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アメリカ大統領選
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米国では何世代にもわたって、「若い有権者」は民主党を支える重要な存在だった。 だが「ずっと変わらない」と思われていたその構造が、ついに崩れた。 今回の大統領選では、若い男性の間で共和党候補のドナルド・トランプ前大統領への支持率が顕著に増加した。 AP通信の出口調査によると、トランプは若い有権者の間で「得票率56%」という高い支持を獲得している。2020年の前回の選挙では、わずか41%だった。 Z世代の男性の右傾化は、選挙以前から報じられていた。 ところが、世論調査では、若い有権者はトランプ(33%)よりも民主党候補のカマラ・ハリス副大統領(53%)を支持していると報告されていた。 そのため、右傾化しているとはいえ、Z世代が共和党のトランプに投票する可能性は充分に予想されていなかったと、米誌「フォーチュン」は指摘している。 そんななかで、トランプ陣営は、右傾化している若い男性からの票獲得を着
ティム・クックCEOは新製品の開発に多額の投資をしているが… Photo: Justin Sullivan / Getty Images シリコンバレーでは“公然の秘密” アップルが自動運転EVの開発プロジェクトに終止符を打ったと、海外メディアが報じている。テスラに対抗すべく、10年前に開始したEVプロジェクト「タイタン」は、同社史上もっとも野心的な取り組みといわれていた。 正式な発表こそされていないものの、関係者が匿名を条件に語ったところによれば、アップルの経営幹部は2月27日の社内会議で、プロジェクトを中止し、開発メンバーは同社のAI部門に移る旨を伝えたという。 このニュースをいち早く報じた米誌「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」は、「アップルがこれだけ注目を集めるようなプロジェクトを棚上げすることは珍しい」と書く。一般向けに自社EVを公開することはなかったが、シリコンバレーでは公道で
※本記事は『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』(内山節)の抜粋です。 鮮やかな窃盗の手口 キツネにだまされたという話には、いくつかのパターンがある。そのなかには特にだまされたというより、その能力に人間が敗北したといったほうがよいものもある。 キツネは自然の変化や人間の行動をよく知っている動物である。だから、たとえばこんな話がよくある。村人が山道を歩いていく。目的はマツタケ、マイタケといった「大物」の茸狩りで、弁当をもって朝から山に入った。こんなときに歩く山道は登山道のようによく整備されたものではなく、地元の人間にしかわからないような険しい道である。途中には岩をよじ登ったりしなければならない場所もある。 そういう所にさしかかると、人間はたいてい最初に弁当などの荷物を、手を伸ばして岩の上に置き、それから両腕を使って岩の上によじ登る。こういう場所でキツネは待っているのである。そうして人
カラスの群れがひっきりなしに襲いかかり、リーザ・ジョイスはバンクーバーの通りを叫びながら逃げ惑った。 カラスは急降下して彼女の頭に降りては飛び立つのを8回も繰り返したという。その7月の夜は、花火を見ようと何百人もの人がいたというのに、そのなかでなぜ自分が標的になったのだろうと、ジョイスは奇妙に思った。 「私は臆病ではありませんし、たいていの野生動物は怖くありません」という彼女だが、あの夏からカラスとの遭遇は増える一方で、それを避けるために通勤ルートを変更したという。「彼らは本当に無慈悲で、本当に恐ろしいんです」 カラスの怒りにおびえる人は、彼女以外にもたくさんいる。同じくバンクーバーに住むジム・オリリーという人物が運営するCrowTraxというウェブサイトには、8年前に開始して以来、市内でのカラスによる攻撃の報告が、実に8000件も寄せられている。緑の豊かなバンクーバーは、カラスが比較的多
