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金を貸すのは人柄重視、江戸時代の信用調査書
編書『三井大坂両替店の顧客信用情報:享保一七年から明治二年まで』にある信用調査書の表紙(撮影:梅... 編書『三井大坂両替店の顧客信用情報:享保一七年から明治二年まで』にある信用調査書の表紙(撮影:梅谷秀司) 萬代 悠(まんだい・ゆう)/法政大学経済学部准教授。1987年大阪府生まれ。2015年関西学院大学大学院文学研究科博士課程後期課程文化歴史学専攻日本史学領域単位取得退学、16年博士(歴史学)。18年から公益財団法人三井文庫研究員。24年から現職。著書に『近世畿内の豪農経営と藩政』。 三井大坂両替店とは、江戸時代に商人向けの金貸し業を営んでいた、銀行の先駆けだ。貸すうえでは経営状態や担保は元より、品行や人柄まで信用調査を徹底していた。「愛人を多数抱える」「親類に説教された相場師」「遊所で放蕩」……。これらは典型的な不品行者だが、なぜ多くの人が借りにきたのか。どんな人なら貸したのか。138年間3825人分の信用調査書を核に、幕府とも密接に関わる金融のありようを描いた。