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商品価格が多様化する100円ショップと、継続のセリア 「私たちの世界に価格競争はない」 10年くらい前、テレビ番組の取材で多くの100円ショップ企業に出向いた。そのときに衝撃を受けた言葉がこれだった。つまり各社は商品を100円にしているから、価格はカルテルのように固定している。あとは、その100円のなかでいかにお客に選んでもらえるか、付加価値の勝負をしているのだ、と。 面白いと思った。たとえば自動車の価格が100万円で固定されて各社が争うことはありえない。100円ショップのくくりは独特で、100円を前提にして高品質・魅力ある商品を作ればいいのだ、と。 そこから幾星霜。現在では、100円ショップといっても、200円、300円、1000円のものも取り扱っている。商品の幅が増え、だいぶプライベートブランド商品が多数を占めるようになった。ダイソーはたとえば「100円の商品も置いているバラエティショ
サンフランシスコとソーシャルメディア企業X(旧ツイッター)との長期にわたる関係はほぼ終わったが、市の当局者らはまったく悲嘆していない。 イーロン・マスクは今後数週間で、ダウンタウンの荒れた地区にあるXの本社を閉鎖し、残った従業員をサンフランシスコより南にあるパロアルトとサンノゼ(いずれもカリフォルニア州)のオフィスに移す予定だ。新本社はテキサス州に設置されることになっている。 「出ていってくれてせいせいした」 しかし、市の当局者らはXの撤退を嘆いてはいない。Xは、10年以上前にサンフランシスコが減税措置で誘致した頃のツイッターとは似ても似つかないものになっているからだ。 サンフランシスコは、市役所近くの廃れたミッドマーケット地域の新興テック・ハブを支えるために同社を誘致したが、新型コロナウイルスのパンデミック、およびマスクによる2022年のツイッター買収とそれに続く人員削減によって本社はゴ
「エスプール・ショック」という出来事をご存じだろうか。 2023年1月9日、業者が企業に農園を貸し出し、そこで障害者を働かせるスキームを「雇用代行ビジネス」と共同通信社が報道。翌10日、「1日の大半が休憩時間だった」などと就労実態を否定する関係者の証言が、全国の地方紙に広く掲載された。 一定数以上の従業員を有する事業者には、法律で定められた割合の障害者を雇う義務がある。これを形式上満たすため、「金を払って雇用を丸投げしている」との批判が報道を契機に噴出した。記事中で社名を挙げられた障害者雇用支援大手、エスプールは「当事者の声がほとんど反映されておらず、当社事業の実態から大きく乖離した内容」との抗議声明を発表したが、株価は一時ストップ安にまで暴落した。 さらに同年4月、実態把握に乗り出していた厚生労働省が調査結果を公表。障害者向けの農園とサテライトオフィスが合わせて全国125カ所にあること、
8月30日、兵庫県の斎藤元彦知事が、県議会の百条委員会に出席して、職員へのパワーハラスメント疑惑について意見を述べました。 「記憶にない」「気分を害したならお詫びしたい」「反省している」 こうした発言を淡々と述べていたかのように見えた知事ですが、「微表情(※)」を分析すると、さまざまな感情の起伏が生じ、言葉と気持ちが一致していない様子がわかります。 (※抑制された「真の感情」がフラッシュのように一瞬で顔に表れて消え去る表情のこと。その多くは0.2秒以内の出来事で、通常の会話では80~90%が見落とされてしまう) 知事の見解の核は、明示的な発言からは、パワハラは認めない、職員からのパワハラ疑惑の声が上げられていることでも、記憶にないことがある。そして、「気分を害したならお詫びしたい」。こうした気持ちにとどまることがわかります。 微表情を含む非言語情報からは、自身の合理性には正当性があり、反省
9月27日の自民党総裁選挙で選出された新総裁が、岸田文雄首相の後を襲う新首相となる見込みである。 岸田内閣の約3年間では、税制改革の議論が具体的には進まなかった。 2023年6月には、首相の諮問機関である政府税制調査会が「わが国税制の現状と課題―令和時代の構造変化と税制のあり方―」と題した中期答申を取りまとめ、岸田首相に手交した。その中で、税制全般を再点検し、経済社会情勢の変化を受けてさまざまな社会的課題に対応できる今後の「あるべき税制」について議論を喚起した。 増税は「超高所得層のみ」だった岸田政権 岸田首相は、自民党総裁に就任する前の総裁選挙に立候補した際、「1億円の壁」(年収1億円を超える高所得層では、所得が高くなるほど税負担率が下がる現象)の是正を訴えていた。 確かに、その是正策として、約30億円以上の高所得者に対して追加的な所得税負担を求める「極めて高い水準の所得に対する負担の適