薬で眠らせた妻を50人以上もの男にレイプさせ、その様子を夫が撮影していた──「マザン事件」として知られるフランスのこの事件の報道を受けて、戦慄した人は多いだろう。 「眠る女性を犯す」描写は、古くから世界中で繰り返されてきた。フィクションにおける同意なき性的行為を、いまこそ捉え直すべきかもしれない。 侵犯される女性の眠り 神話の世界で、神々はしばしば眠っている女性につけ入ろうとする。 眠りの神ヒュプノスはその力で眠りを誘い、ゼウスは白鳥に変身して意識を失ったレダを誘惑した。ディオニュソスは、テセウスによってナクソス島に置き去りにされたアリアドネが眠っているときに、その美しさに魅せられた。 あるいはメリュジーヌのような妖女たちにとって、眠りは無防備な状態を意味する。そして興味深いことに、ヒュプノスの兄弟は死の神タナトスだ。 対照的に、神話のなかの女性たちが男性の眠りを妨げることは許されない。
中国では古くから、結婚に大金をかける風習がある。 中国メディア「シックス・トーン」によれば、2020年、同国での平均的な結婚式の費用は17万4000元(約372万円)だった。これは共働きをする夫婦の平均月収の8.8倍にあたる。さらに、その費用は2023年までに33万元(約706万円)にまで上昇したという。 そこで中国のZ世代がおこなっているのが、伝統的なものからはかけ離れた結婚式だ。形式ばっていて費用のかさむ式はやめ、カラオケや火鍋レストラン、さらにはマクドナルドのようなファストフード店で愛を誓っている。 シックス・トーンによれば、こうした「型破りな結婚式」は中国で急速に広まっている。2024年3月の調査では、「15~24歳の中国人の80%が『ミニマリストな挙式』を支持していることが明らかになった」。
米大統領選ではトランプの言葉を報じる際に、メディアが「sanewashing」の罠に陥っていたことが問題視されている。このsanewashingとはどんな現象なのか? そして日本のメディアも政治報道で同様の「印象操作」をしていると、元NHK解説主幹でジャーナリストの池畑修平氏は指摘する。 記者たちの「通訳」が裏目に出たか いったい、なぜ──。米国ではドナルド・トランプ前大統領が再選されたこと、しかも事前の予想を裏切る大勝を収めることができた理由は何であったのか、分析と議論が続いている。 前回(2020年)の大統領選と比較すると、トランプが全米で大きく獲得票数を増やしたわけではなく、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領が得た票が前回のジョー・バイデン大統領の票をかなり下回ったのが実体だ。 つまり、民主党側が「負けた」のであり、同党とその支持者たちの議論はおのずと「犯人探し」の色合いが濃くなって
香港を拠点とする不動産大手やホテル運営企業が数年前から相次いで日本に進出し、ホテルの買収に力を入れているという。なぜ日本なのか、どれだけの利益を上げているのか──香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」が取材した。 アジア太平洋で最大の不動産投資市場 日本は低金利環境のもと、観光地として人気が高まっていることから、2024年は国内のホテル投資が過去最高を記録する見通しだ。 香港と中国本土が景気減速に見舞われ、さらには中国と欧米間で地政学的リスクが高まるなか、香港を拠点とする投資家にとって日本のホテルは堅実な分散投資の機会を提供している。 不動産コンサルティングを手がけるジョーンズラングラサール(JLL)の推計によると、日本のホテルへの投資額は2024年に過去最高の6000億円に達するとみられている。JLLが関わったホテル取引は上半期時点ですでに3780億円相当に達し、前年同期比で64
