マルチエージェントシミュレーション(よくMASと略されます)とは人間のように内部状態や行動ルールを持ち、自律的に意思決定を行う「エージェント」と呼ばれるオブジェクトを多数用いて仮想的な社会を作り、それらを用いて現実の様々な事象をモデル化しようというものです。タイトルにもあるように**「人工社会シミュレーション」**と呼ばれることもあります。 MASがどういう現象の分析で力を発揮するかというと、 注目している現象が複雑で簡単な微分方程式ではシステムの振る舞いを上手く説明できない時 => 金融市場でのディーラーの振る舞い、Twitter上でのリツイートの伝播など 人々の意思決定に社会ジレンマが存在する時 => 自分の利益だけ考えるとA戦略が良いけど社会全体のためにはB戦略をとるのが良いみたいな ネットワークで結ばれたもの(人・車・微生物など)同士が相互作用し合う時 => 噂の広めあい、インフル