「マッカーサーだか何だか知らねえけどさァ、ホントに道路をつくる気みたいだヨ。ここんところ、あちこちで家を壊しているもんな。ウチもいつまで店開けていられるかわかんねえヨ、まったく」 馴染みのモツ焼き屋のオヤジさんが、備長炭の煙を手で払いながらぼやいた。 そういえば最近、新橋4丁目辺りの路地を歩くと、目に見えて空き地が増えているのがわかる。以前はすぐにコインパーキングとなっていたが、いまは立入禁止区域として金網で囲い、虎の門方面に向かって虫食い状になっているのだ。囲いの中にはどこも「再開発事業用地」の看板が立てられている。 オヤジさんのいう「マッカーサー道路」とは、正式には「都道環状第2号線」という。新橋4丁目の第一京浜から柳通り、赤レンガ通り、日比谷通り、愛宕通り、桜田通りを横切り、虎の門病院、JTビルをかすめて外堀通りへと続く約1.35kmの道路である。 なぜ古めかしい「マッカー