飽くなきAI電力需要、巨大テックが急ぐクリーンエネ開発 ほんの数年前、巨大テック企業は二酸化炭素(CO2)排出量を削減すると約束した。だが、その後に人工知能(AI)ブームが世の中を席巻した。 大量のエネルギーが必要なAIデータセンターの建設ラッシュを受け、テック業界は気候変動を巡る約束をほごにする一方、電力企業と協力して新たなクリーンエネルギー源の開発を加速させている。 米ネバダ州では、グーグルが公益企業と手を組み、地熱エネルギーによる電力を購入する取り組みを進める。ノースカロライナ、サウスカロライナ両州では、グーグルやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトが電力大手デューク・エナジーと協力し、小型原子炉などの技術開発を促進する契約を結んでいる。
妻が金融業界でキャリアの階段を上る一方、家庭を守る男性たち ウォール街で幹部として働く女性を影で支える「専業主夫」が増加 決済ネットワーク大手ビザの幹部を務めるナタリー・ハイチ・ケリーさんと専業主夫のチップ・ケリーさん Photo: Emli Bendixen for WSJ (2) ウォール街の女性幹部支える「専業主夫」増加 プライベートエクイティ(PE)投資会社EQTの幹部、スザンヌ・ドノホーさんは9月に入り、アジアと欧州を訪れる10日間の出張に出た。ニューヨーク州の自宅では、10代の子ども3人の新学期の準備を夫のマット・ドノホーさんが手伝っていた。 それは簡単な仕事ではなかった。子どもたちは年齢が近いとはいえ、それぞれ別の学校に通い、課外活動も異なる。マットさんは13歳の子どもをニュージャージー州のホッケーの練習のために車で送り、3人全員をボストンの大会に連れて行った。その合間に、食
グーグル・ディープマインドは、設立から15 年を経て世界的なAI(人工知能)研究開発企業へと成長した。 同社の共同創業者でCEOのデミス・ハサビス(48)は、チェスの神童やカルト的な人気を誇るビデオゲーム「テーマパーク」の開発者、優れた神経科学者などの多彩な顔を持つ。 さらにハサビスは2024年10月、ノーベル化学賞の3人の共同受賞者のひとりに選ばれた。AIソフトウェアAlphaFold(アルファフォールド)の開発によって、既知のすべてのタンパク質の構造を予測するという生命科学分野の長年の課題解決に寄与した功績が認められたのだ。 「知の解明」というミッションを掲げて設立されたディープマインドは、人間の認知能力を模倣するだけでなく、それを凌駕するAIシステムの構築を目指している。 グーグルがAI開発の中枢にディープマインドを据えたのは、OpenAIの対話型生成AIツール「ChatGPT」の存
スマホやネットの使いすぎがメンタルヘルスに悪影響をもたらすことがわかってきているが、スクリーンタイムを減らしたからといって、すべての不安や虚しさが解決するわけではない。ハーバード・ビジネス・スクール教授で「幸福」の専門家であるアーサー・C・ブルックスが、「人生の意味がわからない」という現代人の漠然とした不安に対処する方法を伝えている。 スマホだけが理由じゃない 米国の青少年や若年成人がメンタルヘルスの危機に直面していることは、もはや目新しい話題ではない。 私が関わった4月の調査結果でも、その深刻さが改めて浮き彫りになった。ギャラップ社が実施したこの大規模調査では、12歳から26歳までの回答者の38%が、不安障害やうつ病の正式な診断を受けたことがあると回答した。 男女別で見ると、若い男性の29%、若い女性の45%が該当する。診断を受けていない人でも、約半数が「頻繁に不安を感じる」、4分の1が