「史上最大の下げ」でスタートした8月が終わった。日経平均株価を引け値ベースで見ると、7月末が3万9101円、8月末が3万8647円(大阪取引所のミニ先物は3万9050円)だから、「往ってこい」の8月だった。 ひと言で言えば、急落に慌てたファンドや信用取引の追証に迫られた個人投資家が底値で売り、余裕のある個人投資家や企業の自己株買いが底値を拾った出来事が、月のスタート時点で起こっただけだったということになる。波乱の原因は今まで本欄でも書いてきたので、ここでは繰り返さない。 9月は投資家にとって「最悪」? さて、商品相場では荒れるといわれる「2日新甫」(市場の月のスタートが2日のこと)の9月が始まる。2日の取引が荒れるかどうかはわからない。だが、日経平均の1年間の月間騰落率をみると9月は12カ月の中で最悪だ。これは9月が、3月期本決算の多い日本企業が第2四半期末(中間決算)をまとめる月であり、
ひと昔前までは、クレジットカードによる決済といえば、一定の金額以上の取引が対象だったが、タッチ決済の導入で最近は少額の買い物でもタッチ決済という例が増えている。 全国の交通事業者の間でもタッチ決済が急速に普及している。利用者が行う一連の動作はSuica(スイカ)やPASMO(パスモ)などの交通系ICカードと変わらない。前登録もチャージも必要ない。タッチ決済に対応したクレジットカード、デビットカードや同カードが設定されたスマートフォンなどを改札機の専用読み取り機にかざすだけで乗車が可能となる。 改札を出る際はカードを読み取り機にかざすと瞬時に移動距離に応じた運賃が支払われる、いわゆる「後払い乗車サービス」である。 「インバウンド向け」として普及 国内では国際カード首位のVisa(ビザ)が普及に力を入れていることもあり、「ビザタッチ」と呼ばれることもあったが、現在はVisaだけでなくJCBなど
2024年は東武東上線が開業してから110周年だという。東上線は、東武鉄道とは別会社の東上鉄道として開業したことから、伊勢崎線など東武鉄道の本線系とは路線上の接点をもたず、越生線とともに独立した運転系統となっている。 東武鉄道には、かつてこのような他系統と完全に独立した路線がもう1つあった。東武熊谷線(妻沼線)である。熊谷線は、JR高崎線、上越新幹線、秩父鉄道が乗り入れる熊谷駅から北上し、利根川南岸の旧・妻沼町(2005年に熊谷市と合併)までの約10.1kmを結ぶ非電化路線で、「カメ号」の愛称で親しまれたディーゼルカーが活躍していた。 今回は、この熊谷線の歴史を振り返りながら廃線跡を歩くとともに、以前から浮上していた、熊谷線の廃線跡等を活用する「埼群軌道新線」構想のその後についてもお伝えする。 軍の命令で戦時中に建設 熊谷線はもともと、太平洋戦争中、現在の群馬県太田市にあった中島飛行機(現
アップルが2007年に初代iPhoneを発表して以来、スマートフォン業界は目覚ましい進化を遂げてきた。その中心にあり続けた同社だが、近年、革新的な歩みに変化の兆しが見え始めた。 「時が満ちる」をテーマに日本の日時で9月10日に開催予定とされるiPhone 16/16 Pro発表(がほぼ確実視されている)イベントは、単なる新製品発表の場を超え、スマートフォン産業全体の転換点となる可能性を秘めている。 iPhoneの市場ポジション アップルは長年にわたり、高性能カメラシステム、AI推論処理の高度な活用、衛星通信機能の統合、厳格な個人データ保護など、多岐にわたる技術革新を追求してきた。同時にApple WatchやAirPodsといった周辺機器とのシームレスな連携を通じ、iPhoneを中核とする強固なエコシステムの構築に注力。iOSと自社設計半導体チップを計画的に進化させることにより、完成度の高
東洋経済オンラインでは、貸借対照表で開示される土地の保有額を集計、土地持ち企業トップ300社のランキングを作成した。ランキングには1年前からの増減額も併載している。企業にとって土地は重要な資産であり、いかに活用していくかが企業戦略のうえでも重要だ。 ランキングトップは住友不動産で3兆1486億円の土地を保有している。前年から911億円増加しており、他の企業を引き離した。開発物件は原則として自社保有し賃貸として貸し出す戦略で、土地保有額を順調に増やしている。 続いて三菱地所が2兆4034億円で2位。前年からは679億円の増加だ。丸の内エリアを中心としたオフィスビルの開発などが順調に進んでいることがうかがえる。 東海旅客鉄道(JR東海)と東日本旅客鉄道(JR東日本)は、ともに土地持ち企業の常連。JR東海は2兆3672億円で前年から6億円の減少となった一方、JR東日本は2兆2321億円で462億
世界最大の鉄道メーカーである中国中車(CRRC)の子会社、CRRC大同は2024年7月、ベラルーシ鉄道から受注していた15両の交流電気機関車BKG2型の納入延期を発表した。 この機関車はCRRCとフランスのアルストムによる共同開発で、変圧器や主電動機、コンバーター、制御装置、診断・監視システムなどの電子機器などはフランス製品を採用している。ウクライナ戦争において親ロシアの立場を取るベラルーシは、EUおよびアメリカの経済制裁の対象となっており、同国に対して西側諸国で生産した部品の供給を停止するという決定が下されたことが納入延期の理由だ。 「世界最大」でも欧州進出は難航 BKG2型電気機関車は、2021年12月にベラルーシ鉄道が中国電気輸出入公司およびCRRC大同との間で、総額6430万ユーロ(約103億6000万円)で契約を締結しており、契約を補助するために中国輸出入銀行が融資を行っている。
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