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大谷翔平
news.yahoo.co.jp/byline/kuriharakiyoshi
商標法には、「記述的商標」は登録できないという規定があります。 3条1項 自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる。(略) 三 その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(略)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標 (略) 要するに、商品や役務(サービス)を「そのまんま」記述した商標は登録できないということです。これは考えてみれば当たり前で「北海道産」「美味しい」「オレンジ100%」等の言葉を登録商標として特定の企業が独占して他社が使えないなんて状況はあり得ないですよね。 なお、記述的商標であっても、長年の使用
2月16日付けでアップルによる無効審判の審決取消訴訟の判決文が公開されていました。結果は請求棄却です。無効審判の対象である特許3852854号とは、かつてiPodに使用されていたハードウェア式のクリックホイールに関連する特許であり、2015年9月9日に確定した、アップルが3億円強の損害賠償金を個人発明家に支払うよう命じた侵害訴訟で使用されたものです。 正直、2020年12月にこの特許に対して(2回目の)無効審判が請求されていたことすら知りませんでした。侵害訴訟の判決が確定してからだいぶ時間が経っていますし、この特許も2018年1月6日に存続期間満了により権利消滅しているからです(なお、分割出願もすべて権利消滅または拒絶査定となっています)。 一事不再理の規定により、一度無効審判が確定した特許権について、同じ請求人が同じ理由・証拠に基づいて再度無効審判を請求することはできませんが、別の理由・
ツイッターアカウントの”商標審決”経由で知った異議申立の決定に特許庁の興味深い判断がありました。問題の商標は、”macrevive”(登録6468806号)、指定商品は「未記録のハードディスク」等、権利者は深川市海貝利科技有限公司という中国企業、登録日は2021年11月10日です。実際の使用例を調べると、MacBookの換装用SSDに使用されています。古いMacBookをSSDの容量増と高速化で生き返らせる(revive)というイメージを狙っているのだと思います。 当然予測されるように、この登録に対して米アップルが異議申立を請求していました。理由は、商標法4条1項15号(他社の商品との混同)です。意外にもアップルは9類ではMACを商標登録できておらず(もちろん、MACBOOK等では登録できています)、また、仮に登録されていても”MAC”と”macrevive”が類似するかは微妙なのでこうす
「トム ブラウン、スリーストライプスの商標を巡る訴訟でアディダスに勝訴」という記事を読みました。トムブラウン(Thom Browne)とはお笑い芸人ではなくニューヨーク発の高級ブランドです(靴下が2万円くらいするらしいです)。アディダスがこのトムブラウンに対して、有名なスリーストライプスの商標権の侵害訴訟を提起したが陪審員が侵害はないと評決したという話です(まだ一審なので今後どうなるかはわかりません)。 トムブラウンとアディダスは全然似てない(そもそも商品ジャンルが違う)とお考えの方もいると思いますが、訴状から引用したタイトル画像を見ると、トムブラウンがスポーツウェア分野にも進出し、4本線、あるいは、トリコロールの3本線を商標として使用し始めたことをアディダスが問題にしたわけです。気持ちはわからないことはないですが、それでも、この訴訟の陪審員と同様に、私個人としても商標権侵害とするのはちょ
商標法4条1項8号(他人の氏名等を含む商標はその他人の承諾がない限り登録しない)に関連して、有名人の氏名(本名)を含む商標登録について調べていたところ、ちょっと興味深い事例を見付けたので、本記事でご紹介します(4条1項8号に関する記事は別途書きます)。 問題の商標は「棋士・藤井聡太の将棋トレーニング」(登録6286656号)と「棋士・藤井聡太の将トレ」(登録6286657号)です。出願人は公益社団法人日本将棋連盟なので、勝手出願ではなく、藤井聡太棋士の承諾のもとに出願されているのは明らかですが、特許庁の審査としては、規定どおりに、他人(藤井聡太棋士)の承諾を示す書類を提出せよとの拒絶理由通知が出されています。この拒絶理由通知に以下のような補足が書かれていました。 【補足】 承諾書を提出する場合に、承諾者の住所は、居所の記載でも認められます。 特許庁に提出した出願関連書類は、原則誰でも閲覧可
昨年の5月に「”童貞を殺すセーター”は商標登録され得るか」という記事を書きました。セクシーなセーターを表わすネットミームとして定着している言葉をある企業が商標登録出願したという話です。 先日チェックしたら、上記記事での予測どおり、昨年の12月23日付けで商標法3条1項6号(需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標)を根拠に拒絶理由通知が出ていました(まだ出願人からの応答はありません)。記事中では審査官へのヒントとして情報提供(刊行物等提出)を行うこともできると書きましたが、そうするまでもなく、審査官は拒絶理由を出したことになります。一般論ですが、3条1項6号への反論は、「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識している」ことを立証しなければいけないのでよほど周知商標化していない限り困難です。 拒絶理由通知には以下のように淡々と書かれています
個人的には「メタバース」の話題を聞いても以前ほどときめかなくなってしまいました。現在のフォームファクターのHMDが必要とされる限り、キャズムは越えないのではと思ったりもします。とは言え、VTuberのように仮想空間の中で現実世界とは違う自分を表現する行為が広がりつつある中、長い目で見れば「メタバース的」なトレンドは続いていくものとも思います。 さて、昨年の12月にJASRACが「メタバースでの音楽利用について」というリリースを出しています。メタバースで行うバーチャルライブなどでの音楽利用についての問い合わせが増えていることに応えたとのことです。 基本的な考え方としては、「メタバース」だから何か特別な要素があるというわけではなく、通常のネット上でのストリーミング配信における音楽利用と同じであり、それに準じた著作権許諾の処理と利用料金の支払いが必要ということになります。 JASRACのリリース
「”海賊版”賠償額の上乗せを 著作権法改正案、来年提出へ 文化審」、「著作権侵害の賠償額上乗せ 文化審報告素案、法改正へ」というニュースがありました。いずれも「漫画村」等に代表される大規模な著作権侵害において、侵害者のやり得(損害賠償金を払っても儲けが出ている状態)を避けるために、著作権法の損害賠償の算定規定を改正する予定であるというお話です。 上記記事だけだと具体的な内容はよくわかりませんが、文化庁のサイトに載っている元資料の17ページ目から23ページ目に書かれています。 現在の著作権法における損害額の算定規定(114条)は大雑把に言うと以下のようになっています。 1項:個数×本来なら権利者が得られていた利益(ただし、権利者の販売能力の範囲内) 2項:侵害者が得ている利益(推定) 3項:個数×ライセンス料相当額 これを、1項と3項を併せて請求できるようにする(今までは併せて請求できるかど
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