大きな目に、ちょっと不機嫌そうな表情を浮かべる女の子──そんなインパクトのある奈良美智の絵を、本の表紙やポスターなどで目にしたことがある人は多いだろう。スペイン紙「エル・パイス」の記者いわく、「世界で最もパクられる画家」である奈良は、どんな思いで創作活動に励んでいるのか。 子供の頃は内向的だった多くの人がそうであるように、アーティストの奈良美智(64)はいまではむしろ気さくな印象を与える。彼の見た目は、彼が描く険しい表情で、怒ったり、悲しんだりしている子供たちとは正反対だ。 銀髪にスポーティーなキャップをかぶり、スペインのビスカヤ県にあるサーフィンスクールのロゴが入った目の冴えるような黄色のスウェットを着ている。「こちらで買ったばかりなんです」と奈良は言う。 私たちは、ビスカヤ県ビルバオにあるグッゲンハイム美術館にいる。ここでは11月3日までスペインで初となる奈良の大規模な個展が開催された
「仮想通貨の中心地」宣言を受けて 代表的な仮想通貨で知られるビットコインが初めて7万6000ドル(約1155万円)に到達した。米国の大統領選挙でトランプが勝利を確実にしたことで、仮想通貨に追い風となると投資家が見込んだからだ。 ビットコインだけでなく、イーサリアムやドージコインなどのほかの仮想通貨もそろって上昇した。また、仮想通貨取引所のコインベースや、仮想通貨取引を提供するネット証券ロビンフッドの株価も急騰した。 トランプは以前は仮想通貨に懐疑的だったが、選挙前にその姿勢を変え、仮想通貨を支持するようになった。彼は米国を「地球上の仮想通貨の中心地」にすると宣言し、ビットコインの「戦略的備蓄」を創設することを公約に掲げている。
英国に住んでいたダニエラ・リベラーニは、鼻が詰まったような感覚と、断続的な鼻血に苦しむようになる。最初はそれほど深刻に受け止めていなかったが、ある日、鏡に映った自分の鼻の穴からぶら下がる物体を見て、思わず恐怖で後ずさる──。 鼻血が止まらない 2014年9月のことだ。私はエディンバラにある高級ホテルのフロントで働きはじめたばかりだった。当時、私は頻繁に鼻血を出していたため、シフトの時間のほとんどを、紙ナプキンを鼻の穴に押し当てながら過ごしていた。その理由はすぐに明らかになった。 数週間前、私はベトナムを旅行していた。モペッド(ペダル付きの原付きバイク)をレンタルし、それを運転しながら楽しい時間を過ごしていた。乗りはじめてすぐに衝突事故を起こしてしまったが、幸いにもヘルメットを着用していたため、頭を少しぶつけただけで済んだ。 それから数日後、右の鼻孔から断続的に血が出るようになった。私はモペ
ドナルド・トランプによる第一次政権時代、彼のことを最も心得ている世界のリーダーがいたとすれば、それは当時の日本の首相、安倍晋三だろう。安倍はトランプの「ゴルフ好き」、「ハンバーガー好き」、そして「お世辞好き」を利用して、トランプの懲罰本能から日本を守るのに役立てた。 2016年、トランプが当選すると、安倍は他国の首脳に先駆けてニューヨークのトランプタワーを訪ね、ゴルフクラブを贈った。就任式が終わると彼はすぐに、世界の舞台で新人を導く長老の役割を引き受け、度重なる電話にも親身になって耳を傾けた。就任から数週間後、フロリダ州マー・ア・ラゴにあるトランプの別荘を訪れ、二人は一緒にゴルフを楽しみ、お互いの夫人も交えて食事を共にした。 それだけではない。トランプが国賓として来日した際には、大相撲で「米大統領杯」を用意し、即位したばかりの天皇に会う「初めての国際的指導者」という名誉も与えるなど、もてな
「西洋世界」ではいま、人工知能(AI)の発展がさまざまな不安を呼んでいる。一方、「アラブ世界」と呼ばれる場所では、そこまでAIが問題視されていないように思える。これはいったいなぜなのだろうか。2024年、フランスの権威ある文学賞「ゴンクール賞」を受賞した、アルジェリア生まれの作家・ジャーナリストのカメル・ダウドは、その理由について「偽書や匿名文書が伝統だからではないか」と考える。 どうして「アラブ世界」と呼ばれる場所では、「人工知能(AI)」は議論の種にならないのだろうか。 湾岸諸国の輝くガラス張りの建物は、石油以後の未来を保証するものとしてAIを受け入れているが(アラブ首長国連邦は「AI国務大臣」がいる世界最初の国だ)、そこを越えてしまうとこの「機械」は遠ざけられており、この世界でAIに関する問いかけがなされることは滅多にない。 全知全能の西洋の機械が生み出した、『悪魔の詩』のような論争
