ・リベラーニは、鼻が詰まったような感覚と、断続的な鼻血に苦しむようになる。最初はそれほど深刻に受け止めていなかったが、ある日、鏡に映った自分の鼻の穴からぶら下がる物体を見て、思わず恐怖で後ずさる──。 鼻血が止まらない 2014年9月のことだ。私はエディンバラにある高級ホテルのフロントで働きはじめたばかりだった。当時、私は頻繁に鼻血を出していたため、シフトの時間のほとんどを、紙ナプキンを鼻の穴に押し当てながら過ごしていた。その理由はすぐに明らかになった。 数週間前、私はベトナムを旅行していた。モペッド(ペダル付きの原付きバイク)をレンタルし、それを運転しながら楽しい時間を過ごしていた。乗りはじめてすぐに衝突事故を起こしてしまったが、幸いにもヘルメットを着用していたため、頭を少しぶつけただけで済んだ。 それから数日後、右の鼻孔から断続的に血が出るようになった。私はモペ
ドナルド・トランプによる第一次政権時代、彼のことを最も心得ている世界のリーダーがいたとすれば、それは当時の日本の首相、安倍晋三だろう。安倍はトランプの「ゴルフ好き」、「ハンバーガー好き」、そして「お世辞好き」を利用して、トランプの懲罰本能から日本を守るのに役立てた。 2016年、トランプが当選すると、安倍は他国の首脳に先駆けてニューヨークのトランプタワーを訪ね、ゴルフクラブを贈った。就任式が終わると彼はすぐに、世界の舞台で新人を導く長老の役割を引き受け、度重なる電話にも親身になって耳を傾けた。就任から数週間後、フロリダ州マー・ア・ラゴにあるトランプの別荘を訪れ、二人は一緒にゴルフを楽しみ、お互いの夫人も交えて食事を共にした。 それだけではない。トランプが国賓として来日した際には、大相撲で「米大統領杯」を用意し、即位したばかりの天皇に会う「初めての国際的指導者」という名誉も与えるなど、もてな
「西洋世界」ではいま、人工知能(AI)の発展がさまざまな不安を呼んでいる。一方、「アラブ世界」と呼ばれる場所では、そこまでAIが問題視されていないように思える。これはいったいなぜなのだろうか。2024年、フランスの権威ある文学賞「ゴンクール賞」を受賞した、アルジェリア生まれの作家・ジャーナリストのカメル・ダウドは、その理由について「偽書や匿名文書が伝統だからではないか」と考える。 どうして「アラブ世界」と呼ばれる場所では、「人工知能(AI)」は議論の種にならないのだろうか。 湾岸諸国の輝くガラス張りの建物は、石油以後の未来を保証するものとしてAIを受け入れているが(アラブ首長国連邦は「AI国務大臣」がいる世界最初の国だ)、そこを越えてしまうとこの「機械」は遠ざけられており、この世界でAIに関する問いかけがなされることは滅多にない。 全知全能の西洋の機械が生み出した、『悪魔の詩』のような論争
2024年10月1日、世界初の高速鉄道として1964年に開業した新幹線は60周年を迎えた。そしてその時期に合わせ、北陸新幹線に乗車し東京から長野へと向かった、英国人名物記者のレオ・ルイス。新幹線にやたらと思い入れのある筆者が、日本人にとって新幹線の存在が持つ意味を考察する。 北陸新幹線は、出発予定時刻の午前6時16分の5分前に東京駅に入線した。その姿は、早朝にはまったく不釣り合いなほど美しかった。ブルーとゴールドの車体の先端はワシのくちばしのような弧を描き、何百ものオフィスの窓に反射した朝日の光のかけらがその表面でリズミカルに踊る。 エンツォ・フェラーリを手掛けた日本人デザイナー奥山 清行が監修したパールホワイトに輝く車両は、ミリ単位の精度でホームドア前に停止する。ドアが開き、私は柔らかなリクライニングシートに腰を沈めた。駅のホームで買った完璧な卵サンドの包みを開き、時速260キロで疾走す
世界中の極右主要メンバーたちが、ドナルド・トランプの米大統領選勝利を祝い、前大統領への賛辞が、リオデジャネイロから、ブダペストから続々と送られてきている。 トランプの勝利を「シャンパンボトル数本」で乾杯すると約束していたハンガリーのオルバン・ビクトル首相は、「世界が切望していた勝利だ!」と称賛した。 リバタリアンのアルゼンチン大統領ハビエル・ミレイ(「アルゼンチンのトランプ」とも呼ばれている)は、自分が支持するトランプの「選挙での圧勝」に敬意を表した。ミレイはXにこう書いている。 「さあ、メイク・アメリカ・グレート・アゲイン。アルゼンチンがご任務遂行の頼りになるのはご存じのとおりです」 .@realDonaldTrump congratulations on your formidable electoral victory. Now, Make America Great Again.
2024年11月5日に投票がおこなわれた米大統領選で、ドナルド・トランプ前大統領が2度目のホワイトハウス入りを果たすことになった。 この勝利は、世界的な波紋を呼ぶと予想されるが、彼の支持者や前国家情報長官代理のリチャード・グレネルが言うように、トランプの外交政策は「予測不可能」だ。米国の同盟国も含め、「次に何が起こるか」、誰もが予測に苦労している。そんななか、米「ワシントン・ポスト」紙が、今後、世界が受けるであろう影響、そして各国の懸念を7つのポイントにまとめた。 ①イスラエルは中東での戦争拡大の「背中を押される」かもしれない トランプは前政権時代、在イスラエル米国大使館をテルアビブからエルサレムに移すなど、親イスラエル的な姿勢を見せている。また、プライベートでもイスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフに支援を申し出ており、最近も電話で「やるべきことをやれ」と話したとされる。 ②米国からの支援
世界を騒がせ続ける男イーロン・マスクが、わが子たちとその母親たちを住まわせる屋敷を作ろうとしているようだ。それはどんな場所で、そこに住むのは誰なのか──。米紙「ニューヨーク・タイムズ」が現地を取材した。 米テキサス州オースティンにある閑静な超高級住宅街の通りに、ひときわ目立つ物件がある。1300平米ほどの豪邸で、イタリアのトスカーナにある丘からそのまま引っこ抜いてきて、そこに移築した別荘のように見える。 ここに一風変わった家族屋敷の礎を築こうとしているのが、世界一の富豪にして、大統領選を戦うドナルド・トランプ前大統領のおそらく最も重要な支持者であるイーロン・マスク(53)だと、彼の計画に詳しい関係者4人は語る。 この数ヵ月のあいだでマスクは近しい人たちに、自分の子供たち(少なくとも11人いる)とその母親3人のうち2人を隣り合わせの物件に住まわせることを考えていると語っている。 そうすれば、
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