いつからかは、忘れたがウイスキーが飲める男になっていた。 若い時、カルーアミルク一杯で嘔吐を繰り返して男が、ウイスキーを嗜める大人になったのだ。 当時の僕からしたら信じられないことであるが、現にウイスキーの複雑な香りは僕を魅了している。まだまだ、若造であり、お金もあまりないので、18年もののスコッチやジャパニーズウイスキーの代表格である山崎などはめったに飲めないが、たまに飲む機会があった時は幸せそのものである。 初めてウイスキーに出会ったのは、社長の秘書をやっていた時だった。 お偉いさんの会合にお供する機会が多々あり(酒の席は遠慮せず、無礼講で酒を楽しんでいた=秘書失格である)、ある会合の2次会で初めて(銘柄は忘れたが)超高級なウイスキーを飲んで、香りと口に含んだ時のなんともいえない甘さに感動を覚えてから、ウイスキーの虜になった。秘書部門から違う部署に異動した時に思ったことは「あー、残念、