2024年10月1日、世界初の高速鉄道として1964年に開業した新幹線は60周年を迎えた。そしてその時期に合わせ、北陸新幹線に乗車し東京から長野へと向かった、英国人名物記者のレオ・ルイス。新幹線にやたらと思い入れのある筆者が、日本人にとって新幹線の存在が持つ意味を考察する。 北陸新幹線は、出発予定時刻の午前6時16分の5分前に東京駅に入線した。その姿は、早朝にはまったく不釣り合いなほど美しかった。ブルーとゴールドの車体の先端はワシのくちばしのような弧を描き、何百ものオフィスの窓に反射した朝日の光のかけらがその表面でリズミカルに踊る。 エンツォ・フェラーリを手掛けた日本人デザイナー奥山 清行が監修したパールホワイトに輝く車両は、ミリ単位の精度でホームドア前に停止する。ドアが開き、私は柔らかなリクライニングシートに腰を沈めた。駅のホームで買った完璧な卵サンドの包みを開き、時速260キロで疾走す
世界中の極右主要メンバーたちが、ドナルド・トランプの米大統領選勝利を祝い、前大統領への賛辞が、リオデジャネイロから、ブダペストから続々と送られてきている。 トランプの勝利を「シャンパンボトル数本」で乾杯すると約束していたハンガリーのオルバン・ビクトル首相は、「世界が切望していた勝利だ!」と称賛した。 リバタリアンのアルゼンチン大統領ハビエル・ミレイ(「アルゼンチンのトランプ」とも呼ばれている)は、自分が支持するトランプの「選挙での圧勝」に敬意を表した。ミレイはXにこう書いている。 「さあ、メイク・アメリカ・グレート・アゲイン。アルゼンチンがご任務遂行の頼りになるのはご存じのとおりです」 .@realDonaldTrump congratulations on your formidable electoral victory. Now, Make America Great Again.
2024年11月5日に投票がおこなわれた米大統領選で、ドナルド・トランプ前大統領が2度目のホワイトハウス入りを果たすことになった。 この勝利は、世界的な波紋を呼ぶと予想されるが、彼の支持者や前国家情報長官代理のリチャード・グレネルが言うように、トランプの外交政策は「予測不可能」だ。米国の同盟国も含め、「次に何が起こるか」、誰もが予測に苦労している。そんななか、米「ワシントン・ポスト」紙が、今後、世界が受けるであろう影響、そして各国の懸念を7つのポイントにまとめた。 ①イスラエルは中東での戦争拡大の「背中を押される」かもしれない トランプは前政権時代、在イスラエル米国大使館をテルアビブからエルサレムに移すなど、親イスラエル的な姿勢を見せている。また、プライベートでもイスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフに支援を申し出ており、最近も電話で「やるべきことをやれ」と話したとされる。 ②米国からの支援
世界を騒がせ続ける男イーロン・マスクが、わが子たちとその母親たちを住まわせる屋敷を作ろうとしているようだ。それはどんな場所で、そこに住むのは誰なのか──。米紙「ニューヨーク・タイムズ」が現地を取材した。 米テキサス州オースティンにある閑静な超高級住宅街の通りに、ひときわ目立つ物件がある。1300平米ほどの豪邸で、イタリアのトスカーナにある丘からそのまま引っこ抜いてきて、そこに移築した別荘のように見える。 ここに一風変わった家族屋敷の礎を築こうとしているのが、世界一の富豪にして、大統領選を戦うドナルド・トランプ前大統領のおそらく最も重要な支持者であるイーロン・マスク(53)だと、彼の計画に詳しい関係者4人は語る。 この数ヵ月のあいだでマスクは近しい人たちに、自分の子供たち(少なくとも11人いる)とその母親3人のうち2人を隣り合わせの物件に住まわせることを考えていると語っている。 そうすれば、
米大統領選は共和党のドナルド・トランプ前大統領の勝利で終わった。 これから来年1月20日の就任式までに政権移行の準備が進み、トランプ陣営は政権人事に着手していくことになる。その過程では、選挙戦でトランプに忠誠を誓い、勝利に貢献した人たちに、それなりの「褒美」が与えられるだろう。 そうしたなか、米紙「ニューヨーク・タイムズ」はトランプを勝たせるために1億ドル以上をつぎ込んだイーロン・マスクに注目し、「彼はどんな見返りを求めてくるのか」と報じている。 政府機関とズブズブの関係に テスラやスペースXなどマスクが経営する6社は、連邦政府のさまざまな規制の影響を強く受けるだけでなく、ロケット打ち上げや宇宙通信サービスの提供など政府機関との契約で巨額の利益を上げている。 マスクはいま、それらすべての政府機関を監督する立場にある大統領の耳元でささやく権利を手に入れたのだ。 さらに、もしトランプが約束どお
トランプ氏、米大統領選でどう勝ったか ドナルド・トランプ前米大統領は、彼が大統領の職に復帰するには不適格だと民主党が主張した点を逆に強調することで、ホワイトハウスへの道を切り開いた。 共和党候補のトランプ氏は選挙運動を通じ、大げさで下品、そしてしばしば事実に反する発言を繰り返した。2020年の米大統領選で勝利を奪われたと主張し、2021年1月6日の議会襲撃に関する責任を否定し、ジョー・バイデン大統領が自身に対する刑事起訴と重罪の有罪判決を仕組んだと述べた。 民主党と同党の大統領候補のカマラ・ハリス副大統領はトランプ氏の言動を強調し、同氏を米国に危険な存在と規定しようとしたが、トランプ氏の有権者に対する影響力を弱めることはできなかった。同氏の法的問題は、出馬の足かせになるどころか献金を増やした。同氏は全ての事件で不正行為を否定している。 自らの運命を変えたい米国の有権者は、国内経済を活性化し
コロナ以降、日本アニメの人気は海外で急上昇しており、10月に地上波での放送が始まった『ドラゴンボールDAIMA』はほぼリアルタイムで世界配信されている。海外ファンにとっても画期的なこの出来事を機に、日本アニメが世界市場で快進撃を続けるカギを英紙が考察している。 2018年、まだ一介の衆議院議員だった石破茂は、ピンクのボディスーツにぶかぶかのパンツ、紫のマントを着用し、地元・鳥取県のイベントに出席した。 先頃、石破が首相に就任した際、この奇抜な服装をした6年前の写真がいっとき注目を集めた。一部の国民はこの歴史に残るいで立ちを冷笑したが、これが何のコスプレかを知る人たちは大喜びした。 2018年4月に『ドラゴンボール』のキャラクター、魔人ブウに扮した石破。この頃は「党内野党」と呼ばれ、5ヵ月後におこなわれた自民党総裁選で安倍晋三元首相に敗れている 真面目なイメージの強い石破が、『ドラゴンボール
2024年8月、韓国・仁川のアパートの地下駐車場でメルセデス・ベンツのEVが火元とされる火災が発生した。約900台の車両が損傷を受け、23人が煙を吸い病院に搬送された。 鎮火には8時間以上を要し、炎の温度は1500度を超えたという。この火災の規模と激しさが注目を集め、韓国内ではEVの安全性に懸念が広がっている。 EVが抱えるバッテリー火災のリスクに自動車メーカーや政府はどのように対応していくべきなのか? バッテリー充電のリスクに懸念 韓国で人気の中古車販売プラットフォーム「K Car」では、今回の火災後にEVを売却しようとするオーナーによる出品がほぼ3倍に増加したと発表している。 ソウルに住む会社員は、「EVは環境に優しい選択かもしれないが、火災が怖い」と述べ、仁川の火災を見てさらに恐怖を感じたと語っている。
韓国人作家のハン・ガンが、今年のノーベル文学賞を受賞した。韓国の文学界はこれをどう受け止めているのか? 彼女の作品を読むなら、まずはどれから手をつけるべきか? 米紙「ロサンゼルス・タイムズ」が報じた。 2024年、世界最高の文学賞であるノーベル文学賞をハン・ガン(韓江)が受賞することを予想していた人物はほとんどいなかっただろう。 韓国の小説家であるハンは、国際的に権威ある賞をすでに数多く受賞しており、広く読まれている。だが彼女は53歳だ。この賞は伝統的に、キャリアの黄昏時にある作家を優遇するものだ。 文芸評論家であり、ハンの母校である延世大学の元教授、チョン・グァリはこう語る。「最有力候補と目されてきた韓国の作家のほとんどは、70〜80代なのです」 「過去のトラウマに立ち向かい、人間の命のもろさを浮き彫りにする強烈な詩的散文」によってスウェーデン・アカデミーから評価されたハンは、123年の
抜粋で充分? ボストンとニューヨークの学校で20年にわたり教師および校長を務めてきたマイク・スコルカは、生徒たちのレベルにかかわらず、本の抜粋が本そのものに取って代わったと語る。 「彼らのレベルを測るすべはありません。座ってトルストイを読めるかどうか、それに尽きます」とスコルカは言う。学生たちの読書スキルを測ることができない以上、教師や教育委員会も彼らを教えることに苦戦している。 文学研究者のキャロル・イアーゴは、アメリカ各地をまわって教師たちにカリキュラム作成の助言をしてきた。そこで出会った教師たちはイアーゴに、『マイ・アントニーア』や『大いなる遺産』のような長きにわたり敬愛されてきた名作文学を教えることをやめたと語ったそうだ。パンデミックにより対面授業からオンライン授業に移行したことも、文学離れを加速させることとなった。 3年生から8年生(中学2年生)を担当する約300人の教師を対象に
経産省のクールジャパン政策課と戦略デザインファームBIOTOPEが協働で実施したリサーチ『海外都市から見た日本ブランドの今と今後の可能性』が2024年5月に発表された。 本連載では同リサーチに参加した現地リサーチャーたちと共に、海外のそれぞれの都市で日本はどのように評価されているのか、さらに解像度を上げて考察していきたい。 今回はロンドンからの視点を、現地の情報に詳しいリサーチャーの田房夏波が紹介する。ロンドンで見えてきた「伝統とモダンカルチャーが共存する」日本のユニークさとは? 日本に「圧倒的にポジティブ」なイメージ 「日本に対してこれだけ良いイメージがすでに広がっているというのに、なぜそんな調査をする必要があるのか?」 経産省のクールジャパン政策課と取り組んだリサーチ「海外都市から見た日本ブランドの今と今後の可能性」に対する、ロンドンの友人たちの反応だ。 海外経験のある読者のなかには、
本を読んだ経験がない コロンビア大学教授のニコラス・デイムスは、1998年から名作文学を読む人文学講義を担当している。デイムスは仕事を愛しているが、状況は変わってしまったという。 この10年ほどで、学生たちが読書に疲れてしまう傾向が見られるようになった。もちろん大学生というものは、もともと課題図書のすべてを読んでくるわけではないが、今回は事情が違う。 現在デイムスが受け持っている学生たちは、一学期に複数の本を読まなければならないことに戸惑っている。デイムスの同僚たちも、同じ問題に直面していた。もはや名門大学の学生でさえ、大学で本を読むという認識がない。 2022年の秋学期、ある1年生がデイムスのオフィスアワーにやってきて、課題図書を読むのに苦労していると相談した。 コロンビア大の人文学部は、多くの課題図書を出す。ときにはきわめて分厚い超大作を一週間で読ませることもある。 しかし、この学生は
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